帰りたくなかった。

繋いだ手が心地よくて離したくない。
向き合えた気持ちは、まだ一緒に居たいと願っていた。

だから。

カカロットが、『俺の家に来るか?』と言った時、チチは無言で頷いた。




その先に待っているであろう、熱を解っていながら。















微熱 〜”beloved” another story〜















カカロットに連れ立たれてやってきたのは、閑静な住宅街にあるマンション。
お互いの想いを確認したばかりでの急展開に、チチは密かに落ち着かなかった。
どうしても一緒に居たくて、帰りたくなくて。
気付いたらカカロットの言葉に頷いていた。
もしかしたら恋人関係になって直ぐ、部屋にやってくるなんてはしたないと思われたかも。
そんな考えをひとりグルグル巡らせていた。

「何もないけど」

そう言って通された部屋はシンプルでセンスよくまとめられていた。
余計な物は一切なく、白と黒を基調としたシックな家具が必要最低限置かれている。

「片付いてるだなぁ」
「まぁな。家に居てもカルテ整理とかしかしてないから」

カカロットはチチをリビングのソファに座るよう促すと、リビングから続いているキッチンへと足を運ぶ。
チチは白いソファに腰をかけながら、つい辺りを見渡してしまった。
此処がカカロットの部屋。
そう思うだけで何だか緊張して落ち着かない。

「何か飲むか?」
「あ、おら水でいいだよ」

呆けているのを気付かれないよう直ぐ返した。
歓迎会で訪れた店で少量のアルコールを身体に入れたからだろうか。
まるで微熱に浮かされたように顔が火照っているようだった。

カカロットは冷蔵庫を開け、中からミネラルウォーターと氷を手際よく取り出す。
グラスにカランッと言う心地よい音が響き、其処へ並々とミネラルウォーターが注がれていく。

「ほら」
「ありがとうだ」

チチは受け取って直ぐ、ミネラルウォーターを喉に流し込んだ。
冷たいミネラルウォーターは緊張からかなんなのか、ジリジリと焼けるように渇いていたチチの喉を忽ち潤した。
まるで落ち着かせるように、チチの喉を滑って落ちていく。
冷たさによって少し熱が引いたように思えた。

カカロットはチチの向側のソファに腰掛け、同じようにミネラルウォーターを飲む。
チチは気付かれないよう盗み見るようにその様子を伺った。
まさか、カカロットが自分の事を想ってくれているなんて思いもしなかった。
未だにこうして此処に居る事が信じられないぐらいで・・・。

こうしてよく見れば、確かにカカロットは格好よかった。
何に対してもスマートな身のこなしに、整った容姿。
看護師達が騒ぐのも頷けた。
以前はなんて意地悪な人なのだろうと思っていたけれど。
その中にカカロットの優しさが見え隠れして、チチはいつの間にか心を奪われていたのだ。

改めて凄い人に惹かれたのだと、チチは無防備にカカロットを見つめていた。
そんなチチの視線にカカロットが気付かない訳はなく・・・。

「何?ずっと見て」
「えっ?!いやっな、なんでもないだ!」

慌てて取り繕い視線を外し、残りのミネラルウォーターを飲み干した。
多分顔は真っ赤になっているだろう。
急に意識してしまって、いつもの調子が出ない。

―――しばしの沈黙。
カカロットは何の言葉も発しなかった。
なんとなく気まずい雰囲気を感じる。
いつもだったらからかったりするクセに。
こういう時に限って、カカロットは何も言わなかった。
どうせ意識しているのは自分だけなのだろうと、チチは思った。

