その頃、セドリックの元には生垣を粉々に吹き飛ばして、駆けつけたハリーがいた。
「おい!おい!大丈夫か?大丈夫か?セドリック!」
「あ、ああ・・ハリー、君か?助かったよ・・・」
セドリックは喘ぎながら言った。
「立てるか?肩を貸そう」
「ありがとう」
ハリーは、未だに全身の痙攣が止まらない彼を自らの肩につかまらせ、ぐいと上半身を起こさせた。
「信じられない・・クラムが僕の後ろからそっと近づいて、音に気づいて振り返ったらクラムが杖を向けて・・」
「服従の呪文をかけたんだね?」
「君が麻痺の呪文を彼に発していなかったら、危ないとこだった・・」
セドリックはふらふらと立ち上がると、ハリーの麻痺の呪文でぶっ倒れているクラムを見下ろした。
「彼が服従の呪文を使うなんて・・ほんとうに信じられないよ」
ハリーが呟いた。
「あっ、そういえばさっきフラーの悲鳴が聞こえたんだ・・君は?」セドリックが聞いた。
「ああ、確かに聞いたよ」ハリーは言った。
「彼女もクラムがやったと思うかい?」
「わからない」
「こいつはどうする?」
セドリックが地面に伸びているクラムを見ながら言った。
「このままここに残していくわけにはいかないだろう。赤い火花を打ち上げよう。そして先に進もう」
ハリーはそういうと、杖を上げ、緊急用の火花を打ち上げた。
「連れてきた」
「間違いなくブラド女伯爵の姪なのだろうな?最終課題にはボガ―トが使われているだろう?姪に化けたボガ―トを
あの方の元に連れていってみたまえ・・・笑い話では済まない・・おまえも私の首も吹っ飛ぶぞ」
「大丈夫だ・・ボガ―トをこの娘とポッターが始末したのをワシは目撃した。間違いない、それよりワシは巡回地点に戻らねばならん。
ダンブルドアがワシの不在に気づくとまずい。あの校長は油断できん。ではもう行くぞ」
そして、その男は抱きかかえていた気を失ってぐったりとしている娘を黒いフードを被り、仮面をつけている男に引き渡した。
「大丈夫か?歩けるのか?」
「ああ、なんとかね」
セドリックとハリーは先ほど、最後の難関を突破し三校対抗優勝杯のもとにようやくたどりついたところだ。
ハリーは脚をくじき、そのうえ夥しい出血にみまわれていた。
彼はセドリックの肩を借り、一歩一歩歩き始めた。
一メートル先に優勝杯がぼおうっと月明かりに浮かび上がっている。
「おかしいな?がいない・・・もうとっくに優勝杯にたどりついていると思ったのに。」
ハリーが辺りをきょろきょろ見回し、喘ぎながら言った。
「彼女もまさか、クラムにやられたのか?」
セドリックが心配そうに言った。
「いいや・・やられたのなら悲鳴か花火が上がったはずだ。道に迷っているのかも」
ハリーは安心させるように言った。
「そうか・・そうかもしれないな。」
セドリックはぼんやりと言った。
「だけど、君が先に優勝杯に着いた。僕はこんな脚だからどんなに走っても君に勝てない。
さあ、優勝杯を取れ」
ハリーは息を切らしながら言った。
「それは出来ない」
「馬鹿言うな・・君はそれが欲しいんだろう?顔に書いてある」
ハリーはじれったそうに言った。
「出来ない・・優勝するべき人間は君だ。僕じゃない。こんな酷い怪我をしてまでゴールにたどり着いた。
第二の課題の時、君は人質全員が助かるようにあとに残った。僕もそうするべきだったんだ」
「あれは僕だけが馬鹿だから、あの歌をマジに受けたんだ!」
ハリーは苦々しげに言い放った。
「もういいからとにかく優勝杯を取れよ!!」
ハリーは叫んだ。
「出来ない」
「かっこつけるな!」
「君が行くんだ。」
セドリックが大声で言った。
腕組みし、断固とした表情で決意は固い。
彼はほんとうに、ハッフルパフがこの何百年間も手にしたことのない栄光から身を引こうとしている。
ハリーはセドリックとその後ろの台座に置かれている優勝杯を見比べた。
彼は優勝杯を持って迷路から出て行く自分を思い浮かべた。
高々と優勝杯を掲げ、観衆の大歓声と拍手に迎えられ、そして、そして
――――――
の顔が賞賛で輝く。
これ以上ない喜びがこの世の中にあるだろうか?
