お題 078. 【処女】 (主姫)
ピクニックに行く約束をミーティアとしていたエイトは休暇が取れたのでそれを報告すべくミーティアの部屋に向かった。
「姫、失礼します。エイトです」
ノックをして開けようとすると、中から勢いよくドアが開けられミーティアの喜ぶ顔がのぞいた。
「エイト!今日のお仕事終わったの?」
あどけない顔で聞くミーティアにエイトは、はいと相槌を打ち用件を伝える。
「明日一日休暇が取れましたので約束してたピクニックに行けますよ」
そう言うやみるみる笑みを浮かべ、エイトに抱きついた。
「嬉しいっ!明日は一緒に居れるのね」
体に回された腕に鼓動は早くなりどぎまぎする。
抱きつかれたり、顔を近づけられたり、それだけでエイトはミーティアを全て自分のものにしたくて堪らなくなる。
それでもミーティアは純粋だから、自分のそんな感情で傷付けるのは嫌だったから自然にそういう関係になれるまで待とうと思えた。
「それではマリヤさんに明日のお弁当の用意を頼んでおきますね。明日の朝また迎えにあがります。それでは」
そう言って帰ろうとするとクンッと服が引かれ動きを止められた。
「姫?」
振り向けば少し寂しそうなミーティアの姿。
「もう行ってしまうの?」
「え…?はい。マリヤさんにお願いしなきゃならないし姫は明日の準備もおありでしょうから」
ミーティアはそれでも手を離さず、さらにもう片方の手も沿えてエイトの服を掴む。
エイトは困惑した。
一体何か気に障ったのだろうかと不安になる。
「準備は大丈夫だから、もう少しエイトと一緒に居たいの。いいでしょう?ミーティアの部屋でお茶を飲みましょう」
「しかし…」
エイトは躊躇した。
なるべく部屋で二人きりになるのを避けたかったからだ。
エイトの気持ちを知らないミーティアは絶対無防備になるのは明白だった。
それこそふたりきりの密室で我慢できる自信はない。
「ね?お願い。少しでいいの。一杯だけでいいから」
ミーティアにそう可愛くお願いされて断れようか。
エイトは決心も虚しく、結局ミーティアの部屋へと足を踏み入れた。
「丁度ね、今ひとりでお茶してたの」
テーブルにはティーポットと甘い匂いを漂わせたクッキー。
傍らには一客のカップとソーサー。
「ミーティアが入れてあげるわね」
嬉しそうなミーティアを見ているとこちらまで嬉しくなり幸せな気持ちになる。
無邪気で、可愛くて…こうして想いを遂げられた事が夢のようで時々怖くなる。
「はい、どうぞ」
温かい湯気をくゆらせ、ほんのり甘い香りを漂わせたカップが目の前に置かれる。
いただこうと手を伸ばしてエイトはある事実に気付いた。
「あの…姫のカップは?」
「一組しかないから今エイトに出したのがミーティアが使っていたものなの」
なんのてらいもなく言い切るミーティアにエイトは内心焦った。
キスをした事がない訳じゃない。
それでもミーティアが使っていたものと言う事は間接キスになるのだ。
もちろん嫌な訳などあるはずがなかったが、ただでさえ平常心を保とうとしている状況でこれはかなりきつい。
「私が使ってしまったら姫がお茶を飲めませんよ」
我ながらナイスアイデアだと思ったが、しかし相手は無邪気なミーティアだ。
こちらの思惑など伝わる訳がなかった。
「大丈夫よ。ミーティアもう沢山いただいたから遠慮しないで」
そういう意味じゃ…と思っても何も言えない。
これは腹をくくるしかない。
平常心だといい聞かせて、思いきって口を付けた。
「美味しいでしょ?今日のはピーチティなんですって。ほんのり甘くていい香りがするわよね」
「そうですね…」
正直味なんか解る筈なかった。
