私はこの館で働くメイドだ。 旦那様は常に完全を好まれるために、 私は完全に仕事をしなくてはならない。 今日も、完全に食事を作り完全に掃除をし完全にテーブルを飾る。 あとは旦那様が起きてくだされば全ては完全なのだ。 今日こそは。 今日こそは。 今日こそは。 今日・こ・・そ・・・は・・・・・ きょ・・・う・・・こ・・・ 「あー・・・この家もかよ・・・」 「定期メンテ年一回はマズイっすよ・・・」 「それどころかこりゃ死後数年は経ってるぞ・・・」 「毎年『ご主人様は眠っておられます。お入りはご遠慮願います。」ですからねぇ・・・」 「この家のメイドロボ最後にメンテしたの何時だよ・・・」 「5、6年前ですね・・・」 「じゃあ死後最悪7年間は放置されてたわけか・・・」 「主が死んでからも仕える・・・『究極の忠義』ですね。」 「セールスポイントがこうも裏目に出るとはな・・・」 「流石に全回収するわけにもいきませんよ・・・欠陥はないんですから・・・」 「つぎいくか・・・」 「これ置いてくんですか?」 「運んでいきたいか?」 「なるほど・・・」 ピッ・・・ ますたぁ・・・ 今・・・い・・・ク・・・ne・・・ プツッ そしてロボットは崩れ落ち、部屋にはAIの焼ける匂いだけが漂っていた。