ワイルダーのホルン作品

ホルン、テューバとピアノのための組曲第1番&2番、他
CD(Albany TROY1520)

アレク・ワイルダー/ホルンのための組曲
1.ホルン、テューバとピアノのための組曲第1番
2.クラリネット、ホルンとピアノのための組曲
3.ホルン、テューバとピアノのための組曲第2番
4.4本のホルン、ハープシコード、ギター、ベースと
      ドラムスのためのジャズ組曲

  チャールズ・ティベッツ(ホルン)(1〜4)
  マイケル・フォーブズ(テューバ)(1&3)
 モーリタ・マーフィー・マークス(クラリネット)(2)
  ヴィンセント・フー(ピアノ)(1〜3)
  ウィリアム・ホイト(ホルン)(4)
  デイヴィッド・カッピー(ホルン)(4)
  リカルド・アルメイダ(ホルン)(4)
  ヴィンセント・フー(ハープシコード)(4)
  ヘニング・バックハウス
      (ギター、ベース&ドラムス)(4)
  録音 2013年11月9日(1)
      2014年5月20日(2)
      2013年11月11日(3)
      2013年10月24日(4)

 このアルバムはアメリカの作曲家アレク・ワイルダーのホルン、管楽器とピアノのための作品と「ジャズ組曲」です。ワイルダーは名ホルン奏者ジョン・バロウズと親交があり、彼のために作品を提供していました。この中では3つの組曲にバロウズがかかわっていました。
 ホルン、テューバとピアノのための組曲第1番は1962年に書かれています。風変わりな組み合わせですが、5つの楽章からなり、第1楽章はテューバに始まるアメリカ的な音楽。第2楽章の「エレジー」は感傷的になります。第3楽章「リラックス」はかなりジャズっぽいです。第4楽章の「子守歌」はホルンとテューバの和音がきれいです。第5楽章「フィナーレ」はフーガ風に始まる楽しい曲です。
 クラリネット、ホルンとピアノのための組曲は1964年の作品。クラリネットとホルンはよく合いますので響きの良さは抜群です。4つの楽章で構成されていて各楽章3分ほどの小品です。ピアノもきれいな第2楽章は聞きどころです。第3楽章のノスタルジックな主題もきれいです。第4楽章はちょっとジャズっぽくなっています。
 ホルン、テューバとピアノのための組曲第2番は1971年の作品です。ジョン・バロウズが楽しそうに演奏する様子が見えそうです。5つの楽章で構成され第2楽章の穏やかな演奏はテューバとホルンが溶け合ってきれいです。第3楽章の「ジャズスタイル」ではホルンとテューバの対話が面白いです。第4楽章「アリア」の歌がこれも素晴らしい演奏です。第5楽章ではスイングジャズが聞かれます。
 4本のホルン、ハープシコード、ギター、ベースとドラムスのためのジャズ組曲はジャズにハープシコードを持ち込んだところが面白いです。ホルンはティベッツが新たにメンバーとなったNFBホルン・カルテットです。見事なアンサンブルです。4つの楽章で構成されていますが第1楽章の勢い、第2楽章「対話の小品」ではホルンの力演があります。第3楽章「セレナーデ」はハープシコードの伴奏によるセレナーデが優雅に響きます。第4楽章「ホルン・ベルト・ブギ」はいよいよジャズのホルンが鳴り響きます。


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