お題 012 【夢】 (???〈悟空〉×チチ)
※前半部分にチチの悟空以外との性描写があります。苦手な方はブラウザバックで戻るかチチの台詞から始まる後半までスクロールして下さい。
此処はどこなのだろう。
悟空は自分が今何処に居るのか解らなかった。
辺りを見渡せば何も見えず、真っ暗な闇が広がっている。
(なんだこれ・・・?)
訳が解らないまま、自分を取り巻く闇を縫うように歩き出す。
何処まで続いているのか、果てなどあるかどうかすら解らない真っ暗な場所を
ただ延々と歩き続けた。
すると、目の前にぼんやり白く光るものが映った。
なんだろうと目を凝らしてみれば―――。
(チチ!)
いつもの格好をしたチチが立っていた。
しかし、チチは悟空に気付く素振りもない。
悟空はチチの姿を見て一安心したのも束の間、
気付いてもらおうと声をかけようと手を伸ばした。
(・・・・・?)
しかし、その手は何かによって阻まれる。
自分の目の前に見えない壁がある事に気付いた。
一体何なのだろうと思いながら、こんな壁など自分の力ならいとも簡単に破壊出来るだろう。
悟空は自分の手に力を込めた。
「くっ・・・!」
見えない壁は悟空の思惑とは裏腹に、びくともしなかった。
どんなに気を集めてぶつけても、割れる気配すらしない。
「チチッ!チチ!!」
とにかくチチに気付いてもらおうと必死に声を張り上げる。
それでもチチは悟空に気付く気配はなく、いつまでのその横顔だけを見せた。
と、不意にチチの顔に笑みが浮かぶ。
とても嬉しそうで、愛しいものを見つめるような、そんな笑顔・・・。
悟空はその笑顔に見覚えがあった。
自分を見つければ浮かべる、幸せそうな笑顔。
自分にしか向けられないと思っていた笑顔を一体誰に向けているのか。
ジリジリと焼け付くような胸の痛みを感じながら、チチの視線の先を追って・・・。
息が止まりそうになった。
チチの視線の先には紛れもない、自分が立っていた。
本当の自分が此処に居るのに、何故という疑問が直ぐ頭に浮かぶ。
しかし、よく見ればそれは自分ではない、自分に似た誰か―――・・・。
「アレは・・・っ」
悟空の顔色がサッと青褪める。
チチの前に立つあの人物の存在に、少なからず覚えがあった。
『悟空さ』
チチは目の前に居る男が自分ではない事に気付かない。
嬉しそうに駆け寄り、笑顔を向けている。
本当の自分は此処に居るのだと。
どうして気付いてくれないのだろうと、歯痒い想いが悟空を支配した。
「チチッ!そいつはオラじゃねぇ!!オラは此処だっ」
声の限りに叫んでも。
力の限りに壁を叩いても。
チチは気付かない。
見ているだけで何も出来ない悟空の目の前で、自分に成りすましているその男の腕に飛び込んだ。
『悟空さ・・・』
いつも自分の腕に抱かれている時に発する、甘い可愛い声でその名を呼ぶ。
本当ならあの腕も、声も、全部自分に注がれるものなのに。
どうしてあちらの声が届くのに、こちらの声が届かないのか。
悟空は焦りに拳を振るわせた。
男の顔は何故かハッキリ見えなかった。
しかし、チチを抱きながら、ちらりと見える口が笑っているのが確認出来る。
男は徐にチチの顎に手を置き、上を向かせた。
(やめろ・・・っ!!!)
声にならない叫び。
届くはずもなく、チチは恥らいながら目を閉じ男と唇を合わせた。
心臓が掴まれた様に痛み、全身から嫌な汗が噴出す。
いつの間にか握っていた拳と、身体を襲う震え・・・。
こんな光景など見たくもないのに、何故か目を逸らせなかった。
ギリリと力強く握った拳を壁に当てながら、ただなす術もなく目の前の光景を見ているだけしか出来ない。
男は当たり前のようにチチの衣服に手をかけた。
『やんだ、悟空さ・・・恥ずかしいだよ』
照れたように上目遣いで男を見つめるチチ。
いつもの、恥らった可愛らしい姿。
ひとつずつ、衣服のボタンは外されていく。
「チチッ!チチ!!」
叫んでも、壁を叩いても全く届かない。
この力は何の為にあるのだろう。
何も出来ないまま、チチが他の男に奪われていくのをただ見ているしかないのか。
もどかしくて、悔しくて、どうにかなってしまいそうだった。
ゆっくりとチチのすべらかな肌から衣服が剥ぎ取られた。
露になる白い肌と、ゆっくりと横になっていく身体。
薄いピンクに染まるチチの頬。
何もかも、悟空がいつも手に入れていたモノ。
『うぅん・・・』
男は迷わずチチの柔かい双房に手を伸ばした。
同時に口から可愛らしい嬌声が漏れる。
艶やかに色付いていくチチの表情とは対照的に、悟空は血の気が引いていくようだった。
チチの感じている声が好きだ。