どうしても意識してしまって仕方ない。
目線はついミーティアの唇にいってしまい慌てて目線を逸らす。
落ち着けとばかりにとにかく目の前の紅茶を飲み干して此処から立ち去ろうと二口目を口に運んで―――。
「ねぇエイト。ミーティア、エイトの赤ちゃんが欲しいわ」
「ブーーーツ!!!ゲホッガハッ」
突然予想もしていなかった爆弾発言に口にしていた紅茶を吹き出してしまった。
どうしてまたこのタイミングでそんな話なのだろうかとエイトの緊張は一気に高まる。
「―――ひ、姫?!その、言ってる意味解ってますか?」
まだ少しむせながら問いただすエイトに心外だとばかりにミーティアは堂々と言い切った。
「あら、ミーティアにだってそれぐらい解るわ。教育係の先生に教えていただいたもの」
確かにミーティアには教育係の先生がついており、王族としての教養を学んでいた。
もちろんそういう教育もされるだろう。
だからと言ってあんな事を具体的に話しているとは考えづらかった。
「一体どんな風に教わったのですか?」
一応確認の意味で訪ねると少し恥ずかしそうに話始めた。
「男の方と女の方が抱き合うのよね…」
「えぇ、まぁ…」
それはそうなのだが内容が肝心なのだ。
「えっと…キス、もするのよね…?」
「します…ね」
キス、という単語にふたりとも顔を赤らめて俯く。
もしかして本当に詳しく教えられたのだろうか。
期待しているのか不安なのか解らない、複雑な心境でミーティアの次の言葉を待った。
「ミーティアはエイトとキス、した事あるし大丈夫よね」
「それは…そうなんですけど」
目が游いでしまう。
ミーティアはただ口同士をくっつけるだけのキスしか知らない。
いつもこれ以上したら嫌われるという思いに駆られたのもあるし、どうしてもその先を求めてしまいそうで怖かった。
「ね!知ってるでしょう?」
自信満々に言い切るミーティアにどうしたものか頭を悩ませる。
話の口ぶりでミーティアは子どもを作るという本来の行為をどのようなものか解っていないらしい。
このままでは自分の理性は持ちそうにない。
「ん」
一瞬気を取られている隙に気付けば目の前に目を閉じたミーティアの顏。
心臓が飛び出しそうになるほど慄いた。
「ひっ、姫!一体何を…っ!」
「ゼシカさんに子供を作る時はまずこうしなさいって教えていただいたの」
パッチリ大きな目を開けて無邪気に答えた。
きっと先日のパジャマパーティの時だと察しがついた。
「ゼシカさんが最初は目を閉じて任せればいいのよって」
多分、ゼシカも聞かれて返答に困ったのだろう。
その結果が今目の前で起こっている。
まさかふたりの間でそんな話しになっていたなんて…。
「ミーティアなら大丈夫よ。だってエイトだもの」
再び目を閉じ艶やかな唇を近付けてくる。
エイトは体を引かせ後ずさった。
目の前には薄らピンクに色付く頬と唇。
影を落とす長い睫。
鼻をくすぐるシャンプーの香りとサラサラ流れる美しい髪。
自分のものにしたいと思っていた人が自分の行動を待っていて、これで理性が切れない男などいる訳がない。
「――――っ」
エイトの中で何かが切れる音がした。
今まで懸命にブレーキを掛けていた心が動き出し鼓動だけがリアルに響く。
ゆっくりと差し出されているミーティアの唇に恐る恐る自分のを重ね触れさせた。
初めてじゃないのに、どうしていつもこんなにも心をかき乱されるのだろうか。
薄ら目を開けてミーティアを見るとほんのり頬を赤らめていたが、まだ穏やかな表情をしていた。
エイトはミーティアの背中に手を回しきつく抱き締めた。
その強さにミーティアは少し体を強張らせたが、ゆっくり自分もエイトの背中に手を回した。
