『ひざまづいて足をお舐め』

そんな台詞を吐いてみたい時が、ある。

鎖の絡まる体躯に、したたる赤い蝋。
いや、荒縄のほうがいいか。

鎖は、首筋に巻いた首輪から伸びている。
伸びた爪が、柔かな皮膚をつっつぅーと、撫でる。
触れた瞬間、体躯がビクビクと戦慄くのが、またいい。
なんなら、そのまま、熱いマグマを噴射してくれても、いい。
むしろそのほうが、攻め甲斐が、ある。






きまぐれな微笑み





は、憂いの籠る微笑みを浮かべながら、目の前で喧嘩を繰り広げるサンジとゾロを、見つめていた。
いやらしい願望が、むくむくと心に暗雲を彩っていく。は、そんな己の欲望を持て余していた。

の性癖は、マゾ。知らず知らずの内に、身体が覚えた。
逞しい体躯の男に辱められ、言葉でなじられ悦ぶ。『変態』と言われることが、また、の股間をどろどろにする。
乳首をひねりあげられる度に、痛さの中の甘美な感覚が、背筋を駆け抜け、股間が疼く。
男の杭が、無理矢理ねじ込まれるのを、心待ちにし、口ではあらがうのだが、腰はふるふると誘う動きを見せる。
男に、そんな身体の動きを指摘され、意地の悪い微笑みなど見せられたら、思考はふっとび、恥ずかしげも無く、
自ら股を大きくひろげ、おねだりをしてしまう。

だが、は、欲望の中にマゾヒズムとは別に持ち上がるものに、気が付きつつあった。




が、GM号に乗船することになったのは、ほんの偶然だった。
いつものように街角に立ち、客引きをしていたは、二人の若い男が言い争いをしながら歩くのに気がついた。
緑色の髪に緑の腹巻、腰に三本の刀を携える男と、金色の髪に咥え煙草、黒いスーツの男。
二人の男の存在感の大きさに、股間が潤っていった。
見るだけで濡れる男たち、二人に抱かれ前と後ろから同時に突かれたら、どんなに気持ちよいだろうと、想像してしまった。

は、思わず、『おにいさん、はるは、いりませんか』と、声を掛ける寸前、思いとどまった。
自分の姿を認めた二人の澄んだ瞳に、は気後れしたのだ。
もっとも、金髪の男の蒼い瞳は、瞬時に自分を褒め称える賞賛の色を成したのには、気がついたが、
緑髪の男の、何も考えない瞳の色に、自らの身の汚さを映されたかのように、慄いた。

その時、なじみの客が現れ、二人の目の前でを買った。
は、二人に見られた恥ずかしさに、頬を染めた。そうしながらも、股間は、蜜を分泌していく。
慌てて、男の腕にすがりつき、そのまま、逃げるようにその場から立ち去った。

「綺麗な、おねぃさまだったな〜」
「……」
「なんだ、てめェ?何、惚けてやがる」
「いや、なんでもねェよ」
「んあっ?なんだ?てめェが買いたかったってツラだぜ?」
「アホか!てめェと一緒にすんな!」
「アホ!レディは買うもんじゃねェ〜よ。愛あるセックスしか、俺ァ興味ねェな。出すだけならマイハンドでいい。
 突っ込んで、ぐりぐりやんなら誰でも出来るだろ〜が、でも、やんねェ。買うんでなくてよ、惚れてなきゃやんねェ」
「そうかよ!てめェは、死ぬまで童貞やってろ!」
「っんだと、コラァ!!!俺が童貞だって、いつ言った!!!自慢じゃねェが、ヒィヒィいったレディの数は、おめェにゃ
 負けねェ!!!」
「ほう、誰が負けだって」
「てめェの腐れチンコにゃ、海草が生えてっからな〜ナマコと間違われねェか?いや、それじゃナマコが可哀そうだな」
「てめェ、斬る!!!」
「うぉっ!!!危ねェだろーーーが!!!」

