お題 073. 【蜜月】 (悟チチ)
――夏、と言えば照りつける太陽、白い入道雲、青い空。
そして、海。
「あっちぃなぁ〜」
空を見上げて、太陽の強い光線を手で遮りながら悟空は目を瞬かせた。
その格好はトレードマークの山吹色の胴着ではなく、水着姿。
サーフパンツタイプの水着で、色は胴着を彷彿とさせるイエロー、部分にブラックが使われている。
側面にポケットがついており、動きやすさ重視の、それでいてお洒落な水着だ。
「んだべな。大分南の方さ来てるからそれも余計だべ」
砂浜から少し離れた草の生えた辺りで、チチは荷物を整理していた。
着替えの服やタオル、日焼け止めや食べ物飲み物も、しっかりとホイポイカプセルに準備してきたのだ。
それらを地面にひいたレジャーシートの上に並べていく。
ふたりが居るのは、誰知らず人ひとり居ない無人島。
それがどこなのかチチはよく知らなかったが、悟空曰く、南洋に浮かぶ小さな島らしい。
昔修行中に見つけたというその島は、筋斗雲から見下ろした時は確かに小さく見えたが、
一旦上陸してみれば砂浜も結構な広さもあるし、ふたりで泳ぐ分には十分であった。
こうしてふたりで無人島くんだりまで出かけてきたのは、以前ブルマに買ってもらった水着がきっかけ。
ピンク地に白のフリルのついたビキニタイプの水着は、それはチチによく似合っていたのだが、
悟空のヤキモチによりタンスへと封印していた。
しかし、折角買ってもらって一度も着ないのは勿体無い、それに悟空も自分だけが見る分には全く構わなかったのもあり、
修行も兼ねてこうして遠出をしてきたという訳だ。
その時、悟空は胴着の下だけ、または裸で泳ぐ気満々でいたのだが、
チチの大反対にあい、新しい水着に身を包んでいるというオマケもありつつ…。
「木陰もあるから助かるべな」
チチが荷物を整理していた草地は、大きな南国の木々がその葉をこれまた大きくせり出しており、丁度いい日陰となっていた。
草地の上も太陽に照り付けられた灼熱ではなく、ほんのりひんやりする気持ちよさ。
「よーし!早速泳ごうぜ」
「おら、ちぃっと準備していくから、悟空さは先に入っててけれ」
チチの言葉に、悟空は首を傾げた。
水着は家から着てきたし、服を脱いだ後もパーカーを羽織っているだけなのだから脱げばいいだけではないのか。
乙女の嗜みだなんだと言っていた日焼け止めだって、家で既に塗ってきていた筈だ。
「何準備するんだ?」
「うーん……ちょっと」
何とも歯切れが悪いと、悟空はますます首を捻った。
面倒くさいから勝手にパーカーのジッパーを下げてしまおうかとも思ったが、
チチの鉄拳が飛んでくるのは言うまででもないので、それは思いとどまる。
「なんだよ」
少しだけ臍を曲げたような声色の悟空に、チチは恥ずかしそうに俯く。
「んと、な」
「うん」
「水着、ビキニだべ?」
「うん」
それがどうしたというのが、悟空の率直な感想だった。
買った時からわかっている事だったし、そんなの今更だ。
「それぐらい、オラだってわかってるぞ」
悟空に女心などわかる筈もない。
まして目の前に海があって、準備ももう万全で、これ以上何をするのか。
「おらな、こういうの……着慣れてねぇんだべ」
ノースリーブなどは着ていたが、こうも布面積のない物を身に着けるのは滅多になかったチチにとって、
いくら悟空しか居ないと言ってもやはり恥ずかしい事には変わりない。
「だから、それ用で用意したものがあるから、先に泳いでてけろ」
“それ用”の意味が悟空にはやっぱりわからなかったが、
このまま延々と終わらないであろう会話のキャッチボールを続けるよりは、海で修行でもしながら待っていた方が話が早そうだ。
「わかった。早くしろよ」
「んだ」
海へと向かう悟空を見送って、チチは改めてバッグの中に手を入れた。
その手に握られた物は――何故かワンピース。
シフォン素材で出来ており、薄くて向こう側が透けて見える長袖タイプ。
