大好きなおにいちゃん

いつからか、大好きなおにいちゃんしか見えなくなった
いつしか、心の牢獄に想いを溜めていった

吐き出せない想い
許されない想い

強くなんかない
明るくなんかない

誰も知らない
知られちゃいけないのに

ごめんね、は、もう限界みたい。









おにいちゃん」
「ん?どうした
「……なんでもない」
「変なヤツだな」

優しいの大好きなおにいちゃん。
おにいちゃん、ごめんね。もう我慢出来ない。

自室のベットに寝そべり、私は、叩きつけるようにキーを打つ。
痺れるような背徳の証を、見も知らぬ画面の向こう側に潜む男に向けて、男の意のままに。

「はぅ……」
私の右手はショーツの中にもぐりこんでいる。指先が花芯の皮をこねくり、中に潜む若芽を愛液にまみれた中指と
人差し指が挟みこみ、きゅっとひねり付ける。ぎゅっと秘処の奥が収縮し、どろりとした新たな愛液を吐き出した。

はエッチな子だなァ……もうビチョヌレじゃないか』
『あぁん、おにいちゃん……言わないで』
「くぅーーっ!」
頭の中が真っ白になっていった。
『ハァおにいちゃん!おにいちゃ〜ん、を犯してぇええ……』
キー打つのももどかしく、両手で秘所をすりあげ、きつく花芽を押して、私は絶叫をあげた。

「ああっぁあああぁーーーーーん!イっちゃうよぅおにいちゃーぁん!!!うぐっ」

『ああぁ、の中、すごくきもちいいいよ』

画面に向かって、いやらしい私の妄想『おにいちゃんに無理矢理犯される妹』を、キーで吐き出し、
応える男はおにいちゃんの役、私は『おにいちゃんに無理矢理犯される妹役』をするプレイ。

頭の中で妄想を張り巡らすだけじゃ物足りなくなって、私はとうとう見も知らぬ男の言葉を待ちわび、股を濡らし
バカみたいに、自慰行為をする女に成り下がった。






「ただいま」

おにいちゃんが、帰ってきた。私の疼く秘処は乾く間もなくまた新たな愛液が溢れ、
階段の上から、おにいちゃんを見下ろす私の太ももを滴り落ちていった。

「おかえりなさい、おにぃちゃん」

ショーツをはくのを忘れた私のミニスカートの奥が、下から見上げるおにいちゃんに見えたらどうしようと思ったら
顔が熱くなってきた。階段を登ってくるおにいちゃんの視線は私の顔から離れなかった。

――あぁん、おにいちゃん。もう少し下を見て、のを見て。
そう思うだけで、私は、がくがくと軽くイキそうになった。

「ん?、熱でもあるのか?顔赤いな」

私の震える身体と熱い頬を見て、軽く顔をしかめたおにいちゃんの手が、私のおでこにあてられた瞬間、
私は、イッた。
私の崩れ落ちる身体を、おにいちゃんの腕が抱きとめ、慌てて抱き上げベットまで運んでくれた。

「だいじょうぶか?

心配そうに覗き込むおにいちゃんの目を、私は、直視できなかった。掛けられた布団に丸まり、『犯して』と
言ってしまいそうな自分を押し殺し、すがりついてしまいそうになる腕をきつく身体に回し封じ込め、
『私は汚れている。汚れきりたいおにいちゃんのモノで』と、願うじくじくと痛む心を、
情けないほど愛してるおにいちゃんに悟られないよう、つぶやいた。

「なんでもない。ごめんね、おにいちゃん」

ほっとした息を吐き、私の頭をなでた指先が髪をすき、、
「夕飯まで寝てんだぜ。遅くまでパソコンなんかやってっから、貧血なんかで倒れるんだ」
と、言うおにいちゃんの口元は微笑みを浮かべていたが、笑わない目元が、私を責めているようだった。