ゾロは、の情欲に濡れる瞳と憂いを帯びた唇と染まった頬のアンバランスなさまに、もやもやとした塊りを
己の心に見つけた。しかし、傍らで、『レディは優しく舐めまわすんだ』とか『おっぱいはでけェほうが、好きだ』とか
鼻の穴おっぴろげて、いやらしい手つきで胸を揉む仕草をするサンジのエロコックぶりに、の顔を脳裏から
締め出し、『腐れチンコ、海草、ナマコ』に、ピクリと反応し、雪走をすらりと抜き、サンジに斬ってかかった。
対するサンジは、手馴れたもので、ひょいっと刀を靴底で受けとめ、そのまま、反対の足でゾロの体躯を蹴り、バク転しながら
華麗に地に降りたった。

「街中で刀振り回すバカがどこにいんだよ!!!あ〜〜てめェはバカだもんな」

サンジは、にやりと笑いながら、咥えた煙草を右手にはさみ、格好をつけながら、ゾロに指先をつきつけた。

ゾロは鼻で笑い、雪走をおさめる。

「しっかし、いい女だったなー。あの瞳見たか?ありゃ男を堕とす瞳だな。娼婦だろーから、売れっ子だな。ありゃ」
「娼婦のわりに、純情っぽかったよな。見たか?あの朱色に染まった頬」
「おい、聞いてんのかよ?てめェ?この俺様が、女の見所をレクチャーしてやってんだぜ?聞く価値は充分すぎるぜ?」

を褒め称えるサンジの一句一動が、ゾロのイラつきを増す要因なのだが、サンジは気づいていながらも
さらに、ゾロを煽るように、の身体つきをくわしく描写していく。

「うるせェ」
「んあっ!?なんか言ったか?」
「あーでもねェこうでもねェって、うるせェっていったんだ。聞こえねェのか、エロコックの耳は、飾りか?」
「あ〜聞こえねェ。でよ、あの憂いを含んだ唇の艶かしいことったら、ねェな。極上品だ」
「違う」
「ん?なんか言ったかァ?」
「極上品なんかじゃねェ」
「そーかよ。剣士さまにゃ、もったいねェくらいの極上品だと、思うがな」
「だァーー!!てめェもう買出し一人で行け!!!」
「おい!どこ行くんだよ!クソ迷子はげ!!!てめェこの島にゃ、1日しかいれねェっての分かってんのかよ!おーーいっ!!」
「ったく、からかいすぎたかな。クソマリモ、迷子になるなよ!って、言うだけ無駄か……」

サンジは、うっすらと目尻に笑いを浮かべ、駆け出して行くゾロの背中を見送った。
純情な童貞剣士さん、頑張れよ。と、口の中でつぶやき、買出しの用事を済ませるために、市場へと足を向けた。





さて、ゾロだが、サンジの戯言にイラつきの限度を感じて、駆け出したはいいが、元来の方向音痴が災いし、
GM号に戻ろうにも、道のない袋小路に迷い込んでいた。
目の前の壁を、斬ってやろうかと考えては見たものの、むやみやたらに剣を振るうものではないと、お師匠さんの言葉を
思い出し、壁に背を向けた。
その時、微かな声が、ゾロの耳をくすぐった。

『ん……いやぁーーっ!くぅ……ん……』

聞こえた声は、紛れもない男女の睦言の声である。ゾロは、思わず口元を押さえ込み、その場を立ち去るかどうか、迷った。

『あっ……あぁ……いやァ』

その時、大きな音をたてて、ゾロの頭上ニ階の鎧戸が、開け放たれた。
音に反応し見上げたゾロの視界に、すべらかな足がはいった。
白い足首に陽光をあびたアンクレットが、光を乱反射し、あらがう女の動きを思わせる。
キラキラと反射する光は、ゾロの視界の自由を奪っていった。眩しさにゾロの顔はしかめっ面になっていく。

『てめェは変態ちゃんだからな。ほらっ、誰かに見せたくって仕方ねェんだろ』
『ああ、恥ずかしい。やめて……』
『やめてってツラか?大きな声で言ってみな。私は変態です。縛られてムチを打たれてお○んこ濡らす女ですってなー』
『ぎゃっ!!!いやァ……』

あまりの会話のやり取りに、居心地の悪さを感じ、立ち去ろうとするゾロだったが、
もう一度、窓を振り返ったときに、見た光景は、ゾロの足をその場に留まらせるに充分な威力を持っていた。