なんとか会話をしなければと、頭の中を巡らせる。
何でもいい、話していないと緊張で心臓が潰れそうだった。

ふと、カカロットのシャツに目がいった。
チチの涙を受け止めてくれた胸の辺りは、乾いているもののよれよれになっていた。

「シャツ・・・ごめんな?」

チチの言葉にカカロットが顔を向けた。
自分のシャツを見下ろし、涙に濡れてくしゃくしゃになっている事に気付いた。

「折角綺麗なシャツだったのに・・・」
「あぁ、別に構わないよ。クリーニング出せば大丈夫だし」

そう言って何故か、カカロットはそのシャツを脱ぎだしたからチチはえらい驚いた。
慌てふためきながらどうしていいか困り果てた。

「せっ、先生っ!!何急に脱ぎだしてるだ!!」
「ん?いやどうせくしゃくしゃになってるし、着替えようと思って」

理屈は解る。
だけどだからって此処で脱がなくてもいいのではないか。
チチは顔を真っ赤にしながら手を目一杯バタバタさせた。

「着替えるなら自分の部屋に行って着替えればいいべ!何でこったら目の前で・・・」
「ふぅん?」

チチの慌てように、カカロットはいつものように意地悪な笑みを浮かべた。
シャツを全部脱ぎ、上半身裸の状態でチチの元へと近寄る。

「何恥ずかしがってんの?」
「なっ!何で近寄ってくるだっ!!」

顔を真っ赤にして必死に抵抗してるチチが可愛くて。
カカロットはつい意地悪したくなってしまったのだ。
でも、本当は。
どうやってチチとの距離を詰めようかずっと考えていた。
チチに触れたい、抱きしめたい。
何もかも全て自分のモノにしてしまいたい。
冷静を装っていながら、カカロットの中でずっと燻っていた気持ち。

余裕なんかある訳がない。
好きな女とこうしてふたりきりになって。
我慢なんか出来る男が居るだろうか。

「先生っ早く服着て・・・!」
「チチ」

突然、カカロットの声色が変わった。
先程までのからかうようなモノではなく、何かを含んだ真剣な響き・・・。
チチはカカロットの表情を見て息が止まりそうになった。
目の前には、真剣な目をしたカカロットの顔。

ジリジリと距離を詰めていたカカロットは、チチを逃がさないようにソファの背もたれに手をついた。
ふんわりとチチの甘い匂いが鼻腔を擽る。
それだけで、カカロットの理性は吹き飛びそうになった。

「あ、あの・・・」

まるで射抜くようなカカロットの視線に耐えられる筈などない。
しどろもどろに言葉をどもらせる。
恥ずかしくて、逃げ出したい衝動に駆られた。

「お、おらっ、そろそろ帰る・・・」
「帰さない」

ソファから立ち上がろうとするチチをそのまま逃す筈がない。
チチだって解っているのだ。
この状況でカカロットが解放してくれる筈などないと。
けれど、恥ずかしくて仕方ないのだ。
カカロットの均整の取れた肉体にクラクラしてしまう。
自分を見つめる目も、閉じ込める腕も何もかも。
注がれる全てのモノに意識が集中して、どうにかなってしまいそうだった。

「・・・嫌か?」

優しく呟きながら、頬にそっと手を添える。
チチはこれ以上真っ赤にならない程、頬を染めあげた。
チチの嫌がる事はしたくない。
けれど、正直我慢も出来なかった。

囚われてもう動けない。
部屋に来る事を了承した時点で、こうなる事は解っていたではないか。
嫌な訳がない。
嫌なら部屋になど来ない。
けれど、素直に頷けるほどの勇気もなかった。

「おら・・・初めて・・・で・・・」

精一杯の言葉を紡いだ。
声は震えていなかっただろうか。
鼓動は先程から暴れるように苦しいぐらい刻んでいる。
チチの耳にリアルに響いていた。

「恥ずかしくて・・・その・・・」

節目がちになりながら、ギュッと自分の服の裾を握る。
何かの魔法にかかったように、身体が言う事を聞かない。

チチの身体が微かに震えている事に、カカロットは気付いた。
少しでもチチの不安を取り除いてやりたくて。
カカロットは、そっとチチを抱きしめた。

「チチ」

カカロットの声が遠くに聞こえるようだった。
夢に浮かされているように、地に足が着いていないような。
まるで身体がふわふわと宙に浮いているような、そんな感覚・・・。

