その他のホルン作品2

マドセン、プラッゲ/ホルン・ソナタ集/ケイティ・ジョンソン(2018)

CD(SUMMIT DCD767)

北欧とアメリカのホルン作品集
1.マドセン/ホルン・ソナタOp24
2.プラッゲ/ホルン・ソナタ第1番Op39
     「21世紀のためのリタニア」(1987)
3.プラッゲ/ホルン・ソナタ第3番Op88
4.クリアフィールド/狼の歌
     1)狼の夜
     2)ラ・ロバ

  ケイティ・ジョンソン(ホルン)
  キルスティン・イフデ(ピアノ)
   録音 2018年7月23〜27日

 ケイティ・ジョンソンはアメリカのホルン奏者。テネシー大学でホルンの助教授をつとめています。ノルウェーのホルン奏者フロイディス・リー・ヴェクレのために書かれた作品を録音しました。
 トリグヴェ・マドセンの「ホルン・ソナタ」」は1978年にフロイディス・リー・ヴェクレのために書かれました。3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ」は親しみやすい主題が冒頭から聴かれます。ホルンとピアノのぶつかりあいのような作品です。ピアノパートの劇的な表現は見事な演奏です。ホルンの主題の美しさもまた格別で素晴らしい作品です。第2楽章「クアジ・メヌエット」は抒情的な主題がホルンで歌われます。なんともいえない美しさがあります。第3楽章:モデラートのピアノは歌曲のようです。ホルンのカンタービレは美しい響きです。「エ・ポコ・ルバート」からはまた雰囲気が変わります。後半ではミュートを使います。ジョンソンのホルンは名演です。
 ウォルフガング・プラッゲの「ホルン・ソナタ第1番」は「21世紀のためのリタニア」の副題があります。1989年にフロイディス・リー・ヴェクレのために書かれています。第1楽章「分裂した世界を嘆いて」は嘆くように哀愁的な主題がホルンで歌われます。第2楽章「聖なる儀式、聖職者」はピアノの神秘的な響きに始まります。そしてホルンによって抒情的な主題が演奏されます。そして力強く演奏されてクライマックスになります。
 プラッゲの「ホルン・ソナタ第2番」は1995年にフロイディス・リー・ヴェクレのために書かれています。3つの楽章で構成されています。第1楽章「トランクウィロ(静かに)」は穏やかに美しい主題がホルンで歌われます。後半には細やかな主題が歌われます。第2楽章「シチリアーノ」はシチリア風の美しい主題が演奏されています。穏やかな楽章です。第3楽章「Determinato(決定論)」は華やかに主題が歌われています。
 アンドレア・クリアフィールドの「狼の歌」も1994年にヴェクレのために書かれています。第1曲「狼の夜」はまさに狼の遠吠えのようにホルンが主題を演奏しています。第2曲「ラ・ロバ」は狼と走る女たちを表現したものです。高音から低音まで自在に演奏しています。その中にも狼の遠吠えのようなフレーズは聞かれます。これは名演です。


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