想いがそうさせるのか、自分の血がそうさせるのか。
屈託なく笑うチチを大事にしたいと思うのに。





無性に滅茶苦茶にしたい衝動に駆られるんだ。















BLACK or WHITE















ぬけるような青空の下、チチは何時もの様に洗濯物を干していた。
眩しい太陽に負けないぐらい、チチ自身もキラキラ輝いている。
それを見詰めながらひとつ溜め息を吐く。
時々自分とチチは余りにも違いすぎるのではないかと思ってしまう。
この世の純粋を生まれながらに持つチチに対し、自分は何処までも酷く血で汚れている。
戦いを好み、どんなに強い敵と出会っても心の奥で高揚感を覚えてしまう。
そんな自分はチチに相応しくないのだろう。
けれど。

「悟空さ、修行はどうしただ?」

自分の存在に気付き顔をこちらに向ける。
                     
「まぁたそのまま帰って来て!家では超サイヤ人はやめてくれって言ったべ?」

口ではそんな事を言っていてもこんな姿の自分を受け止めてくれた。
だからだろうか。
その純粋な表情を崩したくなる。
自分が穢れているのならチチを穢してしまえばいい、と。

「きゃっ?!」

洗濯物を干し続けていたチチの腕を前触れなく引き寄せる。
足元には籠に入ったままだった残り物が散らばった。
                 
「何すんだっ・・・・」

その時自分は笑っていたかもしれない。
チチの表情は一気に強張った。

「来いよ」

有無を言わせず手を引き家の中へと引きずり込む。
洗濯物が、と抵抗しているがそんなものはどうでもいい。
乱暴にソファに座らせると不安げに揺れるチチの瞳とぶつかり合う。
そんなチチを見てゾクリと感情が高まった。

「悟空・・・さ・・・?」

チチの後ろにある背凭れに両手を付き顔を近付ける。
獲物を追う狩人のように決して逃しはしない。
何か言おうとして開かれた口に容赦なく自らのを押し付け侵入する。
拒否する事は一切許さない。

「ふ・・・ぅん・・・・」

口内を犯す合間に漏れる声に心の箍が外れていく。
当たり前のように柔らかな乳房に手を滑らせる。
その途端、抵抗していなかったチチの手が胸を押した。
それに気付いて口を離すと厭らしく銀色の糸を引いた。

「悟空さ・・・ダメ・・・」

顔を真っ赤にして俯きながら言うチチを覗き込む。
 
「ダメじゃねぇだろ?」

あくまで声色は優しく、宥めるように囁く。
それでもチチは首を横に振り胸の辺りをギュッと掴んで離さない。
 
「だって、こんな昼間から・・・・」

昼間だろうと夜だろうとそんな事は自分には関係なかったが、
貞淑なチチは明るい部屋で体を見せるのを極端に嫌がった。
それでもズルイ自分はチチに囁くんだ。
最後は抵抗出来ない事を知っていて。

「俺が今、チチが欲しいんだ」

そう耳元で囁き軽く噛む。
小さく漏れる吐息にさらに追い討ちを掛ける。

「なぁ、いいだろ・・・?」

首筋に吸い付きながらチチの表情を窺う。
チチの全てを知る自分だからこそどうすればいいか解る。
もっとも自分に対するチチの気持ちを知っているから、最後はいつも受け入れてくれるのを知っていたけれど。

「だって・・・悟飯ちゃんやピッコロさがいつ戻ってくるか解らねぇべ」
「アイツ等は修行に夢中だから帰って来ねぇよ」
「だども、此処じゃ嫌だべ・・・・」

チチが罠に掛かり堕ちた瞬間。
顔には出さず心の中でほくそえむ。
                     




チチの体を抱きかかえ寝室に向かう。
カーテンで閉め切った部屋は薄暗く、淫靡な雰囲気を漂わせる。
チチはこれから起こる事に不安を抱いているのか震える手でしがみ付いてきた。
可愛いチチ、俺だけのチチだ。
この世でチチを穢せるのは自分ただひとり。

ぼんやりと浮かぶ白いシーツを纏ったベットと言う名の檻にゆっくりと下ろす。
チチの瞳に金色に揺らめく自分の姿が映し出されている。
それはまるで天使に魅せられた悪魔のようで。
何もかもがいつもの自分とは違った。

「チチ・・・・」

優しく名を呼び頬に触れる。
柔らかな肌は掌に吸い付くようだ。
不安を取り除くように微笑んでみても、心の中ではチチを滅茶苦茶にしたくて堪らなかった。
もう二度と抵抗は許さない。
もう、止まらない。