チチはそっとカカロットの背に自分の手を伸ばした。
それは精一杯のチチの合図。
カカロットはゆっくりとチチから身体を離し、両手でチチの頬に触れた。

潤んだチチの瞳に吸い込まれそうで。
自分の姿を映す、その瞳さえ愛しい。
カカロットはゆっくりと、チチに翳を落としていった。
そのキスは優しくて・・・。
チチは何もかも全て、カカロットに委ねようと決心した。

一度唇を離し、間を置かず再び唇を重ねる。
今度は深く、全てを奪うように。
チチの唾液さえも自分のモノにするように、カカロットは舌を絡ませた。

「ふっ・・・」

あまりの深さに息苦しささえ覚えるほど。
カカロットの行為は情熱的で、チチの身体を忽ち溶かすように支配する。
ソファの背もたれに押し付けられながら、ただ精一杯その熱を受け止めるようにカカロットの腕を掴んだ。

「っはぁ・・・」

唇を離せばふたりの間に銀の糸が引いた。
チチの小さな赤い唇から、どちらのともつかない唾液が流れ落ちる。
とろんと色っぽい瞳で見つめてくるチチを。
早く自分のモノにしてしまいたくて仕方なかった。

カカロットは華奢なチチの身体を抱き上げた。
突然の事に驚きながら、チチはカカロットの首にギュッとしがみ付く。
連れ立ったのは、カカロットの寝室。
其処にある大き目のベッドの上に、チチをゆっくり降ろした。

ベッド脇にあるライトの明かりを点け、部屋を照らし出す。
チチは、あまりの明るさに戸惑った。

「あの・・・灯り・・・」
「チチをちゃんと見たい」

その言葉だけでチチはカッと頭に血が上るようだった。
ただでさえ初めてなのに、こんな明るい灯の元に自分の身体を曝け出すなんて。
そんなの恥ずかしくて出来そうにない。
チチは首を横に振った。

「や・・・恥ずかしくて無理だべ・・・」

本当は明るい中でチチの身体を見たかったけれど。
カカロットはチチの気持ちを汲み、灯りの光度を下げた。
それはぼんやりと薄明かりで、お互いを確認出来る程度。

「これなら大丈夫だろ?」
「ん・・・」

正直真っ暗にして欲しかったけれど、チチは言えなかった。
優しいカカロットにこれ以上我侭を言うのは、何処か悪い気がしたからだ。
カカロットがそっと、再びチチに触れようとして。
ある事を思い出しハッとしてしまった。

「先生、おら今日一日仕事して・・・身体・・・汚いから・・・」

シャワーを浴びたいと言おうとして、その言葉はカカロットの唇により遮られてしまった。

「もう、待てない」

こんな甘い匂いをしたチチを目の前にして。
これ以上の我慢が出来る余裕などなかった。
一刻の猶予も許さない。
カカロットは噛み付くようにチチの唇を奪った。

「んんぅ・・・っ」

苦しそうに喉を掠めるように声が漏れた。
目を薄ら開けてチチの表情をそっと伺いながら、カカロットはチチの上着に手を伸ばす。
カカロットの腕を掴んでいた手に力が篭ったのが解った。

「恥ずかしいだ・・・」

徐々に外されていくシャツのボタンに、チチは顔を真っ赤にさせた。
少しだけ抵抗するように、カカロットの腕を掴む手はそのままで。
しかし、カカロットは気にする事もなく、その全てを外した。

肌蹴たシャツの隙間から覗く、白い肌と柔らかそうな乳房に興奮が煽られる。
なるべく優しく、冷静に、カカロットはチチのシャツをその華奢な肩から滑り落とした。
綺麗な白いレースを纏った下着がなんともチチらしい。
細い肩は恥ずかしさに少し震えているようだった。

いくら薄明かりとはいえ、この距離ではカカロットには十分見えているだろう。
それが解るから、チチはカカロットを直視出来ずにいた。
徐々に曝されていく身体が恥ずかしくて、今にも逃げ出したい気持ちだ。

チチはだた目をきつく閉じ、カカロットのする事に全神経を集中させた。
カカロットの唇はチチの唇から徐々に首筋、鎖骨へと移動し始める。
ぬるりと生暖かい舌が首筋を這い、時に吸い付かれる度に、チチの口から吐息にも似た声があがった。

