汗ばむ肌、弾んでいく吐息。
逃れられない快楽に為す術なく、ただ這っていく舌と掌を全身で感じるだけ。
 
灯りに照らされたその瞳に、欲情が走って見えた。
 














お題 0.34 【縛る】 (悟チチ)


 














「ご、くぅ……さぁ……」
 
か細い吐息交じりの声で名を呼んでも、いつもの無邪気な笑顔は向けられない。
本人は、貪るように乳房に顔を埋めている。
恥ずかしくて逃れたいのに、絞められたこの腕ではそれもままならなかった。
 
いつもは優しい悟空も、夜の生活では突然豹変する事があった。
普段は優しく労わるように抱きしめてくれるのに、時々欲情に任せるように身体を暴くのだ。
その周期は月が規則正しく満ちるように、定期的にやってくる。
そうなってしまっては、チチにどうする事も出来なかった。
 
「あ……っ!あんっ、あぁ!」
 
容赦ない愛撫に、チチは首を振って意識を繋ぎとめようとするけれど、執拗に舐られる乳首に意識が飛びそうになった。
 
『チチの身体、よく見てぇ』
 
始まりは些細な言葉。
いつだって暗がりで繋がるこの行為で、ねだられたのは初めてではない。
恥ずかしさに断ると、大抵は諦めて薄明かりぐらいで我慢してくれるのだが、この日は違った。
 
『どうしても見てぇんだ』
 
はっきりと告げる悟空の目に、何か言いようのないものを感じ取った。
間違いなく、欲情に駆られている目だ。
 
抵抗もままならないまま、あれよあれよと衣服を全て脱がされ、一糸纏わぬ姿でベッドへ縫い付けられるよう押し倒される。
煌々と点けられた白熱灯に照らされる裸が恥ずかしくて、すかさず両手で乳房を隠すようにしたけれど。
それを許さないように、両手を頭の上で拘束された。
 
『手、邪魔』
 
しゅるりと音を立て、悟空が身に付けていた腰紐が解かれたかと思うと、
あっと言う間に手首を縛られ、ベッドの飾り部分に括りつけられてしまった。
 
『やんだぁ!恥ずかしいだよぉ』
 
真っ赤になりながら潤んだ瞳で見つめれば、忽ち悟空の唇が降り注ぐ。
一気に舌をねじ込ませ、口内を蹂躙するように蠢きまわりながら、唾液さえも奪っていった。
 
『恥ずかしくなんかねぇ』
 
そう言いきられ、チチは一切の抵抗をやめた。
 
「はっ……ぁ……悟空、さぁ」
 
火照る身体、朦朧とする意識。
うわ言のように名を呼ぶのは、悟空の愛撫に翻弄されているからか。
 
無骨な指が柔らかい乳房に埋まり形を変える。
揉みしだき、指の間から覗く乳首をきゅっとはさみ、先を舌で突く。
それに飽くと、今度は舌全体でねっとりと這わすように舐め上げ、強く吸う。
時に歯で刺激し、その度チチの身体がびくりと跳ねた。
 
「あー……柔らけぇ」
 
満足そうに呟くと、今度は触れていなかったもう片方に移動する。
山を登るように柔かい丘陵を舌で舐め上げながら、到達した赤い実は既に硬くなっていた。
弾くように舌で上下に刺激した後、同じように吸い上げる。
先程からずっと繰り返されるこの行為に、チチの息は上がっていくだけだった。
 
「やんだぁ……悟空さぁ……そんなに、同じとこ、ばっかり……」
 
ちらりと上目遣いにした悟空の視線と合う。
それでもその口は乳首から離れる事はなく、言ってる側からきゅうっと吸い上げた。
 
「あぁん!」
 
強い快楽に目を閉じ、悶える。
気を良くしたのか、悟空はますます刺激を強くしていった。
 
唾液に塗れた乳房が灯りに照らされ、てらてらと浮かび上がる。
白い肌には、いつしか無数の赤い痣が散らばっていた。
 
つつっと脇腹を指が滑っていく。
くすぐったい感覚に、チチは身を捩った。
逃れたくても腕はこの通り、帯で拘束されたままだ。
どうする事も出来ない。
 
きゅっ、と締まる手首に痛みを感じながら、その一方で快楽に支配される。
こんな帯など解いて欲しいのに、目で訴えた所で悟空は許してくれないだろう。
最早悟空には、チチを暴いていく事しかなかった。

