二人は禁じられた森に沿ってしばらく歩いた。

「それにしても見事な変装ですね〜私もハリー達も誰か分からなかったぐらい・・」

は感心してルーピンに言った。

「このローブ、ミナからだいぶん前にもらったものなんだ。声も変声トローチで変えたし、

 眼鏡もかけたんだ」

ルーピンはそう楽しそうにいうと、スカイブルーのシャープな眼鏡を指差した。

アイルランドにいた時、ミナから手紙が来たよ。「吸血鬼と人狼の避けられない宿命など

 気にするな、 があのトライ・ウィザード・トーナメントの試合に代表選手として選ばれた。

 これでもあなたは逃げるのか?早く帰って来い!」

と書いてあったよ。

「それと君の手紙も同時に届いてねー私のふさぎこんだ気持ちは180度変わった。」

「私が逃げれば逃げるほど、 は苦しむって分かったんだ」

ルーピンは言った。

「トーナメント第一関門突破おめでとう。ハリーもそうだけど君も凄く・・・素晴らしかったよ。

 また一段と魔法の腕を上げたね。流石ハーマイオニ―と並ぶだけのことはある。

 あ、もう城が近くなってきたね。ここでお別れだ」

彼は三日月に照らされたホグワーツ城を見上げた。

「じゃあ、第二の課題もがんば・・んっ!」

ルーピンが別れの挨拶をしようと、少し腰をかがめたとき、 が素早く彼の唇に優しくキスした。

さっと彼女は彼から離れると「今日は最高の日です!」と恥ずかしそうに言い、

城の方へ駆けていった。


ルーピンはしばらくその場に立ち尽くし、少女のすがすがしい唇の感触を忘れまいとして

眼を閉じた。




その頃、ハリー、ロン、ハーマイオニ―はシリウスに二人が無傷でドラゴンを出し抜いたことを

知らせるためにフクロウ小屋の中にいた。

「あれ、誰だったんだろう?」

ハリーがピックウィジョンの足に手紙を括りつけながら呟いた。

「そうだな〜顔は暗くてよく見えなかったけど、でも声がなんかスネイプに似てなかったか?」

ロンがぞっとして言った。

「まさかぁ、スネイプは教職員席からずっと動いてなかったわ。私この眼でみたもの。

 それに黒いローブじゃなかったわ。ジョナサンと言ったわね。あの人の着ているローブ

 は茶色、それも、貴族が着るような上等なものだったし・・あの人はきっと彼女の親戚かなんかじゃないの」


ハーマイオニ―はちょっと考え込んでいった。


この三人は完璧にルーピンの変装に騙されたようだった。


 
その後、この四人が談話室に戻ると がそこに居て、フレッド&ジョージ、ネビル、リー・ジョーダン、その他の

寮生からやんや、やんやの喝采を受けているところだった。

「おっ、もう一人の代表選手のご帰還だ!皆、拍手だ!!」フレッドが言った。

しばらくして、ハリー、ハーマイオニ―、ロンが談話室の扉をくぐって現れた。

再び歓声と叫び声が上がった。

「あ、おかえり〜一足先に戻ったのよ」

バター・ビールをぐいぐい飲みながら が嬉しそうに言った。

「ハリー、ハーマイオニ―、ロン、ジャム・タルトだ。それにケーキも沢山ある!

 どんどん食べようぜ」

ジョージが寮のテーブルから、ケーキの盆を取ってきて三人に差し出した。

テーブルにはフレッド&ジョージが厨房からくすねてきた山のようなケーキ、菓子、カボチャジュース、バタービールが

並べられていた。


ハーマイオニ―の隣りで は顔を真っ赤にしながら

「夢じゃないの・・・私には分かる・・・いつも側に居てくれるから・・もう大丈夫・・」

とバター・ビールの瓶片手にテーブルに肩肘を突きながら、夢見るように呟いた。


「え?何言ってるの」

ハーマイオニ―は彼女の言った言葉の意味が理解できず、首を傾げた。

「私に力を与えてくれて・・・」

彼女はぼやき続けた。

(誰のこと言ってるのかしら??)

