お題 043 【嫉妬】 (4悟空×猫チチ)
※表の『sweet lil' cat -猿と猫-』の悟チチ設定です。苦手な方はご注意ください。















爽やかな風を肌に感じながら、悟空とチチは山並みを歩いていく。
小動物達が何事かときょろりと見つめていたり、小鳥が囀ったり。
自然を感じながら、獣道のような足場の悪い道を進んでいた。

「悟空さぁ、早く!」

小走りに前を行くチチが、帽子が脱げないよう抑えながら、くるりと後ろを振り返る。
その尻尾は、嬉しさにふるふると振られていた。

「そんなに急がなくったって、逃げやしないって」

少し呆れながらも、悟空は素直に後ろを追いかけた。

猿のような男、悟空と、猫のような女、チチが結婚して数ヶ月。
所謂新婚さんという甘い期間のふたりではあったが、
どこかクールな悟空に、まとわりつくチチという、相変わらずな暮らしを送っていた。

そんな悟空が、本当はとても優しく、誰よりも想ってくれているのをチチは知っている。
だから、こんな風にふたりお出かけ出来るのが、嬉しくて堪らない。
今日は恒例の、一山向こうの農場まで、食材を貰いに向かっていた。

「やあ、こんにちは」
「こんにちは!牛乳と卵いただきにきただよ」

農場に着き、チチはニコニコしながら籠を差し出した。
空の籠には忽ち卵が一杯詰められ、箱には10本の牛乳が詰められる。

「これだけあれば足りるかい?」
「んだ。いつもありがとうだべ」

籠一杯の卵はチチが、牛乳瓶10本が入った箱は悟空が受け取る。
悟空が農場の手伝いをしている関係で、全てただでいただけるのがありがたい。
昔から悟空と農場主の間で成り立っていたやりとりが、チチが悟空の嫁となった今でも続いているのである。

これ程の量でも、五日持てばいい方なのだから、とてもふたり家族とは思えない。
それもこれも悟空が人一倍食べるからなのだが。

「また手伝いに来ます」
「悟空くんが手伝ってくれると助かるよ!ひとりで3人分は仕事してくれるから」

からから笑う農場主は、とても気風がよく、ふたりによくしてくれていた。
悟空がこの山に来た時からの知り合いで、初めは悟空の見目に驚いたものの、今では理解者のひとりである。
チチが自分の猫の耳と尻尾を曝け出せる、数少ないひとりでもあった。

礼をし、さて帰ろうとしたチチのその足先、小さな鳴き声と柔らかいものがあたった。
何かと下を向くと……。

「うわぁ~可愛いだぁ!」

子猫が可愛らしい鳴き声をあげ、チチの足にすりすりと顔を擦りつけていた。

「まだ小さいだべな」

しゃがんで撫でると、薄茶トラの子猫は高くにゃんと鳴き、とてとてとチチの足から離れていく。
行き着く先には、横たわる親猫。
見れば、子猫の兄弟達であろう子猫も、母猫の腹周りに横たわっていた。

