守ってあげたい 17話 〜裏バージョン〜














俺がその日の朝屋上におったんは偶然やった。

昨日の事があったから、跡部からの風当たりがきついんは火をみるより明らかやったから朝練には出んつもりやった。
だが、悲しい習性かその時間になったら目が覚めよった。

昨日も見も知らん女と夜を共にして、寝不足の体を引きずって登校してきてそれこそ保健室で眠りに付こうかと思ったんやけど。
これまた、急に口寂しゅうなって運動部には厳禁の煙草を吸う為に屋上までやってきた。


そこに予想外の侵入者。の姿を見たときに、最初話しかけようとしていたが友達連れでやってきて何やら話し始めたのだが。

その話の内容を聞いて、愕然とした。


大概俺も色んな修羅場くぐってきたが、俺の事完全に落としきるやなんて面白すぎる事考えたんはこの目の前の小柄な少女だけやった。


小賢しいそう思う気持ちと、また騙されてみるんも面白いかと。そう思うその気持ちがあって。
自分でもこの状況を受け止めかねている。


まっ、でも成り行き任せやな。


流れる雲を見ながらそう思っていた。

でも、脳裏に昨日のの言葉が蘇る。


「うん。多分私と忍足って、似てるから何考えてるか分かるよ」


ホンマに俺の気持ちを理解してくれるんかと少し期待した自分が、アホみたいでちょっと複雑な心境やった。

そこまで考えてハタっと気がついた。
裏切られたような気分になるってことは、相手に期待していたという事で。
出会ったばかりの大人びた目をした少女に心動かされていた自分に気が付いて、尚更苦笑してしまった。


「お前が本当に、俺のものになるんなら忘れられるかもしれん」


ぽつりと零れた、言葉が自分でも意外で本当に自分で自分を笑う。

お前が近づいてきたんは俺を陥れる為やのにな……。それやのに、こっちがその気になってどないするんやと思う。
結局やる気が起きなくて、適当に時間潰して保健室で寝ることにした。

今日は、美冴姉さんが出張言うてたから追い出される危険性も無いから、そこで1日過ごすつもりやった。














だが、お昼休みの時間らしき時に携帯が鳴り。
寝ぼけ眼で電話の着信を見ると、からで一遍に目が覚めた。


「なんや、何の用や?」

「居るんでしょ?開けて」


主語の無い問いかけに、もしかして扉の前まで来てるんかとそう思うと、それを裏づけるかのようにドアを蹴る音が聞こえた。
女のわりに乱暴なやっちゃなーと思いつつ扉を開けると。

朝見たよりかは少し元気がなく、どこか傷ついたような顔をしていた。


ははーん。何かありよったな。推察するに、跡部あたりが妥当な線やけど。

その傷ついた風情を綺麗に覆い隠して、俺をまっすぐに見て。
さっきまで俺が寝ていたベットに座り。


「ねぇ、忍足話でもしようか?」


そう問いかけるが居た。

ふうん、何があったか知らんけど。お前を俺が美味しく頂いてもええんやな。
勝手にそう解釈して、保健室の内鍵を閉めての真横に座った。



だから、お前が少々小賢しい話をしてもすべて聞き流していた。
話もそこそこに、さくさくベットに押し倒してシャツを肌蹴てゆく。


「やっ……。ちょっと待って、こんなことしても満たされないってば」


慌ててシャツをかき合わせようとするその手を煩げに振り払うと、ここしばらくトンと見ないようなスポーツブラを着用しているのを見て。
幼稚だと思うより、まったく男とどうこうなるつもりが無かったというのが分かり。


「ふぅん。全くその気ぃや無かった言うわけか…。なら尚更頑張ってその気にさしたるわな」


さっさとそれをずらして、胸をあらわにすると淡い色の胸の飾りを見つけて。
そそられてしまう。

遊んでると思うてたけど、そうでも無かったなぁ。

ふと、スポーツブラを着用しているあたり処女かとも思ったが、あんな凄いキスをするやつがそんな訳ないと自分のその考えを打ち消した。

目の前のピンク色に誘われて、ちゅっと口付けると。
ピクンと体を震わせる。
その反応を見つつ、舌で転がすと忽ちそれが立ち感じているのが分かる。

必死で俺を押しやろうとして、それが快感に負けたのか肩にすがりつく形になっている。

女を抱くのがこんなに楽しいと感じたのは、久しぶりやった。
喘がして、啼かして中で果てるだけそれがSEXやと思うとったけど。こんな反応のいちいちが新鮮でそのしぐさ一つ一つにそそられてしまうやなんて予想外やった。
目の前のこの女は自分を騙そうとしているのに。

