青い道の途中で
ふわふわと、昇り道をいく。
そんな途中ですれ違う、少女。
「帰るのかい?」
問い掛けてみると、小さく頷かれた。
「お母さんたちが、待ってるから」
成る程、確かにそのようだ。
来た道を振り返り、1人納得する。
「おにいちゃんは帰らないの?」
少女の問いに小さく笑って、僕は道の先を指差す。
「待ってる人がいるから」
「そっか」
少女は微笑み、続ける。
「優しいんだね」
「そうでもないよ」
「いいな、わたしもおにいちゃんみたいな優しい人にあいたい」
「あえるさ」
いざとなればこっちに僕がいるしね、なんてふざけて言い、少女の髪を撫でてやる。
少女はくすくすと笑いながら、僕とは逆方向の道へと進み出した。
僕も、自分のいく道を進む。
「おにいちゃん!」
声に振り向くと、遠くで少女が手を振っていた。
「わたしがそっちにいくまでちゃんと待っててね!」
約束したからね!と言い残し、少女は帰っていった。
「……いつまで残らせるつもりなんだよ」
苦笑し、また僕は歩き出す。
文句を言いながらも、新しくなる機会があるまでは待ってみようかなんて考えているってバレたら、君は怒るんだろうな……と想いを巡らせながら。
まあ、君は「もう長いこと会わないだろう」なんて思ってるだろうし、少しぐらいはそんな気持ちでいても大丈夫かな。
僕は彼女のもとへといく。
すれ違わないよう、祈りながら。
後書き
ちょっといい感じの話を書いてみたかった。みたかった。かった。た。
でもやっぱり人は死ぬ。そうじゃないお話書けないってこれある種の現代病?
09/09/03
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