「痛い!痛い!スネイプ先生!!放して下さい!!」
がアンブリッジの部屋を出ると、スネイプは乱暴に彼女の腕を掴んで急き立てた。
彼は地下牢への階段を下り、魔法薬学の教室に押し込むまで一言も喋ろうともしなかった。
ドアを後ろ手に閉め、そのドアを背にして仁王立ちになると初めて口を開いた。
「さてさてーーミス・
。君はとんでもない事をやらかしたようですな!君のやったことはミス・パチル、ミス・ラベンダーが話を広めたようで、今や大多数の生徒、いやいや教師の我輩の耳にまで入る事態となった。我輩は君は賢くポッターなどに加勢して馬鹿騒ぎをやらかす
ようなことはないと思っていたがーーー」
そこで彼はうつむいている彼女の顎を片手で掴み、グイと上げさせた。
「どうやら今回は、我輩の見込み違いだったようですな!」
スネイプのこめかみがぴくぴくと波打った。
「ええ、確かに私のやったことは馬鹿でした。」
はすっとスネイプの自分の顎にかけられている手をふりほどくと冷静に言った。
「なら何故あのような馬鹿げたことをやったのだ?」
「あのガマ婆がーー失礼!アンブリッジ先生が、ルーピン先生やミスター・ディゴリーのことについて誰が聞いても我慢ならないようなことを言ったので
ぶち切れたんです。本当に悪うございました。今になってはマグゴナガル先生のおっしゃるとおり癇癪玉を閉まっておけばよかったんです。
後悔してます。」
彼女は足で床にでたらめな図形を書きながら言った。
「いいか?状況を考えるのだな。ミス・
。あの忌々しい女の目の前では自分に不利なことは何も言うな!我輩に口答えするならまだしも
あの女に口答えするとーーーあの女は魔法省のスパイだ。わかるであろうな?我輩の言いたいことが。」
スネイプはたいていの場合、自分に突っかかってくる彼女がうなだれて話を聞いているのを見下ろしながらいつもこのように素直であればいいものを・・・と
ため息をついた。
「罰則はきちんと受けます。もうお話は終わりですか?私、何をすればいいんでしょうか?」
その後、彼がしばらく黙ったまま、室内をあてどもなく歩き始めたので
は改まって質問した。
「よし、いいであろう。今回のことが本当に身にしみているのであれば、お前は二度と馬鹿なことをしない。
そう我輩は信じている。では早速仕事をしてもらおう。ついてきたまえ。」
スネイプは彼女の顔を見て、満足の笑みを浮かべると長い黒いマントを翻し教室の外へと向かった。
数十分後、
とスネイプは満月の夜にしか開花しない月見草を菜園から摘み取り、教室に戻ってきた。
「そこに月見草を入れろ。」
「それからベニテングダケ、ツキヨダケ、イッポンシメジをすりつぶし、エキスを抽出するのだ。」
「ああ、むこうにあるイボガエルをくれたまえ。そう、標本のものではなく生きているものだ。」
スネイプは彼女をまるで働き蜂のように顎で使い、その間に黙々と大鍋に材料を放りこんでかき混ぜた。
はもうもうと上がる煙にむせながら、次々と休みなく彼に材料を渡したり、粉末の調合をしたりした。
やっと帰っていいと言われた時には闇と寒さがすっぽりと彼女を包んでいた。
翌朝、
はちょっと朝寝坊し、おまけに昨日長時間鍋をかきまわしたせいで両腕が突っ張ったように痛かった。
広間の遅め朝食も食欲がなく、彼女はマーマレードとトースト、あと紅茶を少し飲みほした。
談話室に戻るとハリー、ロン、ハーマイオニーが一緒に宿題をしていた。
「おはよう
。あなたよく眠っていたみたいだから起こさないでいたの。」
