ハーレム

 大臣が扉の前に立ち、小声で語りかけた。
「陛下、あの者をおつれしました」
 ソファに寝そべる少年が無言でうなずくと、大臣が背後の暗闇をふりかえった。
 しばらくして扉の奥から、一人の美女が歩いてくる。真っ白な服装。膨らんだズボンと、伝統的な革の靴。
太いベルトは宝石が散りばめられている。上は布の薄い長袖シャツを一枚だけ着けて、柔らかい胸の丸み
が浮きあがって見える。
 顔立ちは薄布におおわれているが、通った鼻筋と、切れ長の目は、見てとれた。
 美女は目を伏せて、アラビアンな刺繍の施された絨毯の上を、しゃなり、しゃなりと歩いてくる。
 大臣が一礼し、扉の外へ去る前に、顔をふせたままいった。
「……陛下、お願いですから、お遊びはここまでにしてくださいませ。先王が、陛下の兄が暗殺さられてから
半年しかたっておりませぬ」
 王は美女を見つめたまま、眉をしかめて不機嫌そうに答えた。
「わかっている。隣国の姫を迎えるまでの、つなぎさ」
 大臣は深々と一礼し、王宮の闇へ消えていった。

 王は衛視も部屋の外へ出し、美女と二人きりで向かいあった。
 ソファに寝転がったまま笑みを見せ、美女に命じた。
「待ち遠しかったよ。早く、その顔を見せておくれ」
 部屋の中心に立つ美女は、しずしずと薄いベールを上げる。瞳が開かれた。若く張りのある、小麦色の肌。
小さく柔らかそうな唇。
 美女というより美少女という表現がふさわしい顔立ち。人形のように無表情で、王へ向けた視線は冷たい。
「まことに美しい……その肉体も、早く見せておくれ」
 王は若く、整った顔立ちであるため、好色な印象ではない。その瞳の輝きは、肉欲というよりも子供っぽい
好奇心の色が強かった。
 美女はわずかに顔をしかめたが、すぐにベルトへ手をやって、外した。そのまま床に落とす。毛足の長い
ペルシャ絨毯とはいえ、宝石が傷つきかねないのだが、美女は迷わなかった。
 そしてシャツに手をかけ、迷いなく脱いだ。形のいい乳房がまろびでる。乳首は小さく、色が薄い。美女が
頭をふって、長い黒髪を整えた。
「脱ぎっぷりに迷いがないね……ちょっとつまらないな」
 王はあくびのそぶりをして、指先を曲げて、近づくように命じた。
 美女は静かに近よってきて、座ったままの王へかがみこむ。その動作で乳房がゆれた。
 王はいたずらっぽい表情で乳房に右手をのばし、乳首をつまんだ。
「ンッ……」
 美女がはじめて声をもらした。
 しかし、眉をひそめたのは一瞬のこと。すぐに冷たい表情へもどり、そっけなく王へ言った。
「……どうぞ、陛下の好きにしてくださいまし」
「もちろんさ」
 王は笑い、乳首をこねながら「大きいなあ」と笑い、もう片方の乳首へ左手をのばした。
「ウッ……やめ……」
 のばした左手は、胸にふれる直前で急降下し、美女の股間を握りしめた。
「陛下……」
 ズボンの上から、しっかり棒状の肉をにぎりしめ、王が首をかしげた。
「あまり固くなってないなあ。ボク、そんなに下手かなあ」
 いたずらっぽい表情で美女に笑いかける。
 美女は目を閉じ、頬を紅くして、漏れそうな吐息を必死で耐えようとする。
「ねえ、ボクのこと、嫌い?」
 美女は目を閉じたまま、首を横にふった。
「陛下は……暗殺の恐怖と……国政の重圧に耐えているのです……嫌うことなど、とんでもありません」
 ゆっくりと美女が目を開く。冷たい輝きの奥に押しこめた心が一瞬だけ顔をのぞかせる。
 そして美女は顔をしかめ、腰をけいれんさせた。香木の匂いに混じって、生臭い臭いがただよいはじめ、
美女のズボンの股間と、王のてのひらが粘った汁で濡れる。
 美女は息を整え、顔をあげた。
「陛下……心から愛しております。先代の愚かな王の命を救ってくださって、その慈悲深さに、わたくしは
畏敬の念をいだかずにいられません」
「うん、ボクも君を愛しているよ」
 王はてんしんらんまんな笑みを美女に向けて、いった。
「この王宮でボクが愛しているのは、君だけだよ、兄さん」

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