ニールセンのホルン作品

五重奏曲/ニール・サンダース(1967)
CD(EMI 7243 5 65304 2 3)

メロス・アンサンブル/室内楽作品集
1. ニールセン/木管五重奏曲イ長調Op43
2.ヤナーチェク/組曲「青春」
3.   〃   /霧の中で
4.   〃  /コンチェルティーノ

 リチャード・アドニー(フルート)(1、2)
 ピーター・グリーム(オーボエ&コーラングレ)(1、2)
 ジェルヴァーズ・ド・ペイエ(クラリネット)(1、2&4)
 ニール・サンダース(ホルン)(1、2&4)
 ウィリアム・ウォーターハウス(バスーン)(1、2&4)
 スティーヴン・トリアー(バス・クラリネット)(2)
 ラマー・クローソン(ピアノ) (3&4)
 エマヌエル・ハーウィッツ(ヴァイオリン)(4)
 アイヴァー・マクマホン(ヴァイオリン)(4)
 セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)(4)
 録音 1967年12月(1)
     1966年12月&1967年2月(2)
     1966年12月(3&4)

 メロス・アンサンブルによるニールセンとヤナーチェクの室内楽作品です。
 カール・ニールセン(1865〜1931)の管楽五重奏曲は3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・ベン・モデラート」はホルンの哀愁的な主題が冒頭から歌われます。木管の華麗な響きとホルンの深い響きが北欧の音楽らしいです。この作品は大変雄大さを感じさせるもので、小さなシンフォニーのようです。木管のユニゾーンの美しさが素晴らしいです。第2楽章「メヌエット」は楽しそうに演奏しています。フルートやホルンが良い響きを出しています。第3楽章はアダージョに続いて主題と11の変奏になります。木管の鮮やかな演奏も素晴らしく、ホルンの変奏は独奏ホルンが華やかです。大変よいアンサンブルです。絶賛したいです。
 ヤナーチェク(1854〜1928)の組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。サンダースの吹くホルンは明るく力強いです。大変素晴らしい響きです。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンやファゴットも大変きれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやピッコロ、フルートの元気な姿をホルンやファゴットが追いかけます。第4楽章の「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。ホルンの明るい響きがきれいです。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。演奏も楽しそうです。
 ヤナーチェクのピアノ作品「霧の中で」は第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「モルト・アダージョ」、第3楽章「アンダンティーノ」、第4楽章「プレスト」となっています。クローソンのピアノは大変素晴らしい響きです。第4楽章では霧のかかった情景に日が差したような雰囲気も感じさせる見事な演奏です。
 ヤナーチェクの「コンチェルティーノ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品です。4つの楽章で構成されていて全員の演奏は第3、第4楽章だけです。第1楽章の「モデラート」はホルンとピアノで演奏されます。単調な主題と動きのある主題があります。サンダースののホルンは明るい響きで大変きれいな演奏です。ホールによく響いています。ピアノのクローソンの演奏もよい響きです。第2楽章の「ピュー・モッソ」はクラリネットとピアノのデュオです。ド・ペイエのクラリネットが華やかで忙しく歌います。ピアノも大変素晴らしい響きです。ホールによく響きます。第3楽章の「コン・モト」は全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンはほとんど和音になります。第4楽章の「アレグロ」も全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ホルンのフレーズも聞こえます。ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつです。


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