席に着くとハーマイオニーの優しい声が真っ先に飛び込んできた。
「ああ、どうもありがと。ハーマイオニー。おはようロン、ハリー。」
は気を使ってくれたハーマイオニーに礼を言い、男の子二人に挨拶をした。
「おはよう
。ねえ、さっきハリーから聞いたけどーー」
席に着くとロンが少し彼女のほうへ体をずらせて言った。
「アンブリッジの罰則のときに、スネイプが現れて君をかっさっらっていったって本当?」
「ええ、本当よ。他の人が聞いたら相当おかしな話だけど。何でもスネイプ先生は急に薬を仕上げることになってそれで助手が一人欲しかったの。
で、私をわざわざご指名なさったわけ。」
は口に手を添えて欠伸をかみ殺しながら言った。
「だけど、よくそれであの婆さんが承知したわねえ〜」
ハーマイオニーが感慨深げに言った。
「ああ、そのことだけどあの婆は案外乗り気だったよ。」
ハリーが落ちてくる瞼と懸命に戦いながら言った。
「僕たちが仲間意識燃やして、一緒に処罰受けてる間なぐさめあったりしてそうしたら罰則に効果ないと思ったんだろ。
一人、一人別々に受けさしたほうが骨の髄までしみるからねぇ。」
彼はアンブリッジの甘ったるい口調をわざと真似して言ってのけた。
「ところでハリーは、あの婆さんに何をさせられたの?」
が襲ってくる眠気を払いのけ、聞いた。
「あ、ふぁぁ〜僕かい?あ〜そんなに心配そうな顔しなくてもいいよ。ただの書き取り罰だよ。」
ハリーは寝不足の顔に無理やり笑顔を作りながら言った。
「なんだぁ。それはよかったわ。私あのあくどい婆さんならもっと悪いことをしてるんじゃないかと思ってたの。」
はにこにこっと笑い、う〜んと腕を伸ばした。
「
。スネイプはーー君をこき使ったんじゃないの?だいぶ疲れてるようだけど。」
急にハリーが真面目な顔して彼女の顔を覗き込んできた。
「ああ、こきつかっちゃいないわよ。大丈夫、大丈夫。きっと疲れているのわね、昨日慣れない大鍋をかきまわしたせいよ。
私、あんまり力ないからくたびれたのよ。そのせいよきっと。」
「そう、ならよかったわ。でも
、ハリー。お願いだからもう、アンブリッジに反抗しないほうがいいわ。
今回の罰則でもまるまる一週間でしょう?次反抗したら、あの性悪婆さんどんな手を使ってくるかわからないわ。」
ハーマイオニーが二人を交互に見比べて切実に言った。
「うん。わかった。わかった。」
は素直にハーマイオニーに返答したが、ハリーのほうは何かじっと考え込んでいた。
それからまるまる一週間、二人はスネイプ、アンブリッジのもとでそれぞれ定刻に罰則を受け続けた。
「さて、ミス・
。今夜でこの毒薬は完成だ。そう鍋を煮沸させて一時間ほど放置の後ーー真夜中すぎには出来上がるだろう。」
沸き立つ釜を汗をぬぐいながら必死でかき回す
の側を薬草の束を持って、グルグルと歩き回りながらスネイプは言った。
「それが出来たら罰則は終了だ。」
「はいーー」
は疲れきった声で答えた。
その頃ーーアンブリッジの部屋では
「やることはわかってますね?ポッター。」
「はい」
これが最後の罰則になることを心から願いながらハリーは羽根ペンを取り上げ、羊皮紙に向かった。
「僕は嘘をついてはいけない・・・」
「僕は嘘をついてはいけない・・・」
アンブリッジの特殊な羽根ペンのおかげで自分のすべらかな皮膚に血文字が切り刻まれる。
真っ赤に光るきり傷はすぐに元に戻り、また血を流す。
(
。君は今、あいつと何してるんだろう?あいつはイタッ!君の事を本当にこきつかっていないのだろうか?)