未だ下着に隠された乳房の上部にきつく吸い付き痕を散らす。
思った通り、チチの乳房は柔かくて心地がいい。
一刻も早く見たいとばかりに、カカロットはチチの背中に手を伸ばした。

「あっ・・・!」

カカロットの唇に翻弄されていたチチは、背中に回された手に反応が遅れた。
容易く外されたホックで下着は忽ちカカロットの手によって取り払われた。
慌てて両手で隠す。

「チチ・・・」

優しく声をかけると、俯いたまま目だけで恥らうようにカカロットを見た。
その仕種が可愛くて、何もかも暴いてしまいたい衝動に駆られる。
カカロットは下から掬い上げるようにチチの唇を奪い、顔を上げさせ乳房を隠す腕に触れた。
チチの腕に力が篭るのが解った。
それでも口内に差し入れた舌で蹂躙し、徐々にチチの腕の力を抜いていく。

ゆっくりと後ろに倒れながら尚、チチの口内は犯したまま。
息をするのを忘れる程、熱を伝えるように何度も何度も舌を絡ませた。
合間から漏れる苦しそうなチチの吐息にも似た甘く鼻にかかった声に、ますます行為はエスカレートしていくばかりで。
カカロットは力の抜けたチチの腕を外す事に成功した。

「ふぁ・・・ぁ・・・」

浅く早い呼吸をするチチから身体を離し、薄明かりの中浮かび上がるチチの肢体に目を向けた。
其処には丸く、見目も柔らかそうな可愛らしい乳房が露わになっていた。
ずっと見たかったソレを、カカロットは何も言わず凝視してしまった。

「あ・・・んま・・・見ねぇでけろ・・・おら・・・恥ずかし・・・」

カカロットの視線を感じたチチは、恥ずかしさのあまりおかしくなりそうだった。
元々自分の身体になど自信はない。
胸だってそんなに大きい訳ではないし、何よりこうしてカカロットに薄明かりとは言え見られている事実がチチの羞恥心を煽る。
そう言った所で、カカロットが見るのをやめる筈もなく・・・。

「何で?俺はもっと見たい」

そう言うと、カカロットの身体が再び近付いてくるのが解った。
ぬるり、という舌の感触が乳房の側面に感じた瞬間、チチの身体はピクリと反応した。

「ん・・・っ」

静かに声を上げるチチ。
自分のあげる声すら、聞いた事のないモノでチチは恥ずかしくて仕方ない。
ゆっくりと舐め上げられる度に、身体の芯が快楽に支配されていくようで。
自分を失くしてしまうのではないか、恐怖すら抱いた。

這わせていた舌を徐々に丘陵の中心へと移動させた。
其処には薄紅色をして、ツンとしたカカロットを惑わす実が鎮座している。
逸る気持ちを抑えつつ、待ち焦がれたとばかりに迷わず口に含んだ。

「んぁっ・・・」

今までの押し殺していた声より強く、よりはっきりとチチの口から嬌声が漏れた。
カカロットは上目遣いでチチの表情を垣間見ながら、口に含んだソレを吸い上げ、舐め上げた。
生温かいカカロットの舌に敏感に反応するように、徐々に硬くなり隆起し出す。
そうなればさらにチチに快感が走った。

「あっ・・・・あぁ!」
「チチ・・・すげぇ可愛い・・・」

カカロットの言葉にチチはますます羞恥心が煽られ、思わず口を手で塞いだ。
これ以上自分でも聞いた事もない声を聞かれるのは耐えられなかったから。

「・・・っ・・・ふ・・・・」

必死で声を我慢するチチを解っていてワザと強く弾くように、先端を口に含んだまま舌で転がす。
声を堪えようとしている事は、カカロットのチチを攻め立てる勢いに火を点けるには十分で。
どうしたら堪えきれず声を漏らすか、確かめるように強く舐り続けた。

「んぅ・・・っ・・・・!」

どんなに押さえていても声が漏れてしまう。
身体はカカロットに齎される感覚に敏感に反応し、ひくつき止まらない。
もうこれ以上は・・・そう願うチチの想いはカカロットに届かずさらに強く快感を強いられた。