「なぁ。毎晩、夜中まで、ナニやってんだ。ネットか?」

制服の胸ポケットからタバコを取り出しながら、さりげなくおにいちゃんは聞いてきた。
タバコに火をつけるためにそらした視線、下から見上げる私の目に入るおにいちゃんの指先、アゴのライン
そして、タバコを咥えた唇のゆがみ、流れるような一連のしぐさに私は問われたことへの返事もせず、見惚れた。

パチンとジッポが閉じられ、おにいちゃんの瞳が、私に答えを言うように、向けられた。

「う、ぅ〜ん。お友達とチャットしてるの」

私は、ウソは言ってない。ただ詳しく言わなかっただけ。自慰をするためにネットの海を放浪しているなどと、
言えるわけがなかった。
おにいちゃんは、私の答えをどう受け止めたのか分からない顔をして、私を見つめていた。
笑わない目元が、咎められているようで、耐えきれず、私は視線をそらした。
おにいちゃんは、ふぅーと、天井に紫煙を吐き、それ以上追求しようとせず、タバコの香りだけ残し出て行った。




『ハァ……いいぃイクぅ〜〜おにいちゃん』
、ひくつくびちょぬれのお○んこ、見せろよ、おらっ』
『ああぁん。いやぁーーおにいちゃん見ちゃいや』

――右手がお股から離れなくなっちゃった

ぎりぎりの所で耐えていた心が、徐々に消え失せていく感覚。春の日差しに山の雪が融けるように。
雪解けの氷水が交わり激流へと変わるように、私は、いやらしい男たちの股間から吐き出される欲望の捌け口
ツーショットチャット部屋の常連客になっていた。相手が待ち構えている部屋に入るよりも効率のいい方法で。
そう、私は、自ら部屋を用意するようにまで、なっていた。


何度もイキまくり、相手を変えても設定は変えず、イキまくる『おにいちゃんに“無理矢理”犯されたい妹役』を
演じる私。
演じる、いいえ、犯されたくて仕方ない。もう画面の向こうだけでは満足出来なくなっていた。
男たちの誰もが、イメージチャット『妹』に夢中になり、画面の向こうで、スペルマを跳ばす。
それだけじゃなく『携帯電話にコールしておいで。声でイカせてやる』と、テレフォンセックスを命じてくるのだ。

私は、もう自分の指では、満足できなくなっていた。
処女のくせに、秘処の奥深い処がざわめき、男の貪欲な肉棒を強烈に求めるのだ。
誰の肉棒でもいのなら、よりどりみどり、携帯を手に取るだけの簡単なこと。
でも、違う。私が欲しいのは、おにいちゃんのモノだけだった。


だから、今日、私は『わざと』自室のドアを薄く開けておく。
おにいちゃんがもうすぐ帰ってくる。見つかるかもしれない自慰行為は、不安を心の上に落とすが、
それ以上の快感をそれ以上の期待を、私の身体に与えた。

――おにいちゃん、見て!のオナニー。
――おにいちゃん、襲って!犯して!
――おにいちゃん、にぶち込んで!

キーを叩きつけるだけでなく、無意識のうちに声に出して、私はあまりの快感に、朦朧とする意識の中でつぶやいていた。

「おにいちゃん、きてぇ……、イっちゃうよぅ」

うわごとを繰り返しながら、何度も何度も、おにいちゃんが帰ってきて私を見つけた瞬間を、想像し、
指先を秘処に擦りつけた。イキまくり透明だった愛液は、白く泡立ち、バックから犯されることを望み、
秘処に指を突き立てる私のピンと張った足を滴り落ち、床に水たまりを作っていった。
指を動かすたびに、ぴちゃんぴちゃんと水滴が水たまりに落ちる音が、私を壊していった。



「ただいま」

おにいちゃんが、帰ってきた。

ビクビクっと波打つ肢体。イってもなお右手は蜜をすくい取り、花芯をなぶる。左手はピンピンに硬くなった乳頭に
指先をかけ乳房を揉みしごく、痛いくらいな快感が背筋を突き抜けた。

