Blue Roses Garden > アキの話 > 第九話 いつもと違うこと

いつもと違うこと

「最近どうもマンネリなんです」

 私はオルガさんに浴衣の着付け作業をしながら、ため息をついた。

 オルガさんは夏祭りで見かけた浴衣がとても気に入ったので、どうしても自分の浴衣が欲しくなったのだという。 オルガさんの身長に合う既製品が無かったが、うちの店は和装も扱っているので布から選んで仕立てたというわけだ。

「アキちゃんと、ですカ?」

 青い眼が私を見返してくる。私は帯を整えながら答えた。

「ええ。だからどう、っていう訳じゃないんですけど……」

「それなら、普段と違うことをしてみたラ? たまには気分を変えるのもいいと思うワ」

「普段と違うこと、ねえ――はい、出来ました。どうですか?」

「素敵! やっぱりこのお店に頼んでよかっタ! あ、写真おねがいしてもイイ?」

「はい、勿論」

 鏡の前でくるくる回りながらはしゃぐオルガさんを見ながら、私はカメラの準備をした。

● ● ●

「最近どうもマンネリなの」

 周りに聞こえないように小さい声で、ユキはテーブルの向かいに座るサキちゃんに言いました。

「マンネリって、ユキちゃんのお姉ちゃんと?」

「うん。お姉ちゃんは優しくしてくれるんだけど、ユキがしてあげることはどうもワンパターンな気がして……」

「うーん……」

 サキちゃんが考え込みます。腕組みしたまま首をかしげて眉を寄せています。

「あ、そうだ!」

 何か思いついたのか、サキちゃんが両手を打ち合わせました。

「ねえねえ、マンネリ解消なら、目先を変えてこういうのはどう?」

 サキちゃんはユキの隣に来ると、耳元に口を寄せてひそひそと囁いてきました。

「えー、そんなの……!!」

「大丈夫! きっと喜んでくれるって!」

「でも……」

「あ、オルガさん!」

 ユキが悩んでいると、リカさんのお店に服を受け取りに行っていたオルガさんが戻ってきました。 サキちゃんが伝票を掴んで行ってしまいます。

「ユキちゃん、またね!」

 腕を組んで歩き去る二人を、ユキは羨ましいなあと思いながら見送りました。

● ● ●

「最近どうもマンネリねえ」

 何気ない私の呟きが、隣で横になっている少女の耳に入ったようだ。

「んっ、ユカお姉さま、マンネリって、私のこと、ですかあ?」

 気だるい声で話し掛けられる。 つい先ほど絶頂した直後で、まだその余韻が残っているようだ。 私はその乳房の頂をいじりながら答える。

「ああ、違う違う。あんたとは別の子よ」

「あん、お姉さま、ひどおい、くうっ、私のこと抱きながら、ひゃんっ、別の子の事、考えてたなんてえ、はあん!」

「いいでしょ、別に。ペットの分際で飼主に意見するんじゃないわよ」

 少女の蜜壷を指でかき回す。こりこりとした弱点を指先で責めながら、乳首を前歯で甘噛みしてやる。

「ふあっ、ごめんなさい、お姉さま!」

 そのまま責め続け、再び絶頂させてやる。ベッドにうつ伏せになった少女が、荒い息をついた。

「……お姉さま、さっきのお話ですけど……」

「ん? もう一回お仕置きされたい?」

「違います! マンネリ解消なら、3Pとかどうですか? なんなら私がお手伝い……」

「ああ、それいいかもね。でも手伝いは要らないわ」

「そうですか……」

「こら、がっかりしないの。ご褒美にもう一回いかせて上げるわ」

「えっ、ちょ、ちょっと待ってください、私さっきいったばっかりで」

「遠慮しないでいいのよ」

「いえ、遠慮とかじゃなく、きゃあ!」

 すぐに甘い喘ぎ声が上がり始める。 私は頭の中からアキのことを一旦追い出すと、目の前の裸身に神経を集中した。

● ● ●

ヒソ 川・ヮノ( ̄ー ̄)(▽・||| ヒソ

     -*-*-*-

リリ >ω<) ハクション!

リリ ・ω・) アレ? カゼカナ

● ● ●

 ラブホテルの廊下を、ユカ先輩が大またに進んでいく。 その後ろについて歩きながら、ボクは期待と不安が複雑に入り混じった気分だった。

 今日はユカ先輩と一日付き合う日。 毎月この日だけは、ボクはユカ先輩の恋人というか、下僕というか、奴隷というか、とにかくそういう存在になる。

 ユカ先輩は真性の女王様気質だ。 相手を屈服させて、自分の言いなりにするのを楽しんでる。 と言っても別に暴力をふるったりして力ずくでというわけではない。 快楽漬けにして、言葉で羞恥責めにして、言われたとおりにするとご褒美に更に快楽を与えて、という具合に相手が自分から奴隷になりたがるように仕向けるというやり方だ。 おかげでネコモードの時のユキちゃんはなんでも言いなりだし、最近はリカちゃんまでそうなりかけてるような気がする。

 ユカ先輩がしてくれるキモチイイ事への期待と、何かの拍子に完全に支配されちゃうんじゃないかという不安が、ボクの中でマーブル模様のように混ざり合っていた。

 そんなことを考えながら歩いていくと、ユカ先輩がドアの前で足を止める。 いつものSMプレイルームだ。 ユカ先輩はボクとの時はこの部屋ばかり使いたがる。

「あ〜、今日もこっちなんですか?」

「今日はちょっと趣向を変えるわよ」

 ユカ先輩はそれだけいうとさっさと部屋に入っていく。 その後に続くボクに更に続いて、リカちゃんとユキちゃんも同じ部屋に入ってきた。

「え? あ、あれ?」

 戸惑うボク。

「だからいったでしょ、趣向を変えるって」

「ほら、ここの所ちょっとマンネリ気味だったから」

「今夜は三人でたくさん気持ちよくしてあげます!」

「え、ええ〜〜〜!?」

 意外な成り行きに、慌てるボク。 なんだか三人の目の色が普段と違うような気がして、身の危険を感じてしまう。

「ほら、さっさと脱ぎなさい」

 ユカ先輩は相変わらずストレートだ。

「ちょっ、ユカ先輩、待ってください!」

「ユカ様とお呼びなさい!」

 うわ、お姉さまモードになってる……。 こうなると仕方がない。 ボクは諦めて服のボタンに手を伸ばした。

 下着だけになったところでユカ先輩を見る。

「全部脱いで」

 言われたとおりにブラとショーツ、ストッキングも脱いで全裸になる。 横を見ると、リカちゃんとユキちゃんはブラとショーツ、ガーターベルトとストッキングだけの格好になっている。 ユカ様も同じ格好だ。 一人だけ全裸のボクは、なんとなく心細くなって両腕で胸を隠した。

