お題 040. 【酒】 (主姫バレンタイン)
時は夕刻を過ぎた辺り。
珍しくエイトの任務は終わり、自室へと戻っていた。
その足取りはいつも以上に軽く、スキップまでしそうな勢いだった。
それもその筈、エイトの服のポケットには、ミーティアから貰ったバレンタインデーのチョコレートが入っていた。
昼休み休憩時間の合間に、わざわざミーティアが尋ねて渡してくれたこのチョコレートがどれほど嬉しかった事か。
早く食べたくて、任務完了の時間が来るのを今か今かと待ち焦がれていたのだ。
部屋に辿り着き、すぐさまポケットから箱を取り出す。
綺麗なピンクのリボンがなされているそれを見つめ、にやにやした笑いが止まらない。
他の人からもらってもこうはならない。
やはりミーティアからもらえるというのがポイントだ。
「はー今年は何かなぁ」
ぱふん、と思いっきり勢いよくベッドに背中から倒れこむ。
両手で天井に向かって掲げ、じっと見つめる。
何となく食べるのが勿体無い気もするけれど、やっぱり食べたいという、なんとも言えないジレンマに襲われたりして。
今のエイトの表情は誰にも見せれるものではない事は確かだった。
トロデーン城直属の近衛隊々長として面子にだって関わる。
しかしそんな事今のエイトにとったらおかまいなしの勢いだ。
よしっ!と気合を入れるように起き上がると、ゆっくりとリボンを解いていく。
この開ける時間がまた楽しかったりして。
何が飛び出すのか、わくわくした気持ちを抑えながら、箱を開けた。
「へぇ・・・今年はシンプルな感じなんだ」
中から現れたチョコレートは、とてもシックでシンプルな大人な雰囲気を醸し出しているように見えた。
ひとつひとつがきちんと包装されていて、その包み紙さえ高級感漂っている。
なんというか、洗練されていると言うか、さすが王族のミーティアが選んだだけの事はあるという感じで。
しかしエイトとしては、正直ミーティアの手作りチョコレートを期待していた部分もあり、少々肩透かしを食らったのも事実。
我侭を言う訳ではないけれど、やっぱりどんなに高級なお菓子メーカーのチョコレートなんかよりも、
ミーティアが不器用なりに手作りしてくれたチョコレートを貰う方が嬉しいと思っていたのだ。
「でもま、貰えたのは嬉しいしな」
そう言って再び顔がにやける。
所詮ミーティアに貰ったという事実が、エイトにとって一番重要な部分なのだが。
まずはひとつ。
手に取り包み紙を取り払い、大事に口の中に放り込んだ。
と、途端口の中がカッと熱くなるのを感じた。
「?!・・・これ・・・お酒・・・?」
解けたチョコレートの隙間から、エイトの口の中に流れ込んだのは、紛れもなくお酒であった。
そう、所謂ウィスキーボンボンという代物だ。
少し咽ながらも、ひとつを食べきった。
ミーティアが自分に選んだにしては、ずいぶん大人っぽいものだなぁ・・・などと思いながら、
それでもミーティアがくれたものだし、何よりさすがミーティアが選んだだけあってチョコレートも滑らかで口溶けがいいし、ウィスキーも美味しい。
これはちょっとクセになるかもなぁ・・・。
なんて思いながら、エイトは次々とウィスキーボンボンを口にしていった。
そう、自分が酒に弱い事などすっかり忘れて。
一方その頃ミーティアは・・・。
「困ったわ・・・間違ってしまって・・・」
自室でおろおろしながら、どう謝ろうかと困惑していた。
そう、実はエイトに渡したチョコレートは、本来トロデに渡すものだったのだ。
今年のミーティアは手作りトリュフを作り、それをエイトに渡そうと思っていたのだ。
お酒好きのトロデには、サンローヤルのウィスキーボンボンをと思って準備をしていて、
間違いないようにエイトに渡す方の箱にピンクのリボンをした筈だった。
しかしどこかで間違ったらしく、エイトに渡す筈の箱にグリーンのリボンが、
トロデに渡す筈の箱にピンクのリボンがかかっていたのだ。
ミーティアはそのリボンの色のままエイトに渡してしまったのだった。
気づいたのはトロデがミーティアの前でチョコレートを食べようとした時。
今年は私にも手作りなのだな、というトロデの言葉により発覚したのだ。
ミーティアは慌ててトロデに間違った旨を告げ、返してもらったばかりだった。
「エイト・・・もう食べてしまったかしら・・・」