オーバルネックタイプで前開き用のボタンが付いており、にレースが施されたフェミニンなワンピースだ。
何故これを持ってきたかと言えば、ビキニの上に着る為に他ない。
ビキニのままじゃ恥ずかしい、でも折角悟空と海に行くのだから泳ぎたい。
葛藤している時、チチの目に入ったのが雑誌に載っていたひとりのモデル。
すらっとした白い肌、ビキニを着こなしたそのモデルは、薄い好けるワンピースを着ていた。
にっこりと微笑むその姿も可愛いが、何よりそのワンピースは日焼け止めの効果もあると書いてある。
薄くて軽い素材のようだし、これを着て泳げばいいのではないか。
――そう思ったチチは、早速通販で購入の運びとなったのだ。
「うん、可愛いべ」
雑誌で見たまんまの、可愛らしいワンピース。
長さも太腿ぐらいなので邪魔にはなりづらいだろう。
早速パーカーを脱ぎ、着用してみる。
なるほど、やはり空ける素材だから、完全に水着が見えない訳ではない。
しかし、身体全身を覆っているという安心感から、チチは満足していた。
「悟空さー!お待たせ」
チチの声に、海でひとり形の動きをしていた悟空は視線を移して。
いの一番に違和感を感じた。
「なんだぁ?」
それもそうだ。
ここは海、チチは水着姿で現れるとばかり思っていたのに、何故か服を着ている。
一体どういう事だと、悟空が疑問を持つのも頷けた。
「何服着てんだ?」
ざぶざぶと波を掻き分け、チチが居る砂浜まで移動する。
やはりどう見ても服だ……確かに、透けて水着は見えている、けど。
「可愛いべ?これな、日焼け止め効果もあるんだべ」
ふーん、という、何の気なしの声しかあげられない悟空。
何より、やはり海でこんな格好は違和感この上ない。
「薄いし軽いし、これならおらもビキニ着ても恥ずかしくねぇだなって思っただよ」
確かにそうなのかもしれない、が。
悟空は思わずじろじろチチの身体を見つめていた。
クリーム色に近い白のワンピースは、チチの身体に綺麗にフィットしていて。
細いウェストや腰から太腿にかけての丸みを帯びたラインを、何故か妙に強調しているようにも見える。
張り付くように見える臍周りは、チチの綺麗な肌をよりよく引き立たせていると言っても過言ではない。
何より薄く透けて見えるピンクの水着が、なんだかチカチカと目に眩しく映って見えた。
太陽の強い光のせいか。
それとも、チチの若々しく瑞々しい身体のせいか。
潔く見せられるよりも、どこかもどかしく隠されている方がいやらしく見えるのは何故だ。
「さぁ、泳ぐだ……って、悟空さ?」
急に近付いてきたと思ったら、いきなり腰を両手で掴まれた。
肉でもついていただろうかと、チチは内心焦ったのだが……。
「なんか、逆にやらしいぞ」
「?!」
予想だにしていなかった悟空の言葉に、チチは即座に狼狽した。
そんなつもりはなかったし、第一身体が隠れているのにやらしい訳はない。
「な、何言ってるだよ!やらしくなんかねぇだ!!」
「そう言われてもなぁ。よっくわかんねぇけど、なんかやらしく見えんだよな」
チラリズムという定義があるが、チチはその事をよくわかっていなかった。
出し惜しみされたものをもっと見たい!と思う人間の本能を、悟空は刺激された格好だ。
この場合、逆に大っぴらに見せた方が健康的に見える場合もあるという結果論である。
「なんか、この辺」
「んっ……!」
腰の辺りを擦るように何度も悟空の掌が往復するから、チチはくすぐったさに声を漏らした。
「あとこの辺とか」
「ご、悟空さっ!」
肉のない真っ平な腹を臍を中心に撫で上げる。
シフォン生地がさらさらと掌を撫ぜ、気持ちがいい。
「妙に目について仕方ねぇ」
「そ、そんな事……」
チチの動揺はますます強くなっていく。
明らかに変な雰囲気に傾いてるのがわかり、ここは強引に行く事にした。
「ほ、ほら!泳ぐだぞ!」
悟空の手から逃れるように、チチは海辺まで小走りした。