「さて、じゃあまずはこっちね」

 ユカ先輩が木馬を指差す。

 木馬といっても本当に木で出来ているわけではなくて、ウレタン製の芯の上に合成皮革の革を張った、遊具みたいな大道具だ。 子供のおもちゃと大きく違う点は、手錠や足かせを留める為の金具がついているところだろうか。

 躊躇するボクの背中を、リカちゃんとユキちゃんが押す。 半ば強引に木馬にまたがらされたボクは、両手首を手錠で轡の部分に、両足首を床の金具に足かせで固定されてしまった。 ちょうど、木馬の首に抱きついたような姿勢だ。

「ね、ねえ、何をする気……?」

 声に震えが混じる。乱暴な事をされる事は無い、とは思っているけど、やっぱりこのシチュエーションはどうにも不安を煽る。

「うふふ、さっきユキちゃんが言ったじゃない。たくさん気持ちよくしてあげる、って」

 リカちゃんがニコニコしながら言う。

「今夜はみんなでお姉ちゃんの気持ちいいところ全部可愛がってあげるね!」

 ユキちゃんが満面の笑顔をたたえながら言う。

「だからあんたは私達にされるままになってればいいのよ」

 ユカ様がボールギャグを弄びながら言う。

 な、なんだかリカちゃんとユキちゃん性格変わってない!?  これから何をされるのか、ボクは悪の女王とその下僕軍団につかまった気分になってきた。

● ● ●

「じゃあ最初はユキから行きますね」

 ユキちゃんがボクの背後に迫る。 何をするんだろう、と思っていたら、ユキちゃんはボクの髪の毛を掻き分けて、背筋のてっぺん辺りにキスをしてきた。

 ちゅっちゅっ、ちゅうっ

 そのまま強く吸引される。きっとボクの背中にはキスマークが付いている事だろう。

 ぺろり

 今度はその上を舌で舐められる。 そのまま下の方に移動する感触。 くすぐったい。 背筋をくすぐられるような感触に、ボクは背筋を震わせた。

「やあっ、ユキちゃん、くすぐったいよ……」

「えへ、まだまだですよー」

 腰骨のあたりまで移動したユキちゃんが、今度は横に移動しながらさかのぼってくる。 脇腹、肋骨、腋の下を経由して、再び首の後ろへ。 それから、背中のあちこちにキスマークを付けながら、再び腰へ。

 最初のうちはくすぐったいだけだった刺激が、だんだん気持ちよくなってくる。 肩甲骨や肋骨などの敏感な部分を舐められると、そこからぞわぞわと悪寒とも快感ともつかない感覚が湧き起こった。 ボクが身を震わせると、ユキちゃんはそこを集中して舐め上げる。 ボクが身をよじるたびに、手足を固定する金具がガチャガチャと音を立てた。

「はっ、はあっ、くうっ、あんっ」

「どう、お姉ちゃん。気持ちいいでしょ?」

「ん、うん、ユキちゃんのキス、気持ちいいよ……」

「うれしい! じゃあもっともっと気持ちよくなってくださいね!」

 そういうと、ユキちゃんはいっそう熱心にボクの背中を責め続ける。 ボクの体はどんどん熱くなり、熱いお風呂に浸かったときのようにボクの頭はぼうっとしてきた。

「アキちゃん、そんなに気持ちいいの?」

 リカちゃんの声が聞こえる。 ボクは木馬の首に突っ伏したまま、顔をそちらに向けずに答えた。

「うん……すっごく……キモチイイ……」

「うふふ、じゃあ私も、アキちゃんを気持ちよくしてあげるわね」

 その言葉と同時に、ボクの乳首が摘み上げられた。

「ひゃんっ!」

 柔らかく全身を満たす快感に浸っていたボクは、胸の頂から生じた鋭い快感に完全に不意を撃たれた。 背筋が反り返り、手首を縛める手錠が大きな音を立てる。

「きゃっ!」

 びっくりしたユキちゃんが悲鳴を上げ、ボクの背後から離れた。

「あら、そんなに気持ちよかった?」

 リカちゃんがボクの乳首を指先で弄ぶ。 くりくりと転がされるたびに鋭い快感が湧き起こり、ボクの胸を貫くようだ。

「あっ、それ、やめっ、やめてぇ……」

「あら、気持ちよくないの?」

「ちがっ、気持ち、よすぎて、ボクっ、変になっちゃう、よう!」

「うふふ、良かった。じゃあもっと気持ちよくしてあげないとね。ユキちゃん?」

「はい」

「アキちゃんのそっち側のおっぱいおねがいね」

「はい!」

 ちゅっ

 リカちゃんがいじっているのと反対側の乳首に、ユキちゃんが吸い付いてきた。

 ちゅっ、ちゅっ

 ユキちゃんは赤ん坊のようにボクの乳首を吸う。 舌で転がすとかそういうテクニックを使って責めてくるのではなく、ひたすら吸い上げるだけだ。 しかし、火照りきった体にはその間断ない刺激が格好の燃料補給になっていた。

 こりっ、こりっ

 一方のリカちゃんは、指先でボクの乳首を責めて来る。 乳房全体をマッサージしながら、中指と薬指で乳首をはさんで転がす。 指の間から覗く乳首の先端を、反対の指先でつついたり押しつぶしたりする。 変化し続ける刺激がボクを一時も休ませてくれない。

 ユキちゃんの口唇愛撫が燃料補給とするなら、リカちゃんのマッサージは空気供給だ。 ガソリンと酸素を供給され続けて、ボクの体の温度は高まる一方だった。 左右両方から攻められて、まともな声も上げられずにもだえ続けるボク。 そこに今度は、お尻を撫でる刺激が加わった。

「ふふっ、ずいぶん気持ちよさそうね。でもこっちがちょっとさびしいんじゃない?」

 ユカ先輩の手のひらがボクのお尻をやわらかくなでまわす。

「まんまるで可愛いヒップ。私の後輩たちで一番かもね」

 お尻のお肉を揉みながら、ユカ先輩がそんなことを言う。 オーバーヒートしたボクの頭は台詞の意味を半分ぐらいしか捉えられなかったけど、お尻から伝わる快感だけはしっかりと感じていた。

