お題 076. 【シャワー】 (悟チチ)
















どうしてこんな事になったのだろうか。
 
チチは努めて今の状況を冷静に考えようと思ったけれど、なかなかそうはいかないらしい。
それもその筈、此処は風呂場で、何故か悟空が自分の身体にシャワーを浴びせていた。
 
「へへ〜しっかり身体濡らさねぇとな」
 
チチの背後からまるで嬉しそうにはしゃいだ声が響く。
肝心のチチはと言えば、手を膝の中央上置き大人しくしていた。
こうなってしまったら何を言っても聞かない事は解っている。 
 




遡る事数分前。
ひとり風呂に入り一日の疲れを癒していたチチは、身体を洗おうと温まった身体を浴槽から
這い出させたのだったが・・・。
 
『チチ〜オラも入っていいか?』
 
突然脱衣所の向こう側に揺れる影とともに響いてきた声に驚き、再び浴槽へと身体をつけなおしてしまった。
 
『ごっ、悟空さ?!』
 
チチは慌てて思わず声が裏返ってしまった。
今日は珍しく、悟空がチチを先に風呂へ入れと言ってくれたのだ。
その言葉に甘えて、こうしてチチはゆっくりバスタイムを満喫していたのだが・・・。
 
チチの慌てた声など全く気になる様子もなく、悟空は勢いよく風呂場の入り口を開けた。
当たり前だが、もちろん全裸である。
そして当たり前のように、前を隠すという恥じらいも皆無であった。
 
『なっ、なんで入ってくるだっ!まだいいって言ってねぇべ?!』
『だってよ〜チチの風呂が長いから待ちくたびれたんだ』
 
先に入っていいと言っておいてこの台詞。
今更出て行けと言えず、チチは諦めの溜息を吐いた。
 
悟空は身体を流すのもそこそこに、無遠慮にチチが入っている浴槽へと身体を沈めた。
温かいお湯が心地いいらしく、その顔は緩んでいた。
 
『はぁ〜気持ちいいぞ』
 
そう言って笑う悟空に、しようがないと思いながらチチは強く怒れず。
しょうがないとばかりに小さく息を吐き、苦笑いを浮かべた。
 
『全く待ってられねぇんだから。子供みたいだべ』
 
へへっ、と笑う悟空は、本当に無邪気な子供のようなだった。
いつも結局最後には怒る気がなくなってしまうのは、悟空のこの性格のせいだろう。
まぁ、そんな悟空が好きなのだけれど。
そんな事をぼんやり考えていたチチは、ふと忘れていた事実に気付いた。
 
『悟空さ、あっち向いててけろ』
 『へ?』
 
チチは突然明後日の方を指差した。
意味の解らない悟空は呆けた顔。
少し恥ずかしそうにしながら、チチは言った。
 
『おら身体洗おうと思ってただよ。だからあっちの方さ見ててけれ』
『なんであっちの方見てなくちゃいけねぇんだ』
 
至極真っ当そうな言葉が返ってくる。
悟空に、チチの恥ずかしさなど解る筈はない。
 
『おらが恥ずかしいからに決まってるべ』
 
既に湯加減で赤くなっている顔では解りづらいけれど、カッと頬の温度が上がるのが解る。
いくらなんでもこんな明るい場所で身体を見られるのは恥ずかしい。
けれど、そんなチチの考えは悟空にはお構いなしのようで。
 
『なんだよ別に恥ずかしくねぇだろ?もう全部見ちまっ・・・』
『とっ、とにかくっ!恥ずかしいものは恥ずかしいんだべっ』
 
こっちが赤面するような事をサラッと言う悟空が少しだけ恨めしい。
いくら何度も肌を重ねたとて、恥ずかしさが無くなる事なんかありはしない。
それこそ恥らう乙女心である。
 
しょうがねぇなぁとぶつくさ文句を言いながら、悟空は一応明後日の方を向いた。
身体を洗い終わるまで見ないよう再度釘を刺し、チチは湯船から上がった・・・のだが。
一息吐き、シャワーに手をかけた途端。
 