後ろから見るチチの姿も、どこか白いシフォンワンピースのせいでチカチカして見える。
「うわぁー!気持ちいいだぁ」
海の中をぱしゃぱしゃと走り、跳ねた水しぶきがチチにかかる。
キラキラと太陽に照らされる雫、チチの笑顔。
そして、透けてチチの肌により張り付いていくワンピース。
チチとしては完全に誤魔化せたつもりだった。
これで悟空も変な気はおさまり、海で泳ぎ始めるだろう。
しかし、チチの計画は誤算であった。
「きゃっ!悟空さ、やっただなぁ」
いきなり身体に水をかけられたチチは、はしゃぎながら悟空に負けじと水をかけてやる。
――が、何故か悟空の表情に笑顔がなかった。
「……悟空、さ?」
機嫌が悪いのか、そんな事を思った矢先だった。
「水で濡れると、余計色っぺぇな」
悟空の言葉にはっとなり、チチは自分の身体に目を向けた。
水をかけられた部分が肌にぴったりと張り付き、薄い肌色を見せ付けていた。
「や、やんだ!色っぽくなんてねぇだよっ」
身体を隠すように悟空に背中を向け、濡れた腹部分を両腕で隠す。
しかしそれは悟空から完全に逃れる術ではない。
今度は背中に水をかけられたのだ。
「きゃっ……っ!」
「ほら、尻とか丸見えだぞ」
背中からビキニの下部分までのラインが、ワンピースが濡れた事でより強調された。
尻の割れ目が見えそうか見えないかぐらいのギリギリ感が、悟空をより煽る。
先程撫でていた腰も、より細さがわかり堪らない。
「ご、悟空さ!いい加減に……っ」
してけろ、とは続けられなかった。
強い力で後ろから抱きしめられたからだ。
身体を這う、悟空の無骨な手。
腰のラインから徐々に乳房の方へと動いていく。
弄る感覚に、チチは流されまいと口をきつく引き結んだ。
「オラ、したくなった」
「!!」
耳元で囁かれ、チチはくらくらした。
ただでさえ照り付けられる太陽があるというのに、悟空の低い落ち着いたセクシーな声に、
ぞわぞわっと背中から脳天へと駆け抜けていく。
「な、何言ってるだ!!遊びに来ただぞ。しかもここは外……」
「そんなの関係ねぇぞ」
「だどもっ」
「誰も居ねぇし、丁度いいじゃねぇか」
そんな理屈、まかり通っていい訳がない。
何とか悟空の腕から逃れようとした途端、右の首筋に甘い痛みが走った。
「んぅ!」
吸い付かれた後、ねっとりと舌を這わせられた。
つつ、と首筋を辿り、行き着いたのは耳。
耳たぶを食まれ、くちゅりと舌を差し入れられる。
「ん、ん!」
「なぁ、いいだろ?」
くっと近付く悟空の身体。
背後に硬いものが当たっている。
すっかりその気になっているらしい悟空に、それでも翻弄されまいとチチは必死だ。
「だ、め……だべ」
「なんで」
「だから、ここは外、だから……」
「外でやったのだって初めてじゃねぇだろ」
体温が一気にあがったような気がした。
確かに初めてではない、けれどそう何度もしていい事にはやはり思えない。
第一こんな照りつける太陽の下、さらに砂浜か海しかない場所で無理だ。
「それでも!こんな暑いとこで倒れちまったら大変だべ。それ、に……っん!」
「それに?」
容赦なく耳を舐り続ける。
ここは悟空とチチのかけひき。
「砂浜とか、暑いし、衛生的にもよくねぇべ……」
「だったら」
「うぅん!!」
乳房を避けるように這っていた悟空の掌が、乳房へと到達した。
包み込むように揉みあげ、何度も擦るように刺激する。
「木陰だったらいいだろ?」
悟空が言わんとしている事は、荷物が置いてある場所ならいいだろうという事だ。
それでもチチは首を横に強く振る。
第一、こんな明るい陽の下でそんな事をするなんて、はしたなさ過ぎるとチチの理性が咎める。
何としてでも許すわけにはいかなかった。
しかし、一度火の点いてしまった欲情をおさめるのは難しい。
すっかりその気になっている悟空にとって、駄目だと言われても素直に聞ける訳がなかった。
だったら、実力行使に出る他ない。
「チチだって感じてんだろ?」