本当は手作りのチョコレートを渡したかったのに。
もしかしたら、サンローヤルの方が美味しいと、もう自分の手作りのチョコレートなんか食べたくないかも・・・。
そんな周りからしたら杞憂な思いもあったりして。
でもこのまま居るのはやっぱり気が引ける。
やっぱり折角エイトの為に手作りしたのだから、食べてもらいたい。
ミーティアはもう一度、今度こそ本物を渡す為に、エイトの元へと向かった。
周りの兵士に聞いた所によると、エイトは既に今日の任務を終え、自室に戻ったとの事だった。
もしかしたらもう食べてしまったかも・・・。
こんな事なら悩まずに早くエイトの元に向かえばよかったと、心の中で反省しつつ、おずおずとエイトの部屋の前に佇んだ。
「・・・うん、ちゃんと謝れば許してくれるわよね・・・」
意を決し、ミーティアはドアをノックした。
しかし、待てども暮らせどエイトからの反応はない。
「・・・?」
もしかしてまだ戻っていないのだろうか。
ドアノブに手をかけると、突然勢いよく開かれたから驚いた。
「きゃっ・・・っ・・・あ・・・エイト」
目の前にはエイトの姿。
やっぱり居たのだと安心したのも束の間。
なんだか様子がおかしい。
「エイト・・・?」
「あ〜ぁ、姫ぇ〜」
明らかに言動がいつもと違うエイトに、ミーティアは戸惑った。
なんとなく顔のしまりも悪いような気がする。
「ど、どうかしたの?」
「へ?どうもしませんよぅぉ〜っと」
・・・明らかにどうにかなってりう風情なのだが、エイトはいたって普通のつもりらしい。
いつもと違うエイトにミーティアは戸惑うばかりで。
ふいに香るお酒の匂いに気づく。
エイトがお酒を飲むなんて珍しい事だ。
そこでミーティアはもしかして、とこの原因の種に検討を付けた。
「ねぇ、エイト?もしかしてミーティアがあげたチョコレート・・・」
「あ?あぁ、姫がくれたチョコレートね。うん、食べましたよぉ?」
やっぱりだ。
あれはトロデ用に準備したチョコレートボンボンだったから、かなりのアルコール度数の高いウィスキーが使われているのを選んだのだ。
しかし、全部食べてしまったとしても個数的にはそんなに多くないのに・・・。
そう、エイトはミーティアが思う以上に酒に弱かったのだった。
「今回は手作りじゃなかったんですねぇ〜」
「それなんだけど、実はね・・・」
「俺ぁ姫の手作りのが何倍っも嬉しかったのになぁ〜」
完全にただの酔っ払いと化しているエイトだからこそ吐ける台詞である。
思わずきゅんと胸を高鳴らせてしまったミーティアであった。
しかしそんな乙女な気持ちに浸っている訳にもいかない。
こんなエイトを放って置く事も出来ないと、ミーティアは必死にエイトを介抱しようとした。
「エイト大丈夫?少し横になった方が・・・」
「へ?だぁいじょうぶですよぉ?折角姫が来てくれたのにぃそんな勿体無い事出来ませんよぅ」
以前にもクリスマス会でべろんべろんに酔っ払って、百八十度違う性格になったエイトを思い出す。
あの時も妙に大胆になっていたっけ・・・。
そんな事をふと思い出しながら、それでもミーティアはなんとかエイトを休ませようと試みる。
「でも・・・」
「う〜ん・・・そんなに言うならぁ〜姫も一緒に寝ましょうよぉ〜」
え?
と返事を返す暇もなく、エイトはミーティアの腕を引っ張り部屋に招きいれた。
その力は強く、抵抗もままならない。
エイトは一直線に自分のベッドに向かった。
「きゃっ」
乱暴にベッドへ寝転がされると、間を置かずエイトがベッドへなだれ込む。
と、同時にミーティアに抱きついた。
「エ、エイト・・・」
「うぅ〜ん姫の身体は柔らかくて気持ちいぃ〜」
まるで猫のように頬ずりするエイトがなんだか可愛く見えて。
ミーティアは抵抗するのをすっかり忘れていた。
いつだってポーカーフェイスという程でもないけれど、自分に対してしっかりした部分しか見せないエイトとは違う部分を垣間見て、
こんなエイトも悪くないと思ってしまうのは乙女心だ。
エイトがこのまま眠ってしまったら、そっと出て行けばいい。
そんな風にのんびり考えていると・・・。
「・・・どうしたの?」
自分の身体に顔を埋めていたエイトが、突然顔を上げた。
ミーティアを見る目が、酒に酔っているせいか座っている。
「ほぇ?こんな所に美味しそうなイチゴがある〜」
苺?
