お題 005. 【指】 (新婚悟チチ)
最近チチの雰囲気が変わった。
何処かあどけなさが残っていた表情は大人び、前よりどことなく色気を感じるようになっていた。
仕種のひとつひとつが大人の女らしく見える。
それは一緒に暮らしている悟空だからこそ気付いた変化。
思い当たる節はひとつ、自分がチチを抱いた事。
あの日から何度か体を重ねたが、その度にチチは綺麗になったように思う。
ひとつひとつの動作が悟空をドキリとさせた。
脳裏に思い浮かぶのは自分の愛撫によって変貌するチチの姿。
お互いが初めての経験だったその行為は、数を重ねる程余裕がみられるようになった。
それは悟空の方が顕著だった。
次第にチチの何処をどうすればよがり、気持ちいいのかが解るようになったのだ。
自分が攻め立てる度にチチが嬌声をあげる、それが悟空にとってはこのうえない征服感を満たす。
不意に悟空の頭をかすめる。
自分がチチの内で果てるあの何ものにも替えがたい絶頂感をチチも感じているのだろうか。
ただの興味本意、いつもの自分のノリと変わらない質問だとその時は思った。
「なぁ」
悟空の考えなど解らないチチは無邪気に悟空を見つめる。
その純粋な目が一瞬悟空をを躊躇わせた。
さすがに口にする事を憚ったが、それ以上に知りたい欲求が勝る。
「チチはどうなんだ?」
質問の意図が掴めないチチは小首を傾げた。
いきなりどうなんだと言われたって理解出来る筈もない。
「…どうなんだって何かしただか?」
いつも恥じらって電気すら点けさせてくれないチチにしてみたらそんな話をふられても困るかもしれない。
でもそんな困っているチチの表情を見るのも好きだ。
じれったくなった悟空はストレートに言葉を投げる。
「オラとエッチしてる時ってどうなんだ?」
途端にチチの顔が真っ赤に染まり体が震える。
案の定と言うかまさかそんな事を聞かれるだなんて思いもしていなかっただろうから動揺して目が泳いでいる。
「なっ…!ご、悟空さいきなり何言い出すだ!」
チチは怒りながら視線を伏せる。
動揺を押さえるように手で髪に触れる仕種をしながら首を縮こませた。
真っ赤なまま質問に答えないチチが可愛いく見えて何故か悟空はもっといじめたい衝動に駆られる。
「だってオラ気になっちまったんだ。オラがキモチイイと思うようにチチもキモチイイのかなって」
そんな話など聞いて欲しくないチチは恥ずかしくて悟空の質問を無視するように顔を背けた。
そんなチチをからかうように悟空は後ろから抱き締め顔を覗き込む。
「なぁ?オラとチチの仲だろう?教えてくれよ」
いくら夫婦とはいえ、まだ免疫の少ないチチにとったら気持ちいいだなどと口が裂けても言えない。
悟空が好きで、好きだから肌を重ねるのであって気持ちいいかどうかは全く別次元の話だ。
「そ、そんなのおらよく解んねぇだ」
どんなに聞いても答えてくれないチチに悟空はどうしても言わせたくて仕方なくなる。
当たり前だがチチの経験は悟空だけだ。
そのような関係になってから日が浅い事もあったし、
まだ慣れない行為に恥ずかしいという感情ばかりが先立っていたから
あの感覚が気持ちいいかどうなのか感じとる余裕がないと言うのが正直な所だった。
「解んねぇって言われるとなぁ…オラだけキモチイイのは何だか悪ぃ気がすんだよな」
初めての経験だからこそ、あんなに気持ちいい事がこの世にあったのかと悟空は感じていた。
今まで修行一辺倒でそんな経験がなかったから余計そう感じたのかもしれない。
元来のあまり気にしない性格も手伝ってか、この手の話にもかなりくだけている。
そこが男と女、悟空とチチの違いだろうか。
どうしてもチチに自分と同じように気持ちいいと感じてほしい。
チチが嫌がるのでいつも灯りを消した暗がりの部屋で体を重ねていたからこそ、
この目の前で真っ赤に恥じらっているチチの感じている表情を見たい。
――見てみたくはないか?
