J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

マイロン・ブルーム&ロバート・ジョンソン(1964)
CD(SONY SICC1212−4)3枚組

バッハ/作品集
1.管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066
2.   〃   第2番ヘ長調BWV1067
3.   〃   第3番ト長調BWV1068
4.   〃   第4番ト長調BWV1069
5.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
6.     〃          第2番ヘ長調BWV1047
7.     〃          第3番ト長調BWV1048
8.      〃         第4番ト長調BWV1049
9.     〃        第5番ニ長調BWV1050
10.     〃       第6番変ロ長調BWV1051

 アレクサンダー・シュナイダー(ヴァイオリン)
                 (5、6、8&9)
 オルヌルフ・グルブランセン(フルート)(2、6、8&9)
 マイロン・ブルーム(ホルン)(5)
 ロバート・ジョンソン(ホルン)(5)
 ジョン・マック(オーボエ)(5&6)
 ロナルド・リチャーズ(オーボエ)(5)
 ピーター・クライスト(オーボエ)(5)
 ドナルド・マックコート(ファゴット)(5)
 ロバート・ナーゲル(トランペット)(6)
 ナンシー・ダレイ(フルート)(8)
 ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)(5、7、8&9)
 ピーター・ゼルキン(チェンバロ)(6、7&10)
 レスリー・パーナス(チェロ)(6)
 パブロ・カザルス指揮
  マールボロ音楽祭管弦楽団
  録音 1966年7月(1〜4)
      1964年7月6〜12日(5、7〜10)
      1965年7月15日(6)

 パブロ・カザルス指揮マールボロ音楽祭管弦楽団によるバッハの管弦楽組曲とブランデンブルク協奏曲の全曲アルバムです。
 管弦楽組曲第1番ハ長調は序曲と6つの舞曲による組曲です。大きな序曲と短い舞曲が演奏されます。管楽器は2本のオーボエとファゴットが使われています。第2曲「クーラント」、第3曲「ガヴォット」、第4曲「フォルラーヌ」、第5曲「メヌエット」、第6曲「ブーレ」、第7曲「パスピエ」となっていて、「ガヴォット」では2本のオーボエのソロ、「パスピエ」ではオーボエのソロがあります
 管弦楽組曲第2番はフルート、弦楽と通奏低音のための作品で、バッハの代表的な作品のひとつです。い序曲からフルートのソロが入って華やかな響きです。ポロネースの楽しい響き、バディネリの素晴らしい演奏などこの曲は名曲です。
 管弦楽組曲第3番はトランペットやティンパニが入って賑やかになります。序曲の素晴らしい響きは見事です。第2曲「アリア」は弦楽のみで「G線上のアリア」としても有名です。これもバッハの代表的な作品のひとつです。
 管弦楽組曲第4番もトランペットやティンパニが入って賑やかになりますが、第2曲「ブーレ」はオーボエの美しい響きが印象的で、きれいな演奏です。「ガヴォット」や「メヌエット」も素晴らしい演奏です。カザルスの指揮が見えるようです。

 ブランデンブルク協奏曲第1番ではホルンにマイロン・ブルームとロバート・ジョンソンを起用しています。カザルスのバッハは美しい響きを大切に歌い上げています。第1楽章のオーボエとホルンはきれいです。シュナイダーのヴァイオリンもよい響きです。第2楽章はオーボエのソロとヴァイオリンが素晴らしい演奏です。なお、ここではピアノによる通奏低音が入ります。第3楽章のホルンは快適なテンポで、その響きが素晴らしいです。第4楽章のメヌエットはゆったりとしたテンポの演奏です。第1トリオのオーボエとファゴットは遅めのテンポですが響きが素晴らしいです。中間部のポロネーズは速いテンポで演奏しています。第2トリオのホルンとオーボエの部分は程よいテンポで演奏しています。ブルームとジョンソンのホルンは楽しそうに吹いています。メヌエットに戻るとゆったりとしたテンポで終わります。
 ブランデンブルク協奏曲第2番はナーゲルのピッコロ・トランペットが明るく響きます。オーボエとフルートがまたきれいです。トランペットのきれいな響きは素晴らしいものです。第2楽章はオーボエ、フルート、ヴァイオリンが大変きれいでした。第3楽章はトランペットの明るい響きがきれいです。そしてフルート、オーボエとバランスの良い演奏になっています。
 ブランデンブルク協奏曲第3番は第1楽章から弦楽合奏に厚みのある素晴らしい響きです。第2楽章のアダージョは弦楽のみの短いものです。第3楽章の勢いのある演奏は素晴らしいです。カザルスの指揮に力が入っています。
 ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のフルートが華やかです。グルブランセンらのフルートは大変よい響きで、シュナイダーのヴァイオリンもまたきれいな響きで見事です。第2楽章のアンダンテは奥深さい響きが素晴らしい。第3楽章冒頭の弦楽の響きも絶品、2本のフルートもよい響きです。
 ブランデンブルク協奏曲第5番ではチェンバロではなく、ゼルキンのピアノが入ります。グルブランセンのフルート、シュナイダーのヴァイオリンと共に華麗な演奏になりました。この作品はピアノの演奏は少ないですが、大変良い響きになりました。カデンツァもゼルキンの素晴らしいピアノが聴かれます。第2楽章、第3楽章も素晴らしい演奏です。
 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、チェロ、コントラバスとチェンバロで演奏しています。チェロのパート分けでガンバのパートは弾いています。チェロの美しい響きがあります。チェロ奏者カザルスの引き出すバッハの音楽はやはり見事です。第1楽章から勢いがあります。第2楽章も中低音の弦楽器の美しい響きがあります。第3楽章も見事なアンサンブルです。これは素晴らしい演奏です。


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