相手の言う事に絶対服従する事。
笑顔で迅速に対処する事。
終了を宣言されたら、次は立場を交換する事。

だって、遊びだもの。





◆服を脱がないで、目の前でオナニーをする事◆

かしりと、爪を噛みながら。モールは笑う、トロンとした目で。
光を映さないそれは、今にも溢れ滴って、零れ落ちてしまいそう。半分しか開いていないのに、本当に大きな目。
密やかに零れる吐息が、悪い事をしているようで。モールはどうして、いけない事をしているとき、こんなにいやらしいんだろう。
「駄目、爪痛むよ」
ランピーはいつも、見惚れてしまう。それでも、可哀想な爪を救出すべく腕を伸ばせば、悪戯に嫌がって見せて。それすら可愛いのだから、どうしようもない。
「命令」
「…んぅ」
それでも、これは遊びだから。一言言えば終わり、モールがくすくすと笑いながら手を離し、毛足の長いラグに指を絡めて。今度の犠牲は、ニット。いつも鼻の下まで覆っている功労者を、躊躇いもなくぱくりと咥えた。
けれどそれは、ランピーの好みに適していたから何も言わない。いつもきちんと背を伸ばし、清潔感のある服装のモールが。その格好のまま、よく見えるよう大きく足を開き、たくし上げたニットと細身のパンツの隙間から手を突っ込んで、オナニーをしているなんて。十分すぎるほどの優越感。
モールほど、支配欲を満たしてくれる相手はいないと、ランピーは思う。
「何考えながらしてるの、教えて?」
望み通りの答えが返って来ると。モールの口が従順に、自分の名を告げるとわかっていれば、尚更。
「ん…るぅが、私を、犯して」
どろどろにして
「射精後の、お掃除を、口でしている…ぁ」
モールの頭の中では、もう一度セックスは完了しているらしい。むぐむぐと蠢くニットは、多分しゃぶられているから。
ニットの奥では、モールの喉が上下して、最後の一滴まで。搾り出し啜る事を妄想しながら、手を動かす。最初の頃に比べて激しくなった扱きが、続けての挿入を物語っているようだ。
「俺、また入れちゃった?今ミィの事突き上げてる?」
凄く近くで、オナニーを見ている。寧ろ、開いた足を押さえ込む勢いで。それなのにランピーは、下半身よりもモールの表情に夢中。
いつも声を抑えてしまうモールを、少し物足りなく感じていたけれど。オナニーのときは、もっと抑えている。それがわかっただけでも、異常に高揚してしまって。
「っ、ん…たくさ、ん、して…っっ!」
モールが射精したと同時に、イッてしまう錯覚に囚われるほど。真っ白なラグに、ぴゅうと飛んだ精子。同じ色なのに、すぐに固まってなかなか取れなくなるそれ。
今は、見なかったフリ。
「終了!どうぞミィ、早くね。俺次決めたから!」





◆下を全部脱がせる事◆

そんなもの、5秒で終わる。
「…脱がせたけど」
「しゅうりょ」
「え?終了?いいの、俺の言った事気にした?」
「大丈夫、終了。どうぞ」





◆ペニスをしゃぶりながら、アナルを自分で解す事◆

妄想の中で、散々しゃぶられていたらしいペニス。小さなモールの口には、亀頭だけでも手に余る。今回は更に、しゃぶるという命令しかしなかったから、少し不満げ。
モールは、触れているのも好きだ。朝起きたとき、たまに無意識で握られているから。
清楚な外見に似合わず、相当な淫乱ちゃん
「凄いねミィ、すぐ広がっちゃう。ひくひくして、可愛い」
完全に咥えているだけで、何の刺激にもならないけれど。ランピーはそれで問題ない、しゃぶるという命令はモールへのご褒美だ。亀頭のつるりとした表面に、舌を擦り付けるのが大好きだから。すぐに夢中になって、最初の命令なんて忘れてしまう。
アナルに二本の指を突っ込んだだけで、解される事のないそこ。モールの指をかき分ける様に指を差し込むと、慌てたように動き始めて。その挿入に合わせ、抜き差しを繰り返す。
「ん、ん、ん」
見えないけれど。きっとまた、とろんとした顔をしている。
中はすぐに柔らかく解れ、ふるりと震えた。モールの手を掴み、一緒に少し激しく突くと締め付けてくる。
少し、遊びがすぎたかもしれない。
「あ〜…終了。どうぞ」





