情事の後に眠るマスター。愛しい寝顔を眺めながら、私の身体についたマスターの匂いを楽しむ。 マスターに染まる快感……私の全てが愛しい人の所有物である幸せ。 でも……私の匂いはマスターには着かない。仕方のないことではあるのだが……少し寂しい。 愛しい人を自分のモノにしたい……自分に染めたい……自分で汚したい……。 ロボットのくせに、そんなことを思う。 私のAIも疲れているのかしら。 でも、木偶人形のピノキオでさえ人になれたというのに……私は……私は…… ねえ、マスター。 貴方に私の移り香が着いたら、素敵だと思いませんか? 寝顔に語りかけてみた。 いつもより激しかった情事の夜に