「でも――あんたが一番感じるのはここよね」

 ぐりっ

「! ふあっ!」

 ユカ先輩の指が、ボクのアヌスをこじ開けた。

 ぐりぐり、ずぶり

「あっ、いやっ、そこっ……!」

 指が一本、ボクの中にゆっくりと潜り込んで来る。

「なにがいやなの? 大好きなくせに……」

 ずぶっ

 指がもう一段、押し込まれる。お尻に力が入り、アヌスがユカ先輩の指を締め上げる。

「ふふっ、ほら、こんなに喜んで締め付けてきてるわよ?」

 ぐりっ、ずぶっ、ずぶっ

 指がひねられ、ゆっくりと出し入れされる。 アヌスと胸から送られる快感に、ボクは声にならない声を上げてもだえた。

「お姉ちゃんのおっぱい(ちゅっ)、すごく(ちゅうっ)、おいしいっ!(ちゅううっ!)」

「ひゃあん!」

 ユキちゃんが乳首を吸いながら、同時に空いた手でボクの背中を撫でながら言う。

「うふふ(もみもみ)、おっぱいどう?(こりこり) 気持ちいいかしら?(ぺろり)」

「あっ、あっ、あんっ!」

 リカちゃんが乳房を揉みながら、同時にボクの首筋を舐めながらいう。

「ほらほら(ずぶっ)、どうよ(ずぶずぶっ)、ここがいいんでしょ!(ぐりっ)」

「あっ、ああんっ!」

 リカ様がボクのアヌスをかき回しながら、同時にお尻を撫で回しながら言う。

 間断無い責めにボクは限界に近づいていた。 硬くなったペニスを木馬の背に擦りつけて、先走りの液でべとべとに汚す。

「も、もう駄目、ボク、いっちゃ、いっちゃう!」

 ペニスの奥がビクビクと震え、アヌスがぎゅっと締まった、その時だった。

 三人の手の動きがぴたりと止まった。

「……え?」

 絶頂する直前で刺激を断ち切られ、ボクの体内では爆発寸前の快感が、しかし爆発するにはぎりぎり足りない圧力で渦巻いてる。

「ど、どうして……?」

「すぐいっちゃったら勿体無いよ、お姉ちゃん!」

「もっと楽しまなくちゃね」

「いってもいいって許可して無いでしょ。勝手にいこうとするんじゃないわよ」

「そ、そんな……」

 ボクの眼から涙がこぼれた。 ぽろぽろとこぼれた涙が、頬から首筋を伝うのが感じられた。

「おねがい、つらいの、もうかせて……」

 ボクは涙を流しながら三人に哀願した。 三人が、なぜか真っ赤になりながら顔を見合わせる。

「……ど、どうしましょう、もう……」

「……そ、そうよね、じゃあ……」

「……バカ、こんなすぐに……」

 三人がヒソヒソ声で何か相談しているけど、しゃべっている内容ははっきりとは聞き取れない。 もっとも、熱にうかされたようになっているボクには、聞こえてもしっかり理解できないだろうけど。

「おねがい、ゆるして、もう、いかせて、おねがい……」

 うわ言のように呟くボク。木馬に突っ伏すボクに、ユカ様が顔を寄せてくる。

「そんなにいきたいの?」

「はい、おねがい、ボク、もう駄目です……」

「ふふ、じゃあベッドにいきましょうか」

「で、でも、ボク、立てません……」

「なら四つん這いででもいいわよ」

 リカちゃんとユキちゃんが手足の拘束を解いてくれ、ユカ様に抱えられるようにして木馬から下ろされる。 だけど、足ががくがくして力が入らない。 一歩踏み出そうとして、ボクは崩れ落ちるように床に這いつくばってしまった。

「あら、自分から這いつくばるとは感心なペットね。 そうだ、ペットはペットらしくしないといけないわね」

 そういうとユカ先輩は壁際の小物置き場のところにいった。 リカちゃんとユキちゃんもついていき、フックにかけられたいろいろなSM道具を三人で鼻歌交じりに検分する。 やがてボクの前に戻ってきた三人は、ボールギャグと、首輪と、引き綱と、フェイクファーのキツネの尻尾つきのアナルプラグを手にしていた。

「じゃあこれつけてあげるね」

 ユキちゃんがボクの首に首輪を巻きつける。皮製で幅広の、大型犬サイズのごつい首輪だ。 首輪が緩めに固定されると、金具にリードが付けられた。

 かちり

 フックがリングに固定される音がする。 その音を聞いた瞬間、ボクの背筋を悪寒のような、或いは静電気のようなものが流れた。

「じゃあ、私はこっちをつけてあげる」

 リカちゃんがボクの背後から言った。 直後に、ボクのアヌスがゼリーを塗ったプラグにこじ開けられる。

 ぐりっ、ぐりぐり、ずぶり

 アナルプラグがボクのアヌスを占領し、お尻から垂れるふさふさとした尻尾が太ももとふくらはぎをくすぐる。 くすぐったい刺激に、下半身から更に力が抜けていった。

「あっ、ああん……」

 思わず喘ぎ声を上げるボクに、今度はユカ様が言う。

「こら、ペットが人間の言葉を喋るんじゃないわよ」

 ユカ様はボクの顔を上げさせると、問答無用でボールギャグを押し込んできた。 唇と舌と顎の自由を奪われ、ボクは言葉を発することができなくなる。

 四つん這いになって引き綱と尻尾をつけられ、声を奪われたボクを、三人が見下ろしてる。 でもボクは、絶頂寸前まで昂ぶった体と、アヌスを占領するプラグの感触でいっぱいいっぱいだった。 上を見上げる気力も無く、俯いて涎と先走りをカーペットにこぼしていた。

「……じゃ、お姉ちゃん、ベッドに行こう?」

 引き綱が引かれ、首輪が軽く引っ張られる。ボクはがくがく震える腕を、一歩前に出した。

 ユキちゃんに曳かれながら、四つん這いでベッドを目指す。 掌と膝で体重を支えながら、カーペットの上をゆっくりと進む。

 右手と左足を前に進める。 左足を持ち上げるとそれにつれて腰に力が入り、肛門がアナルプラグをぐっとかみ締める。 進めたほうの手足に重心を移すと、腰の動きに合わせて直腸が動き、その内壁をアナルプラグが擦る。

 一歩進むたびにお尻から甘い刺激が起こり、ボクは少しも休むことが出来ない。 一歩進むたびに息をつきながら、引き綱で引かれるままに手足を進めた。

「ほらほら、そんなのんびりしてたら夜が明けちゃうわよ」

 パン!