頭の中で悪魔が囁く。
こんな真っ赤に恥じらう女を前にして欲情しない男などいるのだろうか。
いけないと解っていながら心のタガは脆く崩れていく。
「チチもキモチよくしてやろうか?」
今までされていた質問より具体的に言われドキリと顔を上げれば真剣な表情の悟空と目が合う。
「なっ…何言ってんだべ、冗談ばっか言って」
真剣に言っているのにあしらわれた事によってさらに悟空に火が点いた。
きっと今日の自分はどうかしてるのだ、そうに決まっている。
そうじゃなかったらいつもならチチに対してこんな事を言ったりしない。
「冗談じゃねぇって言ったら・・・?」
言うやチチの手を掴み直ぐ近くにあったソファに腰を掛けさせた。
「悟空・・・さ…?」
冗談にしたかった。
だから誤魔化してなかった事にしたかったのに。
目の前の悟空は真剣な表情でチチをソファから動けなくさせる。
これから何が行われるのか解らない戸惑いと不安を浮かべた瞳で悟空を見つめる。
怖くて逃げ出したい、目をそらしたい、なのに。
悟空の無邪気にも見える黒い瞳に絡めとられるように目が逸らせない。
「オラがキモチよくしてやっからさ」
静寂と緊張が漂う部屋にギシッとソファに体重がかかる音が響く。
悟空はチチをを片手で抱き締め逃げられないようにした後、
チャイナ服の裾をまくりあげズボンに手をかける。
それによってチチは悟空が本気だという事に畏怖した。
「やっ!悟空さ、何…」
必死に逃れようと足を閉じようとするけれど、悟空の体が足を割って入り込み閉じる事が出来ない。
ふりほどこうともがくけれど抱き締められていて抵抗も出来ずなすがまま。
到底力では悟空に叶う筈などない。
そうして軽々しくチチのチャイナの下部分を脱がす事に成功した。
こんな明るい内に、それもリビングで身体を弄られるなんて考えられない。
いつもは寝室のベッドで、それも明かりを消しての行為なのに・・・・。
そんなチチの思いなど気にする素振りもなく、悟空は強引に事を進めていく。
侵入させた手を簡単に湿り気を帯ている部分に到達させると、そっと宛がう。
途端、チチの身体はピクンと跳ねた。
「悟空さ・・・止めてけろ」
今にも泣きそうなチチが目に入る。
いつもの悟空なら嫌がるチチを無理強いしてまでする事はないのだが、何故か今日は押さえられなかった。
今にも泣き出しそうな表情さえ悟空の欲望をさらに加速させる。
「誰か来たら・・・」
その言葉が悟空を一瞬怯ませた。
しかし、ここはパオズ山の一軒家。
隣近所などある筈もなく、まして誰かが訪ねてくるなど皆無に等しい。
チチの色香に狂わされとめる術を忘れてしまったように、やめる気はなかった。
布越しに当てていた手をそっと下から上に撫であげるとチチの口から吐息にも似た声が漏れた。
その声を確認し、耳元で囁く。
「なぁ、チチ・・・いいだろ?オラもっとオメェにキモチよくなってもらいてぇんだ」
そう言って人指し指と薬指で押し広げた部分を中指で擦りあげた。
「あっ!」
布ごと押し付けられるように擦られた赤い小さな粒は悟空の指先で解るほど隆起しだす。
此処を刺激するとそうなる事を知ったのはいつの事だっただろう。
「知ってるか?チチの此処もオラのみてぇに立つんだぞ」
ただ事実を有りのまま伝える無邪気な悟空。
純粋に教えているつもりなのだろうが、チチにとったらそんな事は知りたくもない事実だ。
恥ずかしさのあまり首を横に振り、顔はますます赤く蒸気し瞳は潤みを増す。
体は小刻に震え気付けば悟空の服にしがみついていた。
そんなチチを可愛いと思いながら色んな場所を攻め始める。
少ないながらも今までの経験で悟空は懸命にチチに気持ちよくなってもらおうとした。
時に優しく撫で、時に強く擦り付けたりと緩急つけて攻める悟空の指にどんどん力が入らなくなり、声をあげてしまう。
こんなのいけないと思うのに身体中を支配しはじめた何とも言えない感覚に頭が朦朧として思考回路は徐々に崩壊する。
「ふぅ・・・・・・んぁ・・・」
鼻にかかる甘い声が示す通り、何度もその場所に指を押し付けるように往復させるとじわじわと滲む跡。
触れれば濡れた感触。
「チチィ、濡れてきたぞ」
それがチチが感じているサインだと悟空は知っていた。
こうなれば体の力が抜け、全て身を任せる事も。
なんの躊躇いもなく口にする悟空に顔から火が出そうになった。
恥ずかしくてやめて欲しいのに、身体は徐々に悟空に支配されていく。
「そ・・・んなこっぱずかしっ・・・と・・・言わね・・・っけろ・・・」
途切れ途切れに抵抗を口にしているチチだったが、全く説得力がなかった。
悟空は無遠慮に下着に手をかけ一気に剥ぎ取った。
下着に粘る銀の糸と、ひくついている明るい元で初めて見るチチのそれ。
思わず言葉を忘れじっと食入るように見つめた。
「ごく・・・さぁ・・・・」
視線を感じない訳がない。
明るいリビングで初めてさらす自分の秘裂を恥ずかしいと思わない訳がない。