「沢山居るんだべなぁ」

戻ってきた我が子を慈しむように、親猫がその身体をぺろぺろと毛繕いしていく。
その仕草すら可愛くて、チチは夢中でその姿をじっと見つめていた。

「よかったら飼わないかい?何匹かは貰い手が決まってるんだけど、他はウチで飼おうと思ってたから、よかったら」
「本当け!?」

農場主の言葉に、チチはぱぁっ、と顔を華やがせた。
こんな可愛い猫が家にきたら――想像しただけで楽しそうだ。
さぞふたり暮らしの家が賑やかになるに違いない。

「猫が居たら、可愛いべ」

餌をあげようとすれば、とことこと寄ってきて甘い鳴き声をあげ。
ねだる時には、足にすりすり。
可愛い、可愛すぎる。

猫の居る生活を思い描き、チチは既に飼う気満々だった。
どうせ悟空は反対もしないだろう。
後は、どの猫を家族として迎えるかだけだ。

やはりここは、先程足にすり寄ってきた猫がいい。
そう思っていたのだが……。

「ウチは猫飼う余裕なんてないだろ」
「えっ!?」

まさかの悟空の反論に、チチは驚いた。
思わず素っ頓狂な声をあげてしまったぐらいである。
普段あまり反対しない悟空が言うなんて、一体どんな風の吹き回しなのか。

しかし、ここで諦めるチチではなかった。
押せば何とかなる!という考えだ。
いつだって、悟空は何やかんやでチチに甘かった。

「でも、可愛いべ。一匹ぐらいなら……」
「一匹でも同じだ」

ぴしゃりと言い切った悟空に、チチはあんぐりと口を開け、それ以上言葉をつむげなかった。

「そうかい、残念だね。でもここに来ればいつでも会えるから」
「すみません。それじゃまた」

悟空はそう言うや、さっさと玄関へと歩き出した。
なんて勝手な事か。
こんなに可愛いのに、悟空は何とも思わないのだろうか。

猫、悟空の背中、交互に見続けたチチは、農場主に頭を下げ、渋々悟空の後ろ姿を追いかけた。
我儘なんて滅多に言わないのだから、聞いてくれたっていいのに。
内心ムカムカのチチの眉間には、気付かぬ内に皺が寄る。

足早なチチは、気付けば悟空を追い抜いていた。
あれだけ向かう前は賑やかだった道中は、静けさの一言。
無論、チチがへそを曲げ、むくれているからである。

「なぁ、チチ」
「……」
「チチ」
「……」

何度呼んでも、チチは振り返る様子もなく、前をずんずん歩いていく。
ふぅ、と悟空はため息を吐き、仕方なくそのまま無言で後ろを着いくる。

わからずや!
絶対家に居たら可愛いのに。
一匹ぐらい飼う余裕はあるのに。
大体悟空さより食べないのに、何の問題があるんだべ。
ぐるぐる脳内で文句だけが流れていき、チチは不機嫌きわまりなかった。





チチのご機嫌斜めは、結局夜まで続いた。

ベッドの上に座ると悟空側に背中を向け、クッションをぎゅっと抱きしめる。
こういう時は機嫌がすこぶる悪い事を、悟空は知っていた。

いい加減、このままで寝る訳にもいかず。
お姫様の機嫌を戻さないと、明日の朝が思いやられるのは明白だ。
ただでさえ静かな夜の食卓を経験したばかりだ、あんな重苦しい空気、朝には絶対味わいたくない。
悟空はベッドに腰を下ろし様子を伺った。

「なぁ、チチ。いい加減こっち向けよ」
「……」

立ち上るオーラは完全に、「怒っている」と主張している。
猫の耳はぴんっ、と逆立ち、心なしか黒い尻尾は毛が逆立ち、ふっくらしているようにも見えた。
こうなると、中々機嫌は直らないのが常だ。

「何でそんなに怒ってるんだよ」
「……あんなに可愛かっただにっ」

ひとつ呟かれた言葉に、悟空は、あぁ、と声をあげた。
余程あの猫が飼いたかったというのか。
それにしても、それだけでこんなに怒るなんて、子供じみている。

「一匹飼うのだって大変なんだぞ。生き物なんだ、人形じゃねぇし」
「おらっ、ちゃんと育てられるだよ!」

がばりと後ろを振り返ったチチは、顔を真っ赤にしながら悟空を睨んだ。
クッションを胸の前にぎゅっと抱えたまま、逆立っていた猫の耳はぺしゃりとへたれている。

「俺が面倒みきれねぇ」
「元々悟空さには期待してねぇもん」

むぅ、と口を尖らせ、チチは何気に失礼な事を言う。
悟空としては、まさかこんなにもチチが猫に執着するとは思ってもみなかった。

「そもそも、ウチにはもう猫が居るだろうが」

一瞬きょとんとしたチチだったが、その言葉を理解した途端、眉を吊り上げた。

「ねっ、猫っておらの事け!」

垂れ下がっていた猫耳と、だらりと力を失くしていた尻尾が、にわかにぴんっと立ち、毛が再び逆立つ。
チチにとったら心外の一言である。
確かに猫の耳と尻尾はあるけれど、れっきとした女性であり、悟空の妻だ。
自負があっただけに、怒りやら哀しいやらで、ぐちゃぐちゃになった。