「んん〜っ!」

 ユカ先輩がボクのお尻を平手でたたく。そのショックすら快感に感じる。 びっくりして緊張した下半身がアナルプラグを締め付け、それがまた快感を呼び起こす。

「ユカったら、そんなに叩いちゃ駄目よ。怖がられて嫌われちゃうわよ?」

 リカちゃんはそういうと、ボクの胸を軽くもんだ。 柔らかい、でもじれったい快感に、ボクの体が震える。

「言うとおりにしてるんだから、ご褒美をあげなくちゃね」

 ユキちゃんに引っ張られ、ユカ先輩とリカちゃんに体を弄られながらカーペットの上を進む。 そうして、何時間もかかったような気がする苦行の後、ようやくベッドの前にたどり着いた。

「ほらお姉ちゃん、こっちこっち」

 ユキちゃんがベッドの上にあがり、引き綱を引く。 ベッドにあがる為に立ち上がろうとして、ボクはいまだに下半身に力が入らないことに気がついた。 見上げると、三〜四十センチ程度の高さのベッドが絶壁みたいに見えた。

「はやくはやく〜」

 ユキちゃんが引き綱を引いて催促する。 仕方なく、ボクはよじ登るようにしてベッドにあがっていった。 両手でシーツのふちをつかみ、上半身を引き摺るようにしてお腹までをベッドの上に乗せる。 足に無理やり力を入れ、まず右足をベッドの上に引き上げる。 足腰に力を入れるとアヌスがプラグを締め上げてしまい、湧き起こる快感がボクの力を奪った。 ぶるぶると震えながら何とか右足を持ち上げ、ふくらはぎをベッドに乗せる。 そのまま前に引き摺るようにして、左足もベッドの上にあげた。

 何とかベッドに上がったボクは、そのままうつ伏せに倒れ込んだ。 火照った体に、冷たいシーツの感触が心地良い。

「えへへ、よく出来ました」

 かちゃかちゃと音がして、ユキちゃんがボクから首輪を外した。 それと同時に、アナルプラグが抜かれる感触があった。 『これでおしまい?』と思って安心するボクを、ユカ様がひっくり返して仰向けにする。

「じゃ、次はこれね」

 てっきりボールギャグを外してくれるのかと思っていたら、ユカ先輩はボクの手首に革手錠をはめた。 声を上げるまもなく(どっちみちまともには喋れないけれど)、両手に手錠がはめられて万歳の形で拘束される。

 慌てて腕を動かそうとすると、チェーンのためにほとんど自由が利かない。 ここでやっと、この手錠がこのベッドのフレームにくっついている拘束バンドだということに気がついた。 このベッドには、人間をX字型に固定できる拘束バンドが四隅のフレームにチェーンで造りつけられている。 毎度これで拘束されていたというのに、頭が沸騰していたボクはすっかりその存在を忘れていたというわけだ。

 力なくもがくボクの両脚を、ユカ様とリカちゃんが脚側のバンドで拘束する。 両手両脚を伸ばした状態でベッドに磔にされたボクを、頭の上からユキちゃんが、左右両脇からユカ様とリカちゃんが見下ろしていた。

「んん、んーっ、んんー」

 『何をするつもりなの』と言おうとしたけれど、ボールギャグに阻まれて言葉にならない。

「え? もっと可愛がってくれ?」

 ユカ様が言う。『分かってて言ってるでしょう?』と言いたい所だが、勿論それは無理だ。

「うふふ、それじゃあ私はこっちね」

「じゃあユキはこっち!」

 ユカ様に続いてリカちゃんとユキちゃんが言う。 うう、やっぱり二人とも性格変わってる。 ボク、孤立無援のピンチ!

 などとボクが危機感を募らせている間に、ユキちゃんがボクの両脚の間に移動した。 当然ユキちゃんの目の前にはボクのペニスが剥き出しで置かれることになる。 恥ずかしくなったボクは脚を閉じようとしたけど、それは両足首を拘束するバンドに阻まれる。 ボクの動きは、空しくチェーンに金属音を立てさせただけだった。

「おちんちん、こんなに濡れてる……」

 ユキちゃんがボクのペニスに舌を這わせた。 ペニスから溢れる透明な液を、ユキちゃんのピンクの舌が舐めとっていく。 ペニスから、猛烈な快感が湧き起こり、ボクの背筋を駆け上がる。

 ベッドの上でのけぞり、手足を拘束するチェーンをガチャガチャいわせるボクを、今度はリカちゃんとユカ様が責める。

「アキちゃんのおっぱい、頂きます……」

「あんたは胸も敏感よね」

 二人が同時に、ボクの乳首を吸い上げる。 ふるふると震える乳房のてっぺんで、つんととがっていた乳首。 極限まで敏感になっていた乳首を吸引されて、その胸の頂からも快感が湧き起こる。