『なぁ、オラが洗ってやっか?』
 
後ろから悟空の声が聞こえ、思わず後ろを振り返ると。
浴槽の淵に両腕を乗せ、其処に顎を乗せ此方を見ている悟空と目が合った。
 
『ごっ悟空さっ!こっち見ねぇでけろって言ったべ?!』
 
慌てて元の方に顔を向けなおす。
いくら怒っても、肝心の悟空はマイペースなもので。
 
『鏡だって曇ってて解んねぇんだから大丈夫だって。それよりさぁ、チチ。折角だからオラが洗ってやろうか?』
 
全く何の気なしの台詞に、チチはただおろおろするばかり。
 
『だ、大丈夫だべ!身体ぐらいひとりで洗えるだ。ご、悟空さは湯船さつかったばっかだべ、もちっと入ってるだ』
『オラ普段からそんなに長く入ってねぇから大丈夫だぞ』
 
何が大丈夫なのだろうか。
そんな突込みを言う余裕すらなく、悟空が湯船から上がる音が聞こえた。
 
『大丈夫だって・・・っ』
『後ろからなら見えねぇから大丈夫だろ?』
 
かくしてチチの意見はずべて無視され、結局悟空に身体を洗ってもらう事となったのだった。
 




「なぁ悟空さ?そんなに丁寧にシャワー浴びせなくていいだぞ。風呂さ入ってたから浴びなくてもいいぐらいだべ」
「ん?うん・・・」
 
なんとなく歯切れの悪い返事。
おかしいと思いながら、チチは悟空の考えている事を掴み損ねていた。
自分だってこんなに丁寧にシャワーで流したりしないのにと思いながら。
 
「なぁチチ・・・?試してもいっか?」
 
試す?と聞き返す前だった。
いきなりシャワーの水流が乳房の真ん中に当てられたのだ。
 
「あっ!」
 
突然の刺激に、チチは無防備に声を上げた。
それは悟空の好奇心にさらに油を注ぐ形になる事も知らず。
 
「やっぱ感じっか?」
 
後ろから呑気とも取れる声が聞こえ、チチは忽ち声を荒げた。
 
「いっ、いきなり何するだ!!」
「いやさ、もしかしたら気持ちいいかなって思って」
 
後ろからシャワーの水流をあてながら、チチのまるで誘うような身体を見ていた。
上に纏められた髪のおかげでのぞく項が色っぽくて、そこに吸い付きたい衝動に駆られたり。
少しだけ乱れたように後れ毛があるのも、また衝動に拍車をかけた。
 
シャワーの勢いのいい水流を、負けずとも劣らない程弾くチチの若々しい肌。
白い肌が薄くピンクがかっているのも、またそそる。
その行く末をただ見ていた悟空の脳裏に突然浮かんだ悪戯。
 
これをチチの感じる所に押し当てたら・・・?
 
 一度浮かんだ考えは掻き消す事は出来ず、気付いたらチチに問い、答えを待たずに実行していた。
結果は見ての通りだ。

「オラの勘もまんざらじゃねぇな」
「なっに馬鹿な事言ってるだっ!やめ・・・っ!!」

止めるように抵抗の言葉を口にしている途中で、無遠慮に再び水流を敏感な突起にかけられた。
言葉は忽ちチチの中に呑み込まれる。
それをいい事に、悟空の行為はエスカレートしていった。

「こうやってちょっと動かしたりすっともっと気持ちいいかもな」
「やっ・・・んっ」

シャワーヘッドを左右に揺らし、水流を小刻みに動かしながらあてる。
直接あてられていたのとは違う快感がチチを襲った。
指や舌とはまた違う・・・じんわり快感を揺さぶる振動された水流がチチを振るわせた。
気をよくした悟空は、無防備なチチの項に口付けを落とす。
ちゅっと音を立てて吸い付けば、あっという間に赤い痕が刻まれた。

「悟空さ・・・やめ・・・っ」
「なんで?気持ちいいんだろ?」

首筋をぺろりと一舐めしながら、硬くなった薄紅色の突起にシャワーヘッドを押し当て直接刺激してやる。
室内に響いていた水音が一瞬にして顰まり、チチの胸を伝って腹を滑り太腿に流れていった。
その流れていくさまさえどこか隠微に見えた。

時折立つ水音と、チチの嬌声が室内に溶けて悟空の耳に囁くように届く。
蒸し暑い室内で、さらに血が上っていくような高揚感に支配されていく。
後ろに居る悟空の腕に掛けられたチチの手に力が込められた。
どんなに抵抗しても、悟空の手は休まる事はない。