トントントンと、階段を昇る足音が、私を更なる高みへ押し上げていった。

――あぁ、もうすぐ見てもらえる。

「ぁぁあぁんん〜〜〜ぁう、おにいちゃん!イクぅううううううううううう」

自室のドアをおにいちゃんが通り過ぎる瞬間を狙い、私は甲高い嬌声をあげイッた。

足音は、ぴたりと、とまった……。
ドアが、解き放たれた……。

――あぁ見つめられている。おにいちゃんが、のいやらしいトコを見てる。感じちゃう…よぅ。

セーラー服の胸元をはだけ、わざと、丸いおしりがよく見えるようにずりあげたスカート。
私は、ドアに背を向け、足を大きく広げ、おしりを高くあげ、獣のように這いつくばっていた。
見られている快感とこれから起こるコトへの期待にひくつく秘処は、喜びに震え、こぽこぽと愛液を吐き出した。

……」

「きゃっ。おにいちゃん!」

私はわざとらしく驚いたふりをした。おしりをスカートで隠し、乱れた胸元を隠し、
おずおずとおにいちゃんを振り返った。

おにいちゃんの瞳に私の肢体が映っていた。深い情欲の陰りをおとしたおにいちゃんの瞳に犯されていく気がした。

「ナニ、やってたんだ。んっ?」

おにいちゃんは、静かな憤りをこめた足取りで、私に近寄ってきた。床に座る私の前に立ちはだかり、
高圧的に見下ろしてきた。
ぞくぞくする快感が、私の背を震わし、恥ずかしさのあまりおにいちゃんから視線を床に落とした時、
荒々しく、私の右手が、秘処から引き抜かれた。

“ちゅぽん”泡立ちぬめる秘処が音を立てた。

「ぁっ……」
「ん?なんなんだ、この液は?

引き抜かれた私の右手は、指先から手首まで白いねっとりとねめり光る液体で覆われていた。

「答えろよ、。“この液はなんだ”って聞いてんだ」

抑揚のないおにいちゃんの口調と複雑な色を浮かべる瞳。
おにいちゃんの無表情な顔が、私を煽り立てていく。

――喜んでいるの?
――怒っているの?
――哀しんでいるの?
――楽しんでいるの?

おにいちゃんの心が分からない不安が、私の心をざわめかせ、期待が、私の秘処をひくつかせた。

「答えろ。

私から視線を外さず、おにいちゃんの赤い舌先が、ぬめる指先をぺろりと軽く舐めた。

「ひっ」

私の秘所は、おにいちゃんが舐めている指先からの刺激に耐え切れず、じゅんじゅん愛液をたらした。
まるで、じかに秘処を舐められたかのような衝撃だった。

「……ぁ・あいえき…です」

消え入りそうな声で、私は囁いた。おにいちゃんの隠された残虐性を、引き出すために……。

「愛液か……。は、なんでこんなことに、なってんだ」

フンっと、鼻で笑いながら、おにいちゃんは、私の指に絡まる愛液を舌先で、私に見せつけるかのように舐めていた。
私の指先とおにいちゃんの舌先は、愛液の糸を引いた。
舐めながら、私を観察するおにいちゃんの瞳には、確かな女を見つめる男としての欲望の色があった。
ついと、私の身体をさけ、背後を、おにいちゃんの眼が探った。

「ああっ!イヤっ!!!」

私は、自慰に夢中になり、パソコンの画面いっぱいに広がるログ『おにいちゃん犯して』を、消すのを忘れていた。
おにいちゃんの瞳は意地悪を思いついたときの見慣れた色に変わり、口元がにやりと歪んだ。

おにいちゃんの残虐性に火が灯された瞬間だった……。そう思いたかった。

「クククッ、は、“犯されたい”のか、“オレに”、クククッ上等」

“犯されたいのか、オレに”