そこで完全にエイトの理性の糸はプツリと切れた。
口を離したと思うと角度を変え再び口付ける。
こんなに一回に何度もキスされた事がなかったミーティアは、それでもエイトに全てを任せようとしていたのだが…。
「……?!」
ビクンッとミーティアの体が反応した。
エイトはミーティアの小さな可愛らしい口を割って舌を侵入させたのだ。
勿論ミーティアには未知のものだった。
自分の口内をエイトの舌が動めき自分の舌に触れたり歯列をなぞったりしている。
こんなキスなんて知らない。
エイトの背中に回されていたミーティアの手に力が込められたのを感じながらエイトは止めようとしなかった。
否、止められなかった。
ずっとミーティアに触れたくて、自分のものにしたくて堪らなかった。
それが今現実のものとなっていて、止められる筈などない。
最初に誘ったのはミーティアの方だとミーティアのせいにして自分に納得させていた。
経験した事がないキスはミーティアの思考をぼんやりさせ、何も考えさせなくさせた。
驚きはしたけど不思議と嫌ではない。
エイトは自分より知っているのだと漠然と考え、やはりエイトに全てを任せようと決心した。
「姫…」
唇を解放して様子を窺うように囁く。
感情ばかりが先走っていたが、それでもミーティアが嫌がる事をしたくないと心の奥で歯止めがかかる。
これ以上進んでも大丈夫だろうか?嫌がっていないだろうか?
エイトの心臓は全身に響き渡るぐらい脈打った。
少し困ったような表情を読み取ったミーティアは何も言わずエイトに抱きついた。
それはミーティアからの無言のサイン。
自分から望んだそれを、エイトに全て任せるとの意思表示だった。
ミーティアが抱きついて来た事によってエイトは安堵すると同時に残り少なかった理性も消え去っていく。
もう一度顔をこちらに向かせて唇を重ね合わせる。
どんなに奪っても足りないような感覚に陥りますますミーティアの口内を攻めた。
次はどんな事が待ち受けているのか解らずミーティアは少しの不安を抱く。
エイトに任せると決めてもそれは別の問題だった。
今までと違うキスをされただけで自分の心臓はこれ以上早く打てない程鼓動を刻んでいる。
しっかりとエイトの体にしがみ付きエイトの熱を受け入れるのに必死だった。
「…っはぁ」
口を離せば苦しそうな息を漏らすミーティア。
感情だけが先走り、エイトは自分の手が震えているのが解る。
どれだけこの時を待ち望んでいたのだろうか。
だからこそ緊張して上手く出来ない。
自分がリードしなければとばかりに気だけが焦ってしまっていた。
そんな中、脳裏にククール達の言葉が甦る。
『初めての時は誰でも上手く出来ない。ようはどれだけ相手に自分の想いを伝えるかだ』
少しの冷静を取り戻したエイトは気付かれないようにひとつ深呼吸をすると、ゆっくりとミーティアの衣服に手を掛けた。
それでも手の震えは止まらなかったけれど、冷静にと言い聞かせてミーティアのマントを外す。
露わになった白く細い肩に眩暈がしそうになった。
これから自分の目の前に晒されるであろうその肢体を前に苦しいぐらい鼓動を打つ。
衣服を脱がされるとは思わなかったミーティアは正直逃げ出したくなっていた。
露わになった肩が恥ずかしくて思わず両手で抱き締めるように隠してしまう。
そんなミーティアを優しく抱き締め背中のファスナーに手を掛けた。
ギュッと目を瞑りなされるがまま、背中を晒す。
「姫…手を…」
エイトの言葉に戸惑いながら、一瞬躊躇する。
目の前のエイトの表情に眩暈がした。
今まで見た事もない、自分を求めるように切ない表情を浮かべるエイトにミーティアの手は自然と力が抜けていく。