しかし、その思いはすぐに消えた。
「来いよ!二人一緒に取ろう」
ハリーは言った。
「えっ?」
「聞こえなかったのかい?二人一緒に取ろう。ホグワーツの優勝に変わりない。引き分けだ」
「君、君――ほんとうにそれでいいのか?」セドリックは驚いた顔でハリーを見つめた。
「ああ、構わない」
「さあ」
「三つ数えて一緒に取ろう」
ハリーは言った。
セドリックはにっこりと笑い、優勝杯のもとに来た。
「ワン、ツー、スリー・・」
ハリーとセドリックは同時に銀色のピカピカと輝く、優勝杯の取ってをつかんだ。
「ん〜」
「気が付いたようだな」
黒いフードから一房の、ほつれた美しい金髪が滑り落ちて彼女の顔にかかった。
「ん〜ドラコなの?何故こんなところに?」
彼女はもうろうとした意識の中で、ぼんやりと聞いた。
「残念だが、私は息子ではない。その父親だ」
冷たい突き刺すような声に彼女は否応なしに意識が戻った。彼女は例の仮面をつけた黒いフードをかぶった男に抱かれていた。
「あなたは・・まさか、ルシウス・マルフォイ?」はがばっと上半身を起こした。
「ほう・・名前を知っているとはな・・君の親愛なる伯母上から私のことでも聞かされたのかな」
彼はクククと冷たく笑った。
「離して下さい・・どういうつもりなんですか?私を失神させてこんなところへ連れてきて」
彼女は怒って、彼の膝の上から下りようとした。
「待て!君にはあの方に会ってもらわねばならない!」彼は有無を言わせぬ調子で言った。
「ふざけないで!離して!」
彼女は彼の腕から逃れようと力一杯もがいた。
「インペリオ!!」
彼は素早く杖を取り出し、呪文を唱えた。
「お前はあの方の僕だ。そして、今、蘇れ。真の姿に」
途端に彼女の眼はあっという間に真紅に染まり、口内の八重歯は2本の鋭い牙へと進化した。
「ここはどこだろう」
優勝杯のボートキーでセドリック、ハリーはホグワーツから何キロも離れた地面のうえに叩きつけられた。
二人は真っ暗な草ぼうぼうの墓場に立っていた。
左手には丘が聳え、その斜面には古い館が立っている。
「優勝杯がボートキーだなんていう説明はなかったな。」
セドリックは片隅にカランと転がっている優勝杯に目をやった。
「ああ―――これも課題の続きなのかな?」
ハリーが墓場を見回しながら言った。
「気味が悪いな。何か悪いことがおこりそうな前触れだ。杖を出しておこう。君もそうしたほうがいい。」
セドリックは少し不安そうな顔で、古い館を眺めた。
「しっ、誰か来る!」
ハリーが杖を取り出したとき、がさがさがさと草をかきわける音が聞こえた。
「来る、こっちに来るぞ・・」
セドリックは杖を前に突き出し、サッと身構えた。
暗がりの中その影は墓石の間をぬって、間違いなくこちらに近づいてくる。
「痛っ」
ハリーが額を押さえてうめいた。
「どうしたんだ?大丈夫か?」
セドリックが杖を下ろし、ハリーの方を見た。
「大丈夫だ。気にしないで」
彼は額を押さえながら、自分達の一メートル手前まで近づいた影を見つめた。
小柄な人間ですっぽりと黒いフードで全身を覆っている。
その手には何か黒い包みを抱えていた。
「誰がよけいな奴まで連れて来いと言った??」
「ヒイッ、す、すみません。」
黒い包みから甲高い冷たい声が響き渡った。
「アバダ ゲダブラ!!」
ドサッ!!
