『遥かなる悠久の大地』
土地と言うものの執着については、スカーレット・オハラが最後に「そうだ、私にはタラがある。」と呟くシーンで、『タラのテーマ』が鳴り響くのが余りにも印象的です。
それは、スカーレットにとっても『タラ』は生れ落ちた所であり、永遠の故郷であるからに他ありません。
女性は土地にしがみ付くものなのでしょうか。スカーレットの様に強い人格でも逃れられない事なのでしょうか。
赤毛のアンの中にも、アンが引き取られた『グリーン・ゲイブルズ:緑の切妻屋根』、ダイアナの住んでいる『オーチャード・スロープ:坂の果樹園』、
アンが結婚後に住む『イングル・サイド:炉辺荘』、また、若草物語での『プラム・フィールド:プラム畑』というように邸宅について固着の名称が与えられています。
日本でも昔は、荘園の名前が存在していたようなので、滋賀(近江)の佐々木荘 群馬(上野国)の新田荘だとかの呼び名が残っています。
土地名称と人物名称は表裏一体ですね。やはりそれは人間の生活基盤の多くが大地よりの収穫物に依存していたために他なりません。
狩猟型社会よりも農耕型社会のほうが生産性はどうしても高く、ヨーロッパの繁栄も三圃式農業や輪裁式農業の導入により社会変化が促進されたように人類にとっては大きなファクターです。