「此処・・・こうするともっとキモチいいだろう?」
「!!」

チチの背中が一瞬ベッドから浮き上がる。
舌で舐っている反対の先端を指先で弾かれたから堪らない。
より強い刺激にチチの我慢も限界だった。
静かに口元から滑り落ちていく手。
艶やかに色めいた顔を曝し、頬を紅潮とさせている。
今だとばかりにカカロットは口と手と同時に攻め立てた。

「あぁんっ」

甲高い可愛らしい声がチチの口から漏れ聞こえ、カカロットは思わず口の両端を上げた。
やっと自分の手の中にチチが堕ちた瞬間。
耳に届く断続的に続く嬌声に、最早カカロットの動きは止まらなかった。

先端を攻めていた手を、チチの脇を滑らせ太腿へと運ぶ。
スカートの裾を捲くるように徐々に上へと這わせた行き着く先は・・・。

「あぁっ」

チチは目を見開き顔を仰け反らせた。
柔かく薄ら湿り気を帯びた場所にカカロットの手が侵入したからだ。
カカロットはほんの少し触れただけでその手を再び放す。
まるで何かを確認したかのように・・・。

スカートのファスナーをあっさり下げられ取り払われる。
其処にはショーツ一枚だけを纏ったチチの肢体。
薄明かりに照らしだされるその姿は、官能的に美しく眩暈がしそうな程。

カカロットに見られているのが解るから。
目をきつく閉じ、手を固く握る。
心の準備は出来ていた筈なのに。
思う以上に恥ずかしくてどうにかなりそうだった。

チチの想いを知ってか知らずか。
優しく口付られると同時に、手は不埒にショーツの上にかかる。
上部の少し高くなった柔かい場所を数度撫でられた後、まるで滑るように奥へと侵入していった。
あまりの事に、チチの足はそれ以上を拒むように閉じられた。

「チチ・・・大丈夫だから力抜いて・・・?」

そう言われても足の力を抜く事など出来そうにない。
ふり幅小さく、首を横に振った。
家まで来ておいて今更だと思われるだろうか。
呆れられる事に恐怖を抱いたけれど、どうしても恥ずかしさとこれから起こる出来事に身体は強張るばかりで・・・。

カカロットは一旦手を抜き出した。
やっぱり呆れただろうかと、チチは不安に駆られゆっくり顔を見ようとして。
次のカカロットの行動に思考が一瞬止まった。

ねとり、とショーツの部分に温かいモノを感じたのだ。
見なくても解る。
カカロットが舌を這わせていたのだ。

きつく閉ざされた足の隙間に捩じ込むように舌を差し入れ、辺りを舐め上げていく。
ギリギリ一番敏感に感じる部分の上を押し付けるように舐った。
恥ずかしさのあまり堪らずチチは身体を反転させ逃れようとした。
しかし、それはカカロットの思惑通りだった事をチチは知らない。

無防備に曝した背中に粟立つ感触が襲う。
ぬるりと腰から上へと舐め上げられ、あまりの感覚に背を反らせた。

「あぁ・・・っ」

空いた脇の隙間から手を入れられ乳房を揉みしだかれ、背中に無数の紅い華が散っていく。
カカロットに翻弄され、頭の中が白くぼやけていくようだった。
肩甲骨から腰、さらに下へとカカロットの顔は移動し、丸みを帯びたラインに辿り着く。
途端カカロットは口でショーツの端を咥え、一気に下へと擦り下げた。

「やっ・・・!センセ・・・ッ」

緩やかな丸みでハリのあるヒップがカカロットの前に現れた。
意識がぼやけていたチチは対応に遅れ、慌てて足に力を入れそれ以上下げられるのを止める。
しかし既に遅く、辛うじてショーツを全て外されるには至らなかったものの、
カカロットの目の前にはチチの柔らかそうなヒップが露わになっていた。

