『勝者、type El-02 イレーナ!』 観客の歓声と拍手が沸き起こる。私の足下には、自らの皮膚繊維と破片の中で倒れている少女がいた。 私と同じ薄菫色のツインテールに、乳白色の胴体部の所々に濃緑色の装甲が配置されたボディスーツ。 だがその装甲はメチャクチャにはね上がり、各所の破損箇所からは潤滑剤・冷却剤が垂れ落ち、 弱々しく紫電があがっている。頭部は完全に破壊され、叩き込まれた弾丸によって裂けた 頭部フレームの周りには、根元のセンサーユニットごと千切れたツインテールが転がっていた。 私は彼女の残骸を一瞥すると、この悪趣味なショーの観客に適当に愛想を振り撒きながら、 マスターの居る指揮所兼メンテナンスルームに向かう。 『イレーナ!よくやったな!相手完全破壊だぜ!』 マスターは開口一番そう叫んだ。ファイトマネーが思いの外上がった事に気を良くしてるのだろう。 私は何時も通り、 『はい!マスター、相手は私と同型でしたけど、私に比べチューンが不十分みたいでしたので、 私の動作ルーチンについていけないみたいでした。これもマスターのお陰です!』 と月並みな会話をこなす。マスターも何時も通りに 『そうかそうか。よくやったな!』 と私に近づいて、抱き締めながらキスをした。 『ん……ちゅぱ……ちゅ……』 人を模して造られている私たち。もちろんマスターに気持ち良くなってもらう機能も、性欲だって備えてる。 マスターのキスは何時も通りに柔らかく、甘く、私のCPUを熱くさせる。さっき破壊した彼女も、 こんな事をマスターとしていたのだろうか。 そんな纏まらない考えの私とは違い、マスターは私の股間に手を伸ばし、優しく愛撫する。 その手の温もりに私は思わず声をあげてしまう。 『ん……はぁ……マスターぁ……装甲外して下さい……』 既に私の部分はクチュクチュと音をたて、柔軟性の有る胴体下部装甲の周りからはぬちゃぬちゃと 潤滑剤が溢れ出していた。マスターも私が直接されたい事を分かっており、こうやって私が マスターのを乞うのを待つ事で、征服欲を満たしているだろう。 私は装備解除信号を送り、マスターは下部装甲を外す。すると濡れそぼり、準備が完了した 性器ユニットが現れた。それは吐き出した潤滑剤でテラテラと滑りを帯び、固いものが割り込む 感覚を夢想しながらひくひくと蠢いていた。 『じゃ……』 マスターはそう言うと、前がパンパンになったズボンから男性器を取り出した。結構大きめに 固く反り返ったそれを、私はしゅにしゅにと扱きながら舌で攻めていく。 『イレーナの舌は滑らかで気持ち良いよ』そんなことを言われる度に私の攻めにも力が入り、 性器ユニットは潤滑剤を吐き出してゆく。快楽情報に回路が焼き切れそうな私は、性器ユニットに 手を伸ばし、指を入れ刺激を与え快楽情報を捌こうとする。そして、 『イレーナ、出すぞ』 マスターがそう言った瞬間、口に粘っこい液体が流れ込んだ。私は思わず口から性器を 吐き出してしまい、身体中に精液が浴びせられてしまう。着弾した精液は、ボディスーツの 濃緑に白のワンポイントを作った。 『げほっ、けほっ!……マスター、いきなりなんて酷いです……』 顔を精液でべたべたにしながらマスターに抗議。でもマスターの性器は私のに挿入することで 頭が一杯らしく、心なしさっきよりも大きく見える。 『マスター……もう……』 『ああ、それじゃあメンテベッドで寝るんだ。』 言われた通り、私はメンテベッドの上に仰向けに寝る。その上ににやけ顔を隠そうともしない マスターが覆い被さる。 いくら少女の姿をしているとはいえ、私の身体は機械仕掛け。先程のバトルで私が完全に破壊し、 化けの皮を剥がされた同型機を見ても、まだマスターは私を愛玩物として見ていてくれるのだろうか。 『んっ……んちゅ……ちゅ……』 そんなことを考えている私の唇を、マスターは貪欲に求める。私もプログラムに言われるまま、 彼の舌に自分の舌を絡ませる。 『ぺちゃ……ちゅぱ……』 マスターは私の所有者というだけなのに、CPUはこの行為に発熱を続け、快楽情報を溢れだしてゆく。 性器ユニットは彼のものを待ちわびて、潤滑剤を吐き出している。これが性欲と言うものだろうか。 それだけでは発生しないような量の快楽情報の洪水。 『ちゅぱ……っぷはぁ……』 永遠とも思えるような、長時間のキス。しかしマスターはその唇を離し。途切れた唾液は 私の頬を濡らし、その感触に幸福感を覚える。余韻に浸る私を覚ましたのは、性器ユニットに 突き当てられたマスターの男性器だった。 マスターは私の感触を楽しむかのように、性器ユニット表面ににちゃくちゅと男性器を擦り付ける。 その刺激に私は嬌声をあげ、懇願する。 『んあっ!はあっ!……マスター……早くぅ……』 懇願ににやりとしたマスターは、男性器を性器ユニットの入口に突き当て、 『いくぞ、イレーナ』 とズブズブと飲み込ませた。