ヤナーチェクのホルン作品

組曲「青春」/マイケル・トンプソン(1995)
CD(NAXOS 8.553851)

20世紀管楽五重奏曲集
1.ヒンデミット/小室内音楽Op24−2
2.バーバー/夏の音楽Op31
3.ラーション/ディヴェルティメント「4つのテンポ」
.ヤナーチェク/組曲「青春」

 マイケル・トンプソン管楽五重奏団
 ジョナサン・スノーデン(フルート)
 デレク・ウィッケンズ(オーボエ)
 ロバート・ヒル(クラリネット)
 ジョン・プライス(ファゴット)
 マイケル・トンプソン(ホルン)
 マイケル・ハリス(バス・クラリネット)(4)
  録音 1995年11月20〜22日(1〜3)
      1995年11月28日(4)

 マイケル・トンプソン管楽五重奏団による20世紀の管楽五重奏曲集です。
 ヒンデミットの「小室内音楽Op24−2」はは1922年に木管五重奏のために書かれた作品。5つの楽章で構成されています。第1楽章は速いテンポで演奏されています。第2楽章はやや速めのテンポのワルツになります。これは楽しそうに聞こえます。第3楽章は穏やかなテンポで良い響きを出しています。第4楽章は速いテンポで木管が歌い、ホルンが朗々と響くところは聴きものです。アタッカで入る第5楽章はファゴットの重厚な響きが際立つ演奏で素晴らしいアンサンブルです。
 バーバーの「夏の音楽」は1953年の作品。アメリカの管楽作品の名作です。アメリカの夏を表現したようで中間にオーボエが歌う夏の気だるさのようなメロディが印象的です。
 ラーションのディヴェルティメント「4つのテンポ」は1968年の作品。4つの楽章で構成され「4つのテンポ」というのは4つのテンポで4つの季節を表現しているそうです。「夏、秋、冬、春」の順になりますが、第1楽章「トランクウィロ」では小鳥のさえずりが聞こえます。第2楽章「アジタート」は秋のようでハイスピードの短いスケルツォです。第3楽章「ソステヌート」は冬で緩やかなテンポで始まり、木管に続いてホルンのきれいなメロディが流れます。アタッカで続く第4楽章「ジョコーソ」は春の季節で小鳥の鳴き声が木管で賑やかに聞こえます。
 ヤナーチェクの組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。トンプソンの吹くホルンは明るく力強いです。大変素晴らしい響きです。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンやファゴットも大変きれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやフルートの元気な姿をホルンやファゴットが追いかけます。フィナーレの「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。ホルンの明るい響きがきれいです。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。これは素晴らしい演奏です。


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