おにいちゃんの口から初めて発せられた言葉は、私を引き戻せない闇、淫獣の世界へと突き落とした。
激流が穏やかな海へと流れ込むように、私は、おにいちゃんの腕の中に堕ちていった。快感だった。

くいっとあごを持ち上げられ、口づけをされた。
おにいちゃんの舌が、からかうように私の舌を誘い出し、絡められた舌は、くちゅくちゅと吸い出された。
待ち焦がれていたおにいちゃんの唇が舌が、私を流す。
『犯されたい』と、思っていた。『無理矢理』犯されたいと……。
恋焦がれていた初めてのキスに、どうしようもなく流されていきながら『無理矢理』に、私はまだこだわっていた。

すっと逃げようとする私のあごに添えられたおにちゃんの指先は、緩やかに私の後頭部に回され、
もう片方の手が私の背筋を、撫で下ろしていった。じれったいくらいに優しく動くおにいちゃんの指先。
喘ぎ声が抑えようもなく私の唇から漏れた。
ぞくぞくするくらいの嬉しさの中、私は、早急な欲望を抑えきれなかった。

自慰行為の媒体としてのチャットで出会う男たちの誰もが、焦らすことなどせず、早急に私を高ぶらせる言葉を吐いていた。
本物のセックスを知らず、片寄った知識で培った私の想像力は、自慰行為を見た男の誰もが、いきなり無理矢理
私の中にぶち込んでくるものだと、思いこんでいた。
そんな中で、私の自慰を見たおにいちゃんに無理矢理いきなり犯されることを夢みていた私にとって、
おにいちゃんの愛撫は、じれったく物足りなく感じていた。

そんな私の思いを知ってか知らずか、おにいちゃんの手が、セーラー服のすそから這い上がってくる。
私の胸をかろうじて隠していたブラジャーをずりあげ、乳房を優しく包み込み緩やかに揉みしだきだした。
きゅぅと乳頭が硬くしこり、おにいちゃんの指が触れた。

「ぁうぅっん、おにいちゃん……」

もっと強く揉んで欲しいと、言葉には出せない思いが、溢れ出てしまいそうになり、羞恥に頬が染まった。
おにちゃんは、私の思いを読み取ったかのように、薄く笑いながら、話す。

、何をされたい?どうされたい?」

焦らされ弄ばされる感覚に悲鳴をあげそうになる私の顔を見ているおにいちゃんの顔が、
あきれ果てたかのように感じた私は、言葉に詰まる。
だって、言えるはずがない。私の知識は、バーチャル世界だけのものだもの。
自慰行為の最中、思わず発する言葉はあわれもないひどく淫密な言葉で、
実際のセックスの最中言えるだけの度胸など、私にあるはずもなかった。

「いやぁ……おにいちゃん」
「いや?そっか」

クスッと笑うおにいちゃんの身体が、いきなり私から離れ、
おにいちゃんの手が、私の顔をパソコンの画面に押し付けた。
背後から、重なるように私に覆いかぶさり、首筋に唇を触れるか触れないかの位置におき、囁いた。
私の身体に触れているのは、おにいちゃんの吐息だけだった。

「コレは何?お前の願望じゃねェーの?」

私は、何も言えず、恥ずかしさのあまり逃げ出したくなった。先ほどまでの早急な性への渇望は消え去り、
ただ泣きたかった。

おにいちゃんは、何も言わない私を、優しく背後から抱きしめ首筋に軽いキスを誘うようなキスを落としてきた。
優しいキス、くりかえされる柔らかな感触の唇に、微かに吐息に含まれるタバコの芳香が、私の心に身体に、
瞬く間に、火をつけていった。