「セドリック!?」
緑の鋭い閃光が放たれ、それはセドリックの胸を真っ直ぐに貫いた。
彼は悲鳴を上げる間もなかった。
即死だった。
灰色の虚ろな目は大きく見開かれ、言い知れない恐怖の痕を物語っている。
「離せ、離せぇっ」
ショックを受けている間もなく、次の瞬間ハリーはフードを被った男に馬乗りにされ、無駄な抵抗のゆえに近くの墓石にグルグルに
縄で縛りつけられていた。
「くそっ、お前だったのか、ワームテール!!」
小柄な人間のフードがずり落ち、その容貌が明らかとなった。
薄汚れた茶色い髪の毛で、頭のてっぺんに大きな禿げがあり小太りな男。
忘れやしない。シリウス・ブラックに殺人の罪を着せた張本人だ。
「早くせぬか!!」
「はい・・はい・・たっ、ただ今・・ご主人様」
ワームテールは墓石にハリーをしっかり縛り付けてから、地面に放置していた黒い包みの元へ行った。
それから彼は近くの草むらに隠してあった大きな石鍋を引きずり、墓の前に置いた。
ワームテールは杖で鍋の底に点火し、忙しく動いている。
鍋の中で透明の蒸留水のような液体が、グツグツと煮え立ち始めた。
「で、出来ました。ご主人様」
「さあ」
ワームテールは鍋から離れ、その黒い包みを丁寧に解いた。
中身は醜い、とてつもなく醜い、縮こまった人間の子供の様だった。
のっぺりとした蛇のような顔に赤むけのどす黒い肌―髪の毛はなく鱗に覆われていた。
ワームテールは激しい嫌悪感を剥き出しにして、その醜すぎる赤子を鍋の中にざんぶと掘り込んだ。
「ち、父親の骨、知らぬ間に与えられん。父親は息子を蘇らせん」
彼のその言葉で墓石がグラグラと揺れだし、墓石の表面がぱっくりと割れた。
中からほとんど灰と化した人骨が出土し、ワームテールはそれを杖でくるくると舞い上げ、鍋に放り込んだ。
「し、しもべの肉、よ、喜んで差し出されん。しもべはご主人様を蘇らせん」
ワームテ―ルは今度は己の右手を前に出し、左手に短剣をしっかり握り、一気に手首を叩き切った。
「ぎゃああっ!!」
恐ろしい悲鳴が闇をつんざき、鍋にぼちゃりといや〜な音がし、ワームテールは苦しみ喘ぎ、地面にうずくまった。
「か、敵の血・・・ち、力ずくで奪われん・・・汝は、汝は敵を蘇らせん・・・」
彼は悶絶なる痛みにもがき苦しみながら、ハリーの側へ近寄り、先ほどの血染めの短剣を取り出しそれをハリーの右腕の肘の内側へ切っ先を向けた。
ワームテールはすかさずガラス瓶を取り出し、彼の腕から流れ出る鮮血を受け止めた。
その瓶を彼はヒーヒーうめきながら、鍋に放り込み、その場にがっくりと倒れた。
途端に鍋からボウッと赤い煙が上がり、大鍋は踊るように激しく煮え立った。
だんだん液体は最初の透明色から気味の悪い濃い紫色へと変化した。
「久しぶりだな・・ハリー・ポッター」
大鍋の中から骸骨のような顔がぬうっと突き出した。
彼はその声に全身がさあーっと凍りつくのを感じた。
「この時をどんなに待ち望んだことか」
大鍋の中からゆっくりと立ち上がったのは、骸骨のようにやせ細り、真っ赤な無気味な目、蛇のように平らな鼻の背の高い男だった。
「ヴォルデモート!?」
ハリーは叫んだ。
「そう、俺様だ。ハリー・ポッター」
男は大鍋を跨ぎ、ワームテールから渡されたローブを身にまとった。
「丘の上の館が見えるか、ポッター?俺様の父親の館だ。母親はこの村に住む魔女で父親と恋におちた。
だが、正体を打ち明けた時、父は母を捨てた。母は俺を産むと死んだ。それから、俺様はやつに復讐してやった。皆殺しにしたのだ。奴も奴の両親もまとめてな。
」
ヴォルデモ―トはさっきから墓と墓の間をせわしなく動き回っている。
「俺様が自分の家族のことを語るとはな。俺様もずいぶん感傷的になったものよ・・しかし、見ろ、ポッター!