彼はずきずきとうずく痛みに、一瞬意識が遠のきながらそう思った。
午後11時ーーようやく毒薬の煮沸が完了した。
あとは覚まして、一時間ほど放置しておくだけだ。
「座れ。あとは寝かせておけばいいだけだ。」
ぶっきらぼうにスネイプは言った。
「はい・・・」
むんむんする熱気と、大きな延べ棒を握ったせいで彼女は口を聞く元気さえなかった。
「すいません。お水一杯もらっていいですか?」
は机の上に置かれてあったグラスを取り上げようとした。
「飲むな。それは水ではない!アルコールだ。」
スネイプは不機嫌な顔でグラスを取り上げた。
「あ〜すいません〜」
彼女はしょんぼりとうなだれた。
数分後、
とスネイプは燃え盛る暖炉の火を見ながらコーヒーを飲んでいた。
「美味しい・・・先生、コーヒー入れるの上手いんですね〜」
「・・・」
スネイプは嬉しいのか、照れているのか黙ってコーヒーポットの中身を彼女のカップに注いでやった。
「ミス・
。そろそろ卒業後の進路のことは考えているか?」
「え?あーーまだーーですけど」
このスネイプの単刀直入の質問に、彼女は少々面食らった。
「そうかーー」
スネイプは顎に手をやって考え込んだ。
「魔法薬学関係の仕事には興味はないか?我輩は君の成績なら紹介するところが幾つかあるのだが・・・。」
彼は誘うような猫なで声で言った。
「せっかくですけどーー本当にどの道に進むのか全く決めてないんです。それに就職の斡旋はいりません。
私、小さいころから人から何かしてもらうばっかりだったので、それに甘えるのは嫌です。
本当にやりたいことが見つかったら、自分の力で自分の道を切り開きます。スネイプ先生。」
ははっきりと、だが彼の厚意を傷つけないように言った。
「そうか・・」
彼は(厚意を拒絶されて)腹を立てるどころか、しっかりした大人の女性になりつつある彼女を感心した目で見つめた。
そして深夜すぎーー
は鍋のかき回しすぎで痛む腕をさすり、さすり、彼女の数分後、ハリーは左手を黒い手袋で覆い、談話室に戻ってきた。
「ハリー、今戻ったところ?」
「うん、やっと終わった。今日で最終だ!あっ、おい、
!?」
迎えにでようと談話室の椅子から立ち上がり、ハリーの目の前に来た彼女はそのまま目を閉じてぐったりと彼の右肩に倒れこんでしまった。
「
!
!おい、
!」
ハリーは慌てて倒れてきた彼女を支え、呼びかけた。
「ゴメン・・すごくめまいがするの・・」
彼女は弱弱しい声で言い、上体を起こそうとしたがまた彼の右肩に深く倒れこんでしまった。
「無理するなよ・・さ、歩ける?腕を僕の肩に回してーー」
ハリーはそう言うと彼女の腕を取り、自分の肩に持ってきた。
「ありがと・・」
彼女は全体重を彼の肩にかけ、ふらつく足でソファに向かった。
「ほら、頭上げて」
「ゴメン。ほんとにありがと」
「いいから、いいから」
ハリーはにこやかに微笑むと、大きなパンパンに綿が詰まったクッションを彼女の頭の下に敷いてやった。
「ああ、天井が回ってる。こんなんじゃベッドに行けないわ。」
は絶望した声で言った。
「少し寝たらいいよ。寝たら楽になる。」
彼は彼女の安心させるようにやさしく微笑み、ショールを取り上げると彼女にかけてやった。
「そう、ありがとう。じゃちょっとだけ・・ね」
そういうと
は痛む頭を抑えながらうとうとしだした。
いつも側にいるのに言えないよ・・・こんなに近くにー君はいるのに・・・無責任な言葉で君を手にすることが出来るかな?