ミーティアが何の事か解らず聞き返そうとしたその刹那、突然エイトが唇を重ねてきたのだ。
重ねるというより、本当に食べようとするように大きく口を開け、全てを呑み込むように。
「んぅ・・・っ?!」
いきなりの事に、ミーティアは驚き目を見開いた。
きっと酔って何か勘違いしているのだと悟り、エイトの身体を優しく押し返した。
「エッ、エイト・・・あのね、これは・・・」
「ん〜柔らかくて美味い〜」
間髪入れず再びエイトの唇がミーティアの唇を塞ぐ。
今度は舌まで進入してきて、本気で何もかもを味わうような勢いだった。
ふわりとお酒の匂いがミーティアの鼻を擽る。
「っはぁ・・・っあー・・・」
唇を離し、見下ろしているエイトのとろんとした目とかち合う。
なんだかいつもと違うエイトに戸惑いながら、ミーティアは揺れる瞳でエイトを見つめ返した。
「姫ぇ・・・」
少しだけ呂律の回らない口で名を呼ぶ。
ミーティアは返事を返さなかった。
「俺以外とこんな事しちゃぁ駄目ですよ?」
不機嫌そうに眉を吊り上げ嗜めるように言われ、ミーティアは取りあえずこくりと頷いた。
それに気分をよくしたのか、エイトは忽ち微笑んだ。
「姫にこんな事していいのはー俺だけですもんねぇ〜」
そう言うや、また唇を塞ぐ。
いつもより情熱的に口内を貪られ、ミーティアは熱に浮かされそうだった。
「ん・・・んぁ・・・」
角度を変える度に、ミーティアの甘い声が漏れる。
容赦ないエイトの舌は、ミーティアの舌を絡めるようにして吸い上げた。
肉厚で柔らかな舌は気持ちよくて、ミーティアの思考をも停止させていく。
「なんでそんな可愛い声だすんですか〜?もっと聞きたくなっちゃうじゃないですか」
言うや、ミーティアの胸に感じる違和感。
それと同時に、一番敏感に感じる部分を指で弾かれたから堪らない。
「あぁ!」
「やっぱりだー。此処をこうすると声出しますよねぇ」
文字通りニヤニヤしながら、エイトは顔をミーティアの胸元まで移動させる。
目の前に柔らかなふたつの膨らみを臨むと、両手で乳房を下から持ち上げるように包み込んだ。
「いつ触っても柔らかい〜」
「あ・・・っダメ・・・」
ひっそりと刺激に眉をしかめるミーティアに気も留めず、エイトはその行為に没頭していく。
乳房を揉みながら、人差し指で容赦なく突起を弾き擦りあげた。
「あぁん!」
甲高い、可愛らしい声がミーティアから漏れると、まるでそれに満足するようにエイトが目を細め笑った。
指を突起に擦りつけ、離さないように何度も部位を擦っていく。
布との摩擦で、また違った感覚を植えつけられたミーティアは力なくただ嬌声を漏らすだけ。
「んぁ・・・あ・・・やぁ・・・エイ・・・ト・・・」
「姫・・・すっごい可愛いです・・・」
酔っているせいか、いつもより大胆なエイトは、自然といつもは言わない言葉まで言う始末。
しかも、酔っている人特有の支離滅裂な言葉が次々と齎された。
「姫ぇ・・・どうして今年は手作りのをくれなかったんですかぁ?」
「んっ・・・だから・・・」
「そんな姫にはお仕置きですよ〜」
言うや衣服を下に擦り下げ、下着に包まれた乳房を露にさせた。
ミーティアは恥ずかしさのあまりエイトに触れている腕に力が篭る。
少しの抑制は、エイトには通用しない。
柔らかに盛り上がっている上部に、唇を吸い付かせた。
散るは紅い痕。
「んぁ・・・っ」
少しの痛みを伴ったそれは何度か繰り返され、意識が翻弄されていく。
その隙に、乳房を隠していた下着を思い切り下にずらされた。
ぷるん、と小振りで可愛らしい姿が露わになった。
「手作りチョコレートの変わりにいただきまーす」
ぱくり、という音が聞こえてきそうな程に、なんの躊躇いもなくエイトは突起を口に含んだ。
まるで子供のように吸い上げ、チョコレートの代わりのように何度も往復させて舐める。
そこがさらに硬くなるのは必然だった。
「んぁっ、あぁ・・・っ!」
ミーティアは刺激に耐えられず声をあげ、背を仰け反らせる。
