何だか高級な木の箱に入れられ、紫色の…タオル?眼鏡拭き?みたいなつるっとした布に包まれた長細い物体。布の上からでも、なんかごつごつイボイボしている物。
モールは恭しくそれを持ち上げ、ランピーに差し出して見せた。正確には、ランピーの斜め12度くらい横に差し出していたけれど、寝室にはランピーしかいないから見せたい相手もひとりだろう。
「今日は、女性が男性へ祈願する日」
モールはひどく真剣だった。ひどく真剣に、全裸で、それを差し出していた。
「子宝祈願に使う道具だから、ルーピィ、はい」
とりあえず。
子宝って、関係ないじゃん、とか。東方の島国は世界一の技術だったな、とか。色々言いたいことはあったけれど。ランピーはあえて全てを無視し、全裸で、モールに向き直った。
「ミィこれ、俺に使うつもりじゃないよね?」
モールは凄く頭がいい。目が見えない分、情報処理能力は桁外れに高いはず。それなのに、何でか。どうでもいい嘘に引っかかる。
「突っ込めば、いいらしい」
「いやちょ、待ってモール待って!!落ち着いて!!これバイブだよただのグロテスクなイボイボバイブだよモールに入れてあげるから落ち着いて!!」
綺麗な顔は、神妙な顔をしても美しさが増すから、本当に始末が悪い。その顔のまま涙目なんて、どんなコンボかと思う。
それでも引けないものは引けない。いくらモールが可愛くたって、自分の事ながら回数の多い自分の相手大変だろうなと思っていたって、引いてはいけない。
思っていたのに。
「駄目と言われたら、恋人を続けられないと…」
つぅと零れ落ちた涙と、多分本気で信じているらしい悲痛感に、ランピーは絶望を感じた。
モールは一度こうと決めてしまうと、相当な事がない限り意見を覆さない。もし駄目と言い続けたら、きっと本気で恋人を解消する気だろう。
真面目に、モールに嘘教えた奴明日チェーンソー…
「…子宝、大事だよ、ね」
バックの処女ごときよりも、ランピーにはそっちの方が絶対に問題だった。絶対に。






腕の中でひくりと体を震わせるモールは、とても可愛らしい。鎖骨に鼻先を擦り付けて、ちゅうと吸い付いて。時たま、喉の奥で喘ぐ。その慎ましやかな快感の示し方が、ランピーにはたまらなく可愛い。
「うぁ…ッ」
けれど今は、至福の時を過ごせるような余裕はなかった。
ローションでどろどろに手を汚し、アナルを解しているのはランピーだけではない。モールもだ。
「ぃ…ミィ痛い、爪」
お互いにアナルを解しあうなんて、考えた事もないシチュエーションだ。モールの爪はあまり長くないけれど、常に気にかけているわけではないから。時々内側の柔らかい粘膜を引っ掻く。それが、思いの他痛い。
謝るように、柔らかく唇を食んできた、綺麗な歯。下唇だけ、食んで、ぺろりと舐めて。それだけで入れてしまいたくなるけれど、今回はランピーの方が大仕事だから、先走ってもいられない。
モールの顎が腕に乗せられて、届きにくいからと横に寝た体勢で解しあう限界を感じる。
「わたし、のは…んぁ、ッそんなに、しなくても、いい」
足が絡んできた。普段から使われているモールのアナルは、確かに少し指を入れただけでも、痙攣してしまうほどに柔らかいけれど。あまり催促するような仕草を、しないで欲しい。
本格的に上半身を起こしたモールが、深く指を突き入れてくる。悪戯のように浅い場所ばかりをさ迷っていたそれが、随分と奥に。
「ッ!」
モールのしなやかな指ですら感じる圧迫感。彼も体格はいい方だから、それなりの大きさの手を持っていて。
二本の指が、緩く抜き差しを繰り返す。モールがしていると思うだけで、何故か背徳的な気分になるから不思議だ。十分に、背徳的な行為ではあるけれど。



「私のも、こうだった?」
丹念にローションを塗っても、まだ完全には解れない。そんなアナルに、モールがくすくすと笑う。今日は随分と饒舌だ。
「覚えて、ないっ…もう、犯したくて」
兎に角犯したくて、それしか考えられなかった。余裕なんて何一つなく、ランピーは貪る事しか考えていない。こんな、会話をする余裕もなかったから。やり直しという意味でなら、悪くないとも思う。じんわりと下半身に広がってきた熱が、痛みを和らげてくれたせいだろうか。
「平気、これ、るぅの半分もない」
私じゃ物足りない
男としては、名誉な褒め言葉だけれど。半分以下のイボイボバイブを入れられるのが自分だと思うと、十分大きいとも思う。シリコンらしい、透明感のあるバイブ。何故か紫色、モールに渡した相手の悪意を感じる。
それでも。るぅの初めて、奪うのだから…言って、亀頭部分を丹念に舐め上げたモールは、ひどく卑猥で。その光景だけならば、十分満足に値した。
だから、いいやと思った。
「そっちもローションつけて、どうぞ?」
投げやりになってしまったことは否めないけれど。ランピーにとっては、たかが処女、だ。モールを奪っておいて、嫌だはないだろう。