優しくその手を外してやると緩んだ胸元は肌蹴け、柔らかな膨らみの上部がエイトの目に入った。
これ以上下げていいのだろうかと躊躇うも、震える手のままゆっくり下へと擦り下げていった。
「……ぁ…」
静かに声を上げるミーティアに構わず、ゆっくりと足元にドレスを落としていく。
布が擦れる音がいやに耳に残り、さらに羞恥心と興奮を煽る。
そうしてエイトの前に生まれたままの姿のミーティアが映った。
恥ずかしそうに頬を赤らめ、両手で胸元を隠して俯むいている。
しなやかで白くシミひとつない美しい肌と滑らかなラインに思わず息を呑んだ。
その体を優しく抱き締めてベッドへとゆっくり押し倒す。
見下ろせば潤んだ瞳で見詰めるミーティアと目が合いどうにかなってしまいそうになる。
「エイト…恥ずかしいわ…」
困ったように囁くミーティアが可愛くて仕方ない。
今目の前で頬を赤らめている愛しい人の全てを手に入れる事にエイトの精神状態は落ち着くはずも無くて。
隠している胸元に添えられた手をそっと掴んでゆっくりと外していく。
少しの抵抗を感じるものの、徐々にエイトの前にその柔らかな乳房が露わになった。
「…やぁ…」
恥ずかしさの余り顔を逸らすミーティアに構わずエイトは目の前の乳房を凝視する。
薄紅の頂と、白く柔らかそうな肌に意識が一気に飛ぶのが解った。
躊躇いがちに、それでも迷う事無くエイトはそれに顔を近づけていく。
「……っぁ…!」
甘く高い声が漏れる。
ざらついた感触が纏わりつき、其処を中心にたっぷりと味わい尽くすように舐め上げられた。
ぎこちなく愛撫するエイトの舌は行為自体初めてのミーティアにとって、それは何とも言えない感覚だった。
恥ずかしさと経験した事のない快感とが入り混じり感情が高ぶる。
「は…っ…ぁ…」
静かに、それでも柔らかい艶やかな声を上げるミーティアに不馴れなエイトもこれで大丈夫なのだと安堵した。
余裕なんかあるはずがなかった。
目の前で少しずつ乱れていくミーティアの様子で自分のしている行為が苦痛を与えているのではないという事だけがいっぱいでどうしたらもっと気持よくさせられるかまでは追い付かない。
今まで想像の中でしかなかったミーティアの肢体が現実のものになった今、エイトが冷静でいられる訳がなかった。
ミーティアの反応を確認しながら自分の手を下へ移動させ薄い布地に到達させると、内股の奥へと指を滑らせた。
「やっ…」
その声でエイトは躊躇してしまった。
困ったように真っ赤になったミーティアを見詰める。
ミーティアが嫌がる事はしたくない。
しかしこの先に進むには避けて通れない事だ。
エイトは考えあぐねた末にミーティアの口を自分の唇で優しく塞いだ。
少しでもミーティアの恐怖心をなくしたい、ただそれだけを思い賢明に優しく口付ける。
そうして何とか柔らかく湿りを帯た部分に手を這わせた。
ミーティアの体が強張りエイトの腕にしがみ付く手に力が入った。
それでも唇はエイトに塞がれたまま酔わされる。
エイトに深い口付けをされる度に頭の芯がぼやけて何も考えられなくなった。
恐る恐る、なるべく優しくこれから自分を受け入れるであろう秘裂にエイトは布地の上から触れた。
「……!!」
エイトの指がぎこちなく自分でもよく知らない部分を弄る度に足がびくつく。
子供を作る事とはミーティアが教育係の先生から学んだ以上の想像出来ない行為の連続なのだとぼやける頭の片隅で考えていた。
慣れない手付きながらもミーティアを知ろうとゆっくりその部位を上下させたながらある部分で指を止めた。
きっとここだろう、と思いまずは優しく触れるように指を押し付けた途端。
