ロンドン郊外のお屋敷でルーピンが酔いつぶれている頃、ゴドリックの谷では大蛇の身体が鞭のようにしなってハリーに襲いかかっていた。

彼は今、蛇の一噛みを椅子の一撃で叩き返したところだった。

次の瞬間、ハリーは、大蛇の満身の力をこめたアタックで隣の

子供部屋にまで吹っ飛ばされていた。

その衝撃で椅子の柄は折れ、そこら中にあったカラフルな積み木の玩具ががらがらと

崩れ落ちた。

奇妙なことにその子供部屋は、明かりの差さない他の部屋と比べると小奇麗で

天井にはしゃれた照明がぽつんと灯っていた。

「来るな!」

彼はそこいらにあった積み木を片っ端から大蛇に投げつけながら応戦した。

「ああっ!」

大蛇が飛んできた積み木を避けたその刹那、ハリーは目の前にあったベビーチェアごと

飛びかかられて締め上げられた。

彼がじたばたともがくうちに、大蛇は絞め殺そうときつくとぐろを巻き始めた。

その時だ。

彼をぎりぎりと締め上げていた大蛇がけたたましい悲鳴を上げた。

どこからともなく現れた真っ白なペルシャ猫が、思い切り蛇の尻尾目掛けて

噛み付いたのだ。

へなへなと彼を締め上げていた尾が緩み、彼はその隙に、落ちていた赤煉瓦で大蛇の頭を

殴りつけて難を逃れた。

!」

大蛇の魔の手から逃れたハリーは、その猫に改めて向き直るとはっとして叫んだ。

猫はしゅたっとハリーの前に走っていくと、彼を守るかのように戦いの叫びを上げた。

傷を負った大蛇とその何回りも小さな猫はしばしにらみ合っていたが、大蛇は

予想だにしなかった珍入者と連れの魔法使いに恐れをなしたのか、

そろそろと後退の姿勢を取った。

ハリーはペルシャ猫に目配せし、ゆっくりとこの場からずらかろうとした。

だが、甘かった。

まだ完全にはあきらめきっていない大蛇はくるりと方向を転換して、後ずさりを

始めた一人と一匹目掛けてするすると近づいてきたのだ。

真っ白なペルシャ猫はハリーを護衛しながら後ずさり、全身の毛と爪を逆立てると

再び戦いの叫びを上げた。

バーン!

青い閃光が走った。

階段の踊り場まで逃れた二人に大蛇が飛びかかろうとした時、それは起こった。

ハーマイオニーだ。

彼女は階段を駆け上がり、逃れてきた二人を見つけると杖を剣の様に振って、

大蛇目掛けて渾身の一撃をお見舞いしたのだった。

ハーマイオニーの呪文を避けきれなかった大蛇は物凄い音を立てて

階段の手すりごと階下へと落下した。

ハリーは先ほどの痛みと恐怖で、側に寄り添う真っ白なペルシャ猫をぐっと抱きしめ、

懸命なハーマイオニーは呪文の衝撃で吹っ飛んだ自分の杖を拾いにいった。

二人と一匹は息を殺して、チェックのキルト布団がかけられた昔造りのベッドから恐々と

顔を覗かせた。

真っ白なペルシャ猫の眼がぎらりと光を帯び、警告するかのようにううっと唸った。

「コンフリンゴ、爆発せよ!」

その尋常ではない泣き声に反応したハーマイオニーが油断なく杖を振った。

大蛇のくやしそうな呻き声と共に、窓ガラスは砕け散り、階段は完全に崩れ落ちて

階下の部屋はめちゃめちゃに壊れてしまった。


























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