「ここが感じるなら、もう一箇所も感じるよな」

まるで自分に確認するように言った後、何の宣告もなしにチチの脚の間に手を差し入れた。
意識がぼやけ始めていたチチは、慌ててその手を阻止しようと掴んだ。

「なっ、やめるだ・・・っ」
「大丈夫だって」

何が大丈夫なのか。
その理屈が解らないまま、悟空の力に叶う筈もなく、チチの綴じられた脚は徐々に開かれていく。
一瞬の隙をつき、シャワーはチチの秘裂部分に宛がわれた。
途端、チチの身体が跳ねた。

「あぁっ・・・・!!・・・やっ・・・」

眉を顰め、シャワーを握っている悟空の手を必死に握り締める。
敏感な奥深くに潜む小さな実に、直接水流をあてられたのだ、その刺激たるや想像以上で。
その加減に身体を振るわせた。

身体を後ろに居る悟空に預け刺激に耐える。
断続的に声が吐息とともに漏れ、それはどんどん大きくなっていった。
シャワーの流れる音が、遠くに聞こえはじめていた。

「あっ!あぁ・・・っ・・・はぁ・・・っん」
「気持ちイイだろ?」

まるで子供をあやすような声色で、悟空はチチの耳元で囁いた。
その声でさえ、チチの快感を煽るには十分で。
ぞくりとした感覚が、背中から全身に回っていく。

快感に震える身体を感じながら、チチの肩越しにあてる様子を眺める。
勢いよくチチの敏感な突起を刺激している水流の様は、見ているだけで興奮を煽った。

少しシャワーヘッドを動かすだけで、チチの身体は面白いように跳ねる。
力の抜けた脚をもっと当て易いように開いてやると、綴じていた溝まで開くようで。
邪魔していたと思われる襞は全て開かれ、既に赤く剥けた突起にさらに当て続けた。
そうすればさらにチチの息があがった。

「やぁっ!あぁんっ・・・あっ・・・あ・・・っ!!」

首を左右に振り、何かを我慢しているようなチチ。
善がるチチに悟空の興奮はますます増すだけ。
一気に畳み掛けるようにシャワーヘッドを押し付け、擦りつける。
密着したヘッドと水圧が一気に赤い実に集中し、チチから悲鳴に似た甘い声が上がった。

「ひぁぁあっ!」

びくん、とひとつ強く身体を振るわせた後、完全に身体の力が抜けた。
どうやら達したらしい。
悟空はチチの身体を支えながら、一旦シャワーを止めた。

自分の胸に凭れたままぼやけた目で肩で息をするチチを、こっそりと後ろから盗み見る。
半開きの口からはだらしなく涎が流れ落ちていた。
吐息が耳を刺激し、悟空の脳を支配するようで。
目に映る膨らんだ柔らかそうな乳房に思わず唾を呑み込んだ。

そう言えば元々はチチの身体を洗う筈だったけ・・・。
頭の片隅に追いやられていた本来の目的を思い出す。
しかし、下半身で疼いているモノをこれ以上放って置くのは限界だ。

目の片隅にボディソープの容器が掠める。
ふと頭にある事が浮かぶ。
いつもの悟空だったらそんな事を閃く事はないだろう。
まして知識だって元々持ち合わせていない。
しかし、本能か何かなのか。
冴えているのかなんなのか。
再び悪戯心が湧き上がった。

「チチ・・・いっか?」

まどろみに呑まれたままのチチは、悟空の言葉の意味を計りかねた。
これ以上何がいいのだろうか。
ぼやけた頭では考えもつかない。

冷たく、さらにぬるりとした感触が右の乳房に与えられ、一瞬意識がはっきり引き戻された。
何が起こったのか解らず、ゆっくりと目を向けると・・・。

「こうすれば一石二鳥だよな」

まるで名案だとばかりの意思を含ませながら言った言葉は、全くチチには理解出来なかった。
悟空の掌はぬめりを帯びたまま、チチの乳房を外側から内側へと撫で回す。
柔らかな乳房は形を変え、ぬめりは乳房全体へと広がっていく。