最初は軽く触れるように、二回目は強引に唇を重ねる。
チチの柔らかな舌がぎこちなく反応するのを吸出し自分の口内に誘いこむ。
チチは戸惑いながらもこちらの意図を汲み取り舌を動かす。
薄らと目を開ければ一生懸命なチチの顔。
もっと色んなチチの表情が見たい。
堪らず口を離し押し倒す。
そんなんじゃまだ足りない。
自分の中のチチを求める欲求はさらに勢いを増した。
チャイナ服をたくし上げると目の前には白い緩やかな頂。
 
「・・・・ぁ・・・・」

か細く声を上げるチチに構わず全てを取り去る。
いつも自分を虜にして離さないその肢体に迷わず口を付けた。

「ひぁ・・・っ」

丘陵の一番高い位置に鎮座する赤い魅惑の実を口に含む。
舌を押し付けるように舐り、吸い付き刺激を与えると見る見るその実は硬さを増した。
                     
「チチ・・・気持ちいいのか?」

丸みに沿うように掌を這わせ指の隙間からソレを挟み込む。
チチはまだ羞恥心があるのか、首を横に振った。
そうしていられるのも今の内だ。

「嘘吐くなよ・・・こんなになってるのに」

挟んでいた指にキュッと力を入れると一際高く啼いた。
その快楽に歪む顔がいっそう自分の欲望に火を点ける。

「気持ちいいんだろ?」

再び聞くとチチは泣きそうになりながら首を縦に振った。
それに満足気に微笑みキスをする。
手は休まる事無くソレを攻め続ける。
キスで塞がれた口からは今にも声が漏れそうだった。






そっと手を下へと這わせるとチチの体がビクついたのが解る。
それでも口は塞いだままで湿り気を帯びた秘所へと到達させる。
そこでやっと口を離すと甘い声が漏れた。

「あっ・・・ごく・・・さぁ・・・・」

布地の上から滑らかに往復しながらワザとある部分を掠める。
そうするとチチの腰は無意識に動き出した。

「どうした?チチ。腰なんか動かして」

解っていながら聞けばチチは真っ赤になりながら潤んだ瞳で見詰める。

「やだ・・・そんな事ねぇだ・・・・」
「ふぅん?そうなんだ」

意地悪そうに笑い今度はソレを触れずに往復させる。
チチはますます何かを欲するように体を捩らせた。

「悟空っさ・・・お願い・・・・」
「お願いって何が?」

ワザと知らないフリをする。

「・・・て」
「何?よく聞こえねぇよ」
「触って・・・・」

チチの体に快楽を植え付け開花させたのは他でもない自分だ。
どうすればチチが強請るか、そんな事は手に取るように解る。
                     
ニヤリと口の端を上げ沿わせていた手をその一点に触れさせる。
と、途端にチチの口から待ち侘びたように嬌声が漏れた。
まるで快楽に溺れる天使のように。
どんなに純粋でも、悪魔の罠には叶わない。
白が黒に染まるように。

「あ・・・・あぁ・・・ん・・・・」

次から次へと上げる甘い声と比例するように布地の中央が湿り気を増す。
腰を浮かすように快楽に身を委ねるチチの姿はこれ以上ない幸福をもたらすのだ。
翼を折られた天使は一生悪魔の側に居るしかないのだから。

溢れでる愛液は布地だけでは堰き止められず、徐々に染み出し始める。

「チチィ・・・ココ凄く濡れてきてるぞ」

厭らしく笑いながら小さく硬く主張する粒を攻め続ける。
チチは必死に理性を繋ぎとめようと首を横に振る。
一気に上から押し付け布地ごと強く擦り上げる、と同時だった。

「―――――っあ!」

ハッキリとした声をあげ体を仰け反らせる。
ピンと張った足は緩やかに力が抜けていき、長い黒髪はシーツに舞った。
焦点の合わない目をしながら肩で息をしている。
気付けば自分の指には粘りつく甘い蜜。
                     





既に役割など果たしていない布地に手を掛け一気に外した。
チチはもう抵抗しなかった。
正確に言えば出来なかった。
チチの秘裂からは粘りつくように糸を引く蜜が溢れ、止まらない。
                     
いつもは暗闇の為ハッキリと見た事のない秘所が目の前に広がる。
綺麗なベビーピンク。
ひくつかせ、誘うような芳香を漂わせている。
内股に手を置き力を込め開かせると、チチの意識は覚醒したようだった。

「ダメ・・・・悟空さ・・・・やぁ・・・・っ」

絡め取るように舌で舐め上げ味わい尽くす。
それに反応するようにさらにソコはひくつく。
まるで何かを欲しがっているように。

厭らしく音を立てて攻めればチチの声はますます甘味を増す。
そうすればそうするほど、チチの内から自分を誘惑する蜜が与えられる。
その何とも言えない甘美なモノを貪るように吸い上げれば、チチはよがる様に其処を自分に押し付けてくるのだ。