両の掌で下から持ち上げるように揉み上げ、その感触を味わう。
太腿の付け根から丸みに沿うように舌で舐め上げれば、チチの身体は忽ち震えた。

「あは・・・や・・・」

顔を上げ、堪えるように必死にシーツを掴む。
背中にかけて痺れるような快感に、チチの足の力が抜けていくのは時間の問題だった。
カカロットは舌で舐め上げながら、その時をじっくり待つように丹念に愛撫し続ける。
そっとショーツの端を掴めば、ほぼ無抵抗のまま取り払う事に成功した。

一糸纏わぬ姿になったチチを、そのまま舌で愛撫する。
付け根から太腿、内股へと移動し、チチを翻弄する。
チチは恥ずかしいのにどんどん力が抜けていく感覚に、どうする事も出来なかった。

「はぁ・・・ん・・・も・・・ぅ・・・」

カカロットに触れられる所全てが気持ちよくてどうにかなってしまいそうだった。
はしたない声をあげ、それでも理性を繋ぎとめるべくシーツを掴む手だけは力を緩めない。
面白いように白い肌を滑っていくカカロットの舌の行き着く先は・・・。

「あっ!」

チチから悲鳴に似た声が上がる。
カカロットがチチの身体をひっくり返そうとしたからだ。
シーツを掴んで居た事によって、辛うじて上半身だけは抵抗出来たものの
下半身はカカロットの前に曝け出す格好となってしまった。

「先生・・・や・・・恥ずかし・・・んぅ・・・!」

横向きになっていた上半身で抵抗の言葉を口にするチチの唇をカカロットはすかさず塞いだ。
口の端から零れ落ちていく唾液に構う事無く、カカロットはチチの舌を吸出し絡める。
そうしながらサッとチチの足の間に自分の身体を入れ、開かせる。
簡単にカカロットの手はチチの秘部に滑り込んだ。

「んむぅ!!んんぅっ」

抵抗を口にしたくても、カカロットはチチの口内を蹂躙したまま。
滑り込まされた其処は、ぬるりとした感触をカカロットの指に与えた。
目を細め苦しそうなチチを見ながら、高揚感に支配された。
やっと此処まで辿り着いたのだ。
チチが嫌がってももう、カカロットは止められなかったのだから。

米粒程の突起にそっと触れると、チチの身体はビクリと反応した。
今まで得た事もない強烈な快感がチチの全身を駆け巡る。
最初は優しく慣らすように、徐々に強くより刺激を与えるように指は突起の上を往復した。
眉を顰めるチチに気付いたカカロットは其処でやっとチチの口を解放した。

「あぁ!」

放した途端、高く甘い声を上げるチチ。
カカロットから与えられる快楽に我慢など出来る筈もなく、声を上げ続ける。
その様子を見ながらカカロットの口の端は自然と上がった。

「気持ちいいだろ・・・?」

恥ずかしくてチチは泣きそうになってしまった。
必死に声を出さないよう堪えてみても、それを解っていてカカロットは強く突起を擦り上げる。
チチの意思とは反対に、声は容易に出てしまう。

チチを翻弄しながら、カカロットは指をさらに奥へと差し入れ、その部分で一番ぬめりを帯びている箇所で手を止める。
その辺りを何かを確かめるように何度も往復させた。

「もう少しか・・・」

途端、大胆にカカロットはチチの足を左右に大きく開かせた。
チチはあまりの事に抵抗の声を上げた。

「やぁ!先生っ・・・駄目・・・!!」
「こうした方がチチにとってもいいんだぞ?」

カカロットの言わんとしている事はなんとなく解る。
けれど、どうしても恥ずかしくてやめて欲しくて堪らない。
まして今日は一度も汗を流していないのだ。
初めてであるチチにとったらそれは気になって仕方のない事だった。

「だって、おら・・・今日まだ一度も身体を流してねぇだ・・・」
「大丈夫。俺はチチのそのままの匂いを感じたい」

先程から感じていた。
チチから発せられる何と言っていいか解らない匂い・・・。
女特有の甘く、誘うような匂いに支配され、カカロットはチチの願いを聞き入れる余裕などない。
その匂いが一番強い秘裂を味わいたいと思うのは男の本能だ。