「な・・・にしてるだ・・・」
「うん、こうすればチチの身体も洗えるしオラも気持ちよくなれるかなぁってさ」

ツン、と未だ尖り主張したままの突起も撫で上げていく。
その刺激に、再び小さく喘ぎ声を上げた。

「ん〜やっぱ手じゃ泡が立たねぇな」

悟空のその言葉で、初めて自分の乳房に塗りつけられているものがボディソープである事に気付いた。
ぼやけていた意識はゆっくりと現実へと引き戻されていく。

「悟空さ・・・一体何考えてるだ・・・?」

恐る恐る聞き返すチチに、悟空は何のてらいもなくのたまった。

「何ってオラの身体洗ってくんねぇかなぁと思って・・・チチの身体でさ」

曖昧な考えが確信に変わる。
一体そんな事何処で覚えてきたんだと叫びそうになった。
ただでさえ身体を弄られ恥ずかしかったというのに、自分の身体で悟空を洗うだなんて出来る訳がない。
イッた事実はすっかりチチの中で消えうせ、最初の時と同じように怒鳴り声を上げた。

「そっただ恥ずかしい事出来る訳ねぇべ!何言ってるだっ」

乳房に添えられていた悟空の手を払いのけ、預けていた身体を起こし悟空を睨んだ。
行き場のない掌をひらひらさせながら、悟空はどことなくばつが悪そうな表情を浮かべる。
しかし、そこで食い下がる悟空ではない。

「恥ずかしいってさっきのがよっぽど恥ずかし・・・ってて!殴るなよ〜」
「言うでねぇ!」

身体を前のめりにし、悟空に手を上げる。
勢い余ったチチに気圧されるように、悟空は後ろに後ずさる様に腰を引いた。
それを逃さないよう、チチは追い詰めるように上に跨り、悟空の頭を殴った。
どうしたってこの願いを聞き入れる訳にはいかない。
だがしかしチチは気付いていなかった。
悟空が後ずさった事により、手の届く所にスポンジがきてしまった事に。

「全く悟空さは!一体そんな事何処で覚えてきただ!」

呆れながら、悟空を見下ろすように睨んでいた次の瞬間。
チチはピクンッと背中を仰け反らせた。

「なぁチチィ、頼むよ〜。な、な?」
「やっ・・・やめるだ!離してけろっ」

悟空の手はいつしか側にあったスポンジを掴み、チチの丸みを帯びた尻を撫で回すように泡を立てた。
ボディソープで濡れていた掌で何時の間にか泡立てていたのだ。
こういう時だけは何故かとても器用で、チチも舌を巻くほど。
スポンジを持っていないもう片方の手で、付け根の辺りを押さえ付け離そうとする様子は皆無。
それどころか泡を広げるように撫で滑らせるものだから、チチは堪ったものではない。

「ん・・・っ」
「チチィ」

子供のように強請る悟空に結局は押し切られてしまうのはいつもの事。
チチは諦め半分、呆れ半分で溜息を吐いた。

「・・・解ったから手を外してけろ」

悟空はまんまと勝ったとばかりに笑って手を尻から離した。

「じゃあ頼んだぞ」

そう言って手を広げ無防備に大の字になった。
本当にやってもらう気満々なのだと、チチは呆れながら腹を括った。
乳房の部分の泡を、悟空が使ったスポンジで泡立てる。
あっと言う間にチチの乳房は決め細やかな泡に包まれた。


悟空は何も言わず、その行為を見つめていた。
ただでさえ柔らかいチチの乳房に、これまたふわふわした泡が踊っている。
その感触はどんなものなのかと、気持ちだけが逸っていく。

少しだけ腕で自分の両乳房を隠しながら恥らっているチチが可愛くて。
待ちきれず強請りの声を上げる。

「チチィ早くしてくれよぉ」

悟空の言葉に意を決したチチは、こくん、と喉をひとつ鳴らした。
此処まできたらやるしかない。
ゆっくりと身体を悟空の胸板へと倒していく。

「んぅ・・・」

ピタリと泡越しにふたりの肌が触れ合う。
刺激され立ちっぱなしの突起が、悟空の均整の取れた筋肉質の身体に刺激され、再び快感を感じた。
快感は悟空も一緒で。
何とも言えない柔らかなチチの肌と泡の感触はとても気持ちがよかった。
この柔らかさが自分の身体を滑っていったらと思うと堪らない。
くっついただけで一向に動く気配のないチチを急かすようにさらに強請る。

