フェルスター/ホルン協奏曲集
ホルン協奏曲第1番変ホ長調/アレック・フランク=ゲミル(2017) |
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CD(BIS BIS−2315)
モーツァルト以前のホルン協奏曲集
1.フェルスター/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.テレマン/ホルン協奏曲ニ長調 TWV51:D8
3.ネルーダ/ホルン協奏曲変ホ長調
4.L・モーツァルト/室内シンフォニア ニ長調
5.ハイドン/ホルン協奏曲第1番ニ長調 Hob.VIId:3
アレック・フランク=ゲミル(ホルン)
ニコラス・マギーガン(指揮
スウェーデン室内管弦楽団
録音 2017年2月
モーツァルト以前のホルン協奏曲集というタイトルのアルバムです。いずれもよく知られた作品です。
クリストフ・フェルスター(1693〜1745)のホルン協奏曲第1番変ホ長調はタックウェルが初めて録音した作品です。3つの楽章で構成されるロマンティックな作品ですがフランク=ゲミルは独自の解釈で第1楽章では力強い演奏をしています。第2楽章のアダージョは抒情的に演奏をしています。第3楽章のアレグロは速いテンポで狩のホルンのように演奏していますがトリルが面白いです。
ゲオルグ・フィルップ・テレマン(1681〜1767)のホルン協奏曲ニ長調はバロック作品の名曲です。第1楽章のヴィヴァーチェは軽快な演奏は時にはアドリブもある、見事な演奏です。第2楽章のラルゴは穏やかにホルンを吹いていますが第3楽章のアレグロではアドリブを入れた楽しいホルンになっています。コーダのの演奏はほとんどヴァリエーションです。
ヨハン・バプティスト・ゲオルク・ネルーダ(1708〜1780)はドイツ名でボヘミア名はヤン・クジチテル・イルジー・ネルーダのホルン協奏曲変ホ長調はハイトーンを使うクラリーノ協奏曲ですからディスカントホルンを使っています。第1楽章のアレグロは大変ロマンティックなメロディが歌われます。カデンツァもハイトーンを使っています。第2楽章のラルゴはこれもハイトーンを使うきつい楽章です。提示部のあととコーダ前の2つのカデンツァがあります。第3楽章のヴィヴァーチェは華やかな響きの楽章です。フランク=ゲミルの安定したホルンが素晴らしい。ここでもハイトーンがきれいなカデンツァがあります。
レオポルド・モーツァルト(1719〜1787)のシンフォニア・ダ・カメラ(室内シンフォニア)ニ長調はメヌエットの入る4つの楽章のホルン協奏曲です。ここでもディスカントホルンが使われています。第1楽章の美しい響きが素晴らしい。第2楽章のメヌエットはハイトーンが華やかに響きます。第3楽章のアンダンテは弦楽とともにホルンが美しい響きが聴かれます。第4楽章のアレグロはホルンのトリルで始まります。フランク=ゲミルのホルンは叫ぶようなトリルで面白いです。コーダではホルンが絶叫するような装飾音で楽しませてくれます。
ヨーゼフ・ハイドン(1732〜1809)ホルン協奏曲第1番ニ長調はホルン協奏曲の名曲です。中音域のきれいな協奏曲ですから伸びやかに演奏しています。ここでも装飾音のアドリブがあります。カデンツァは低音から高音まで使う長大なものです。第2楽章のアダージョは美しいホルンが低音を吹きます。ここでも装飾音のアドリブがあります。カデンツァはハイトーンを使ってよい響きです。第3楽章のアレグロは狩りのホルンのように軽快な演奏です。トリルが太い響きでまるでナチュラルホルンを吹いているかのように聞こえます。カデンツァは素晴らしい演奏です。
このアルバムは古典派のホルン協奏曲を現代的なセンスで演奏したもので聴いて楽しくなります。 |
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