 敏感な三ケ所をお口で責められ、他にも六本の腕で全身をまさぐられる。 強烈な快感に、ボクは際限なく昂ぶらされていった。

「あん、お姉ちゃんのおつゆ、いくら舐めとってもきりが無いよ」

 ボクのペニスを嘗め回していたユキちゃんが、口を離すとそんなことを言う。

「……だから、直接吸い取ってあげますね」

「! ん〜〜〜っ!」

 ぱくり

 ユキちゃんが、ボクのペニスをお口にくわえ込む。

 ちゅっ、ちゅううっ、もごもご

 吸引され、お口の中で舌を使って転がされた。

 左右の胸からも絶え間ない刺激が続き、腋の下や太もも、お尻といった敏感な部分も撫で回され続ける。 ボクは目をぎゅっとつぶり、その刺激に耐え続ける。

 とうとう腰の奥がビクビクと震えはじめ、今度こそ限界、と思ったときだった。

 再び、全ての刺激が止まった。

「!? ん、んんっ?」

 目を開くと、三人がボクの顔をのぞきこんでいた。

「アキちゃん、もう限界?」

 リカちゃんの問いに、ボクは首を全力で縦に振った。

「ふふっ、射精したいのかしら?」

 ユカ様がボールギャグを外しながら言った。 身を乗り出して、ボクの顔を覗き込む。 言葉を取り戻したボクは、羞恥心を忘れて懇願した。

「はい、おねっ、おねがい、です、ザーメン、出させて……」

「ふふん、じゃあ誰がどうやって止めを刺してあげるか、じゃんけんでもして――」

 ユカ様がそこまで言った時だった。

「お姉さまごめんなさい! ユキもう駄目です!」

「きゃっ!?」

 ユキちゃんが、ユカ様を押しのけた。

 ずぶり

 ボクのペニスが熱い穴に飲み込まれる。

「あっ、ああっ、あんっ!」

 ユキちゃんが悲鳴じみた嬌声を上げ、突き当たりにボクのペニスの先端が衝突した。

 どくん

 ボクのペニスが爆発した。 焦らしに焦らされた分を取り返すように、強烈な射精をする。 腰の中が溶けていくような快感に、ボクも悲鳴を上げた。

 びゅっ、びゅるっ

 一拍遅れて、ユキちゃんのペニスも精を吐き出した。 熱い液がお腹から胸に飛び散る感触がある。 ユキちゃんのアヌスが、痙攣しながら何度もボクのペニスを締め付けた。

「あっ、こらっ、駄目じゃないの!」

 ユカ様が大きな声を出す。

「んっ、はああっ、ごめんなさい、お姉さま。ユキ、もう我慢できません!」

 ユキちゃんはそう言うと、そのまま体を倒してボクにキスをした。 ボクの口腔を舐め回しながら、腰を激しく振り始める。 ボクのペニスはユキちゃんのアヌスに激しく刺激され、あっという間に登りつめた。

「ゆ、ユキちゃん、くっ、そんな激しく、あんっ、しないで!  ボク、うあっ、またっ、出ちゃうよ!」

「あっ、出して、あんっ、お願いっ、ユキの、あっ、中に、いっぱい頂戴!」

「こら! やめなさいってば、ユキ!」

「ユキちゃんずるいわ! わたしだって欲しいのに我慢してたのに!」

 ユカ様とリカちゃんの声を無視して、ユキちゃんは腰を振り続ける。 口の方はボクの顔を舐め回し、ボールギャグの穴から垂れ落ちていた涎を舐めとっている。 胸はボクの胸と擦りあわされ、ブラジャーのレースがボクの乳首を刺激する。

 ユキちゃんの激しい責めに、ボクは再びあっさり絶頂させられた。 ペニスの奥で爆発が起こり、再び熱い液がユキちゃんの中に送り込まれる。

「ふあっ、あん、来てるっ、お姉ちゃんのザーメンっ、あっ、ユキの中に沢山っ!」

 ユキちゃんはボクにしがみつき、全身をぶるぶる震わせる。 ユキちゃんもまたいったらしく、二人のお腹にはさまれたユキちゃんのペニスが射精するのが感じられた。

「はっ、はあっ、はあっ、お姉ちゃあん……」

 ユキちゃんが顔を上げ、ボクの唇に自分の唇を重ねてくる。 ユキちゃんの舌がボクの舌に絡みつき、濡れた音を立てた。 しばらくキスをむさぼった後、ユキちゃんが顔を上げる。 二人の唇の間を、透明な一筋の糸が繋いでいた。 ボクたちは荒い息をつきながら、お互いの顔を見つめあった。

「ユ〜キ〜」

「ユ〜キ〜ちゃ〜ん」

 思わず二人の世界を作ってしまったボクたちの左右から、地獄の底から響いているかと思われる声がステレオで聞こえてきた。 ユキちゃんが顔をこわばらせるのを見ながら、ボクは心の中で十字を切った。

「え、ええっと……」

「私の言うことを無視とは、いい度胸してるわね?」

「自分勝手はいけないのよ、ユキちゃん?」

 ボクの上に座り込んだまま、ユキちゃんは硬直している。 漫画だったらでっかい冷や汗が描き込まれているところだろう。

「あ、あの。お姉さま? リカさん?」

 恐る恐る言うユキちゃんに、

「お仕置きね」

 ユカ様がずばりと言い、

「そうね、お仕置きね」

 リカちゃんも間髪いれずに同意する。

「あっ、あのっ、ご、ごめんなさい!」

「ごめんで済んだら警察要らないのよ。アキが二回もいっちゃったじゃないの」

「それも全部自分の中に出させちゃうし……」

 ユカ先輩とリカちゃんが、ユキちゃんの両腕をつかんでボクの上から引き摺り下ろす。 なんだかあの二人やけに息が合ってるなあ、と思いながらそれを見るボク。 二人はそのままユキちゃんを木馬のところへ連行すると、有無を言わせず拘束した。

 下着姿で木馬にまたがらされ両手足を拘束されたユキちゃんは、 よく見るとショーツを穿いたままで、 ということはさっきはショーツを脱ぐ間も惜しんでボクのペニスを挿入したんだ。 そんなに我慢できなかったのかと思うと、ちょっとかわいそうになってくる。

「ね、ねえ、リカちゃん、ユカ様。ちょっとぐらい許してあげても――」

「「駄目よ!」」

 言い終わらないうちに、間髪いれずに言い返された。 二人はこちらを見ずに小物置き場に行くと、いろいろと小道具を漁り始める。 困惑して視線をさまよわせると、木馬の上のユキちゃんと目が合った。

「お、お姉ちゃあん……」

「ユキちゃん……」

 見詰め合うボクとユキちゃん。そこに、リカちゃんたちが戻ってきた。

「うふふ、ユキちゃんにはちょっとお仕置きしましょうね」

 リカちゃんは両手にニップルクリップを持っていた。 歯の部分がゴムで覆われた、スプリングの弱いクリップみたいな構造の責め具だ。 つまみの部分からは、短いチェーンで繋がったローターがぶら下がっている。

 リカちゃんはユキちゃんのブラをずらすと、それでユキちゃんの両乳首をはさむ。

「いっ、痛っ!」

 ユキちゃんが短く悲鳴を上げ、眉根を寄せた。

「胸だけじゃないわよ?」

 ユカ様がユキちゃんの後ろに立ちながら言う。 その手にはグロテスクなバイブレーターが握られていた。 単純な円筒やペニスの形ではなくて、先端部はイソギンチャク状、胴の部分は無数の突起とパール、根元あたりは上向きに触手、おまけに全体が螺旋状に曲がっているという、凶悪としか言いようが無い代物だ。