「なぁこのままじゃ身体洗えねぇだろ?動かなきゃさ」

言われなくても解ってはいるのだ。
ただそうする事が恥ずかしくて躊躇していただけ。
でも動いたら・・・再び自分も感じる声を上げてしまうのではないか。
その思いがチチを躊躇わせる。
しかし悟空は待ってくれない。
チチは意を決し、身体を密着させたまま下へずり下がった。
泡にまみれたチチの身体は滑らかに悟空の鍛えられた肌の上を往復する。
それが何とも心地よく、悟空は溜息を吐いた。

「はぁ・・・気持ちいっぞ・・・」
「ふ・・・うぅん・・・」

悟空との身体の摩擦で、チチの乳房の頂は予想通り刺激され思わず声が漏れてしまう。
その声は悟空の五感をさらに刺激する。
自分の肌に感じる尖った感触に、チチも感じているのだと思うと興奮は増す一方だった。

尻で泡立てた泡はいつしかチチの溝に流れ落ち、チチの内股まで侵入していた。
その刺激は悟空の太腿辺りを刺激する。
チチが動くたび悟空の太腿を撫ぜ、下半身が疼きを増していく。

「チチ・・・そのままもう少し下に身体をずらしてくんねぇか?」

悟空の願いに何の考えなしに身体をずらして、自分の身体に感じたものにチチは固まってしまった。
先には硬くそそり立った悟空自身。
どうしていいか迷いながらチチは動きを止めたまま・・・。

「なぁチチ、おっぱいで挟んでくんねぇかな?」

悟空は純粋が故に己の思った事を恥ずかしげもなく言葉にする所があった。
自分が欲求するままにチチに強請るのだ。
その事でチチが赤面したり困ったりした事も一度や二度ではない。
無論今回のおねだりもチチにしたらとんでもない事であった。

「なっ!何言ってるだっ。そ、そんなこっぱずかしい事出来る訳ねぇべ!」

ただでさえ自分の身体を使って洗う事すら恥ずかしいのに、挟むだなんて。
チチの想像を超えるお願いに、気付けば首を横に降った。

「ダ、ダメだべ・・・おら・・・」
「頼むよチチィ」

甘えるように言ったってダメなものはダメだと言えたらどんなにいいだろう。
結局チチは悟空には甘いのだ。
悟空が本当に好きだから、最後には我侭を聞いてあげてしまう。
惚れた弱みなのか、悟空が引き下がらないからなのか解らなかったけれど。
まるで捨てられた小犬のような目で見るその目が憎らしいぐらいだった。
その目に弱いのを、どれだけ悟空が知っていて計算しているのだろうか。

「・・・今回だけだからな?次は絶対やらねぇからな?!」

念押しすると悟空は子供のように嬉しそうに笑った。
その少し子供じみた笑顔がいつだってチチの心を擽ってしまう。
悟空が人に甘えるという術を覚えたのは、明らかにチチと結婚してからの事。
その我侭が通るのもチチが自分を好きだからだと理解しているのだ。

チチは一旦身体を起こし、動いた事によって横に流されていた泡を再び乳房を包み込むように寄せた。
恥ずかしさからなるべく悟空のモノを見ないようにゆっくりと埋めていく。

「う・・・」

悟空の眉間に皺がより、吐息にも似た声が上がる。
今迄優位に立っていた悟空が今度はチチに翻弄される番だ。
何となくそれが嬉しくて、チチは徐々にゆっくりとだが上下に動き出した。
柔かく温かいものに包まれながら刺激され、ますます悟空から声が漏れる。

「は・・・チチ・・ィ・・・すっげ、キモチイ・・・」

口やチチの内で感じる快感とは違うけれど、これはこれで気持ちがいい。
柔らかで温かな両の乳房に挟まれ、泡で滑らかに滑っていく感じは今まで経験した事のない快感だ。
思っていた以上の快感に、悟空は溜め息のような抜ける声を漏らした。

悟空の様子を伺いながら、本当に気持ちいいのだとチチは感じていた。
ギュッと乳房を押し付けるようにし、動きも先程よりも早さを増す。
チチの中から徐々に羞恥心が消えていく。
いつも悟空にしてやられているチチであったから、自分が悟空を翻弄しているという事に少なからず征服感が生まれていた。
もっと悟空に気持ちいいと思ってもらいたい。
思ったチチは、自分の乳房を両側から挟むように寄せた。
さらに密着された肉厚さに、悟空は腰を浮かせた。