「やぁ!感じて、なん……か……!」
水着の上から、ピンポイントで乳房の頂を刺激する。
少しだけ厚みを感じるのは、パットが入っているからか。
だったら――。
水着の下から少しだけ形を成し始めていたそれをもっと刺激してやるべく、
ワンピースの襟ぐりから手を突っ込み、さらに水着の中へと進める。
途端、チチの身体がびくりと反応した。
「あぁん!」
「ほら……な?」
何が『な?』なのだ。
強制的に刺激しているくせに。
――そう文句が言いたいのに、チチから漏れる言葉は甘い喘ぎ声だけだった。
「ん、ん!だめぇ……ごくぅ……」
「こんなに身体が震えてんのにか?」
今にも崩れ落ちそうにガクガクしている脚を誤魔化すように、悟空の腕にすがりついているのを、
彼は知っていてさらに煽ってくる。
もう駄目だ――そう思った次の瞬間、腹部分に悟空の腕がくっと食い込んだ。
「我慢出来ねぇだろ?」
「……ばかぁ……」
抱えられ悟空と視線を合わせると、先程の男らしい声色からは想像出来ない、子供のような笑顔を浮かべていた。
とうとう観念したチチは、悟空の熱に流されるまま、レジャーシートの上にその肢体を投げ出した。
「やっぱりなんか興奮すんな」
「ん……」
つつ、と悟空の指がワンピースの上からチチの身体をなぞっていく。
腋からウェスト、腰、そして太腿ときて、また上へと戻っていくその仕種に、堪らずチチは身を捩った。
「んっ」
人差し指を口にあて、声を押し殺し刺激に耐える。
そんなチチにお構いなしに、悟空の堪能は続けられた。
指は腰から腹部分へ移動し、濡れた生地を感じながら臍の周りをくるりと一周。
そこから直線状に上へと這わせていった。
「あ、んぅ……ふぅ」
快感とむず痒さと、表裏一体の感覚はチチを苛む。
顔を右に仰け反らせ、ただ悟空の指筋に翻弄されるだけ。
いつしか水着の下からは、パットでは隠しきれなくなる程突起がぽつりと現れていた。
そこを水着の上から両指で擦り、チチの反応を伺うと……。
「あ!」
表情がより艶やかさを増す。
それに満足するように、さらにくりくりと上から刺激した。
布越しに与えられる刺激は、摩擦も手伝い直接触れられるのとはまた違った快感が襲う。
さらに擦り合わせるようにくりっと摘まれ刺激されれば、忽ち我慢しきれない高く甘い声があがった。
「あぁ、ん、あ、ひぁん!やぁ……!」
大きな南国の葉が優しくチチに影を映す。
木漏れ日と影との対比と、明るい陽の光の下淫らになっていくチチ。
非日常の中の行為は、興奮を悟空に齎した。
ワンピースのボタンを外しはだけさせ、上の水着部分を露にする。
そこまですれば簡単で、ホルターネックの紐を外してやれば、忽ち乳房を直接見れる事となった。
「やっぱりな。すげぇ立ってる」
「やんだぁ……そんな事……」
「直接触って欲しかっただろ?」
そうチチを煽るけれど、その実、悟空が直接触れたくて口にしたくて堪らなかった。
薄いピンクの水着の下から、もう少し色の濃い薄桃色の硬く立ち上がった突起。
こくりと喉を鳴らし、口で向かって左側、指で右側を弄ぶ。
「ふぅん……!」
鼻から抜けるようなチチの声に、興奮が増していく。
くちゅりと音を立てて吸い、れろ、と舐め上げる。
何度も啄ばむように口に含めば、硬さはさらに増した。
指で苛んでいる方も、一本の指で擦っていたかと思うと、摘みくりっとしたり。
緩急つけての刺激に、チチの息はあがっていく一方だ。
「あ、あ、んぅ!ん、あ」
誰も居ない南の島で、乱れ狂うチチ。
解放感一杯の環境が、よりふたりを大胆にしていく。
「こっちも……」
乳房に触れていた手を、下へと這わす。
ワンピースの裾を巻くり上げ、水着の上から溝を刺激するよう往復させた。
一旦閉じられた脚の奥まで突っ込み、そこからゆっくりと上部へと移動させると、
チチは堪らず脚をひくひくとさせた。
「あぁ!」
乳房に吸い付きながら、その行為を進めていくと。