うわずった声で、私は口にしていた。あの言葉を……。

…おにぃ…ちゃんっん……犯して…ぅくっ無理矢…理……の中に……」

どうしようもなく出た言葉は、たとえ様もなく私の被虐心を煽っていく。乾きはじめていた粘膜の奥が緩み、
潤いはじめていた。

「フフッ、足りないよ、。それだけじゃ……」

軽いタッチで私のおしりを擦っていたおにいちゃんの指が、私の秘処に突き立てられた。
思いもよらなかったほどの快感に、私の意識は限界を超えそうだった。
息がつまりそうなくらいに思考能力は低下の一途を辿り、きゅうぅと、まだ誰も受け入れたことのない場所が収縮し、
おにいちゃんの指先にどろりとした愛液を絡みつかせ、もっと
奥へと誘おうとする。おにいちゃんの指がくいくいっと曲げられ、私の中をさぐる。
どうしたらいいのか分からない私は、快感にむせび泣き、おにいちゃんに身をゆだねるしかなかった。

おにいちゃんは、私の中から抜いた指先を、私に見せつけた。

、ログを読んでごらん。声に出して」

おにいちゃんの指先から、私の愛液がつーっと落ちる。反対の手は軽いタッチを繰り返すだけで。

「読めっつってんだよ」

愛液の絡まる指を、私の唇に擦りつけ、促す。
おにいちゃんの瞳が、唇が、意地悪そうに歪んだ瞬間、何かが、私の中で弾けとんだ。


『あっ!こんにちは、です』
『ん〜と、15さい。あのね、おにいちゃんvはおにいちゃんに襲われたいの』
『うん。犯して欲しい。(ねぇしてくれる?)』

恥ずかしいチャットのログ。私の願望を声に出して読む恥ずかしさが、とめどなく私の股間を濡らしていく。
 
『処女なの。の処女、おにいちゃんに散らされたいの』

ログの間に挟まる偽おにいちゃんの言葉が、私を煽る。きわどい男のログに、おにいちゃんの手に力が入り、
言いよどむ度に、続けろと促すおにいちゃんの愛撫が痛かった。

は、ああぁーん、ハァハァ、おにいちゃんに、無茶苦茶にされたいのぉーーー』
『きてぇーーー!いっぱい犯して』
にいっぱい命令してぇ!お願い、は無理矢理されるのが好きなの!』
『ああぁーん、かけて!に』
『いいぃーーーー、おにいちゃんの凄いよぅ!』
『ああぁん、あんああん、いやいや、ひっくっ、おにいちゃんのいじわる』

言葉に出して読む度に、グッとこみ上げる嗚咽。
あまりにもいやらしい願望をおにいちゃんにぶつけている自分の浅ましさに、心が壊れそうだった。
それなのに、おにいちゃんに弄ばれている秘処は、愛液をとぷとぷと吐き出していた。
それどころか、心の奥底ではどうしようもなく興奮していた。

『イっても、いい、ああぁんっんっん、おにいちゃん』

全部ログを読み終えたときには、嘲笑を浮かべたおにいちゃんを恐れ泣き叫びそうな心と、
残虐性に火のついたおにいちゃんの苛虐を待ち焦がれる心が、軋めきあい、
絶えず繰り返された愛撫によって、十分な潤いを持った秘処は、おにいちゃんの指を締め付け、離さなかった。

「いくつか、とばしたな。読めよ」

ばれていた。読めない数行のログが。抑揚のないおにいちゃんの声は、私の鼓動を一瞬のうちに、あげた。

「………みて……の」
――息が詰まる、言えない言えない。こんな言葉。

小さくいやいやっと頭を振る私に、おにいちゃんの手が、催促するように乳房を下からすくい上げぎゅっともむ。
続けろと、乳頭をころがす。高まる体と沈みながも興奮していく心。わけがわからなくなりそうだった。

の………うぅぅ」

続く言葉は四文字で、画面なんか見なくても脳裏から離れない言葉で。私は、どうしても言えなかった。
おにいちゃんの膝の間で、背後から秘処をなぶられ、もうとっくに見られてるのに、どうしても言えなかった。