俺様の真の家族が戻ってきたぞ!」
「ご主人様・・・ご主人様・・」
突然、辺りの木々がざわざわとざわめき、そこから何人ものデス・イーターがぞろぞろと這い出してきた。
「ああ・・ご主人様・・ご主人様」
デス・イーターらは我先にと、ヴォルデモートの側につめより、次々とそのローブの裾にキスしていった。
「よう来たー我が僕たちよ」
デス・イーターらはヴォルデモートの側に輪になって立った。
「長い年月であった――十三年もの間会っていなかったな。しかしおまえたちは、それが昨日のことであったかのように
俺様の呼びかけに応えた」
ヴォルデモートは鋭い目つきでデス・イーター、一人一人の顔をギロリと凝視した。
「ワームテール、受け取れ」
「はい、あっ、素晴らしい・・・有難うございます・・有難うございます。我が君」
ヴォルデモートはローブから杖を取り出すと銀色に光る、義手を作り出して痛みでひぃひぃうめいているワームテールの手首に
ストンと取り付けた。
ワームテールは跪き、急いでヴォルデモートのローブの裾にキスした。
「ルシウス、抜け目のない友よ」
ヴォルデモートは顔に涙の跡を光らせ、歓喜して新しい義手を見つめているワームテールの隣りの男に近づいた。
「ルシウス、例の娘は連れてきたのであろうな?」
男の前で立ち止まったヴォルデモートが囁いた。
「はっ、おおせのとおりに我が君、しかし、暴れたので、服従の呪文を使用しましたが・・・」
フードの下の声が少しくぐもった。
「かまわん―で、どこにいるのだ?」
「あちらの木陰で待つように仕向けております。おい、こちらへ来なさい!」
ルシウス・マルフォイはさっと後ろを振り向き、大声で呼んだ。
「嘘だろ、来てたのか?」
ハリーの緊張した顔が途端に和らいだ。
イチイノ木の陰から黒いマントとローブを羽織った女性が飛び出した。
「 、僕だよ!!」
ハリーは嬉しさ一杯で叫んだ。
彼女は一瞬、その声にちらりと反応したが無視してルシウス・マルフォイのほうへパタパタと駆けて行った。
「、何で?何でそっちヘ行くんだ?おい!何を考えてるんだ?」
ハリーは目の前の信じられない光景にがくぜんとし、全身の力が一度にぬけるのを感じた。
「来たか―」
ルシウス・マルフォイが嬉しそうに言った。
「はい」がにこやかに微笑んで答えた。
「ご主人様―連れてまいりました。
・です」
彼はデス・イーターに間を開けさせ、彼女をヴォルデモートの側に引き出した。
「久しぶりだなー
・。四年もの間ずいぶんと我らはかわったものだ。お前は美しく華やかな花、俺は生ける屍」
ヴォルデモ―トは一歩彼女の前に進み出ると、うやうやしくお辞儀をした。
「さて、今宵はホグワーツにおる忠実な僕の尽力により我らが若き友をお迎えした。」
「ハリー・ポッター、 ・ が俺様の蘇りのパーティにわざわざご参加下さった。
俺様の賓客と言ってもよかろう」
ヴォルデモートの薄い唇がにやりとめくりあがり、デス・イーターの目がさっとハリーとの方へ飛んだ。
それからヴォルデモ―トは非常に嬉しそうに彼らがここにくるまでのいきさつ、行方不明のバーサ・ジョーキンズを殺したこと、
なぜ、ハリーの血液で肉体を蘇らせることが出来たのかを延々と語り始めた。
「俺はバーサを殺す前にあの女からたっぷりと、役に立つ情報をせしめた。