「悟空さの馬鹿ぁ!もう知らないっ」

再び悟空に背を向け、布団に潜りこもうとしたのだが。
ぐっ、と腕を引かれ、いとも簡単に阻止されてしまった。

「そういう意味で言ったんじゃねぇよ」
「じゃなかったら、どういう意味だべっ」

嫌がるように首を左右に振って、何とか悟空の腕から逃れようとするも。
悟空はそれを許さず、チチの身体をぎゅっと抱きすくめ、胸におさめた。
それでも嫌がるチチだったが、悟空が離す気配はない。

「勝手に考えてひとりで暴走するのは、変わらねぇな」

出逢った時から、そして嫁になった今でも、チチのこの性格は変わらない。
時に呆れたり、どうしてそうなるのかと困ったりもするけれど。
それもひっくるめて、悟空はチチを愛していた。
決して、口に出して伝えるような事はしないけれど。

「悟空さの言い方じゃ、そうとってもおかしくねぇべ」

まるで子供に諭すように言う悟空が憎らしくて、子供じみてる自分が恥ずかしくて。
けれど、振り上げたものを簡単に下ろす事も出来ない。
チチはふくれっ面のまま、悟空を見上げた。

「悟空さは、あの猫が可愛くねぇのけ」
「別に」
「じゃあ、おらも可愛くねぇって言うだか!?」

急にいきりたち、きゃんきゃんと噛み付いてくるチチに、悟空は気持ち身体を引かせた。
猫扱いされた事に怒ったというのに、この矛盾。
悟空としては何でそうなるのかという発想だったが、女とは実に難しいものなのだと実感させられた。
しかしそれもこれも、悟空が言った件のせいでもある。

元々口下手で、上手く言葉で伝えられない悟空は、時にチチがへそを曲げるような事を言ってしまう。
その真意は全く逆のものであったりするのだが、大概は伝わらない。
今もその状態だ。

口下手の悟空と、はやとちりのチチ。
結局似たもの夫婦だというのは、ふたりの友人の弁。

「だから、そうじゃねぇって言ってるだろっ」
「う~~……」

くりっとしたチチの目が細まり、みるみる潤む。
まずい、泣きそうだ。
泣かせるのは本位ではない悟空は、ぽふん、とチチの頭を撫でた。

「俺は、お前が居ればいいって言ってんだよ」

計らずも突然の愛の告白に、チチは一瞬で面食らい、顔を赤くした。
忽ち俯き、もじもじと悟空の胸の中で小さくなる。

余り言葉を言わない悟空だからこそ、こういうストレートな物言いが胸に響く。
嘘偽りないとわかるし、何より大事に想われているのがわかるのだ。

けれど、チチとしても、どうしても猫が気になって仕方ないのも事実。

「でも……でもな、とてとて歩く姿が凄く可愛かっただよ」

擽ったそうに目を瞑り、それでもなすがまま毛繕いされていた、小さな毛玉のような猫。
その様子が微笑ましくて、可愛くて、今も脳裏にその姿が浮かぶ。

「お母さん猫に毛繕いされて、気持ちよさそうにするのも可愛かっただ。悟空さだって、あの姿見て、可愛いって思ったべ?」

何となく遠慮しいしい言うのは、悟空が爆弾を投下したからか。
しかし、悟空の反応は――。

「別に」

もう何度目になるかわからない返事に、チチはがっくり肩を落とした。
駄目だ、この男には何を言っても通じない。
そもそも、可愛いの基準がどうなっているのかすら判別がつかないのだから、仕方ないのかもしれなかった。
最早諦めモードで、チチは小さくため息を吐いた。

「お前が感じてる姿のが可愛い」

言葉に弾かれるように、チチはばっ、と悟空を見やった。
一瞬耳を疑ったのだが、どうやら間違いなさそうだ。
悟空の真剣な表情とかち合い、チチはみるみる茹蛸のように顔を赤らめた。

「なっ、何言ってるだ!!そっ、な……」

意味がわからないとばかりに喚くのだが、想像もしていなかった言葉に、チチは内心あわあわしていた。
先程の言葉といい、こういう事は平気でさらりと言ってのけるから、悟空の人となりがわからなくなる。
そもそも、可愛いの基準が違うというのに。