ハーマイオニ―はますますわけがわからないという顔をした。



そして、木曜日の「変身術」のクラスでトライ・ウィザード・トーナメントの冷め切らぬ興奮をさらにぶち破る

重大な知らせがマグゴナガル教授から伝えられた。


「皆さんにお話がありますークリスマスダンスパーティが近づきました。

 トライ・ウィザード・トーナメントの伝統でもあり、外国のお客様と知り合う

 機会でもあります。ダンス・パーティは四年生以上が参加出来ます。下級生を招待することは可能ですが」


女の子達はこの話にたちまち色めきたった。

ハーマイオニ―と を除いては。

「パーティ用のドレス・ローブを着用のこと―ダンス・パーティは夜八時から始まり、夜中の十二時に終わります。」

その直後、ベルが鳴り、生徒達はガヤガヤと教室を出て行った。


「二人とも、お話があります」

ハーマイオニ―、ロンとともに教室を出ようとしたハリー、はマグゴナガルに呼び止められた。

「二人とも、代表選手とそのパートナーは・・・」

「僕(私)はダンスはしません」

彼らの声が見事にはもった。

マグゴナガルは面食らったように彼らを見つめた。

「まあ・・何という嘆かわしいこと・・二人揃って・・いいですか。はっきり言っておきます。

 伝統に従い、代表選手とそのパートナーがダンス・パーティの最初に踊るんですよ」

マグゴナガルは頭を抱えながらも二人にきっぱりと言った。

「僕、ダンスをするつもりは・・」

「私もそのつもりはありません」

二人ははっきりと言った。

「伝統です」

「あなたがたはホグワーツの代表選手なのですから、学校代表として、しなければならないことをするのです。

 ですからお二人共必ずパートナーを同伴のことです。わかりましたね?」

マグゴナガルは有無を言わせぬ口調で言い切った。



「あ〜どうすりゃいいんだーマグゴナガルは必ずパートナー同伴だってさ」

ハリーは頭を抱えて言った。

「そんなに悩むことないぜー君は代表選手だからいいよぉ。ハンガリー・ホーンテールをやっつけたばかりだ

・・皆行列して君と行きたがる」

ロンは楽天的に言って慰めた。

ハリーは黙っていた。

誰を誘いたいか自分でよく分かっていたが、その勇気があるかどうかは別問題だ。

はハリーと同学年だ。とても美人だ。背は低いが、そこがいい。

しかも、彼女は自分では気が付いていないが、熱烈な隠れファンがいる。

「あっ、そうだ忘れてた! を誘えよ!これは願ってもないチャンスだぜ!ルーピンはいないし・・彼女かなり人気があるから

 早く誘わないと誰かにとられっちまうぜ。例えばうちの兄貴とか・・

 お互い頑張ろうな相棒!」


ロンはハリーの肩を思いっきり叩いた。


その翌日、翌々日、延々と有名人二人はあちこちの寮からダンス・パーティのパートナーにとお声がかかるようになった。

はハーマイオニ―と一緒に歩いている時だけを確実に狙って、男子生徒が何人も誘ってきた。

一番多かったのはハッフルパフ寮からで下級生、同学年、なんと最上級生からも誘いがあった。

スリザリンのドラコ・マルフォイは無謀にもハーマイオニ―と彼女が一緒にいるところを捕まえて、

誘おうとしたが、 に慇懃に断られた上、その様子を見て、激怒したパンジーに無理やりその場から引っ張っていかれてしまった。


「あいつ、相当勇気を出してたわねーケナガイタチ君」

ハーマイオニ―がクスクスと笑って言った。

「パンジーったら・・何でもっと前に申し込んでおかなかったのよ!たくっ、あいつをしっかり捕まえておいてもらわないと

困るじゃないの」

 

が嫌そうに言った。


「ハーマイオニ―は誰か行きたい人いるの?」

はくすくすと未だに笑っている彼女に聞いた。

「え〜・・・い、いないけど・・・」

彼女はピタッと笑うのをやめた。

「ふ〜ん、なら私と一緒だ!」

は嬉しそうに言った。

「ねえ、最悪の場合、私をダンス・パートナーにしない?