、ポッターの名をゴブレットに入れるように取り計らい、我が僕を使い、ハリーが試合に必ず勝つようにする
ハリー・ポッターが最初に優勝杯に触れるようにするのだ優勝杯は我が僕がボートキーに変えた。
・ は我が僕が最終課題の途中で失神術をかけ、ここまで連れてくるてはずだったのだ」
「多少手元が狂ったな・・彼女は最終的に、俺が服従の呪文で服従させるはずだったが・・・」
ここでヴォルデモ―トはじろりとくやしそうにルシウスを睨んだ。
マルフォイの顔が途端にピクッと引き攣った。
「まあよい・・どっちにしろこれから行うことには大差などない」
ヴォルデモートはゆっくりとハリーの元へ進み出た。
「クルーシオ!!」
彼は杖を上げ、叫んだ。
想像を絶する痛みが全身を一気に駆け抜けた。
骨が燃えている。
(・・助けてくれ・・そんなとこで突っ立てないで・・お願い・・僕の側に来てくれ・・何故マルフォイの側なんかに
いるんだ?ああ・・君が来てくれさえすれば他に何もいらない・・じゃなきゃ・・僕はこのまま死んでしまいたい)
薄らぐ意識の中で彼はぼんやりと考えた。
するとしばらくしてそれは過ぎ去った。
ハリーは墓石に縛りつけられたまま、ぐったりと縄目にもたれていた。
耳に聞こえるはデス・イーター達の笑い声だ。
「見たか!この小僧が俺様より強かったなど考えるのはなんと愚かしいことか!!」
ヴォルデモートが嘲り笑った。
「ハリー・ポッターが我が手を逃れたのは単なる幸運だったのだ。いま、ここでお前達全員の前でこやつを殺す―――
と言いたいとこだが――――」
デス・イーター達は不思議そうにヴォルデモートの顔をいっせいに見つめた。
「だが、今夜は記念すべき俺様の蘇りの祝宴だ。一つ、俺様から余興を見せてやろう。
そんな残念そうな顔をするな。これはなかなか面白い余興だぞ。おい、ワームテール。ポッターの縄目を解け。
それとこいつの杖を返してやれ。ルシウス、・を連れて来い」
その声にルシウス・マルフォイはの耳元で何か囁くと、ヴォルデモートのもとへ彼女を連れてきた。
ワームテールはハリーに近づき、縄目を切り、ハリーの手に取り上げた杖を乱暴に彼の腕へと押し込んだ。
「早く来い、ポッター。愛しい彼女を待たせる気か?」
ヴォルデモートが面白そうに叫んだ。
ハリーは傷ついた足取りで、気も重く、歩いて来た。
「ハリー・ポッター。決闘のやり方は学んでいるな?」
赤い目をぎらつかせながらヴォルデモートが低い声で言った。
「何を恐れている。俺様でなく決闘相手は愛しの彼女だぞ―何を恐れている?」
ヴォルデモートが冷たく残忍に笑った。
「運がよいではないか?俺様じゃなく愛しの彼女に殺されるのだ。本望ではないか?」
ハリーの手が小刻みに震えた。
「さあ、ハリー、互いにお辞儀をするのだ」
は軽く腰を折ったが、冷たく感情のない顔をまっすぐハリーに向けたままだった。
「さあ、儀式には従わねばならぬ・・彼女に失礼ではないか。死にお辞儀を・・ハリー」
デス・イータ―達が笑い出した。(ワームテールは笑っていなかったが)
「お辞儀しろ」
ヴォルデモートがハリーの頭をつかみ、無理やりお辞儀をさせた。
デス・イータ―達が大笑いをした。
「よろしい・・では始めるとするか。」
「さあ、決闘だ」
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