「もうっ、そんな冗談言わねぇでけろ」
「冗談じゃねぇよ」

悟空の影が、チチに落ちる。
戸惑うチチを攫うように、悟空の唇がチチの唇に触れた。
ベッドのスプリングが、ふたり分の体重に軋み、音を立てる。
恥ずかしさに悟空から逃れようとしたチチは、ベッドへと身体を沈められ、結局組み敷かれてしまった。

「俺が、毛繕いしてやるよ」

そんな事誰も言ってない――チチの言葉は、悟空に呑み込まれた。
悟空の舌が無遠慮に口内へと入り込み、チチの舌を絡め取り翻弄する。
ぴんっ、と立っていた猫の耳が、たちまちへちゃりとへたっていった。

「んぁ……っ」

深い口付けから解放され、ぷは、と空気を一気に吸い込む。
しかし、それも許さないとばかりに、再び悟空の舌が進入し、再び貪られた。

角度を変えながら、深く深く、チチを味わうように唇を重ねて。
抵抗していたチチの手が力を失くしていくのを、悟空は感じ取っていた。
口を離せば、名残惜しげにふたりの間に引く、銀の糸。
目を潤ませ、まるで子猫のようなチチの表情に、ぞくりとした感情が走る。

「大人しく、親の言う事は聞かねぇとな」

冗談めかしているけれど、目は欲を纏いチチを見つめている。
しゅるり、と悟空の尻尾が揺れ、チチの太腿を撫でながら、顔を鎖骨の辺りに埋めた。

「んっ!」

ちゅっ、と吸い付いた後、れろ、と舐めあげる。
そのまま這わすように首筋を通って、猫耳に到達した舌は、舐り、食んだ。

「念入りにしねぇと」

低く落ち着いた悟空の声と水音がダイレクトに響き、チチはぞくりと身体を震わせた。
元々耳が弱く、ここを攻められると最早陥落したも同然。
止めを刺すよう、ふっ、と息を吹きかけられ、力ない甘い声が漏れた。

「ふあぁ……っ」

半開きの口から白い歯をこぼし、目をきゅっ、と瞑り刺激に耐えるその姿が、まさに悟空が虜にされるもの。
どこを攻めてもいい声で啼くから、止まらなくなる。

力を失くしたチチの腕を万歳させると、上の衣服を脱がしにかかる。
するりと腕を通り抜け、露になった白い肌と、ふるりと揺れる胸。
チチは、ブラを着けていなかった。

いつもなら、このまま乳房に吸い付く所だが。
悟空はチチの身体を反転させ、自分の身体の前で抱っこするように抱える。
乳房の両脇から手を這わせ中央に寄せながら、再び猫耳に口を寄せた。

「あっ……っ」

悟空の吐息から逃れようと、チチの肩が竦む。
それを逃さぬように悟空の唇が追いかけ、ちゅっ、と音を立てた。
両側から沿わせた手は、いつしかチチが感じる両の突起を摘み、擦り上げる。

「あ、あっ、んっ」

柔らかな乳房は悟空の無骨な手にふにゃりと形を変え、それと反比例するように突起はくりっ、と硬くなっていく。
中指と親指で摘まんで擦りつけたり、指で弾いたり。
徐々にチチの声が甘く溶けるようなものに変わっていった。

「ふあぁ…っん、んぅ、ご、くう……さぁ…」

耳から頬へと滑り落ちるように動いた悟空の舌は、チチの肌を舐め味わう。
近くで感じるチチの荒い吐息を感じながら、悟空はえも言われぬ感情に支配されていった。

誰も愛さず、ひとりでひっそり生きていくつもりだった悟空が手に入れた、愛しい存在。
狂うようによがらせ、乱れる姿が見たくて堪らなかった。

「んっ…は……」

突起を弄ったまま口を食むと、どちらともつかない唾液がチチの顎を伝い落ちていく。
その様がやけに扇情的で、さらに悟空を煽った。

「悟空、さぁ……」

とろんとしたチチの瞳が、悟空の姿を映す。
悟空に触れられると意識がぼやけて、何も考えられなくなってしまうのだ。

「!あぁっ」

悟空のふらちな指が強く突起を弄ぶと、チチの意識はびりりと覚醒したかのように鮮烈に脳内で弾け、強く甘い声をあげた。
再び力を失くし、悟空の肩にもたれかかるように頭を投げ出し、喘ぐ様を晒す。