いつもより大胆で強引なエイトの愛撫に、どうにかなってしまいそうだった。
ただチョコレートを間違ったと伝えにきただけなのに。
どうしてこんな事になっているのだろうか。
ぼんやりとした頭で考えても、思考がそこで止まってしまう。
全て、エイトによって齎される快楽の元に。
「んは・・・っ」
口を離せば、エイトの舌とミーティアの突起の間にツツッと糸が引く。
自分の唾液で光るそれを見ると、何だかもっとやらしい気持ちになるから不思議だ。
見下ろせば顔を真っ赤にして、瞳を潤ませているミーティア。
しかし、酔っている事により、通常の冷静な判断能力が失われているエイトにとったら、
その先の行為を止める術にはなりえない。
むしろ、もっと苛めたい衝動に駆られるのだから、恐るべしというべきか。
「もっと姫を味合わせて下さい・・・」
とろんとした瞳で言い切ったエイトは、思い切りミーティアの脚を左右に開いた。
スカートは捲れ上がり、その密やかに隠された白い内股が現れる。
ミーティアは突然の事に、抵抗する機会を失っていた。
「やっ!エイト、駄目・・・」
「駄目じゃないですよぉ?俺凄く哀しかったんですから」
そう言われてしまえばミーティアは何も言えなかった。
例えエイトが酔っているとしても、その事に関して責任があると少なからず思っていたからだ。
ちゅっ、と太腿の内側の部分に口付ける。
ミーティアは恥ずかしさのあまり、口に手をあて必死に刺激に耐えた。
徐々にそれは上へと移動していき、薄らと濡れ始めていた秘部へ。
「・・・邪魔だな」
ぐっとショーツに手をかけた後は早かった。
いつもなら躊躇いがちにされる行為は、大胆になったエイトにかかればあっと言う間の所業で。
ミーティアは小さく悲鳴に似た声を上げただけで、全てを曝す事となってしまった。
「あー・・・あった」
顔をぐっと近付け凝視するは、エイトしか知らないミーティアの秘密の花芯。
此処をどうすれば自分も、そしてミーティアも気持ちいいのか、酔っていても本能が知っていた。
「此処・・・堪らなく美味いんだよなぁ・・・」
忽ちミーティアの身体がびくんと跳ねた。
エイトの指の腹が其処に触れた体。
まるで掻くようにかりかりと触れるその手付きに、ミーティアは身体を捩った。
「あぁん、ん、んんぅ・・・っ!・・・は・・・」
舌を出し、先で突付くように触れる。
つんつんと何回か突付いた後、舌全体を押し付けるように擦り上げた。
紅く剥け、硬く隆起し出していた小さな実に与えられる快感は、大きくミーティアを揺さぶった。
「やぁ・・・!あぁ、あんっ、うぅん・・・!・・・ひぁっ」
あんまりにも甘くミーティアが啼くから。
エイトの中で先程から疼いている熱が、我慢の限界を超えていく。
「姫・・・」
行為によって得た熱と、酒に酔って得た熱がエイトを支配し、まるで夢現だった。
こんな幸せな夢なんかあっていいのだろうかと、頭の片隅で思ってみても。
本能を剥き出しになっているエイトからしたら、あっと言う間に忘れるように彼方へと追いやられていく。
硬く熱くなった自分自身を、唾液と愛液で濡れそぼったミーティアの秘裂へと宛がう。
左右の襞を分け入るように一気に就きたてた。
「あぁっ!」
強い刺激にミーティアの身体が一瞬ベッドから浮き上がる。
綺麗な亜麻色の髪が乱れ、白いシーツに映えていた。
どこか神秘的で、なのにリアルで。
エイトの背筋はぞくぞくと震えた。
「あー・・・・姫の内・・・気持ちいい・・・」
最奥まで到達させた後、身体を密着させるようにミーティアに抱きついた。
まるで子供のように甘えるエイトが愛しくて。
ミーティアは受け入れるようにエイトの背中に腕を回しギュッと抱きしめ返した。
顔を上げればこんなに近くに居て。
やっぱりエイトからはほんの少し酒の匂いがしたけれど。
きっとこの行為は自分にしかしないだろう事がなんとなく解るから。
ミーティアは幸せな気持ちに包まれていた。