その行為こそ、自分がチチに快楽を植え付けている確たる証拠だった。
普段のチチからは想像も出来ないほどの乱れた姿に気分は高揚の一途を辿る。
もっとして欲しい、チチの無言の要求を飲み込むように舌を指し入れた。

「あぁ・・・っ!悟空さ・・・・もっと・・・・」

その声を聞いて自分の口の端が歪むように持ち上がる。
こうしてチチは自分から離れられなくなるのだ。
                     
「チチィ・・・さっきまで嫌がってたのにそんなに気持ちいいのか?」

羞恥心を煽ればチチは恥ずかしそうに抵抗の声を上げる。
今更抵抗した所で、本能で発した言葉の前では全く意味を成さない。

「そんな嘘吐いたって無駄だぞ。今俺の前でオマエの此処はキモチイイって言ってるからな」

そう言って舌を思い切り押し付けて擦り上げるとチチはまた一段と高く啼くのだ。
そうして罠を張っていた自分が、逆にチチの罠にはまっていく。
声を聞く度に頭の中が空っぽになって支配される。


男と女の体が違うのは繋がる為だ。
その時だけはふたつの体がひとつになる。
相手の体に侵入して掻き乱し、果てるまでその行為は続く。
征服感、独占欲、そして愛情。
色んな感情が自分を走らせる。

セックスなんかしなくても男女の愛情は量れると言うけれどそんなのは綺麗事だ。
相手が好きなら全て奪いたいと思う。
奪い尽くして自分のモノにしたい。
それは綺麗な愛じゃないと言うのなら、そんなのはくそくらえだ。




もう限界だった。
チチの可愛らしい声を聞いていて、どうして我慢など出来るだろう。
自分の中の欲を吐き出してしまいたくて堪らない。
もどかしく衣服を全て脱ぎ去り、待ちかねていた己自身は硬さを増し痛いくらいにはちきれそうだった。
                                    
「チチ・・・今楽にしてやるからな・・・・」

ひくつきながら侵入を今か今かと待ち焦がれているように見える秘裂に己を宛がう。
それでも欲しているのは自分も同じで。
それをただチチに摩り替えているだけだ。

楽になりたいのは本当はチチじゃない、自分自身なんだ。
チチの中に解放したくて仕方ない。
黒が白に飲み込まれる瞬間――――・・・。

ひくつき蜜を溢れさす秘部に我慢出来ずに一気に突き込む。

「んぁ!」

チチの内は生暖かく全てを絡めて離さない感覚にさせる。
余りの気持ちよさに何も考えられず、頭の中は快楽で真っ白になっていた。
最奥まで突く度に蜜が溢れ厭らしい音を立てる。
その蜜が自分に纏わり付いてさらにおかしくさせる。

「あ・・・っ・・・あぁ・・・悟空・・・さぁ・・・・」

伸ばす手を自分の背中に回させる。
チチの声が遠くに聞こえる。
こんなに近くに居るのに。
近くなればなるほどチチの声はどんどん遠くに聞こえた。
                   
                     
                   
                     

チチの片足をグッと折り曲げさせ胸に付くようにさせる。
そうする事でさらに挿入の角度が変わり、チチの声はますます高くなっていく。
それでも、そうなればそうなるほど自分が呑み込まれていく。
ひとつに融けるという感覚は自分が無くなるようだ。
己の細胞ひとつひとつがチチに融け込み導かれていく。
いつだってそうだ。
最後には自分が支配される。

「くっ・・・・あ・・・!・・・チチ・・・ぃ・・・っ」

絶頂はもう目の前だ。
性急に己の欲のまま腰を突き上げる。
                     
「あぁ!!いやぁ・・・・っ!!」

先にチチの体が弓なりに撓る。
続いてチチの内に全てのモノを吐き出した。

「あぁぁ・・・っ・・・は・・・っ!!」

ドクリと脈打つ己自身から止め処なく流れ出る。
それを全て飲み込むようにチチの内は収縮し、締め付けた。
体をチチに預け倒れこむそうして初めて、自分がチチとひとつになっていて一番近くに居る事を実感出来た。 
                    






そう、いつだってそうなんだ。
チチを自分に縛り付けるためにするこの行為が。
実際は自分がチチの虜にされているのだと。



楽園から堕ちた天使は一生を悪魔と過ごす。
そして虜にされた悪魔も、一生天使から離れられない運命なのだ。

                    



白は黒に、黒は白になるように・・・・。















表の『悟チチ祭』で最終日一日だけUPした小説に加筆修正
これを一日とは言え表に出したのは大分冒険だったのではと今なら思います
まぁ祭って事で!(笑)
 

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