「ぅは・・・やべ・・・っ・・・」

自分を緩やかに、しかし確実に刺激され悟空自身はさらに硬さを増していく。
果てたくて仕方ない。
悟空は我慢出来ず、近くに転がっていたシャワーに手を伸ばすといきなり起き出した。
行為に没頭していたチチは、何事かと身体を一緒に起こす。

「どうしただ?ごく・・・!」

いきなり足の間にシャワーを差し入れられたかと思うとお湯をかけられ、チチは顔を仰け反らせた。
水圧で秘部を刺激され、思わず感じてしまったのだ。
内股を泡が流れ出ていくのを確認した悟空は、次は自分自身にお湯をかけ始める。
何故そんな事をしだしたか解らず、ただ悟空の行為を見ていた次の瞬間。

「オラ我慢出来ねぇ。チチん内に入れてぇんだ」

シャワーヘッドにに付いているお湯を止めるボタンを押し投げ捨て、
上に乗ったままのチチの腰を持ち上げて秘部に己を押し当てた。

「あっ、悟空さ・・・チョット待っ・・・」
「待たねぇ」

グッと下から突き上げるようにチチの内に進入すると同時に、甘く高い声と、愛液が内股を伝い落ちていった。
悟空を攻める事により、チチ自身も感じ、蜜を蓄えていたのだ。

「あぁぁ・・・っ!」

悟空を呑み込んだチチは苦しそうに顔を歪めた。
その表情をしたから見上げるように見ていた悟空は、それだけで少しだけ残っていた理性が吹き飛んでしまうのだ。
もっと顔を歪ませたい。
もっと感じさせたい。
悟空のスイッチは切り替わり、最初から思い切り打ち付けるようにチチを攻め立てた。

「はぁぅん!うぅ・・・んぁっ・・・あぁ!」

下から強く突き上げられる事によって、否応なしに自分の内の一番奥を攻められるのだから堪らない。
振り落とされないようするので精一杯で、息すらするのさえもどかしくて。
快感と意識が攻め立てられる場所に一気に集中し、チチの思考は白く色付いていく。
クチュ、と言う卑猥な水音は、風呂場ではいつも以上に耳に張り付くように響いてくるようだった。
身体にほんのり残っていた泡さえ、ふたりの身体を滑らせさらに快感を増させる。

「チチィ・・・キモチイイからってあんま締め付けんなよ・・・くっ・・・!」

感じている事によってチチの内は収縮を始め、悟空に絡み付いてくるのだ。
悟空だって堪らないし、先に果ててしまいそうなのを必死に堪えている状況だった。

「やぁ!あぁ・・っそ・・・なに・・・つよ・・・くぅ」

途切れ途切れの声で訴えてみても悟空は攻めの手を休める気配はない。
内だけでなく、外の突起さえ打ち付けられる事によって刺激され、チチの限界は近かった。

「はっ・・・おら・・・あ、あぁ・・・っ!」

一段とキュウッと締め付けられ悟空の顔がいっそう歪む。
肩を掴むチチの手に力が篭っているのを感じて、ひとつ強く腰を打ちつけた。

「!―――あぁ!・・・・っ!」

白い喉元を曝け出し数秒動きを止めた後、悟空の身体に凭れてきた。
再び果てたのだ。
確認した悟空はチチを抱きしめたまま、上り詰めたチチをさらに攻め立て自分も果てを目指す。
それに時間はかからなかった。

「っは!くあぁ・・・っ!」

ドクリ、と脈打たせれば、白濁としたものがチチの内に注がれた。
悟空もまたチチを強く抱きしめたまま、全ての熱を出し切った。
溢れ出た悟空の精は、ドロリとチチの内股と悟空の内股を流れていった。
泡に混じり、溶けていく。

「・・・は・・・へへ・・・すっげよかったぞ」

チチを胸に抱えたまま、またいつもの無邪気な声色で囁いた。
チチはまだ肩で息をしたまま、筋肉質な悟空の胸に顔を埋めたまま・・・。

「・・・悟空さのえっち・・・っ」

ふと耳に届いたチチの言葉に苦笑いを浮かべながら。
悟空は再びシャワーを手に取り、チチごと自分にその水流を向けた。
















ずっとパソ子の中で眠っていた没小説を手直ししてアップ☆
本当に悟空さは何処でこんな事覚えたんだ・・・(笑)

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