「ぐっ…うぅ」
思ったより、柔らかい。思ったのは、最初だけだった。何故ならモールが、躊躇うことなく一気に押し込んだから。
ゴリゴリと体内をかき乱しながら進む感触が気持ち悪い。そして痛い。
「もー…くぁ!ちょ、腹けっこ、しんどい」
声を張り上げようとすると、力が入る。圧迫感が酷くなると、痛みを感じる。それが、アナル部分ではなく腹まで絞まる気がする。
「気持ちいい?」
それなのにモールは、とても満足げ。そういえば、一気に入れられるのが好きだった。自分の好きな方法でしてあげれば、相手も気持ちいい、という好意。
「い、たいっ…てか、くるし」
いつも、うつ伏せになって、尻を高く上げて。一番楽だからと、モールが好む体制。それなのに、こんなにも苦しいものか。
本当に、今後気をつけよう…脂汗を浮かべながらそう誓ったランピーの耳に、その時とんでもない言葉が飛び込んできた。
「スイッチ」
「…ま、もうちょっと…ッッぅああああぁ!」
苦しい。苦しいのに、更に動かされてしまったら大変な事になる。思ったとおり、細かい振動とうねるような動きに、ランピーは一瞬吐き気を覚えた。最初から最大、モールらしい豪快さだ。強制的に広げられた体内、背骨にまで感じるほどの振動。
「ぐぅッ!とめっひ?!」
引き裂かれるような感覚は、消えない。それなのに、時折感じる強烈な浮遊感はなんだ。カッと体が熱くなる瞬間がある。
塗り替えられる瞬間、といえばいいのか。まるで、モールが乱れきったときのような。
「みぃ、やば…ッんあぁ!!ッやば、い!!」
何もかもぶちまけたい、ぶちまけてはいけないものまで。何時の間にか強くシーツを握り締め、しかもぐしゃぐしゃに引き寄せている。何かに強く縋りたい、それはシーツではない。
「ミィ、みいいぃぃ!!」
大きく手を振った。それは確りとモールの肩を掴み、力任せにベッドに押し倒す。浮遊感の間がどんどん短くなっていく。体内をゴリゴリと掻き毟るイボが、ランピーの前立腺を確実に捕らえているようで。このままでは、すべてをぶちまけてしまいそうだったから。
引きずり倒されたモールは、それでもやんわりと微笑んでいた。微笑みながら、ランピーの背に腕を回し。
「私を、思う存分汚していい」
だらだらと先走りを流すペニスに、尻を擦り付けた。



ひぅとモールの背が仰け反る。腰を打ち付けるときに、こんなにアナルを締めていたとは知らなかった。
「はぅ…あ、あん!!ゃ、るぅいつも、よりッ」
硬い
強く締めるだけで、バイブを締め付け、電流のような快感が背を走る。
「あっ、あ、あ、ああっ!」
出したくもない声が勝手に漏れ、舌が絡まって仕方がない。多分もう、何回かモールの中に吐き出している。それでも一向に治まらない、壊れた蛇口のようだ。
ぐぽりと引き抜くたびに零れ落ちる精子の量が半端ではない。これでは、モールが苦しいだけ。
「ぬく、ッ、から、動かない、ッ…くぁ!!」
抜くと言っているのに、モールはいやいやというように腰を擦り付ける。なんて強欲な子だろう!
「ミィ、も…ふああぁ!」
「やぅ、また、きた、すごッんん」
くんとまた背が仰け反る。モールも達したらしい。このタイミングしかないと、強引に引き抜いたペニスが、精子を撒き散らしながら大きく震える。
ぺしゃりぺしゃりと、モールのしなやかな体、首筋、そして顔。
「ぁ、ぁ…すごい、精子、いっぱい」
自ら引き抜いて投げ捨てたバイブは、まだモールの顔の傍でヴヴヴと振動を続けていた。それでも止まらない精子が、今度は髪まで飛んでしまって。
大きく足を開いたまま、精子まみれになってしまったモールは。うっとりと、目を細めていた。
「すごい…るぅの、こんなに、いっぱい」
頬についた少量を掬い取り、口に運ぶ。その一連の動作が、あまりにも恍惚としていたから。
「も…っ、今度から、嘘つかないで、普通に頼んで」
枯れてしまった声で、ランピーはそれだけを告げ、モールの上に崩れ落ちた。
計算通りって顔、してるんだもん
モールにチェーンソーを向けることは出来ないから。せめて次は、完全拒否を執行するチャンスをください。



END




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