でもそれは自分が齎せているからこそであって、他人から受ける快楽に喘ぐ声ではない。
徐々に高まっていくチチの声に耳を塞ぎたいのに。
塞いでも脳に直接響いてくるような感覚が悟空を支配し、躊躇わせた。
気付けば、きつく握っていた拳のせいで血が滲んでいた。
それでも悟空はやめなかった。
行き場のない怒りと慟哭と嫌悪感に、おかしくなりそうな心を必死に繋ぎとめる為に。
『はぁん!・・・んんっ』
断続的に続くチチの喘ぎに限界に近い事が悟空にも手に取るように解った。
敏感な場所を攻められ、今にも果ててしまいそうな快楽に歪んだチチの顔・・・。
男は一旦攻めの手を止め、チチを抱き起こした。
きつく、男の肩口に抱きつきチチは言った。
『悟空さ・・・おら・・・もう・・・』
それはチチの限界の言葉。
我慢出来ず、男に強請るように耳元で囁いた。
「やめろ・・・・」
もう、これ以上は。
悟空の精神状態は既に限界だった。
見開かれた目は瞬きを忘れたように、あられもないチチの姿から目を逸らす事も出来ず。
今すぐにでも止めたいのに、止められないもどかしさに苛まれた。
そんな悟空を知ってか知らずか。
男は密着していたチチの身体を離し、チチの腰を持ち上げた。
と、その時。
男が初めて悟空の方を見た。
まるで蔑むように、口の端を歪ませたように笑いながら。
「うわああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「・・・・っ!・・・さっ・・・悟空さっ!!」
名を呼ばれ、意識が覚醒する。
目を開ければ心配そうに顔を覗き込んでいるチチの顔。
悟空は何が何だか解らないまま、見つめる目は泳いでいた。
「大丈夫け?悟空さ凄く魘されてただぞ」
チチの手が額に伸びてくる。
浮かび上がっていた汗を優しく拭ってくれた。
其処で初めて悟空は、自分が今まで見ていた光景が夢であった事に気付く。
夢であった事に安堵する一方、あの悪夢が頭から離れない。
悟空は自分の寝汗を拭くチチの手を取りながら、もう片方の手をチチの後頭部に添えた。
「悟空・・・んっ」
魘されていたと思ったら急に唇を塞がれた。
隙間をこじ開けるように悟空の舌が侵入し、深く口内を侵食される。
チチは戸惑いながら、なされるがまま悟空の舌を受け入れた。
「どうしただ?急に・・・」
真っ赤に頬を染め聞くチチには一切答えず、サッと身体を反転させる。
上に乗っていたチチを自分の身体の下にし、覆い被さった。
驚いているチチに再び唇を重ねた。
「・・・んぁ・・・ふ・・・」
息継ぎの間から漏れるチチの声を聞きながら、悟空の行為はエスカレートしていく。
何度も角度を変え、時に吸い上げ、舌を絡ませた。
「悟空さ・・・なして・・・?」
とろん、とした潤んだ瞳で見つめてくるチチ。
悟空は無言でチチの着衣に手を伸ばした。
「悟空さ、ダメだべ・・・っ」
少しの抵抗をするチチの手を片手で頭の上に拘束し、キスを落とす。
空いているもう片方の手で着衣のボタンをひとつずつ外していった。
手と口を悟空に支配され、チチは最早抵抗など出来なかった。
全て外し終えた着衣の隙間から覗く白い肌と、まろみを帯びた双房の片鱗。
迷わず滑り込ませ指を沈ませた。
手によって形を変えるチチの乳房の柔かさを味わうように揉みしだいた。
「うぅん」
甘く吐息交じりの声がチチから漏れる。
その声を聞くだけで悟空は堪らなくなった。
もどかしさにチチの着衣を全て剥ぎ取り、全てを見ようとすると。
チチは恥ずかしそうに悟空を見つめながら、前部分を両手で隠した。
「悟空さぁ・・・」
呼ぶ声を無視するように隠している両手を掴み開かせる。
柔らかな乳房が悟空の前に露になり、チチは顔を少し背けた。
鎖骨の辺りに顔を寄せ、きつく吸い付いた。
白い肌にいくつもの紅い華を散らしていく。
まるで、チチは自分のモノである事を確認するように。
乳房の側面にも紅い痕を残し、紅く主張する実を勢いよく口に含んだ。
きゅうぅっと強く吸い上げ、舌で転がす。
少し乱暴に、強い刺激を与えるように甘噛みまでした。
チチからは今迄以上の喘ぎ声があがる。
夢の中では聞きたくなかったこの声が、今は聞きたくてしょうがない。
声が上がる度、チチを抱いているのが自分だと実感出来たからだろうか。
「あぁっ!・・・ふぅ・・・ん」
徐々に艶めいていくチチの声。
その声を聞けば聞くほど、悟空の心は安堵を取り戻していく。
誰にも渡さない。
チチは自分だけのものなのだという意識が強くなっていった。
無遠慮に下の着衣を全て脱がし、思い切り足を開かせた。