 その凶悪バイブを、ユカ様はユキちゃんのアヌスに無造作に押し込んだ。

「! ふあっ!」

 ユキちゃんの悲鳴を無視して、ゴリゴリと押し込んでいく。 根元の触手の部分が肛門に当たる位置まで押し込むと、ショーツを上げて固定した。

「あっ、やあっ、ごめんなさい、お姉さま、リカさん、ゆるして、これとって……」

 ユキちゃんが涙声で哀願する。

「駄目よ、ユキちゃん。そのままで少し反省してね」

 リカちゃんがニップルクリップのローターのスイッチを入れる。 ユキちゃんの体がビクンと跳ねた。

「あんたが十分反省したら外してあげるわよ」

 ユカ様がバイブのコントローラーのスイッチを入れた。 コントローラーをユキちゃんのストッキングに突っ込む。 ユキちゃんは木馬にしがみつくようにして、体を震わせた。

「あっ、あん、ああっ、くうん――んぐっ!」

 うめき声をあげるユキちゃんに、ユカ様が口枷を噛ませる。 さっきボクが噛まされた様な緩いボールギャグではなく、太くてがっちりしたバーギャグだ。

「ふう。さて、ユキのほうはこれでいいとして……」

「問題はアキちゃんのほうの続きね……」

 ユカ様とリカちゃんが、小声でなにやら相談している。 はっきりとは聞き取れないけれど、ボクをどうやって責めようかという話をしているのは確実だ。 話がまとまったのか、二人がこちらを見てにやりと笑った。

 ベッドに磔にされたままでは何をされても抵抗のしようが無い。 ボク引き続き絶体絶命! と思っていたら、ユカ様が手枷を外す。 あれ、と思ったら、足枷もリカちゃんに外された。

「あ、あれ、もう終わりですか?」

「ええ、焦らし責めはね」

 ユカ様が自分にストラップを装着しながら言う。

 ……はい?

「うふふ、今度はいっぱいいかせて上げるわね――嫌って言うほど」

 リカちゃんがペニスにローションをたらしながら言う。

 ……きゃー! サ、サド女王様が二人にーっ!

 慌てて逃げようとするも、まだ足腰に力が入らない。 あっさりつかまって、うつ伏せにひっくり返される。 じたばたもがくボクの背に、リカちゃんがのしかかって来た。

「さっきはおちんちんでいってたから、今度はお尻で気持ちよくしてあげるわね」

 そういわれた直後、ボクのアヌスに熱い物が押し当てられた。なじんだ感触。 見るまでも無く分かる、リカちゃんのペニスだ。

 ずぶり

 ボクのアヌスは、何の抵抗もなくそれを飲み込んだ。 リカちゃんのペニスが接している箇所から快感が湧き起こり、その快感が背骨を通ってボクの全身に行き渡る。

「あっ、ふあっ、あんっ!」

 全身の力が抜けてベッドに突っ伏すボクの背中に覆い被さって、リカちゃんが耳元で囁いた。

「あら、そんなに気持ちいいの?」

「……うん、リカちゃんの、おちんちん、気持ちいい、よ。とって、もぉ……」

「……アキちゃん!」

 リカちゃんが腰を使い始める。 ボクはベッドに突っ伏したまま、お尻を差し出して体内を蹂躙されるに任せる。 背中に当たるリカちゃんのバストと、その先端のこりこりした感触が心地良い。 リカちゃんの動きにつれて体が動き、乳首とペニスがシーツに擦れる感触も心地良い。 そしてなによりも、背後から聞こえるリカちゃんの嬌声交じりの荒い息の音が、耳に心地良い。

 興奮したリカちゃんにレイプ同然にアヌスを犯されながら、ボクは全身を覆う快感に浸って――いや、溺れていた。

 と、リカちゃんの動きが止まる。

「?」

 後ろを振り返ると、リカちゃんがボクからペニスを引き抜いた。

「……リカちゃん?」

「今度はアキちゃんのおちんちん、リカの中で気持ちよくしてあげるね……」

 そういうとリカちゃんはボクの体をひっくり返した。 力なくあお向けに横たわるボクの中心で、ペニスだけは『みなぎってます!』って感じで突っ立っている。

「うふふ。アキちゃんのおちんちん、元気ね?」

 リカちゃんがその上に腰を下ろす。 この姿勢だと、透明な液を垂れ流すリカちゃんのペニスも、ボクのペニスを飲み込んでいく貪欲なアヌスもよく見える。

「リカちゃんこそっ、おちんちん濡れまくってるしっ、ケツマンコもっ、ボクのおちんちん美味しそうに、頬張ってるよっ!  リカちゃんエッチいよ!」

「……うふふ。じゃあ、エッチなリカは遠慮なくアキちゃんをご馳走になるわね」

 逆襲のつもりで、リカちゃんを言葉で責めてみるも、あっさり返された。 リカちゃんは上体を倒すと、ちょうどさっきのユキちゃんみたいにボクの唇に自分の唇を重ねる。

 ペニスを締め付けるリカちゃんのアヌスが心地良い。 ボクのお腹に擦りつけられるリカちゃんのペニスの感触も心地良い。 ボクの乳房とおしあいへしあいする乳房の感触も心地良い。 そして一番に、キスが心地良い。

 快感の怒涛が押し寄せる。ボクはそれにひとたまりもなく飲み込まれ、再び快感の海で溺れた。

「はっ、はんっ、んっ、はあっ、んんっ!」

 体を起こし、ボクの腰の上に座り込むようにして腰を振るリカちゃん。 あられもない嬌声がボクの耳を打つ。

「やあん、あっ、リカちゃあん、そんなにっ、激しくしないで! ボクまたいっちゃうよ!」

「はっ、うんっ、いいのよ、んっ、リカのお尻でいっちゃって!」

 リカちゃんは腰の動きを全く緩めず、ボクのペニスを責め続ける。 ユキちゃんに二回も出してしまっているボクはもう空っぽなんだけど、それでもペニスは硬く屹立し、リカちゃんのアヌスから快感を得ている。

 そうしているうちに、リカちゃんの喘ぎ声が切羽詰ってきた。 どうやら、ボクより先に限界が近づいてきたらしい。

「あっ、あんっ、アキちゃん、まだっ、はん、いかない、んっ、のっ?」

「んっ、うんっ、ボク、まだ、平気だよ!」

「あっ、そんなぁ、これじゃ、リカが、あんっ、先に、いっちゃう!」

 ボクはいつのまにかわずかに力が戻っていた腰を使って、リカちゃんを下から突き上げた。 リカちゃんの長い黒髪が宙を舞う。 ボクは両手でリカちゃんの腰を押さえ、突き上げると同時に円運動をさせる。 のけぞった体を支えるために後ろにつかれたリカちゃんの腕は、今にも崩れそうにぶるぶる震えてる。

 ひときわ強く突き上げたとき、リカちゃんが絶頂の悲鳴を上げた。

「あっ、あっ、ああっ、駄目、リカいっちゃう!」

 次の瞬間、リカちゃんのペニスが精を吐き出した。 ボクの中に出すときのような激しい射精ではなく、中からゆっくりとあふれ出てくる吐精だ。

 座り込んだままのけぞって、(おとがい)を震わせるリカちゃん。 ペニスからとろとろと精を吐き出し続け、アヌスは何度も何度もボクのペニスを締め上げている。 乳房がふるふると震え、その動きにあわせて硬くしこった乳首が踊っていた。

 やがて、体の震えが収まった後もしばらくそのままじっとしていたリカちゃんが、体をこちらに倒して来た。

「……ふう、リカが先にいかされちゃったわね」

「うん――ほら、ボクさっきユキちゃんに二回もいかされちゃってたから」

「今日は私達でアキちゃんをいかせまくってあげるつもりだったのに」

 本当に、何でまた急にそんなことを考えたんだろう?