グッと内股の辺りを押さえ付け、チチの抵抗をものともせず、カカロットは口を近づけた。
肉厚で温かいざらついた舌の感触は柔かくて、指とは違った感覚がチチを襲う。
恥ずかしいのに・・・身体は正直にカカロットに開いていく。

手で口の辺りを隠しながら瞳は潤む。
微かに耳に届く水音が卑猥に響き、さらに羞恥心を煽った。
優しく初めてのチチを慣らすように、何度も往復し時に溝へ舌を差し入れたりして、蜜を導く。
その度に身体の中に電気が走ったような感覚が何度かし、チチは何も考えられなくなっていた。

「っはぁ・・・大分濡れたな・・・」

顔を上げたカカロットは口元を拭いながら、チチの様子を伺う。
チチはもう抵抗する様子はなかった。
薄明かりにぼんやり浮かぶその表情は快楽に堕ち、カカロットの目に艶やかに映った。
そんなチチが可愛くて、ますます自分のモノにしたい欲求が高まる。

まずは入り口付近を少し刺激する。
柔かくいて、とろりと絡みつく愛液を指に流れた事を確認した後、ゆっくりとチチの内へと侵入させた。
まずは一本で、慣らすようゆっくりじっくりと優しく掻き乱す。

「んぅ・・・っ!」

チチの顔が歪む。
何も迎え入れた事のない場所に一本とは言え、指を差し入れられたのだから
初めてのチチにしたら少しの痛みが伴なうのは当たり前の事。
カカロットはそれが解っているから、時間をかけ慣らしていく。
徐々に指を伝い落ちる蜜の量が増え、動かす度に水音がクチュリと出るようになったのを見計らい、もう一本指を差し入れた。

「はぁん!」
「チチ・・・大丈夫か?」

カカロットの労わる声が聞こえる。
二本に増えた質量は、チチにさらなる違和感を感じさせた。
しかしそれも少しの事。
チチの内壁を優しく刺激するように動かすカカロットの指に、チチから徐々に痛みは消えていった。

「は・・・・あぁ・・・・ふ・・・」

明らかに声に穏やかさが滲み始めたのを感じたカカロットはゆっくり指を抜いた。
肩で息するチチを見ながら、逸る気持ちでベルトを緩める。
既に中で硬く痛いぐらいになっていたカカロットは、乱暴にベッドの下に何もかもを脱ぎ捨てた。

「チチ・・・力抜いて・・・」

抱き締めるようにチチの身体の上に覆い被さると、ぴたりと吸い付くように肌がカカロットを刺激する。
チチの身体はとても心地よくて、それだけで幸せな気持ちになるのに。
その先へと進みたいと願う欲望は無くなりはしない。

大きな質量を感じたチチは硬く目を閉じた。
指とは比べ物にならないものが、今から自分の内に侵入しようとしているのだ。
怖くて、でもカカロットを受け入れたい想いで抱き締める手に力が篭る。

「俺に爪をたててもいいから・・・しっかり掴まってろよ」

そう言ってチチにキスをした後、グッと力を入れた。
チチの下腹部に痛みが走る。
それは想像以上に痛くて、逃げ出したいぐらいで・・・。

「あっ!やぁ・・・っせんせ・・・いた・・・・っ」
「ごめん・・・チチ・・・我慢・・・して・・・くぁ」

まるで侵入を拒むようにギュウギュウに締め付けてくるチチの内壁に、カカロットは眉を顰める。
苦しいぐらいの快感がカカロットの全身にも走り抜ける。
チチは必死に痛みを堪えるように、カカロットの背に爪をたてた。

ゆっくり、しかし確実にチチの最奥を目指していく。
チチの瞳からは一滴流れ落ち、シーツに初めての証である鮮血が走った。
こんなに痛いのに、逃げ出したいのに。
それでも最後の所で受け入れているのは、カカロットが好きだから・・・。