太腿を摩るように掌が何度も往復した後、膝裏に移動したかと思うと、ぐっ、と足を折り曲げるように開かされた。
名残惜しそうに舌を出しながら乳房から離れ、今度は腹の上を滑っていく。
行き着く先は、悟空の目の前に露になった太腿の内側部分。
 
「やんだぁ!見ねぇで……っ」
 
いつもは暗くてよく見えない秘部。
しかし今は、灯りの下。
片方の足は開かされ、見えない訳がなかった。
 
赤く色づく、男の悟空にはない部分。
空気にさらされ、今までの愛撫で徐々にひくつき始めたそこは、今にも何かを待っているように誘う。

「んー」
「あぁ……!」
 
ちゅっ、と付け根に吸い付き、膝に向かって舌が這う。
ぞくぞくとした感覚がチチの身体を駆け抜けていった。
 
何度か往復し、舌は再び核心部分に到達する。
しかしそこに触れようとはせず、すすっと付け根部分を往復するだけ。

「あ、あ、あ……っ!」

じれったさに、チチはか細い声をあげた。
滲む汗で額や頬に己の黒く長い髪が張り付き、淫らに悶える。

今、自分が一体どんな格好をしているのか。
正気で居たなら、卒倒するかもしれなかっただろう。
しかし、悟空に与えられる快感に、チチの中から徐々に羞恥心が消え失せていっていた。

早く触れてもらいたい。
手が自由に動かせるなら、今直ぐ悟空の頭に手を伸ばし導きたいのに。
それすら出来ない今の自分の状態を嘆くように、切羽詰った甘い声をあげ続ける。

「悟空さぁ……お願い……」

悟空の顔が、ふっと上がる。
その表情は、無表情というものに近かったかもしれない。
瞳は白熱灯に照らされ、白光が走っている。
ぞくりとする、ゆらりとした言いようのない雰囲気に、チチはそれでも懇願の声を漏らすしか出来ない。

「おら、おら……」

紅潮させた頬、潤む黒い瞳、淫らに開かれた口。
光にさらされた身体は、汗か、それとも悟空が辿った跡か、いくつもの筋が扇情的にチチの身体を這う。

 「今、どんな格好してるかわかるか?」

悟空のその言葉で、チチは再び羞恥心に襲われた。
手は縛られ、脚は大きく開かされ、それ以上の刺激を懇願する姿――。
淫らにあがる息、濡れ始めた秘裂は、今か今かと次の行動を待ち侘びている。

「オラに縛られて、こんな脚広げられてよ」
「やんだぁ……!」

チチはふるふると首を横に振る。
言われなくてもわかっているその姿に、忽ちチチを自己嫌悪へと引き摺り落とす。
こんなはしたない自分など、自分ではないと必死に否定するけれど。

「いつもと違うようにされて、興奮してんのか?」
「!!」

びくり、とチチの身体がベッドから一瞬浮いた。
悟空の指が、掠め取るように小さな実に触れたからだ。
突然身体中を電流が駆け巡るような感覚に襲われ、高く啼いた。

「ぬるぬるしてる」
「あ!あぁ!あ、あ、あ……っ!」

ぐりぐりと親指の腹を押し付けるように刺激され、人差し指で襞の部分を撫で上げられる。
チチは強く目を閉じ、腕を強く引く事で、ぎしりとベッドが軋んだ。

「腕縛られてるから、身動き取れねぇもんなぁ」
「ん!うぅんっ、は……あ!あ、あ、あんぅ!」

導かれるように、何の抵抗もないまま、悟空の指はチチの秘裂に呑み込まれた。
身を捩る度手首の帯が食い込むけれど、最早チチにその痛みを感じる余裕はなかった。

「ずぶずぶ呑み込まれてるの、オラに丸見えだぞ」
「あぁ……っ!」

わざと羞恥心を煽る言葉を吐かれ、恥ずかしさで一杯の筈なのに。
何故か蜜は溢れ、悟空の指を伝い手首までも濡らしていく。

腹の奥底から湧き上がる激情が、今か今かと弾けるのを待っている。
既に悟空はチチの脚を押さえつけてはいなかったが、チチに脚を閉じるという意識はなくなっていた。

「―――ああああああ!!」

チチの背中が一瞬浮く。
さらりと散らばる髪、力の抜けた脚、くぷりと溢れ零れる愛液。
悟空はゆっくり指を抜き去った。

「は……、は、は……」

虚ろな目をしたチチが、肩を揺らしながら大きく息をする。
シーツは既にぐっしょりと濡れ、隠す力すらなく晒し続けていた。

昼間の貞淑な妻な雰囲気は、今はどこにもない。
ただ、夫に求められるまま快楽に支配された、淫らな姿の妻。

いつも恥らう彼女が嫌だった訳ではない。
そんなチチを可愛いと思う自分だって居た筈だ。
けれどどうしても今日は。
その身体を乱暴に奪い、何もかも自分のものにしたかった。