それを思い出したが、溢れ出る情欲が止められるはずも無く。
胸からくる刺激で手一杯なの隙を付くように、スカートを捲り上げ一気にショーツを取り去っていた。


「やっ……ウソっ・・・」


途端に抵抗が激しくなったが、の体を跨いで、太股の間に入って足を閉じられないようにして今度は指での秘部をさぐるとそこはもう潤っていた。


「イヤ、イヤ言う割にはこれは何や?」


溢れ出てくる蜜で周囲を愛撫すると、プックリと花芯が主張をはじめていてそれの軽くすりあげると。


「あっ…ああぁっ…ふっ」


と可愛らしい声で啼く。

尚更頑張ったらんとあかんなぁっと思う。


「ね…ねぇ……私も楽しませてあげるから」


己が切羽詰ってきつつあるのに、そうやって俺の動きを静止しようとしているらしい。
あの屋上での話を聞いていないなら、アホな俺はそれに乗ったかもしれん。
だが、この誘いはおそらく時間稼ぎとしか思えん。


「いーや。遠慮しとくわ。今日は徹底的に、を楽しませたるな」


そう言うと、太股を大きく割り開きの秘部が露になる。
それが、本当に淡い色をして綺麗で意識するでもなく口付けて愛撫を施していた。


「ヤッ…そんっ……あ…ん…」


あふれてくる蜜を舐め上げ、立ち上がっている花芯を舌で転がす。きつく閉じたままの場所に指を滑り込ませると。
ギューギュー閉まって、中まで入りきらんぐらいで。

ごっつ具合が良さそうなのが分かる。

その時、いきなりガチャガチャと扉を開けようとする音がして。


さん。居るんですよねー。鳳です。開けて下さい」


と外から鳳の声が聞こえる。
ふうん。あらかじめ鳳が来るように仕組んどったんか…。
俺は小声で、こう言うた。


「助け呼ぶんなら、呼んでみい。このあられもない姿も見てもらえばええやん」


そう言って。更に、愛撫を施してゆく。
こんな事をしても、相手の心が得られないのは知っていた。だが、裏切られていたそう分かっていても、この目の前の女が欲しくてたまらなかった。

これが、恋なのか単なる興味なのかなんてどっちでも良かった。
卑怯な真似をしたら、この女ならバッサリと自分を切って出て行くと分かっていた。
その予想に反して。


「…んっ…チョタ、ごめんちょっと具合悪いんだ。だから又今度にして」

「え?そうなんですか…わかりました……。じゃあ、またメールします。お大事に」


そんなやり取りをして、鳳は去っていった。


「どういう事や?」


俺のこの問いには苦笑を返して。


「悪役になりきるんなら、そんなに苦しそうな顔しないの」


そう言っていた。


「それに、人の体にこんな風に火つけといてちゃんと責任取りなさい。あっ、言っとくけど初めてなんだからやさしくしなさいよ」


こんな俺にがくれたのは、許しの言葉やった。


「えーのんか?」

「何が?」

「俺を憎まんと受け入れてくれるんか?」

「出来るなら、そんな問いよりも愛の告白とかいうほうが嬉しんですが」

「好きになってええんか?愛しても裏切ったりせえへんか?」

「何だ…騙そうとしてたの知ってたのか……。ごめん、騙そうとしてたけど何か途中でどうても良くなってきちゃった。元が面倒くさがりだからねぇ…。に謝らないといけないわ
 ねぇ……。こんな面倒くさがりな私だけど許してくれる?」


どうして、こんなに惹かれるのかわからん。声も体も今まで寝た女と比べて特別優れているとは思えへん。
でも、のこの言葉がこんなにも嬉しい。


「許したる。許したるから、俺にの全部をくれ」


俺のこの問いにフっと馬鹿にするように笑って。


「だから、さっきから責任取れって言ってるじゃない。聞いてなかったの?侑士」


お前の声で紡がれる俺の名前。それが特別なものに聞こえる。
俺はあまりの嬉しさに、その責任とやらを果たすべく欲望に膨れ上がった自分自身を取り出して初めてを気遣う余裕も無く。

中に突き入れていた。


お前の苦痛の声が聞こえる。
だが、自分で自分を止められなかった。何度果てても満足できなくて、を貪りつくすべく獣になった。




ああ、己が満たされてゆくのが分かる。


もっともっと、お前を愛したる。


だから俺だけを愛してくれ。







 
後書きは反転処理
こちらは壱萬打リクのニクル様リクエストのお話で、「守ってあげたい」の忍足夢で、
キーワードは「エッチィ」の「忍足の掌中に嵌る」だったのですが、リクを果たせているようで果たせているような微妙な感じですが・・・。
もし、屋上に忍足がいたらで考えた展開だったのですが。うまく「忍足の掌中に嵌る」に使えそうかなと思いましたので17話の裏バージョンにしました。
リ、リテイク無しだと嬉しいですが・・・。



2005.11.10UP


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