シューベルト/八重奏曲

ブルーノ・シュナイダー(2018)
CD(MIRARE MIR438 KKC-6230)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
  〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
   コントラバス、クラリネット、ホルンと
  ファゴットのための

 モディリアーニ弦楽四重奏団
 アムリ・コエイトー(ヴァイオリン)
 ロイック・リョー(ヴァイオイン)
 ローラン・マルフェング(ヴィオラ)
 フランソワ・キエフェル(チェロ)
 ザビーネ・マイヤー(クラリネット)
 ブルーノ・シュナイダー(ホルン)
 ダグ・イェンセン(ファゴット)
 クヌート・エリック・サンドクイスト(コントラバス)
  録音 2018年9月

 モディリアーニ弦楽四重奏団が中心となって、クラリネットの名手ザビーネ・マイヤーとホルンの名手ブルーノ・シュナイダーが参加したシューベルトの八重奏曲です。シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから良い響きを出しています。ホルンとクラリネットが良い響きを出しています。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。コエイトーのヴァイオリンとマイヤーのクラリネットが良い響きで主題を歌います。続くシュナイダーのホルンは明るく美しい音色で演奏しています。大変良い響きです。展開部は弦楽が密度の濃い演奏をしています。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながら、最後はホルンのソロが高らかに歌われて終わります。
 第2楽章:アダージョはマイヤーのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。重なるヴァイオリンの響きもまた美しいです。中間部ではホルンのソロが歌われますが、ヴァイオリンとの対話が大変きれいです。後半も緻密なアンサンブルが聴かれます。ファゴットのやわらかな響きも素晴らしいです。コーダのコントラバスのピツィカートは大変良い響きです。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。マイヤーのクラリネット、シュナイダーのホルンが良い響きを出しています。クラリネットとファゴットのデュオも大変よい響きを出しています。トリオの演奏もきれいな響きで、楽しいスケルツォです。ホルンの高音がよく響きます。
 第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンが良い響きで演奏しています。第1変奏はヴァイオリンとクラリネットが歌います。後半のファゴットとホルンの絡みもきれいです。第2変奏は勢いもあって良い響きを出しています。第3変奏はシュナイダーのホルンが大変よい響きです。ファゴットとヴァイオリンもきれいに響きます。後半のホルンは素晴らしい響きです。続くチェロの第4変奏もまた良い響きを出しています。クラリネットも良い響きです。第5変奏は勢いがあります。ヴィオラがよく響きます。第6変奏は穏やかにクラリネットと弦楽が素晴らしい響きを奏でます。第7変奏は速めのテンポで管楽器の響きが素晴らしい。弦楽の響きも素晴らしいです。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。ファゴットの響きがここでも素晴らしいです。
 第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な響きの前奏は緊張感のある演奏です。続くアレグロは見事な演奏です。クラリネットの細かいフレーズの演奏は素晴らしいです。ホルンもきれいに響きます。まさに小さなオーケストラのようで素晴らしいアンサンブルです。
演奏時間61分32秒。


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