秘処をおにいちゃんにあずけたまま、前のめりに泣き伏す私に、おにいちゃんは何も言わなかった。
なぐさめて欲しいわけじゃない、ただ、自分が惨めで消えたかった。
黙り込むおにいちゃんに耐えきれず、嘲笑を浮かべた顔を恐れる心に支配された私は、逃げ出そうと
あらがったとき、おにいちゃんの怒張が私の内に、突き立てられた。

「ひゃぅっ、いやぁーーー!おにいちゃん!いたいいぃ!やだよ!やだ!!!」

いきなりの挿入に私の背筋は仰け反り、望んだこととはいえ、蔑んだおにいちゃんの顔が脳裏に浮かぶ私にとって、
喜べるわけがなかった。
泣き叫び、怒張から逃れようと腰を引く私を、がっしりとしたおにいちゃんの手が引き戻し、更に奥へと、進もうとした。

「何言ってんだ?お前が望んだことだろう」

ぐぐっぐっと割り込んでくるおにいちゃんの強張りは、私の処女膜をものともせず、最奥へ届いた。
処女膜の裂かれる瞬間、ぷちりと微かな音がしたのは、私の気のせいだったのだろうか。
わずかな処女膜の抵抗をおにいちゃんは感じたのだろうか。悲痛に泣き叫ぶ意識の片隅で、そんな考えが浮かんで消えた。

頭でっかちな想像とは大違いのセックス。『無理矢理犯して』なんて、とんでもない。痛いだけだった。
床に顔を伏せくぐもった私の泣き声だけが、唯一の音。
次にくるであろうおにいちゃんの動きが怖かった。

「痛いだろ?。痛くねェわけねェ〜んだよ」

強張りを引きずりだされる感触が、痛みが、私を襲う。いいしれない恐怖が私を凍らせた時、
強張りは、ずるりと、私の中から消え去った。
私は、虚しさしか感じなかった。知識として蓄えていたものは、何も役にたたず、おにいちゃんのスペルマが、最奥に、
浴びせられたことなど、分かるはずがなかった。

――おにいちゃん、イッちゃったの、の中で……

セックスは強烈な快感をもたらすものであり、スペルマが発射される瞬間を中で感じれなかった私の身体は、
おかしいと思った。私は、泣き喚くだけだった。



私を呼ぶおにいちゃんの声は、優しかった。私は、耳をふさぎへたりこんだ。
聞きたくなかったからこれ以上の苛虐はたくさんだった。
私の身体を起こし、引き寄せるおにいちゃんの腕は、なぜか、優しかった。
顔を見ようとするおにいちゃんの眼を逃れるために、私の腕は顔を覆う。
抱き上げられ、いつかの日のようにベットに連れていかれた。

布団に丸まる私の頭を、おにいちゃんの手がゆっくりとなでる。何度も何度も、慈しむようになでる。
堪えきれない涙が、どんどん湧き出てきて、優しくなだめるおにいちゃんの腕にすがりついてしまいそうで。
おにいちゃんに愛されたい。ひとつになりたいと願う心は、吐き出してはいけない種類のもので、
心の牢獄をさまよい続けるままにしておくべきだった。
おにいちゃんを引き釣り込んでしまった自分の愚かさに、涙は、止まらなかった。


いつの間にか、ベットに入ってきたおにいちゃんの胸に引き寄せられた。
愛されたいと願う私は、その優しい手を拒めなかった。

――、愛しているよ。を愛しているよ。
――いや、いやぁ………

降り注ぐキスは、夢現。繰りかえし聞こえるおにいちゃんの声は、私の幻聴。
薄汚れた願望は叶えても、埋まる隙間のない心。
手に入れることのできないおにいちゃんの愛が欲しい。
おにいちゃんの心が欲しいと願う私の思い込みの為せるわざだと、思っていた。




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