ヤナーチェクのホルン作品

組曲「青春」/ファーガス・マックウィリアム(2005)

CD(BIS BIS-CD-1802)

1.ライヒャ/木管五重奏曲変ホ長調Op88-2
2.マルティヌー/ピアノと木管のための六重奏曲
3.ライヒャ/イングリッシュ・ホルンと
       木管四重奏のための3つの小品
4.ヤナーチェク/ピッコロとピアノのための
               「青い鳥の行進」
5.   〃   /木管六重奏のための組曲「青春」

 ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団
 ミヒャエル・ハーゼル(フルート)(1〜3&5)
      〃       (ピッコロ)(4)
 アンドレアス・ヴィットマン(オーボエ)(1、2&5)
      〃     (イングリッシュ・ホルン)(3)
 ワルター・ザイファース(クラリネット)(1〜3&5)
 ファーガス・マックウィリアム(ホルン)(1、3&5)
 ヘニング・トローク(ファゴット)(1〜3&5)
 マリオン・ラインハルト(ファゴット)(2)
 マンフレート・プライス(バス・クラリネット)(5)
 ヘンドリク・ハイルマン(ピアノ)(2&4)
 録音 2009年3月(1〜4)
     2005年10月(5)
  ベルリン、フィルハーモニー室内楽ザール

 ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団によるボヘミアの作曲家の室内楽作品です。
 アントン・ライヒャの「木管五重奏曲変ホ長調」は1811年の作品。4つの楽章で構成されています。第1楽章は序奏のレントからアレグロ・モデラートになります。ファゴットの低音が印象的です。この楽章ではフルートの明るい音色がよく響きます。ホルンもきれいです。第2楽章のメヌエットはアレグロ、木管のユニゾーンがきれいです。ライヒャ独特の響きの良さがあります。第3楽章はポコ・アンダンテ・グラツィオーソ、オーボエの主題がきれいです。クラリネットやホルンが応答します。フルートのが入ると明るい響きになります。フィナーレのアレグレットはホルンと木管が明るい行進曲を演奏しているかのように聞こえてきます。楽しい作品です。
 マルティヌーの「ピアノと木管のための六重奏曲」はフルート、オーボエ、クラリネット、2本のファゴットとピアノの六重奏です。ホルンは入りません。5つの短い楽章で構成されています。第1楽章「プレリュード」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「スケルツォ(ディヴェルティメント1)」、第4楽章「ブルース(ディヴェルティメント2)」、第5楽章「フィナーレ」になっています。「アダージョ」では時折ピアノの強打があって驚きます。第3楽章の「スケルツォ」は勢いがあって楽しくなります。フルートのソロがきれいです。第4楽章の「ブルース」は聴くほどに楽しくなります。「フィナーレ」はピアノの強打と木管の響きの良さが素晴らしい演奏です。よくできた作品です。
 ライヒャのイングリッシュ・ホルンと木管四重奏のための3つの小品は第1曲の「アンダンテ・アリオーソ変ホ長調」が1817年の作、木管五重奏のオーボエがイングリッシュホルンに持ち替えての演奏です。オーボエよりも哀愁的な響きのイングリッシュホルンが入ると印象が変わってきます。第2曲「アンダンテ ヘ長調」は1819年の作。イングリッシュホルンが哀愁的な主題を演奏します。他の管楽器が和音を作って応答します。アラビアの音楽のようです。第3曲「アダージョ ニ短調」は1819年の作。ホルンとイングリッシュホルンが哀愁的な主題を演奏します。よい作品です。
 ヤナーチェクのピッコロとピアノのための「青い鳥の行進」はピッコロが鳥の歌を歌う小品です。まさに小鳥が鳴いているかのようです。
 ヤナーチェクの木管六重奏のための組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。ホルンのソロも入ります。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンもきれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやフルートの元気な姿をホルンやファゴットが追いかけます。フィナーレの「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。演奏も楽しそうです。


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