「…っ!!」
今まで以上の反応を見せるミーティアにエイトは怯むものの、痛くはないだろうとその固い小さな突起を指の腹で刺激し始めた。
「あぁ…っ!」
唇を離した途端、今まで以上に声を上げるミーティアに正直驚いてしまった。
表情は今にも泣きそうに体をよじり高く可愛らしい声をあげ続ける。
恥ずかしそうなのに感じているミーティアにエイトは興奮を押さえられなくなりそうだった。
「やぁっ、エイト…ダメェ…」
さっきまでのエイトならミーティアにそう言われたらやめていただろう。
しかし今は違った。
自分の手で乱れ狂っていくミーティアが見たい。
もっと自分の手によって喘ぐ声を聞きたい。
意識はどんどん行為に没頭していく。
誰にも、まして自分でも触れた事もない場所を触られ、襲われた不思議な感覚にミーティアはただ声を上げる事しか出来ない。
恥ずかしくてやめて欲しいと願うのに、その気持ちとは裏腹に体は力が抜けていった。
空いてる指で湿り気を確認し、布地の横から手を差し入れ柔らかい茂みの奥を目指す。
其処は指に絡み付くような粘液が溢れ、エイトの指をなんなく招き入れた。
状態を確認したエイトはゆっくりその布地を取り払った。
恥ずかしくておかしくなりそうな気持ちを押し殺すようにミーティアはシーツを掴む。
まだ誰も何も受け入れた事のない密を溢れさす秘裂にゆっくり指を一本差し入れた。
「ひぁ…っ」
下半身を襲う違和感にミーティアは全身で拒否した。
自分の内に侵入した指に少し痛みを感じて怖くなってしまったのだ。
「エイト…どうしてもそれをしなくてはダメ…?ミーティア怖い…」
薄ら涙を浮かべているミーティアを見たエイトは自分の欲情と傷付けたくない理性の狭間で揺れ動く。
この先、これ以上の恐怖を与えるのは目に見えている。
しかし此処まできてやめれる理性ももうない。
「姫…」
優しく口付け髪を撫でる。
ミーティアを自分のものにしたいと願うエイトを誰が責められただろうか。
「これより先を続ければもっと姫を怖がらせてしまうかもしれません。それでも…私は姫が欲しいのです」
今まで見た事もない男の顔をしたエイト。
苦しそうに自分を見つめるエイトにミーティアは全てをエイトに任せると決めたのを思いだし再び決心した。
「…エイトがミーティアを欲しいと言うなら…」
ふたりは見つめ合いどちらかともなく唇を重ねた。
ミーティアの体が震えているのが解る。
それでも自分を受け入れようと賢明にしがみつくミーティアに申し訳なくなると同時に愛しさが込み上げてくる。
ずっとこうなりたいと願っていた。
ミーティアが大事で、大事すぎて手が出せなかった今日までの想いを伝えるようにきつく抱き締め深い口付けをした。
「え…?」
ミーティアはてっきりもう一度指を挿入されると思っていたのだが、エイトがとった行動に驚かれずにはいられなかった。
「やっ!何…」
「大丈夫です。痛くはないですから…」
足を広げられながらそう告げたエイトの頭は先ほどの場所に沈んで行く。
と、間を置かずに先ほど指で攻められていた辺りを生暖かいものが触れた。
「ふぁ…っ」
思いもしなかったこの行為はエイトの言うように痛いものではなかった。
身体中が痺れるような感覚に襲われ全神経が其処に集中する。
そんな場所を舐られるなどミーティアには未知の世界。
気持いいと思ってしまう自分にますます恥ずかしさが増した。
音を立てて舐め上げられるのもさらにミーティアの羞恥心を煽った。
「は…っぁ…んっ」
再び侵入させた指をゆっくり出し入れする。
ある程度舌で愛撫した事もあり先程よりミーティアの表情が柔らかい。