徐々にチチの身体から力が抜け、ゆっくりと閉じられていた脚が開かれていく。
これ幸いと、悟空は往復させていた手にさらに力をこめた。
水着が溝に埋まるほどぐっと押し付けてやる。
上からでもわかる襞や突起を堪能しながら、力加減を調節して攻め立てていく。
襞を通る時は、それに囲まれている秘裂に水着を差し入れるほどの強さで。
さらりと通り過ぎた後に待ち構えている花芯には、擦りつけるような仕種で。
そうやって何度も往復させていると、徐々にある変化が訪れた。
「濡れてきてる」
「や……っ!」
乳房に顔が埋まるほど押し付け吸い付き、下半身を攻め立てる手を止む事無く動かす。
さらに湿り始めたのを感じた悟空は、水着の横から指を差し入れた。
「あっ!」
「やっぱり……すげぇ……」
水着の上から触っていた時以上に、蜜が絡まった。
それは悟空の想像以上で、厚手になっている水着を通す程の蜜だったのだからその濡れ具合がわかる。
溢れ零れるように、たらり、たらりと悟空の指に絡まるそれを引き連れるように、入り口部分を刺激してやると……。
「あ……んぅ……」
穏やかな、しかし物足りないような声をチチが発した。
「ぬるぬるしてるな」
「ご、くぅ……さぁ」
「ん?」
さらに入り口をくちゅくちゅと刺激してやると、チチは苦しそうな表情を浮かべた。
「あぁ……お願い……」
蜜が絡みつく襞を撫ぜ、上目遣いでチチを見つめた。
目は潤み頬を赤らませ何かを乞う表情に、悟空の奥底から言いようのない感情が湧きあがってくる。
「チチ」
「ん……!」
「入れて欲しいか?」
囁かれた悟空の言葉は、まるで悪魔の囁き。
チチはプライドも理性もかなぐり捨て、必死に頷いていた。
ずぶり、とやっと待ち焦がれていたものが進入し、チチは歓喜の声をあげた。
「あぁーーっ!!」
蕩けるような声、表情、そして内。
むぐむぐと呑み込む様に蠢く何かに翻弄される悟空の指。
熱と蜜を掻き分けるように上下させ、刺激する。
一本だけだったものを二本にする。
その頃には、ビキニを結んでいた横の紐が外れ、濡れそぼった恥毛と溝、さらに指が挿入されているのも丸見えだった。
「オラの指、呑み込んでる」
「あぁ!ん、んぅっ、あ、あ!」
「すげぇえろい……」
出し入れされる自分の指を見て、悟空は興奮した。
出し入れする度に、蜜が指に絡まってくる。
たらりと溢れ、掌を伝い、手首に流れたそれはぽたりとシートに落ちていった。
吸い付きが強くなった頃、わざと一旦指を抜く。
名残惜しげなチチの声があがった。
間を置かず片足を広げ、中心部分に顔を寄せる。
そこは、女の匂いが強く香っていた。
「すげえ……ひくひくいってる」
「やんだぁ……見ねぇ、でぇ……」
涙声のチチに、けれど行為をやめるつもりは悟空には毛頭ない。
今にも刺激を待ちわびるようにひくついているそこを見て、そんな気になる訳がなかった。
溢れる蜜が美味そうに見えて、襞を掠めるように一舐め。
とろりとした粘液が舌を伝わり、口内に広がる。
もう一度舐め上げ、そのまま舌は上へと向かっていき――。
「はぁん!」
同じようにひくひくと刺激を待ち焦がれているように立ち始めていた突起に、ちゅっと吸い付く。
赤く剥けた状態のそこは、強い刺激を感じる。
びくびくとチチの身体が揺れた。
「あ!あ、ん、ふっ、ぅ……あぁ……!」
腰を揺らめかせ、身悶える。
ちろちろと舐めた後口に含んだまま、顔を左右に動かす。
「あぁーー……っ」
ますますがくがくとなっていく足に、悟空は再び指を秘裂へと差し入れた。
連動してか、中はますますきゅうきゅうと締め付けていた。
「あ!だめ、だめぇ!!やぁ……!ごく……っ」
両方の刺激に耐えられる筈なく、チチは顔を仰け反らせる。
緊張に張り詰める身体、ピークを超えたその先――……。
「――あぁああああ!!」
ゆっくりと浮いた背中がシートへと落ちていく。
身体を何度もびくつかせ、徐々に身体の力が抜けていった。