「チチ、気持ちいいか?」
「あ、あ、あ…ふぅ……ん!」

指の動きとは相反するように、悟空が優しく目尻にキスを落とすと、チチは瞑目し、口を色っぽく半開きにする。
まるで親猫のような愛しみのキスと、雄猫のような荒々しい指とで、チチを翻弄していった。

悟空の唇が項を這い、口づけ、熱に浮かされながら。
ころりとうつ伏せにされたチチの、尻尾が不安げにゆらりと揺れる。

上から見下ろしたチチの様は、悟空の雄としての部分を強く刺激する。
白い肌が薄桃に色付きはじめ、か細く震える様が何とも言えないのだ。

とっくに力を失くしたチチの下半身から衣服をはぎ取り、ショーツ一枚の姿にする。
乳房とはまた違う、張りがありながら柔らかな尻が、悟空の目の前に露わになった。

「もっと、気持ちよくしてやるから」
「んっ!」

ぬるりとした温かさが、チチの肌に触れた。
腰の辺りから肩甲骨にかけて、悟空の舌が滑っていく。
つつっ、と線を描いていく様に、快感とくすぐったさが交錯し、チチは身体を震わせた。

「はっ、あ、あぁ……くふぅ」

ぞくぞくとした感覚に支配されるまま、チチは悟空の舌から逃れるよう、背中を仰け反らせる。
必死にシーツを掴み、逃れようとするけれど。
それを追うように、悟空の舌が誘い、離れる事はなかった。

何度も何度も、背中を悟空の舌が往復していく。
まるで本当に毛繕いしているかのように、丁寧に。
いつしか悟空の這った跡が、薄明かりに照らしだされた。

「ふぁ……」

びくびくと震える身体を満足そうに眺めながら、悟空は舌なめずりをした。
ゆるゆると力なく揺れるチチの尻尾を掴むと、あむ、と口に含む。

「んん~~っ!」

散々愛撫され敏感になったチチの身体は、どこを触ってもいい声で啼くようになっていた。
撫でられる感覚と、しゃぶられている感覚とが、尻尾から身体全身へと伝わり、身悶える。

尻尾を撫でていた悟空の手は、ゆっくりと下へと降りていき、チチの尻へと触れる。
それに追従するように、尻尾の付け根から割れ目の辺りに顔を埋め、ショーツを口で噛むと、一気にずり下した。

「すげぇ……もう濡れてるぞ」

ショーツを全部下すのもそこそこに、悟空はチチの秘部を指で撫ぜた。
粘り気を含んだ密がとろりと指を流れ、触れられたそこはひくひくと震える。

「やんだぁ……」

チチはどうにかなってしまいそうだった。
ただでさえ尻を高く上げさせられ、悟空に恥ずかしい部分を見られ、弄られ。
散々愛撫された後だ、溢れはじめていた事にチチ自身も気付いていたのだから。
当たり前のように指摘されるのは、羞恥でしかない。