「エイト・・・好き・・・っ・・・」
言うや直ぐ唇を深く貪られ、口の端からどちらともつかない唾液が流れ落ちていく。
まるでアルコールに酔わされるように、エイトにどんどん酔わされていく。
口を離せば、それは高みに上り詰める為の合図。
「一緒に気持ちよくなりましょう・・・?」
一瞬正気なのかと思う程、ハッキリとしたものいいと、きりりとした瞳に見つめられ。
ミーティアはゆっくりと首を縦に振った。
すっとエイトの身体が離れたかと思うと、強い突き返しがミーティアを襲った。
声を失い、息をするのを忘れるかと思う程の勢いに、ミーティアは今までで一番の声を上げた。
「あぁん!あ・・・あぁ・・・っ!」
「っく・・・ぅ・・・そ・・・な、締め付けな・・・で・・・?」
ぎゅうぎゅうに締め付けてくるミーティアの内壁に、エイトは忽ち翻弄され眉を顰めた。
何かが纏わりつき絡みつき、根こそぎ持っていかれるような感覚は、何度味わっても気持ちが良すぎる。
まして今は酒も入ってふわふわした状態だ、余計にそう感じてしまって仕方ない。
このまま終るものと思っていたミーティアの考えは、突如覆される。
突然身体をひっくり返されたのだ。
何が起こったのか解らないまま、エイトに腰を掴まれ引き寄せられる。
「あ・・・ぁ・・・」
ぴと、と後ろから当てられる硬い物に、一瞬恐怖が過ぎったものの、それを伝える余裕すらなく、一気にずぶりと突き立てられた。
今まで感じた事のない部分にエイトが入り込み、思わずミーティアは顔を仰け反らせ声をあげた。
「あぁっ!!やぁっ!!ま・・・っ・・・」
深い挿入はミーティアに恐怖を芽生えさせた。
まるで自分の身体ではないみたいな快楽が身体を駆け抜けていく。
一番奥深い場所を何度も突かれる度に、自分の身体の中にじわりと何かがせり上がってきて・・・。
今までにない喘ぎを漏らした。
「あっ、あぁっ!〜〜〜んぁあ・・・っ!」
先程とは比べ物にならないほどの締め付けに、エイトも限界だった。
ミーティアの腰を掴んでいた手に力が篭り、渾身の力を込めて突いて突いて突きまくった。
「ひぁあ!!」
「あぁ・・・っ!・・・くっ・・・」
エイトの声が上がると同時に、重みがミーティアの背中に圧し掛かった。
エイトが果て、身体を全て投げ出してきたのだ。
くらくらとする世界で、ミーティアは肩で息をし、シーツをきつく握る。
耳元にはエイトの荒い息遣いが響いた。
「んぁ・・・姫ぇ・・・」
今だ内に侵入させたまま、エイトはミーティアの顔を無理矢理此方に向かせると、口付けた。
それはいつものエイトのように優しくて、温かいものに感じられた。
「・・・ん・・・」
意識が戻ったエイトは、ゆっくりとベッドから身体を起こした。
何だか頭がボーッとして働かない。
髪をかき上げ、何があったのかを思い出そうとしても一向に思い出せない。
「いつの間にか寝てたのか・・・」
記憶はミーティアに貰ったチョコレートを食べた所までは覚えていた。
そうだ、今年は手作りじゃなくって、それがウィスキーボンボンで・・・。
そんな事を考えいたエイトは、自分が裸である事に気付いた。
「なんで服着てないんだ・・・?」
ますます訳が解らないと、とりあえずベッドから出ようと手を付こうとして。
何故かある筈のない感触が襲った。
「―――ん?」
恐る恐るその柔らかい物の正体を確かめるべく、顔をそちらに向けると・・・。
「・・・・・・・うわぁぁぁぁあああああああっ!!!!!!」
まるでトロデーン城内全てに響くような声だったと、後に近衛兵のひとりが語るほど、驚きの声は凄まじかった。
それから当分の間、恥ずかしさと申し訳なさで、ミーティアに合わせる顔なく日々を過ごしたエイトであった。
その後、エイトがほんの一滴も酒を飲まなくなったのは言うまでもない。
酔いに任せていつもより大胆になっちゃったよ話☆
こんなのーこーな主姫書いたの始めてかもですが、まぁバレンタインって事で!