「あっ!あぁっ・・・あっ」
「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫・・・か・・・・?」

キュウゥと吸い付くような感覚に、カカロットの理性は今にも吹き飛びそうだった。
それでも紙一重の所でチチを気遣う言葉が言えるのは、チチが痛みを我慢して自分を最後まで受け入れてくれたからだ。
チチはカカロットの身体の下で涙を流しながら、それでも首を縦に振った。
それがいじらしくて、可愛くて・・・カカロットは嬉しくて堪らなかった。

「ゆっくり・・・動くから・・・な」

そう言うや、カカロットは最奥まで到達させたモノを浅く引き抜く。
そしてグッと突き返す。
再び、チチの爪がカカロットの背に食い込んだ。
カカロットはなるべくチチに負担をかけまいと、身体に密着して動きを制限させた。

「あぁっ!」
「は・・・チチ・・・ィ・・・」

浅く引き、突き返す行為は徐々にエスカレートし、引き抜く間隔が伸びていく。
それに比例するように突き返す勢いも増していく。
カカロットは少しずつ、我を忘れていく。
チチから齎される快感に、チチを労わりたい気持ちが呑み込まれていく。

「あっ!はぁっ・・・先、生・・・うぅん!」

強い刺激に、チチの瞳から涙が次から次へと零れ落ちていく。
カカロットの息遣いだけがチチの耳に届き、とにかく必死に受け入れる。
そっと瞳を開ければ、苦しそうに自分を攻め立てるカカロットが涙に滲んで映った。

その表情が愛しくて。
やはりカカロットが好きだと実感する。
自分の身体を何もかも壊すように奪っていくカカロットにしがみ付いた。

「チチッ!・・・は・・・っ・・・くぅ・・・っ」

ただでさえ狭いチチの内は、カカロットを快楽の頂へと上り詰めさせていく。
チチを気遣ってやりたいのに、その意識が保てない。
そんなカカロットにチチは振り絞るように囁いた。

「せん・・・せっ・・・好き・・・っ・・・・」

ぷつり、とカカロットの中で辛うじて繋がっていた糸が切れた。
心の中までも満たしていくその言葉に、何もかもメチャクチャにしてやりたい衝動に駆られる。
グッと足を抱え、より一層強く打ち付ければ、カカロットの限界は目前だ。

「ふぅっ!は・・・あぁっ・・・くぅん」

最初に感じていた痛みは大分和らぎ、我慢出来るぐらいになっていた。
さらに強く攻め立てられても、我慢出来ない程の痛みではない。
気持ちいいかどうかなんて解らない。
ただ、カカロットが気持ちよければそれでいいとさえ思えた。

「チチッ・・・あっ・・・・くぁ・・・っ!!」

ビクンッとカカロットの身体が震えた途端、チチの身体に圧し掛かった。
チチの耳元でカカロットの苦しそうな息遣いが聞こえる。
ドクンと内で脈打ちながら、カカロットはチチの内で果てた。

チチはそれが嬉しくて。
自分を抱き締めるように倒れこんできたカカロットが愛しくて。
髪に触れるように抱き締めた。

少し経ち、呼吸を落ち着けたカカロットはチチから身体を少し離した。
チチの目尻には涙が滲み、米神には流れ落ちた痕。
カカロットはそっと残っていた涙を拭ってやり、チチの頬に手を添えた。

「ごめんな・・・大丈夫か?」

チチは目を細め微笑んだ後、ゆっくり頷いた。
恥ずかしかったし痛かったけれど、こうしてカカロットとひとつになれた事が嬉しかった。

汗ばんだ髪を掬うように撫ぜ、カカロットはチチに口付けた。
何度も、何度もキスをし、そっと抱き締めてくれた。
それだけで、チチはさらに幸せな気持ちになった。






「先生・・・大好き」




その言葉がどれほどカカロットを幸せにしているか、チチはまだ知らない。




カカロットは何も言わずチチを抱き締めて。





いつまでも身体に残る微熱を感じながら、ふたりの初めての夜は深けていった。















リクエストいただいた、カカチチパラレル小説の裏バージョン★
最初は純愛を目指したのに・・・なんで相手がカカさんだとそうならないのか・・・
恐るべし!カカロットマジック!!(笑)

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