 女の子同士で踊るのも悪くないかもよ」

は元気よく言った。


「ダメよ!あなたは花形の代表選手よ!絶対に素敵なパートナーを連れて行かなきゃ

 皆のいい笑いものよ。そんなの嫌でしょ!」

ハーマイオニ―は半分呆れながら、しかし面白そうに言った。

「ああ、あの人がいたらなあ」

は大きな溜息をついた。


その数日後、魔法薬学の授業終了後―

皆がガヤガヤと教室を飛び出して行く途中― が、三人と連れ立って出て行こうとすると

「お前に話がある。残れ」

と後ろでねちっこい声に呼び止められた。

「ゴメン、先帰ってて」

は三人に申し訳なさそうに言った。

「何でしょう?」

彼女は黒服をまとった教師の前へと行った。

「この間の第一の課題の出来は素晴らしかったーだが、君に予期せぬ課題が

 きたようだな。さて、さて、君のことだから第一の課題同様切り札を

 幾つも隠していると思うがー実際はどうかね?」

スネイプは究極の猫なで声で彼女に聞いた。


「何のことでしょう?予期せぬ課題とおっしゃるのは?」

彼女はこの教師が何をいいたいのかおおかたの想像は出来たが、知らぬふりをして答えた。


「とぼけても無駄だ。巷で今、生徒らが浮かれてるやつのことだ」

スネイプは彼女の耳元で意地悪く囁いた。

「ああ、それのことですね・・私には関係ありません。」

はきっぱりと言った。

「そういうわけにはいかんだろう。代表選手は伝統に従って・・パートナーを引率とのことだ」

「いったい何がおっしゃりたいのですか?」

彼女は少しドキドキしながら聞き返した。

まさか――まさかな――この先生に限って・・・。

「君の噂はスリザリンの連中からたびたび、我輩の耳に入ってくる。

 君は大多数の人間から、引き手あまたなのになかなかパートナーを決めはせんとな。

 そんなことだと当日、パートナーなしに会場に出ることになるぞ。

 まあ、最悪の場合は我輩が君のパートナーになってやってもよいが」


最後の言葉は否応にも の耳を刺した。

「は?聞き違いでしょうか?最後のほう」

彼女は信じられない面持ちでスネイプを見つめた。

「二度は言わん。我輩は忠告したまでだ。ルーピンがいなくて残念だったな。」

彼の頬は少し赤みが差していた。

「なっ、何ですか?ルーピン先生がいなくてーってどういう意味ですか?あっ!」


彼女に背を向けてスネイプは奥の自室に引っ込んでしまった。



「何なのあの先生?」

は真っ赤になって教室の戸を開けた。

耳たぶが燃えている。

「あの」

ハリーが外で待っていた。

何だかいつもと様子が違う。

手が震えている。

「何?どうかしたの?」

彼女はいぶかしんで聞いた。

全く、ハリーもスネイプも今日は皆おかしい。


「ぼくダンパティいたい?」

「何?」

が聞き返した。

「あ・の・さーよかったらーよかったら僕とダンスパーティに行かない?」

彼はつっかえつっかえながら言った。

なぜ彼は赤くなってるんだろう?

「ええいいわよ」

は軽く言った。

「本当に!?」

「いいよ」

彼女は再び答えた。


二人はみつめあったまましばらくそこに立っていた。やがて が口を開いた。


「ほんとに私なんかでいいの?今日いろんな子から沢山申し込まれてたじゃない?

