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やまねむる

 

作者: 464
Summary: ムジカ×コダマ(ショタ注意)

 

やまねむる

「ムジカ!」
 庵の敷居の所に立っていたのは年端もいかない少年だった。
 弟子を自称するコダマである。
 燃える囲炉裏の傍で初老の男が振り返った。
 彼がムジカ。庵の主であり山のヌシである。
「こんな寒いのに,よう来たな」
 里では初雪が降りたばかりであった。
 冬である。無論、山は里よりも寒い。
 風強く冷たい山道をこの子は一人で踏破してきたのだ。
 山に一歩踏み入れたときからムジカはそれを見ていたのである。
「冷えきったろうに、囲炉裏にあたれ」
「うん、今日は何を教えてくれる?」
 貪欲に知識を求める顔で少年は言った。弟子を名乗るのも伊達ではない。
「そうだな……」
 この季節は座学がよかろう。
「よし、コダマ。ここに座れ」
 ムジカが指し示したのは自らの膝の上であった。

 囲炉裏では薪が惜しげもなく投入され、小さな庵を熱いほどに暖めている。炎は妖しげにゆれ、炭のはぜる乾いた音が響いた。
「ムジカ……さすがにちょっと暑いよ」
「そうか? お前さんの身体は冷え切っているじゃないか」
 炎を正面に、背後をムジカに抱かれコダマは動くことが出来ない。
 そして、その精悍に引き締まった足を執拗にムジカが撫で回すのである。
「ほら、こんなに冷たいじゃないか。どれ、揉んでやろうか」
「ちょっと……ムジカ……」
「これも修行のうちだ」
 そう言われては抗うことなど出来なかった。
 節くれだったムジカの指は下帯の上からコダマの繊細な股間を揉み解していく。
 奇妙なことにそれは不快ではなかった。
 他人に触らせたことのない敏感なその場所を硬い指が弄ぶ。
「おや……コダマのここは喜んでいるようだな」
 健気にも勃起した肉棒を下帯から引っ張り出された。
「……いや」
 自分の欲情の証を囲炉裏の炎に照らされ、コダマは羞恥で頬を染める。
 先端を包皮に覆われたまだ稚いながらも硬く屹立する少年の男根を、いとおしむように武骨な男の手がゆっくりとしごき、時に激しく玩弄するのだ。
「あぁぁっん、ムジカ……なんか変だよう……」

 この日、少年は初めて絶頂というものを知ることになる。


        了

 

 

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