◆あと2分舐めるから我慢する事◆

意外な場面でとんだお預けだ。ランピーは苦笑を浮かべながら、モールの頭を撫でる。
今度こそペニスを掴んで、両手で掴んで。扱くでもなく、ただ舐めているだけ。好きなものを独占する子供みたい。
「あ…そういや、俺の方が年上だ」
ふと思い出してしまって、そうなるとモールが余計可愛く思えるから不思議。もう年齢の僅差など、気にならない年齢になっているけれど。命令ゴッコなんて…いや、これはある意味では大人の余裕なのかもしれない。
「ぁ…駄目、我慢」
うっかり調子に乗ると、すぐに出そうになってしまって。モールに怒られるけれど。





◆挿入中、気持ちよかったら気持ちいいという事◆

「きもちい、んぁ!ぁ、ぁう…ッきもち、い」
挿れた瞬間から、ずっと。うわ言のように呟かれ続けて、流石に苦笑。柔らかく打ち震える肉壁は、いつもすぐに解けてしまって気持ちよさそう。けれど、ここまでとは思わなかった。
「からかってる?ぁつ…ッごめん、なさい!」
つい聞いてしまいたくなるほど。
うっかり聞いてしまって、すぐ謝罪したのは、ぎちりと音が鳴りそうなほど締めつけられたから。ある程度収縮可能なモールのアナルは、名器だと思う。
「君と…ッしていた、ら…んん、っいっしょ、だしてたら」
もたない
少し恨みがましげに睨まれてしまった。確かに、短いスパンで何度も何度も出せるランピーに付き合っていたら、もたないだろう。
「じゃあミィは、出さないで、イッてるんだ」
「ひゃう?!ッ、あ、きもちい!!」
そう思えば、これは十分に嬉しい事。お礼の突き上げに、モールの体が少し浮いた。特記事項体力と腕力だけでも、結構便利。いや、モールが喜ぶから、凄く便利。
深い部分を小刻みに擦ると、まるで膣のように震える。前立腺ばかり刺激されるより、奥を突かれる方が好きなんて。
「女の子みたい」
下半身だけむき出しにして、男に組み敷かれて。
聞きようによっては、結構な皮肉。それなのにモールは、ふふと笑う。笑ってまた、かしりと爪を噛んで。
ぁ、ぁ、ぁ
喘ぎ続ける。角度を変えてと催促するように、緩やかに揺れる腰。
もう、本当に。
「孕めば、いいのにッ…出すよ!」








引き抜いた瞬間糸が引いて、くぽりと溢れ出てくる精子。我ながらどうしてこう量が多いのかと思う。しかもまだ、足りないなんて。
「どうする、命令ゴッコもう止める?」
ランピーにとっては、数ある一回のうちの戯れ。多分モールもそのつもり。
ひぅひぅとこまめに息を吸い込んで、荒れた胸を落ち着かせているモールは。ゆると長い睫を持ち上げ、少しだけ首を傾げた。
モールが最も可愛くなる仕草。
「ぁ…次、私の、番?」
ニットを首までたくし上げ、もこもこになっても気にせずに、親指で乳首をぐりぐり押す。不公平がないように、両方。伸びた腕をやんわり掴み、払う素振りを見せないから、まだこのまま続けてもいいという事。
「そう。ああでも、止めるっていう命令はなしで。俺絶対ズルしちゃうから」
言わないだろうとは、思うけれど。
釘を刺したランピーに、モールは当然のようにふるふると首を振って。ふうわり笑った。
「命令…もっと、はしたない命令、して欲しい」
もう、本当に。
モールは清楚な外見に似合わず、相当な淫乱ちゃんだ。



END




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