ベートーヴェン/七重奏曲
管楽六重奏版/アンネケ・スコット&ケイト・ゴールドスミス(2019) |
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CD(resonus RES10249)
ベートーヴェン/室内楽作品集
1.七重奏曲変ホ長調 Op.20
(カール・ツェルニー編曲:管楽六重奏版)
2.六重奏曲変ホ長調 Op.71
ボックスウッド&ブラス
エミリー・ワージントン(クラリネット)
フィオナ・ミッチェル(クラリネット)
アンネケ・スコット(ナチュラルホルン)
ケイト・ゴールドスミス(ナチュラルホルン)
ロバート・パーチヴァル(ファゴット)
功刀 貴子(ファゴット)
録音2019年1月31日〜2月2日
イギリスのアンサンブル「ボックスウッド&ブラス」によるベートーヴェンの管楽アンサンブルです。
七重奏曲変ホ長調はベートーヴェンの室内楽作品の代表的な作品ですが、弦楽器の入らない管楽六重奏への編曲はカール・ツェルニーによります。なお、ツェルニーはベートーヴェンの弟子で、編曲はベートーヴェンが依頼したものです。2本のクラリネット、2本のホルン、2本のファゴットによる六重奏です。原曲の七重奏曲はヴァイオリンとクラリネットが主導する曲ですがこの編曲ではクラリネットが主導権を握ります。オリジナルの管楽器の主題はそのまま聞こえます。ホルンが2本になります。スコットとゴールドスミスのナチュラルホルンによる演奏です。ホルンのストップ音が時々少し聞こえにくいのでもったいないのですが、休みなく続く演奏になります。クラリネットは大活躍になります。第2楽章のアダージョ・カンタービレはクラリネットのソロに始まるのは同じです。やはりベートーヴェンの音楽はいいものです。中間部にホルンのソロがあります。ナチュラルホルンの太い響きです。これも味のある演奏です。第3楽章のメヌエットは明るい響きの楽しそうな演奏です。クラリネットとホルンの巧みな演奏は聴きものです。第4楽章の主題と変奏はアレンジの面白さがあります。弦楽のパートをすべて管楽器が演奏しますので聴きなれない音もありますが、これも面白いです。ホルンのソロもクラリネットに押され気味ですが、それでも存在感はあります。第5楽章のスケルツォはホルンで始まるのは同じです。トリオのホルン・ソロはよく響きます。第6楽章は序奏の良い響き、主部ではスコットのホルンが大きく響きます。管楽六重奏による七重奏曲もいいものです。
六重奏曲Op71はベートーヴェンのオリジナル作品です。4つの楽章で構成されます。第1楽章「アダージョ〜アレグロ」はその素晴らしい響きと演奏のうまさに耳をうばわれてしまいそうです。ベートーヴェンの作品の魅力があります。オリジナルの響きはやはりいいものです。第2楽章「アダージョ」はファゴットが歌うという独特の響きが魅力です。柔らかな響きが素晴らしいです。第3楽章「メヌエット」は楽しいメヌエットです。ホルンが楽しそうに歌っています。それぞれの楽器が楽しそうなアンサンブルになっています。第4楽章「ロンド、アレグロ」はホルン、クラリネット、ファゴットが細やかなフレーズを楽しそうに演奏しています。これは素晴らしいアンサンブルです。ナチュラルホルンの独特の響きも楽しめます。 |
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