「まったく、あんたまで先にいっちゃってどうするのよ」

 無言で見ていたユカ様が、声をかけてきた。

「ホントにあんたたちはアキに弱いわね」

「うふふ、ごめんなさい。わたし、アキちゃんにめろめろなの。やっぱり責め方は無理だわ」

「はいはい、ご馳走様」

 リカちゃんの返答に、わきで聞いているこっちが恥ずかしくなった。 惚気って、自分が対象だとすごく恥ずかしい。 ユカ様もちょっと呆れ気味だ。

「ふっ。ま、そういうことなら、最後はやっぱり私の出番ね」

 ユカ様が股間のディルドーを誇示しながらいう。 黒いゴム製の人造ペニスは、疲れることなく相手を責め続けることが出来る。 ユカ様の腰使いを思い出して、ボクはごくりと生唾を飲み込んだ。

「さて、じゃあ後ろ向いてこっちにお尻出しなさい」

「あのー、もうちょっとなんというかその、穏やかな表現というか……」

「うるさいわね。やることは結局同じでしょ。さっさとしなさい」

「はあ……」

 お姉さまモードを通り越して女王様モードのユカ様に何をいっても無駄だった。 ボクは素直に四つん這いになると、ユカ様にお尻を向けた。 寝転んでいたリカちゃんと目が合うと、リカちゃんはボクの諦め顔を見てクスッと笑った。

「いくわよ……」

 ディルドーの先端がアヌスに当たった。 一気には侵入してこないで、入り口付近をぐりぐりとこじっている。 じれったい刺激に、自然とボクの腰も動く。 アヌスが収縮し、ディルドーを自分から飲み込もうとする。

「ふふっ、欲しいの?」

「はい……」

「正直ね。いいわよ」

 あっ、入ってきた! 亀頭がボクのアヌスをこじ開けてるっ! くうっ、太いよう。 うっ、入った……。あ、やだ、その位置で動かさないで! お尻閉じなくなっちゃう!

「あっ、くうっ、うっ、あ、やだ……」

「ほら、まだまだいくわよ」

 あうっ、入ってくるっ! どんどん、ボクの中に。 ふあっ! そこっ、ごりごりしないでえっ! だめえっ、気持ちよすぎて、ボク変になっちゃう!

「あうっ、ふあっ! そこっ、だめえっ!」

「何が駄目なのよ? あんたここが一番気持ちいいんでしょ?」

 あっ、まだ入ってくる! ああんっ、ボクの中がどんとんディルドーに占領されてる! ふあっ、おなかの中まで一杯になってるみたい!

「あっ、ああんっ、ふあっ!」

「ふふ、これで全部よ、どうかしら?」

「ボクの中、ユカ様の、おちんちんで、一杯です……」

 ユカ様の問いかけに息も絶え絶えになりながら答える。 お尻の中をみっしりと埋め尽くされ、アヌスは無理やり押し開かれている。 太いディルドーを突き刺されたことによるによる被征服感が、ボクの中を埋め尽くしていた。 リカちゃんやユキちゃんのペニスを受け入れているときは『包み込んであげている』って気分だけど、今は『征服されちゃった』っていう感じだ。 いささか倒錯した快感に、ボクのペニスは再び固くなっていた。

「うわあ、アキちゃんのおちんちん、すごくおっきくなってる……」

「どれどれ?」

 リカちゃんの言葉にユカ様が反応する。 ボクの腋の下に腕を入れると、そのままボクの上体を持ち上げた。 ボクは両わきとお尻の三点で磔にされたみたいになる。

「あらほんと。普段より大きいわね。 太いのでケツマンコ犯されてそんなに気持ちいい?」

「もう、ユカったらそんな言い方。でもほんと、すごく興奮してるみたい」

 リカちゃんがボクのペニスをそっと触りながら言う。 アヌスを貫かれながらペニスを弄られて、ボクのボルテージは再びうなぎのぼりだった。

「あうっ、すごい、きもちいい、です……」

 膝にも腰にも背骨にも力が入らず、半ばユカ様に寄りかかりながら答える。

「ふふん、それじゃもっと気持ちよくしてあげようかしら」

「ね、ねえ、私にも、もう一度……」

 リカちゃんがこちらにお尻を向けながら言う。 その顔が真っ赤なのは、恥ずかしいのか興奮してるのか。 あるいはその両方なのかもしれない。

「じゃあ四つん這いになってこっちにお尻出して」

「うん」

 リカちゃんは四つん這いになると、ボク達の方ににお尻を向けた。 そのままこちらににじり寄ってくる。

 やがてリカちゃんのアヌスがボクのペニスの先端を捉えた。 ローションとボクの先走りが、湿ったいやらしい音を立てたのがはっきり聞こえた。

「じゃあいくわよ」

「来て、早く、早くう」

 ユカ様が腰をぐっと突き出す。 それに押され、ボクの腰も前進する。 ボクのペニスの先端がリカちゃんに食い込んでいく。

「あっ、入ってくる、アキちゃんが、私の中にっ!」

「あっ、リカちゃんの中、すごく熱いよ!」

「ほらほら、どんどんいくわよ」

 やがてボクのペニスはすっかりリカちゃんの中におさまり、ボクの腰はユカ様の腰とリカちゃんのお尻にしっかりサンドイッチされた形になった。 ユカ様が腕を離し、ボクはリカちゃんの背中に覆い被さる形になる。

「ふふっ、それじゃいくわよ」

 そう言うと、ユカ様が腰を使い出した。 体力を使い果たしかけているボクは、アヌスとペニス両方からの強烈な刺激にいいように翻弄された。 もはや自分でも何を言っているのか良く分からなくなっている。