「悟空さぁ、見ねぇ、で……」
「なんで」
「だってぇ……ひゃんっ!」

すりすりと悟空の指の腹が、前部分の小さな突起を擦りあげた。
く、く、と緩急つけて触れる指に、チチは顔をシーツに沈める。

「あ、あんっ、ん、ん、ぅん」
「今更だろ」

悟空の目の前で、チチの尻尾が力なく揺れる。
だらりとなった様は、全ての力を抜けさせられた証拠。

硬くなり始めたのを指先に感じながら、滑るように秘部を悟空の指が動く。
たらり、たらりと垂れはじめた密が秘所を濡らし、滑りをよくする。

「簡単に入るな」
「ぅうん!」

何の苦も無く悟空の指が内へと入り込むと、チチは肩をびくつかせた。
短く息を吐くように甘い声を漏らし、シーツを握る手により力がこもる。

内を指で苛みながら、悟空はチチの肌に舌を這わす。
丸みを帯びた弾力のある尻を、付け根から上へと舐め上げると、チチの足ががくがくと震えた。

「あっ!やっ……ごくぅ……!」

密は悟空の指を伝い、ぽたぽたとシーツに落ちていく。
チチの内股すらも濡らし、たらたらと流れ落ちていく様に、悟空は生唾を呑み込んだ。

ちゅっ、と吸い付き、舐め上げ。
指は休む事無く緩急をつけ攻める。
チチ自身も知らない、悟空だけが知っているチチが一番よがる部分に、指が触れた。

「――っ!!」

呑み込まれそうな程の快感が、チチの身体中に押し寄せてくる。
びりびりと電気が走ったように身体をびくつかせると、絞り出すように声をあげた。

「~~あぁ……っ!!」

強烈な刺激から逃れようと、チチの腰が揺らめく。
それを逃がさぬよう、悟空の腕がチチの腰に回され、しっかりと繋ぎとめられてしまった。

「やぁ!だめっ、そこぉ!や、あ、あぁん!」
「……イっていいぞ」

悟空の声を合図に、チチは唇を噛みしめながら、身体をぶるぶる震わせた。
脳天から足先まで痺れるような何かが走り抜け、肩で息をする。
猫の耳と尻尾の毛が少しだけ逆立ち、しかし力を失くしどちらもへたりこんでいた。

「は、は、は……は…」

悟空の指は、チチの愛液でびっしょりと濡れ、手首までも濡らしていた。
ゆっくりと抜き去った後、優しくチチを仰向けにする。
チチの目はおぼろげに悟空を見つめ、目尻には涙の跡があった。

「ご、くぅ……さぁ……」

まるで子供のように名を呼ぶ姿が愛しくて。
悟空は涙をぬぐうように、チチの目尻にキスを落とした。
荒い息遣いのチチを感じながら、目尻、頬と辿り、唇にキスする。
そして、鎖骨へと流れ、優しく吸い付いた。

「んっ……」

上りつめた後のチチは意識がまだ朦朧としていて、悟空が何をしようとしているのか計りかねていた。
穏やかに肌を滑るように口付けていく悟空に、肌の体温を感じながら少しばかりの穏やかな時間が過ぎていく。

「あっ……」

鎖骨下、乳房の上辺りに吸い付いていた悟空は、柔らかな丘陵の側面を舌で滑った後、乳房の下部分に舌を這わせた。
つつっ、と山を登るように舌を滑らせ、つん、と赤く実る突起の手前でそれは止まった。
くるり、と円を描くように周りを一舐めすると、チチと視線が交わる。

「悟空さぁ……」
「まだ舐めてなかったし」

いつもなら、すぐに悟空が内へと入ってきてくれるのに。
緩やかに意識がはっきりしてきたというのに、チチはさらに悟空に翻弄される事になる。

「ってもまぁ……これじゃ親猫って言うより子猫だよな」
「んぁ」

毛繕いというよりも乳飲み子のように、悟空はチチの乳房にむしゃぶりついた。
子猫が母猫の乳を求めるように、ちゅく、と吸い付き舐る。
内心、子猫はこんな吸い方しねぇだろうな、と思いながら。

「んっ、んぁ、あん!」

つん、と立った所に、舌をぐりぐり押し付け、こそぐように舐める。
それだけは、親猫が子猫を毛繕いするような仕草だった。

快楽に歪むチチの顔。
汗ばんだ身体が心地よく悟空に張り付いてくる。

「あぁ!あ、あんっ、ん!」

乳房を堪能した後は、濡れそぼった茂みを掻き分け、進んだ先。
一度達した部分は、強烈な程の女特有の匂いを蓄え、悟空を誘う。
先程内股に流れた密を舐め上げ、付け根に口付け、徐々にと中心へと動いていく。
そのじれったさにチチが身体を捩り、涙声交じりに訴えた。

「悟空さぁ…もう……」

こちらを伺う悟空の目と合う。
羞恥心よりも、疼きを早く解放されたい欲求の方が勝る。

「言っただろ。チチが感じてる姿のが可愛いって」

すい、と逸らされた瞳が瞑目すると、震える赤い実に吸い付いた。

「んあぁ!」

舌先で転がした後吸い付くのを繰り返し。
硬く立ち上がった所を、丁寧に舐め上げれば……。

「あっ、あ、あっ!」

軽くチチがびくつく。
足ががくがくと震えた後、力を失くしてシーツに投げ出された。

「は、は、は……」

今一体、自分はどんな表情をしているのか。
ぼんやりとしか見えない悟空の姿が、より近いものとなる。
――と思った次の瞬間、ふわりと身体が浮かんだ。
優しく抱っこするように抱きしめられたチチの身体は力なく、しかし簡単に悟空自身を呑み込んだ。