それでも脚を悟空に拘束されている今、チチに抵抗の手立ては無かった。
いつも自分を呑み込み、狂わせているのが此処なのかと思っていた。
静かに溢れている愛液を見つめ、これが絡みつき自分をおかしくさせているのだろう。
本当なら此処に今にも自分を埋没したいと思うけれど、此処はじっと我慢だ。
「チチ、もっとキモチよくしてやっからな」
そう言うと、ゆっくり指を挿入した。
いつも思うのだが、チチの内は温かくて気持ちがいい。
愛液だけじゃない何かが自分の指に触れては感じ、不思議な感覚にさせる。
―――これが自分に絡みついたら。
そう思い、慌てて思考を振り切る。
今日はチチを気持ちよくすると決めたのだ。
何より、チチが感じている表情をこの日の元で見れるのは初めての事だ。
たっぷり堪能するには滅多にない機会だった。
ゆっくりと少しずつ挿入した指を上下させチチの様子を窺う。
眉を顰め、吐息に似た嬌声を聴けば、チチが気持ちいいのだとういう事が解った。
「あ・・・はぁ・・・っ」
チチの声の具合を探りながら、もう一本指を差し入れた。
質量感が増えた事によって攻める範囲も増す。
それによって、チチの声は一段と高くなった。
「ゃあ・・・!・・・あ・・・っ・・・!!」
触れているある部分を刺激すると、チチが一番反応する事に気付く。
気付けば水音がクチュリ、といやらしく響き始めた。
徐々に自分の指を伝って溢れてくるものが増えていく。
「チチ・・・此処、キモチいいんか?」
首を縦に振る素振りはない。
それでもこの状況と、チチの声で気持ちいい事が解る。
その部分、チチの内で明らかに感触が違うこの部分が感じるのだと。
悟空は出し入れをやめ、その部分だけ擦るように内に入れたまま刺激する。
そうして、自分の手首までをも濡らす愛液を舐め取る為に口を寄せた。
「あぁ!・・・ご・・・さぁ・・・・っ」
内を指で攻め、外を舌で攻める。
舐め取る所かそれはどんどん溢れて止まる事を知らない。
粒は隆起し赤く剥け、悟空の舌の感触を今まで以上に感じ取る。
「やぁ・・・っ!!あぁ・・・んっ」
チチの内で変化が起きる。
悟空の指を呑み込むように収縮し始めたのだ。
それに少し驚いた悟空は何事かとチチの表情を見た。
そこには、艶やかに嬌声を上げるチチの姿。
その姿は悟空が初めて見るであろうチチが昇りつめる瞬間。
「ごく・・・さぁ・・・っ」
声にならない声で名を呼ぶ。
自分がどうなるのか解らない感覚に襲われ始めたチチは恐怖を抱いた。
こんな感じなど今まで経験した事がない。
苦しくて、何かを求めるように必死にその場所へ向かっているような感覚・・・。
悟空が近くに居るのに。
自分を攻め立てているのに。
頭は何もかも忘れていく。
悟空の顔も。
今の状況も。
包まれるのは真っ白な世界・・・・・。
「―――あぁ・・・・っ!!」
今までで一番高い声を上げたチチは背中を一瞬ソファから浮かせた。
と、次の瞬間悟空の手に今までで一番の蜜が流れ落ちる。
収縮は急激になり、悟空の指を苦しいぐらいに締め付けた。
全身硬直したと思ったチチの身体は、ゆっくりとソファに沈んだ。
「はっ・・・は・・・っ・・・」
浅く、早く息をしているチチ。
全身の力が抜けているのが解る。
ゆっくりと指を抜きさると糸を引くように粘る蜜が付き纏う。
「チチ・・・キモチヨカッタか?」
虚ろな目をしながら見つめるチチに問い掛ける。
まだ苦しそうに肩で息をしていた。
チチはそっと自分の腕を伸ばした。
悟空は導かれるように、チチをそっと抱き締める。
背中に回された腕は力強く、悟空を離さない。
「悟空・・・さ・・・よかった・・・近くに居ただな・・・」
悟空は言われている意味が一瞬解らなかった。
今までずっとチチの一番近くに居たのに。
そしてあぁ、と納得する。
自分がチチの内で果てる時に感じる、近くに居ながら遠くに感じる事をチチも感じたのだ。
その台詞だけで初めてチチを絶頂に導けたのだと理解出来た。
優しくチチの頬に手を添えその黒くあどけない瞳を見つめる。
其処には見つめている自分の姿だけを映していた。
「チチがキモチよくなれてよかった」
そう言って無邪気に笑った。
意識がハッキリとしてきたチチは、少しむくれた表情を浮かべた。
「おら恥ずかしいからやめてけれって言ったのに」
そう言っても悟空は誤魔化すように笑うだけだった。
そしてチチに静かに耳打ちをする。
「なぁ、チチ?オラもやっぱりキモチよくなりてぇんだけど」
知らないだ!
と、少し怒りながら口にした所でl悟空が引き下がる訳はない事はチチが一番よく知っている。
自分に強請る悟空に仕方なく呟くように言った。
「此処じゃもうイヤだべ・・・」
それを聞いた悟空は、チチを抱えるとあっと言う間に寝室へと消えていった。
悟空さだってチチをキモチよくしてあげたいだろうと出来たお話
しかし、やっぱり自分もなりたいオチなのか・・・(笑)