 考えてみた?」

は信じられないという顔で彼を見上げた。

「君じゃなきゃダメなんだ!あっ!じゃあ!!」


彼は今にも火を噴きそうな顔をして、走り去ってしまった。

「ちょっと!どうしたの??」

が呼びかける間もなく彼の姿は消えていた。


談話室に一直線に冷め切らぬ興奮のままハリーは飛び込んだ。

「おい、ハリー。姫はどこだい?今日なんとかして捕まえたいと思ってたのに

 姫はファンの男子生徒から逃げるのに必死でさー俺たちですら捕まえられなかった。」

フレッドが悲しそうに言った。

「残念だね、僕、僕、もう彼女に――」


ハリーが息せき切りながら嬉しそうにいおうとした。

「なにぃぃ??ハリー、じゃあおまえ姫に申し込んだのか!?」

ジョージがハリーの肩を揺さぶった。

「マジかよ、おい!ハリー本当なんだろうな?」

ロンがびっくらこいて部屋の隅から飛んできた。

「で、返事は?」

ジョージとフレッドが彼の肩をつかんで激しく揺さぶった。


「も、もちOKだよ」


ハリーが幸せそうに言った。


「チクショー先を越されたか。フレッド!」

「ああ、ジョージ見事に完敗だ!でもやるなあハリー。ああー俺らあきらめて次のダンスの相手探さなきゃ」

双子は心底悔しそうに言うと、肩を抱き合い、談話室の隅で喋っているアンジェリーナ、ケイティの元へと行った。


「兄貴達アンジェリーナを誘うつもりだな・・は〜おめでとうハリー。遂に念願の高嶺の花をGETしたな。」

ロンは寂しそうに、しかし、笑顔を何とかつくり言った。

そこへ途中で落ち合ったジニー、ハーマイオニ―、 が談話室の扉から入ってきた。

「ハーマイオニ―、頼む、僕だけダンス・パートナーがいないんだ。

 一緒に行こう!!」

ハーマイオニ―が入ってくるとロンは血相を変えて飛んでいった。

「ゴメンナサイ、私一緒にはいけないわ」

ハーマイオニ―が赤くなりながら言った。

彼女はロンが自分に申し込む前に、あのフラー・デラクールに申し込んだことをたまたま小耳に挟んで、少し根に持っていた。


「何でだよ!?」

ロンが悲しそうに言った。


「だって、もう他の人と行くことになってるのよ!」

「そんなはずないよ!」

「ロン、フラーに申し込んだんでしょう?あれはどうなったの?」

ハーマイオニ―の口調が急にとげとげしくなった。


「いや、あれはその・・・」


ロンはやば〜という顔で押し黙った。


「可愛い子は皆予約済みってわけね。」

「ねえ、頼むよ・・他の奴と行くって嘘だろ!ほんとに僕パートナーがいないんだ。

 一緒に行って」

ロンの顔色がだんだん悲壮感に満ちてきた。

とジニ―は困った顔でお互いを見た。

「だから、行ったでしょう!!他の人と行くんです!」

ハーマイオニ―が切れた。

彼女はプイと背を向け女子寮へと行ってしまった。


「あいつ嘘ついてる」

ロンはがっくりと椅子に倒れこんだ。


「嘘じゃないわ」

ジニーと が突っ込んだ。

「じゃあ、誰と行くんだ?二人は知っているのかい?」

「あっ、ゴメン、ハーマイオニ―には絶対誰にも言うなって言われてるの。

 からかわれるからだって」

がロンに申し訳なさそうに言った。

するとちょうどいいタイミングでラベンダーとバーバティが談話室にぺちゃくちゃ喋りながら帰ってきた。

「バーバティ」

ロンが気乗りしなさそうな声をかけた。

「何?」

「あのー僕とダンスパーティに行かない?」

「ゴメン、ディーンと行くの。」

「ラベンダーは?」

「シェーマスと行くわ」

二人はくすくす笑いをした。

とハリーは傍からその様子を見て、何だか可愛そうになってきた。

「誰かロンと一緒に行ってくれる人知らない?」

ハリーが間に割って入った。

「ハーマイオニ―は?」

「他の人と行くのよ」

が情けなさそうに答えた。

「へええ〜誰?誰なの? 。あんたなにか聞いてるでしょっ!」

バ―パティは興味津々だ。

「絶対言うなって口止めされてるの。言ったらただじゃおかないって」

は肩をすくめた。

「あのさあ、それでロンのことは?」

ハリーが話題を変えた。

「私の妹がいたわ!あの子まだパートナー決まってないの。パドマだけど・・レイブンクローよ」

バーパティが言った。

「じゃあ・・聞いてみてくれよ」

ロンは気落ちして言った。



 


ダンス・パーティですよ。一週間ぶりのドリームです。何か前半何言ってるかわからないかも。


 

 


 

 

 



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