「あぁ!……ぅん」

じれったいぐらいの熱がこもった場所に、楔が打ち付けられる。
ゆっくり、しかしぐいぐいと奥へと向かっていく熱が、チチのよがる部分をこそぐように刺激した。

「悟空さぁ……」

半開きのチチの口からは、だらしなく涎が流れ落ちる。
いつもきちんとしているチチからは想像出来ない姿だ。
しかし、その欲情に囚われたチチの表情こそ、悟空にはこの上ない喜びでもあった。

求めるままにお互いの唇を貪り、チチは必死に悟空の身体にしがみつく。
下から突き上げられる度に、じわじわと奥底から何かがせり上がってくるのを感じていた。

悟空の尻尾が、チチの尻尾に絡みつく。
無骨な手が乳房に這い、舌と舌を絡ませ、お互いが高みへとのぼっていった。

「悟空さぁ…っあ、あ!」
「チチぃ…っ……!!」

きゅっ、と悟空の手がチチの尻を掴み、より強く刺激される。
ずん、という衝撃と、じわじわと溢れ出す感覚が綯い交ぜになり、チチは顔を仰け反らせた。

「あぁぁぁああん!」
「くっ…ぁ……!」

悟空の唇が引き結ばれる。
一番奥に熱を感じながら、チチは力なく悟空の腕の中で果てた。















後日、チチはひとり、農場へと向かっていた。
悟空が手伝いに来ているのもあったのだが、丁度卵が無くなってしまったので、お迎えがてらやって来たのである。

「ちょっと待っててね」

卵を持ちに席を離れた農場主の背中を見送って。
代わりに奥から、あの子猫がにゃんと一鳴きしながらやってきた。

「ちぃっと大きくなっただなぁ」

優しく抱き上げると、鼻先をチチの鼻にこすり付けてきた。
やっぱり可愛いし、飼いたいという気持ちはまだある。
……けれど、またあんなに激しくされたら、身体が持たない。

「全く、悟空さってば加減さ知らねぇんだから」

文句を言いつつ、その顔は赤く染まっていた。
その様子を、子猫はどこか不思議そうに見ている。

「抱っこしてもらってたのかぁ。よかったなぁ」

卵を持った農場主がやって来て、チチと子猫の姿を見て目を細めた。
――と思った次の瞬間、何故か吹き出したのだ。
チチとしては訳がわからなかった。

「?どうしただ?」
「いや、こんな小さいのにヤキモチ焼かせるなんて凄いなって思って」
「ヤキモチ?」

農場主は、内緒だよ、と前置きして話してくれた。

「今日、悟空くんが来ているでしょ。仕事に入る前にその猫を抱き上げてさ」

首根っこを摑まえ、自分の視線に合わせると、悟空は言った。

『お前にチチはやんねぇからな』

そう一言言うと、親猫の元に戻したという。

「頑なに反対するから何かあるなとは思ってたけど、その子猫にチチちゃんを取られると思ったんだねぇ」

くすくす笑う農場主に、チチは顔を真っ赤にしながら子猫を見つめた。

悟空が反対したのは、この子猫に嫉妬したから。
子猫を飼ったならば、チチはこの子猫に付きっ切りになるだろう事は容易に想像出来る。
それが気に入らなくて、あんなに頑なに拒んだと言うのか。

「……もう、何で本人に直接言えねぇんだべ」

全くウチの旦那様は。
もし子供が出来たら、どうするつもりなんだべ。
その時もこんな風に、ヤキモチを焼くつもりなんだべか。

内心子猫に愚痴を零しながら、チチの口の端は嬉しさに上がる。
チチの猫の耳も、尻尾も、嬉しさを隠せないようにぴん、と立ち、揺らめいた。

「土嚢の積み上げ、終わりました」

裏口から悟空が戻ってくる。
チチは抱いていた子猫をそっと床に下すと、一目散に悟空の胸に飛び込んだ。
















ウチの4様豆知識→チチ命です(`・ω・´)シャキーン
久し振りに裏小説書いたら、なんだかねちっこい…かも?
それもこれも、4の7に対する愛情故です(キリッ)

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