ひとりじめ










太陽が照り付け、暑い日が続く季節。
水遊びなどの涼むイベントが皆の心を楽しませるそんな時期。

「ミーティアね、エイトに見てもらいたいものがあるの」

ミーティアの部屋で楽しく談笑していた時だった。
徐に立ち上がったミーティアは、クローゼットに向かったと思うと何かを取り出した。

「うふふ、可愛いでしょ?」

目の前に出されたその物にエイトは目が点になった。

「ひっ姫?!それは一体…」
「水着よ。ゼシカさんと一緒に選んだの」

ミーティアが手にしている水着は、淡い水色を基調としたホルターネックタイプのビキニだった。

「それ…どうするのですか?」
「どうするって、着るのだけど…」

恐る恐る聞き返すエイトに、ミーティアはきょとんと目を丸めた。
どうするも何も着るものなのは当たり前であって、鑑賞用な訳がない。
エイトが言いたいのは其処ではなかったのだが。

「何処で着るんですか?」

其処が最大の疑問だった。

「ゼシカさんが折角夏だし、みんなで泳ぎに行きましょうと誘ってくれたの」
「みんなって!」

エイトはいきなり立ち上がり声を上げた。
その行動にミーティアは驚いてしまう。

「いけません!みんなと泳ぎに行くだなどとっ」

物凄い剣幕で反対するエイトに、ミーティアは予想外な事に驚いてしまった。
それでも何とか了承を得ようと説得を始める。

「エイトだって毎日暑くて大変でしょう?みなさんがエイトの休みに合わせて行こうって言ってくれたから大丈夫よ?」

しかしエイトはがんとして首を縦に振らない。
ミーティアは困った。
自分がお願いすれば困りながらも大抵の事は了承してくれたエイトが、泳ぎに行くのだけ許してくれない。

「どうしても駄目…?」
「駄目ですっ」

にべもなく反対に合いミーティアは落胆した。
折角ゼシカと一緒に選んだ水着を来て、エイトやみんなと泳ぎたかったのに…。
しょんぼりと俯くミーティアにエイトも困ったとばかりに頭をかき、何故か顏を真っ赤にさせ目を泳がせた。
そしてもう一度ミーティアを見つめた後、ミーティアを抱き寄せた。

「泳ぎに行くのが駄目なんじゃなくて、その格好が問題なんです」

急に抱き締められ驚いているとエイトが呟いた。

「姫の…その格好をククールやヤンガスに見られるのが嫌なんです」

顏に手を当てこれでもかなぐらい真っ赤になるエイト。
ミーティアは何故エイトが猛反対したのか解り、安堵すると同時に嬉しくなった。

「…ヤキモチ?」

ミーティアが呟くとエイトは体を離しミーティア見た。
その顏は図星を指摘され、困ったような悔しいような、まるで子供のような表情だった。

「だって…この水着、エイトが喜んでくれると思って選んだのよ?」

かぁっとエイトの顔がますます赤らむ。
その姿がなんともミーティアの母性本能を擽る。

「エイト可愛い」

からかうように手を口に当てて笑うミーティアに、エイトは悔しくなった。
人を勝手にどぎまぎさせて…。
思わずミーティアの手を取ると、口角の上がったその唇に自分の唇を押し付けた。
顏を離せば今度は真っ赤なミーティアの顏。

「…笑った罰です」

照れながら言うエイトに、ミーティアは恥ずかしそうにうつ向きながらエイトの服を掴んだ。

「もっと…して…?」

うつ向いたミーティアの顏を上げさせ再び口付けた。
エイトの唇はゆっくりと下り胸元に落ちる。
ドレスを少し前に引き出し、柔らかな乳房の上部に吸い付いた。

「ん…っ」

白くきめ細やかな肌に赤い痕が咲く。
それからエイトはその華をミーティアの肌に無数に散らした。
その度に静かな声をあげるミーティアの全てを奪い尽した。




こんな綺麗な肌を誰にも見せたくない。


ミーティアの肌はすべて自分のものだ。 




自分のものだと主張するように、白い肌に映える赤い痕を指でなぞた後、エイトは目を閉じた。















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