チチの小さな悲鳴が聞こえたけれど意に介さず、朝日が薄く差し込む部屋で身体を暴いていく。
足を閉じさせないように膝を持ち上げ身体を中心に沿えた後、顔をそこに近付けた。
焦らす事はせず、いきなり一番感じる米粒程の大きさの突起に舌を擦り付けるように押し付けた。
途端にチチの足がピクンッと跳ねた。
「あっ!やぁ・・・そこ・・・ダメェ・・・・」
手で乳房の一番敏感な所を攻めながら、舌でチチの中心を攻め立てていく。
感じる場所を全て翻弄すれば、自然とチチの腰が浮いてきた。
「やっ、やめ・・・!!・・・悟空・・・うぅん!」
あれは悪夢。
忘れる為にはチチが必要だった。
チチが、自分だけのものである証拠を手に入れたかった。
乱暴にチチの身体を暴くのは、一刻も早くあの忌まわしい映像を消し去りたいからだ。
舌で何度も、舐って追い立てる。
チチに一刻の猶予すら与えない。
身体で一番感じる部分を同時に攻め立てられ、チチが我慢など出来るはずがなかった。
「ごっ・・・くうさ・・・やっ・・・あぁ!」
いつもならもっと優しくチチを攻めるのに余裕などある筈がない。
高みへと上っていくチチの声を聞きながら、それでも舌で舐り続けた。
痛いぐらいに強く、ねちっこく押し付けるように。
チチの秘裂からは、次から次へと甘い蜜が流れ伝い落ちていく。
悟空の顎は自分の涎なのか、チチの愛液なのか解らない程、濡れそぼっていた。
ピタリと密着された肉厚な舌の感触に、チチの限界は直ぐそこだった。
「もぅ・・・!・・・あぁん!!」
快楽に顔を歪ませながら、背中を仰け反らせる。
いつもより強い快感にチチは高みに上り詰め、果てた。
肩で息をしているチチから顔を上げ、口の周りを濡らしているモノを無造作に手の甲で拭い去った。
快楽に堕ちたチチの身体をそっと抱き上げる。
「ご・・・くうさ・・・なんで・・・こんな・・・激し・・・」
息も絶え絶えに言葉を発しながら、悟空の肩に必死にしがみつく。
チチの背中に手を回し、ギュッと抱きしめてやる。
耳にチチの息遣いがダイレクトに伝わりくすぐったいぐらいだ。
それがリアルで、夢なんかではない事を思い知らさせてくれた。
「チチ」
この行為で初めてチチの名を呼んだ。
ずっと不安だったのだ。
あの夢のように名を呼んでも、チチからの返事がないかも知れないと。
自分に攻め立てられながら自分の名を呼んでくれていたにも関わらず、だ。
微かに呼ぶ声に反応する声が聞こえた。
それだけで悟空の中であの悪夢が消え去っていく。
「チチはオラのモンだ・・・」
微かな声で言った後、チチの身体を離す。
まだまどろんでいるチチの瞳を見つめながら唇を重ねた。
促すようにチチの腰を持ち上げさせる。
悟空は硬くなった己を取り出し、蜜溢れる秘裂に押し当てた後、一気に突き立てた。
「あぁん!」
一度高みまで上り詰めたチチの身体は感度を増し、一際高く声を上げた。
こそぎ落とされたチチの内に溢れていた蜜は、根元に零れ出る。
一番奥の吸い付く部分を遠慮なしに攻め立てるよに、腰を打ちつけた。
チチに休む暇など与えず、キュウキュウに締め付けてくる内壁に翻弄されながら行為に没頭した。
「あっ!あぁ・・・あんっ、んんぅ・・・」
チチが高く啼く度に悟空の頭の中は何も考えられなくなっていく。
強い刺激に耐えるように眉を顰めるチチを目の端にとどめながら、それでも攻めの手は緩めない。
再び果てを目指し、チチの内は収縮を始め悟空をさらに締め付けた。
「くっ・・・!」
夢の中で届かなかった声や手を取り戻すように、悟空はチチを離さなかった。
チチの柔らかな乳房は、胸板に押し潰され形を変える。
その感触も霞むほど、チチの内に悟空が翻弄され始めた。
「もう・・・イ・・・っ・・・」
上り詰める寸前のチチの表情を読み取り、悟空はさらに強く腰を打ちつけた。
自分の先端に纏わり付く何かに、悟空も限界が近かったのだ。
抱き締める腕に力が篭ったと感じた次の瞬間、チチは顔を仰け反らせた。
二度目の絶頂だ。
それを感じながら悟空も上り詰める。
「あぁぁん!」
「くぁ・・・っ!!」
悟空の中で、何時の間にか男の嫌な笑みは完全に消え去っていた。
果てたチチの身体を抱き締めながら、悟空はぼんやりと考えていた。
この身体を抱いてもいいのは自分だけだ。
例え自分に似ていようとも、それは自分ではない。
チチの善がる声も、熱も、何もかも全て。
感じてもいいのは自分だけなのだと、悟空は思った。
あの悪夢を見て。
チチを誰かに奪われる事が、こんなにも自分を畏怖させるのだと気付いた。
色んな意味でスミマセン(土下座)
嫉妬する悟空さを書きたかったのです・・・