窓から、半身を乗り出す女の裸体。髪を後ろに引っ張られているのか、のけぞっているせいで、
ゾロの位置からは顔を確認することが出来なかったが、
突き出された重そうな乳房と、先に色づく小ぶりさくらんぼのような乳首は、はっきり見て取れた。
さくらんぼの先から、汗がなめらかな白い肌を滑り落ちていくありさままで。

窓から女が室内に引き釣りこまれると、同時に、
男の振り下ろすムチの音、風をきる音から肌にくい込む音まで、ゾロの耳に確実に響いた。
ゴクッと喉がなった。頭では、その場を離れようとするのだが、身体が動かない。
他人のセックスを覗くなどという行為は、剣士たる己のやることではないと、分かってはいるのだが、
アンクレットのきらめきが、ゾロの内を壊した。そして、初めて見る裸体が、ゾロを縛り付けた。
さきほど、心にわだかまりを生んだ娼婦のそれと、そっくりなアンクレットだからなのか、ゾロの内なる声は、そのまま
その場に留まることを、選んだ。

『おうおう、垂れ流しだな』
『いや、いやです』
『いやって言える立場か?てめェは?』
『申し訳ございません。あっ!ぅぅっ……』
『ほれっ、指が何本入った?締めてみろよ』
『ん……あっ……あ……さ、三本です』
『ピンポーン!!!正解!相変わらず、いい締まり具合だ。クッケッケッ、てめェ感じてるだろ』
『俺の指、食いちぎられそうだ』
『あ、ああぁ……』
『欲しいか?』
『……』
『素直じゃねェな。こうすると、どうだ?』
『ひぃ!!!や、っやぁーーー!!!』
『なんだよ!欲しいんじゃねェか。腰がおねだりしてるぜ?』
『はぁはぁ……』
『欲しいんなら、ケツを突き出して、自分でケツを割るんだ。早くしろ!』
『はっはい』
『いい子だ。それっ!ぶち込んでやるよ』
『ぐっぁあ…あ、あああぁ……』

男女の会話と共に聞こえる衣擦れの音、肌の擦れあう音は、ゾロの男の部分に血を注ぎ込むのに、充分な刺激を持っていた。
勃ちあがる己の分身を、ゾロは思わず掴んだ。そして、つい刺激を与えた。
ギンギンになった分身を、痛いくらいの快感が駆ける。
GM号の上での、自慰行為など、これに比べたら子供の遊びだと、思いながら、分身をしごく。
緩急をつける間もなく、女の喘ぎ声を聞き、あたかも自分が突っ込んでいるかの錯覚を覚えながら、荒々しくしごく。

――先はねェ、もうもたねェ!出してェ!!!
悲鳴をあげそうな身体、先走りの汁がたらたらと滴り、しごく手の手助けをする。
ヌルヌルネチャネチャと音をたてる。もう、頭の中は、女のうちに突っ込み腰を振りたてる己の姿しかなかった。
男の言葉に同調し、自らが女を攻め立てているかの、錯覚すら覚えた。

『ったく、エロい身体だ。ほれっココがお留守だぞ!』
『ひっ!イタッ!痛いです……あぁ』
『おおっ!!!ぎゅうぎゅう来るぜ!何が痛いんだ!気持ちいいんだろ!』
『あっぁああ、やぁいやぁ!!!』
『おおおおおっ!!!出る!たっぷり出してやる!ありがたく思え!!!』

ひときわ甲高い嬌声、女のイク声とともに、男が放った気配が、した。
それに合わせて、ゾロも我慢し続けた迸りを、放った。
迸りは、高く放物線を描き、目の前の壁にびしゃりと飛び散り、だらだらと、地面に零れていった。

『へへへっ、。お前、淫乱だな〜可愛いヤツだ』
『っん……ハァハァ。ありがとうございます』
『てめェみたいにエロい淫乱な女は、この商売願ったり叶ったりだろ。綺麗にしろ』

くぐもった女の返事に続き、ぴちゃぴちゃと淫猥な響きを持つ音が聞こえてきた。
精の放出に伴う虚脱感とともに、己自身の行為の虚しさに包まれていたゾロだが、出したばかりの分身が、
再び、頭をもたげようとする気配を感じた。出したばっかだぞ!オィ!と、心でツッコミを入れ、
大慌てで、下着の中にしまい、自己嫌悪に包まれながら、きっぱりとその場を離れた。




2004/09/30

 

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