「あっ、うあっ! 駄目、脳みそ溶ける、気持ちよすぎて、ボク馬鹿になっちゃうよう!」

「あんっ、いいのよ、馬鹿になっちゃったら、私が一生面倒見てあげるっ!」

「ほらほら、リカもこういってるんだから、遠慮なく脳みそ溶かしちゃいなさい!」

 前後からの強烈な同時責めに、あっという間に高みに押し上げられる。 ユカ様とリカちゃんの息のあった責めに、ボクは簡単に絶頂させられた。

「あっ、あっ、あーっ!」

 体がビクビクと震え、腰の奥で熱の塊が爆発した。 ペニスから、ほんの数滴だけ何かが放出された感触があった。

 脱力したボクは、リカちゃんの背に覆い被さって呼吸を整えようとした。 ところがほんの数秒後、再びボクのアヌスを占拠していたディルドーが動き出した。

「ふあっ! やめっ、やめてえっ! ボク、今いったばっかりっ!」

「最初にいったでしょ! いやってほどいかせてあげるって!」

「あん、ごめんねアキちゃん! リカ、まだいってないの!」

 再び腰を使い始めた二人に、ボクはもうされるがままだった。 ペニスが力を失うとディルドーがボクの急所をつついて復活させ、リカちゃんのアヌスがぎゅうぎゅうと絞り上げた。 連続していかされていると、だんだんいってしまうまでの間隔が短くなり、ついにはいきっぱなしのような状態になった。

 快楽の怒涛に押し流されてとうとう意識を手放したときには、ボクの頭は『キモチイイ』以外の事を考えられなくなっていた。

● ● ●

 どのくらい意識が途切れていたのだろう? 目を覚ましながら最初に考えたのはそんなことだった。

 目をあけると、自分がベッドに一人で横たわっていることがわかった。 五感が働き出し、頭がゆっくりと回りだす。

 みんなの姿を探して寝返りを打つ。 まだ木馬に固定されているユキちゃんと、そのユキちゃんのお尻とペニスを弄るユカ先輩、おっぱいをいじっているリカちゃんが目に入った。

 ユキちゃんはぐったりと木馬にもたれかかりながら、時折体を痙攣させている。 口にはいまだにバーギャグが噛まされたままで、声を上げることは出来ない様子だった。

「……ユキちゃん」

 ボクが呼びかけると、それまでぐったりしていたユキちゃんがはじけるように頭を上げた。

「あら、起きたの」

 声を出せないユキちゃんの代わりにユカ様が声をかけてくる。

「なにを、してるんですか……」

 体を起こしながら問い掛ける。 全身がだるく、普段の十分の一も力が出ないようだ。

「うふふ、ちょっとお仕置きをね。アキちゃん体大丈夫?」

 ユキちゃんから離れてこちらを向きながらリカちゃんが言う。

「うん。それよりお仕置きって……」

「ユキはさっき勝手な事してあんたをいかせちゃったでしょ。そのお仕置き」

 そういいながらユカ先輩がユキちゃんのアヌスに突っ込んだバイブを動かした。 ユキちゃんがそれに反応してビクンと跳ねる。

「も、もう赦して上げて下さい! ユキちゃん壊れちゃいそうじゃないですか!」

「あら、ユキはこれぐらいじゃ壊れないわよ。 こう見えても、こういうのにはあんたより慣れてるんだから」

「で、でも……」

「ふふ、そうね。ま、この辺で勘弁してあげましょうか」

 ユキちゃんのアヌスからバイブがずるりと引き抜かれる。 その刺激にユキちゃんはいっちゃったみたいだ。 再び木馬にしがみついて、ぶるぶると震えた。

 リカちゃんが手枷とバーギャグを外し、ユカ先輩がニップルクリップと足枷を外してユキちゃんを木馬からおろす。 二人に両肩を支えられてベッドまで運んでこられたユキちゃんは、ボクのすぐ隣に力なく横たわった。

「だ、大丈夫!?」

「ううーん、もう駄目ぇ、これ以上いけない……」

 ……大丈夫そうだね、ユキちゃん。

 膝枕をして髪の毛をなでてあげると、しばらくして正気を取り戻したユキちゃんがボクを見上げてきた。

「あ、お姉ちゃん……」

「大丈夫? よっぽど気持ちよかったみたいだね」

「うん――あの、ごめんね……」

「ん? 何が?」

「さっき……」

「くすっ、別にいいよ」

「ありがとう……」

 ユキちゃんの頭を膝から下ろし、ボクは再び横になる。 体を横たえた途端強烈な疲労感が襲い掛かり、体力がほとんど底をついているのが分かった。

「ふう……」

 目を閉じてため息をつくボクにユキちゃんがにじり寄ってくると、ボクをぎゅっと抱きしめる。 その体温の暖かさが心地よくて、ボクもユキちゃんを抱き返した。

 ボクたちの上に、ふわりと毛布がかけられる。 目をあけると、リカちゃんとユカ先輩が備え付けの大きな毛布をかけてくれていた。 そのままボクの背後にリカちゃんが、ユキちゃんの背後にユカ先輩がもぐりこむ。 背中側から抱きしめられる感触。 ユカ先輩もユキちゃんをしっかりと抱きしめているのが感じられる。

 暖かい体温に包まれるのを感じながら、ボクは意識が薄れていくのに任せた。 背中からボクを抱くリカちゃんの体温。 ボクに抱きつくユキちゃんの体温。 その向こうにもユカ先輩の体温。

 心地よい、暖かい闇に包まれて、ボクは安らかな眠りに落ちていった。

―了―


*** Next Morning ***

川  ̄ー ̄) ムニャムニャ
 「ふぁ……」

リリ ・ω・) ジー
 「……」

川  ̄ー ̄)
 「……おはよう」

リリ ・ω・)
 「おはようございます」

川 ゚ー゚)
 「……なに人の顔じっと見てるのよ」

リリ ・ω・)
 「いやあ、ユカ先輩って、寝顔かわいいんですね」

川*゚□゚)
 「!」

リリ ・∀・) ニヤニヤ
 「寝顔はユキちゃんとそっくり。やっぱり姉弟なんですね」

川 //Д//)
 「ちょっと、ばかっ、なにっ、シャワー浴びてくるわ!」

浴室|λ=3

リリ ・▽・)=3
 「……プッ」

川 ・ヮ・ノ クスッ
 「……クスッ」

リリ ・∀・) クスクス
 「クスクス」

浴室|<アンタタチー! キコエテルワヨー!

          -*-*-*-*-

リリ;・▽・)
 「うう、パンツがザーメンで……」

川;・ヮ・ノ
 「私のも先走りでぐっしょりになってたわ……」

川;゚ー゚)
 「くっ、私のまで愛液で。ぬかったわ」

リリ;・ω・)
 「みんな後先考えないから……」


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