無防備に眠っている君を見ているとーー胸がつまってくるんだ。言えない・・こんなに好きなのに言えないよ。君が好きだと。
言ったらどうなるか考えると怖くて・・・。
ハリーは、顔を少ししかめて眠っている彼女の顔をやるせない気持ちで見つめた。
シリウスーーこんな時どうすればいいんだろう?言うべきか、言わないべきか?でももう、我慢出来ないんだ。
彼女に僕の気持ちを伝えたくてーー聞こえない告白のまま終わらせたくはないんだ。
彼は窓から流れ込む月光の先を見上げて呟いた。
翌朝、
は朝日の差し込む談話室で目が覚めた。
そのままベッドに戻らずに眠ってしまったらしい。
体にはいつの間にか寒くないようにと大きなショールとハリーの黒いマントがかけてあった。
「あ〜〜〜私、そのまま眠ったんだ。この服ハリーに返さなきゃ。」
彼女はボリボリと頭を掻きながら呟いた。
昨夜突然襲われためまいはすっかり治っていた。
何だったんだろう?あれは?脱吸血薬は飲んだはずなのに・・ね?
は首をかしげながら言った。
「今日は土曜日かぁ。じゃあまだ皆寝てるわね。よ〜しようやく時間がとれたし、先生に手紙書こう。」
彼女はそういうと女子寮への階段を駆け上がっていった。
数分後ーー
はインクに羽根ペンを浸し、ルーピンに向かって手紙を書き始めた。
先生、お元気ですか?(ちゃんと食事食べてる?)
ホグワーツに戻ってからの一週間ははっきりいって最悪でした。
なぜなら防衛術の教師の後釜に、とても胸糞悪い女が座っているからです。(あの女の腹立つことったら!!)
ドローレス・アンブリッジといって魔法大臣のファッジの腰巾着だった女です。
覚えていますか?ハリーの裁判の時にいた人です。
私とハリーは授業中、彼女に反抗して一週間の罰則を食らいました。
ですが、罰則初日スネイプ先生が現れて私をあの女から救ってくれたんです。
何でも急に作ることになった薬のために一人、助手が欲しかったからなんですって。
スネイプ先生にも言われたんですけど、私はもうあの女には口答えしないことにします。
あの女は魔法省のスパイですから。
ほんとに心配かけてごめんなさい。もう危ないことはしないってあの時約束したのにね。これ読み終わる頃には先生はかなり怒っていることだと思います。
あ〜あ、次の休暇まで逢えないなんて寂しいです。
なるべく早く返事下さいね。
より。
同様に彼女はシリウスとその妹、伯母にも手紙をしたためた。
シリウスに書く時は細心の注意をはらって羽根ペンを動かした。
もし、第三者に盗難されれば、彼の身の安全の保障はないからだ。
「これでよし」
そういうと彼女は手紙に封をし、梟小屋に足取りも軽く向かった。
梟小屋には先客がいた。
「いいか?表にはスナッフルズって書いてあるけど」
ハリーは手紙をヘドウィグのくちばしにくわえさせながら、ひそひそと言った。
「でもこれはシリウス宛てなんだ。オッケー?」
「私のも一緒に出してもらっていいかしら?スナッフルズさんあてなの。」
「
!」
彼はくるりと嬉しそうに振り向いた。
「オッケー。君も書いたんだ。じゃヘドウィグこれも頼むよ。」
ハリーはそういうと梟の足に二通手紙を縛り付けてやった。
「気分はどう?昨日よりはいいようだね。」
「うん。眠ったらすっかりよくなったわ。どうも寝不足が原因みたいね。ほら最近どの教科も宿題多かったでしょう?