露わにしない表情からは、冷めている印象を受けるだろうけれど、その実。
内に秘めたチチを求める欲情は、悟空の中で静かに炎が燃え滾る。

「縛られて、感じたのか?」
「は……っ!」

耳元で囁き、二の腕の裏側から腋へと指をつつっと滑らす。
擽ったさと耳への囁きに、ぞくぞくと身体を奮わせるチチ。

「も、満足……だべ?」

暗に、手首の紐を解いて欲しいとの懇願だった。
しかし、悟空は何も言わずチチに深く口付けた。

「んっ、ふ……ぅ……ぁ……」 

 交わるお互いの舌、漏れる吐息。
熱を与えた唇が、ゆっくりと離れていく。

「わかんねぇけど……オラ、何でかまだ物足りねぇ」

苛めたい訳じゃない。
慈しむ余にチチを抱きしめたいと思う気持ちがない訳でもない。
しかし、何かに支配されたように、残虐にチチを求めてやまないのだ。

すっ、と首筋を指が這い、乳房、臍、付け根へと流れていく。

「今日は、おめぇを壊したいって思っちまってる」

言うや、屹立した己をチチの内へ捩じ込んだ。

「あぁあああ!」

一度達していたチチは、堪らず顔を仰け反らせる。
その表情にぞくりとした言いようのない支配よくが満たされ、この時初めて悟空は口の端を上げた。

「きもちいっか?」
「あ、あ、あ……っ!」

身体を離し俯瞰で見るチチは、快楽にその顔を歪めている。
腕を縛り上げているから、それを見るのも容易い。
動きに合わせ乳房は揺れ、絶え間なく声が漏れ響いていた。

「いい、顔だぞ……っ」
「は、あ、あん!」

悟空に抱きつきたいのに、それすら許されない。
もどかしいまでの感情と快楽に支配されいく。
M字に開かれた脚に悟空の全体重がかかると、その刺激はさらに増した。

「んぁああああ!!」

水音と、肌がぶつかり合う音と、チチの嬌声。
静かに響く、悟空の息遣い。
激しさを増す動きは、ふたりを追い立てる。

「―――っ!!」

チチの息が一瞬止まる。
攻められている内のさらに奥の方から、何かがじわじわとせり上がり、膨らむ感覚に支配された。

「あ、あ、あ、……っ!!」

鮮烈に弾けた何かは、チチの身体を強烈に、けれどじわりと覆う。

「あぁあ!!」

まるで叫び声にも似た声をひとつ放った後、チチは意識を手放した。
それを見た悟空は一気に突き込み、己も高みを目指す。

「くっ……!ぁあ……っ」










急速に駆け抜け弾けた快楽がゆっくりと悟空の身体から引いた頃。
チチの内からゆっくりと自身を抜き出した。

「……チチ……」

その声は、気を失っている彼女には届かない。
涙の跡をそっと拭い、悟空は腕を縛り付けていた帯を解いた。

白く細い手首には、くっきりと赤黒い痣が出来ていた。
何もかも吐き出した今なら、自分がチチに何をしてしまったのかわかる。

「チチ」

もう一度その名を呼び、手首に優しくキスをした。
慈しむように、チチの傷を癒すように。

どうしても止められなかった。
ただ、何もかも奪いたかっただけ。
悟空にそれ以上の意味はなかった。

けれど、縛られ悶え甘い声をあげるチチに、震えるような感情を抱いた。
まるで己の中に眠っている『血』が騒ぎ出すように。

それに目を背けるように、悟空は目を閉じる。

「すまねぇ」

 小さく呟き、そっと口付けた。
















何故かシリアスチックになってしまった…
今度縛る時は、もっと悟空が無邪気な感じのが書きたいです

 

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