顔をあげた悟空の口周りは、蜜か唾液かてらてらと濡れ光り。
指はこれでもかと蜜を纏わせていた。
ほんのり薄桃色に色づいた肌は、絶頂を迎えた証拠。
荒く肩で息をし、影と木漏れ日を浴びる解放感。
明るい陽の下で見たベビーピンクの世界と、快楽。
全てが混ぜ合わさり、興奮が最高潮に達していた悟空は、とにかくチチに自分を埋めたくて仕方なかった。
腰周りには、脱ぎかけのワンピースがたごまり、水着の上部分も半脱がせの状態だ。
全裸よりもそそられるものなのだと、悟空は改めて思っていた。
「オラも、気持ちよくなっていっか?」
「あ……ん……」
力なく答えるチチの言葉を肯定と捉える。
意識がはっきりしていないチチは、それがそういう合図である事に気付いていない。
ぐっと脚を持ち上げ、腹の上で折り曲げる。
少しだけ持ち上がった秘裂からは、未だ密が流れ続けていた。
その様も隠微で扇情的であり、悟空の気持ちを逸らせる。
「いくぞ」
「……あ?!――あぁん!」
ずっくと差し入れられた質量に、チチは再び高く啼いた。
達したばかりの身体に間を置かず刺激されたのだ、その感度たるやいつも以上である。
さらに脚を閉じられ、尻を少しだけあげられた態勢は、思った以上に刺激が強い。
「あ、あぁん!ごく、さぁ……まっ……」
「もう、待てね……っ!」
ぐんぐんと勢いをつけて奥を刺激され、チチは声をあげる事すら出来なくなった。
強制的に与えられる快感と、じわじわと膨らむ感覚の悦楽に、ただ呑み込まれていく。
「チチ、いっぞ……すっげ、気持ちいっ…あ、オラも……!」
ぽたり、と悟空の汗がチチの身体に落ちる。
それすら気にする余裕はなく、チチは必死に悟空の腕に爪を立てた。
指の時と同じように、自分自身がチチの内から出し入れされているのが目に入る。
それが堪らなくて、さらに悟空の気持ちが上がっていく。
「イくっ、イく……ぞ……!チチ、ぃ……!!」
「んんーーーっ!!」
悟空が果てるより少し先、チチが達しびくびくと身体を震わせた。
蠢く内は今まで以上に悟空に絡みつき、締め付ける。
「あ……っ!!」
悟空の眉根に、強い皺が刻まれる。
チチに全てを持っていかれるような感覚に襲われながら、ぶるりと身体を震わせた。
駆け巡っていく電流のような刺激を味わい、全ての精を吐き出した後。
全力疾走した後のけだるさに襲われながら、悟空はチチに体を預けた。
自業自得とはこの事だ。
「いちち……」
「全く!悟空さは馬鹿だべっ」
「そんなに言うなよぉ。もっと優しく……いってぇ!!」
「自分が悪いんだべっ」
ぺちん、と叩かれた背中は、真っ赤になっていた。
日焼け止めなどを塗っていなかった悟空の背中は、それは思い切り焼けてしまった。
太陽の方角が丁度直撃する位置だったらしく、悟空の背中はその餌食となったのだ。
赤くひりひりする背中を、チチに介抱される始末。
「日焼け止め塗んねぇからだべ」
「そんなもん別にいらねぇもん」
「いらねぇとか言うから、こんな事になるんだべ」
冷たいタオルを当てられ、炎症を鎮める。
全く海に入っている場合ではない。
「悟空さも、おらみたいに何か羽織ればよかっただよ」
「そしたら、チチもオラに欲情すんのか?」
すぐさまぽかり、と頭を叩かれた。
「いって!」
「悟空さはそんな事ばっかしか考えてねぇのけ!」
そういう訳ではないけれど。
大体チチがいけないんじゃないか、とひとり心の中でごちる。
「折角ワンピース買っただに」
ぶつぶつ文句を言うチチに、ちらりと視線を向けて。
「でも、オラもそのワンピースは嫌いじゃねぇかもな」
チチは一瞬褒められたのかと、女心で思ったのだが……。
「次は裸の上に着てくれよ」
呆気らかんと言ってのけた悟空に、チチの頬が焼けたように赤く染まった。
アップした季節――冬…どこが夏なんだと小一時間(略)
作中に外でやるのは初めてじゃないという描写があるので
その話もまた別に書きたいなぁ