それ片付けてたら深夜を越しちゃって。え?ハリーも?やっぱしそうよね。罰則受けてるものの身にとって
つらいもんね。宿題って。」
はそこでピューッと口笛を吹き、自分のハシボソカラスを呼んだ。
「これとこれとこれ、あて名はルーピン先生、伯母様、ジェニファーよ。分かった?」
「えっ?先生にも書いたんだ。」
「うん。ここんところ宿題に忙殺されて書く時間なかったんだ。ずっと書きたかったんだけど。」
彼女は鳥の足に手紙をくくりつけながら答えた。
(はぁ〜やっぱりなぁ。ルーピン先生相手じゃ僕はとてもかなわないよ〜〜)
彼は心の中で涙を流した。
「あ、それで君に頼みたいことがあるんだ。魔法薬学のレポート出来てたら、後で教えてくれない?どうしても分からないとこがあるんだ。」
「オッケー。じゃ後でね。それと昨日これ掛けてくれてありがと。」
はそういうとにっこり微笑んで、彼にマントを返した。
「おはよう」
「あ!チョウ!おはよう久しぶりね!」
「おはよう」
背後で梟小屋の戸が開き、チョウ・チャンが入ってきた。
何故か一瞬だけ彼女の表情は曇った。
「いいクィディッチ日和だわ〜〜私もう一週間もプレイしてないの。あなたは?」チョウが梟の足の手紙をくくりつけながら言った。
「ううん」
ハリーが答えた。
「あのアンブリッジって女、嫌な人」
チョウが出し抜けに言った。
「あなた達がほんとのこと言っただけで罰則にするなんて。あまりに理不尽だわ。みんながその話を聞いて、噂は学校中に広がってるわ。
あの先生に立ち向かうなんてあなた達はとっても勇敢だったわ。」
「ありがと。チョウにそういってもらえて嬉しいわ。本当よ。だって今まで私たちのこと信じてくれる人って少なかったんだもの。」
はチョウの手を嬉しそうに握り締めながら言った。
「お前とお前が糞爆弾を注文しようとしてると垂れ込みがあったぞ!」
乱暴にドアが開いて管理人のフィルチが飛んできた。
「お前とお前ってーー
とハリーのこと?」
チョウが不思議そうに聞き返した。
「そうだ!そいつらだ。
「僕らが糞爆弾を注文してるってどこの間抜けさんが言ったんだい?」
ハリーが馬鹿にしたように聞いた。
「こっちにはこっちの伝手があるんだ
さあ、何でもいいから送るものをこっちによこせ!」フィルチは得意げにすごんだ。
「出来ないよ(わ)もう出してしまったもの」
二人が同時に言った。
「出してしまっただと?」
フィルチは怒りで震えていた。
「いやあ、そいつはおかしい。ポケットに入ってないとどうしていえる?」
フィルチはしつこく聞いてきた。
「二人が出すところを私がここに入るときに見たわ。」
チョウが怒ったように言った。
「お前がか?」
「そうよ。見たわ。」
「糞爆弾がプンとでも臭ったら・・」
フィルチはくやしそうに言うと、ミセス・ノリスを手招きした。
「ニャ〜〜♯♪♭!!▲■」その時、ミセス・ノリスの上をサッと黒い物体がかすんだ。
「コラ〜〜〜このクソッタレめが!毛をむしりやがった!畜生!!待て、待て!!この忌々しいカラスめが!!待ちやがれ!!
捕まえて焼き鳥にしてやるぞ!!」
フィルチは箒を振り回してハシボソカラスを追いかけて出て行った。
「ありがとう」
ハリーと
が言った。
「どういたしまして」
ハリーの方を見てチョウはかすかに頬を染めた。
「糞爆弾を注文してないでしょう?」
「してない」
ハリーが答えた。
「それにしてもフィルチはどうしてそう思ったのかしら?」
「さあ・・」
ハリー、
は顔を見合わせた。
これは二人にとっても全くの謎だった。
「まあ、ここに来るときは猫なんか連れてきてはいけないことだけは言えるわね。」
「カラスの巣作りに毛は必需品だからでしょう?」
「そう、その通り!」
朝日の中に三人の楽しそうな笑い声が響いた。