自分にしがみつくミーティアを気にしながら優しく、慣らすように動かし続けると、内から徐々に密が溢れ始めた。
それと同時にミーティアの顔はもっと和らぎ漏れる声も大胆に艶やかさを増した。
滑りがよくなった事を確認したエイトは満を持して己の固くそそり立ったったものを愛液溢れる秘裂の入り口に押し付ける。
翻弄されて意識が不確かな中、指より重く大きいその感覚に意識が集中された。
「姫…私の背中にしっかり掴まって下さい…爪を立てても構いませんから」
エイトの言った意味をミーティアは直ぐに理解する事となる。
指で攻められていた場所に、指とは比べ物にならない質量のものが侵入し始めたのだ。
「あぁっ!」
明らかに今までと違う悲鳴に近いミーティアの声にどれほどの苦痛を強いているのかが解る。
それでめ自分を締め付けるきつい内壁をゆっくり突き破るように奥を目指す。
「あぁ…エイト…っ」
ミーティアの目尻から光る雫が滑り落ちる。
それと同じくして、内股を赤いものが流れシーツを汚す。
それに気付く余裕などないままエイトは侵入を続けた。
ミーティアは必死にエイトにしがみつき痛みを堪えている。
この苦痛を変わってあげられたらどんなにいいのだろう。
それでも自分を痛いぐらいに締め付けるミーティアの内にエイトの意識は遠のき始めていた。
「は…ぁ…入った…」
自分の下で大きく息をしているミーティアを抱き締め、今ひとつになっている事を感じ合う。
自分を絡めるように纏わり付く正体不明なものにエイトは意識が呑み込まれそうになっていた。
最後には主導権がとって変わると言っていたククールの言葉をこの時初めて理解した。
今度はエイトがミーティアに翻弄される番だ。
「少しずつ…動きます…」
ゆっくり抜きさしを始めると再びミーティアの爪が背中に食い込んだ。
これはミーティアを自分のものにした代償。
ミーティアの苦痛に比べればなんて事ない。
始めはミーティアを気使っていたエイトだったがどんどん増していく快感に我を忘れていき、ゆっくりだった動きも徐々に早さを増していった。
「あっ!あぁ…っエイ…ト…!!」
必死にエイトにしがみつき痛みを堪える。
耳元に感じるエイトの苦しそうな息使いと、抱き締める力強い腕を感じながらミーティアはエイトを最後まで受け入れた。
最後の方は覚えていない。
気付けば夢中でミーティアを抱き締め果てた。
意識が戻った目の前には涙を浮かべたミーティアの姿…。
「すす、すみませんっ!!大丈夫ですか?!」
慌ててミーティアの上から体を起こすとミーティアはエイトに手を伸ばした。
「エイト…もっと抱き締めていて?」
その言葉にエイトは恥ずかしくなりながらゆっくりミーティアに体を重ねる。
「っ!」
苦痛に歪んだエイトの表情にミーティアは不思議そうな顔をした。
腕を回したエイトの背中を擦り、自分の爪で付けた傷痕に気付く。
「痛かった?ごめんね、エイト…」
申し訳なさそうに言うミーティアにエイトは力一杯首を横に振った。
「私のなんか大した事ありません!それより姫の方が…そのぅ…」
急に申し訳なさそうに真っ赤になるエイトにミーティアはにっこり笑った。
「お互いさまね」
その言葉にエイトは胸が一杯になった。
ミーティアは怖かった筈だ。
こんな事をされるなどとは思っていなかっただろうし痛くてどんなに途中でやめて欲しいと思ったか知れない。
それでもやめてとは一言も言わず最後まで自分を受け入れ続けてくれた。
堪らずミーティアをギュッと抱き締める。
「エイト、大好き」
エイトは答える代わりにミーティアの唇にそっとキスをした。
主姫初めて物語
次の日ピクニック行けたかどうか甚だ疑問・・・