翌日、ハリー、ロン、 はしなびたレタスのようにグンニャリとなっていた。

昨日、ハリー達が空飛ぶ車で到着したことはあっというまにグリフィンドールの談話室で広まってしまい、ハリ―達はいろんな生徒から到着

の様子を聞かれた。まあ、それは別によかったのだが、このあといつくるか分からない処罰や、車所持者のウィ―ズリ―夫妻のお怒りを受ける

ことを考えると三人はぞっとした。

「おはよう!」大広間の朝食の席でのハーマイオニ―の言い方がちょっとつっけんどんだ。

彼女はミルク指しにロックハートの著書を立てかけて読んでいた。

ハーマイオニ―の右隣に着席した は元気なさそうに皿の中のベーコンをつつきまわしていた。




「エロー――ル!」派手な音を立ててミルク指しのなかに灰色の大きな塊がつっこんだ。

ロンが足を引っ張ってぐっしょりになった梟を引っ張り出した。

エロールは気絶してテーブルの上にポトッと落ちた。足を上向きに突き出し、嘴には濡れた赤い封筒をくわえている。

「アーメン、彼にやすらかな眠りがあらんことを・・」 が真面目くさって胸の前で十字を切った。

その滑稽な仕草を見ていた何人かの生徒がふきだした。

「まだ死んでないよ!!」ロンがむっとして突っ込んだ。

彼は、気絶した梟の嘴から赤い封筒を抜き取ったが、途端に悲鳴をあげた。




「あの車を盗みだすなんて!!」


煙のシューシュー出ている封筒が爆発し、ワンワン吠えた。

それから延々とウィ―ズリ―夫人の怒りの大拡声は続いた。

「終わった?」テーブルの下に隠れていた がこわごわと尋ねた。

「た、たぶんね・・」封筒が焼ききれたのを確認したハリーが答えた。





新学期最初の授業はハッフルパフとの薬草学の合同授業だ。

今日の授業は三号温室でマンドレイクの植え替え作業だ。

「マンドレイクの特徴がわかる人?」スプラウト先生が尋ねた。

「マンドレイク、別名マンドラゴラは強力な回服薬です。」

ハーマイオニ―の手が真っ先に挙がった。

それから皆耳当てを一つずつ取って、両耳に装着した。

「はい、耳当てをつけましたね?では植え替えを行います。」

スプラウト先生がマンドレイクをしっかりとつかみ土の中から引き抜いた。

皆がいっせいにマンドレイクを引き抜いた。醜い泣き声がそこら中に飛び交った。

数分後、ちょっとした騒ぎが持ち上がった。

「スプラウと先生、急病患者です」

は耳当てをきちんと装着しておらず、泣き声をもろに聞いて気絶した隣席のネビルを指差した。




さて、本日の最後の授業は皆が待ちに待った「闇の魔術の防衛術」の授業だ。

クラス全員が着席するとロックハートは大きな咳払いをした。クラス中がシーンとなった。

彼は、午前中を医務室で過ごし、見事に生還したネビルが持っていた本を取り上げるとウィンクしている

自分自身の写真の表紙を高々と掲げた。

「ギルデロイ・ロックハート、勲三等マーリン勲章、

そして週刊魔女五回連続チャ―ミング・スマイル賞受賞―もっとも私はそんな話をするつもりではないですよ。

泣き妖怪バンシーをスマイルで追い払ったわけじゃありませんしね!」

ごく数人が苦笑いをしただけで、大多数の生徒はあきれかえっただけだった。

「ああ、彼って素敵よねぇ・・」ハーマイオニ―がうっとりとつぶやいた。

「素敵?そうかしら?とっても面白いひとではあるけど・・」

そんなハーマイオニーとは対照に は彼に対する厳しい批評を下していたが。






その後、ロックハートは皆にテスト・ペーパーを配った。

三十分後、ロックハートは答案を回収し、クラス全員の前でぱらぱらとめくった。

「ミス・グレンジャー満点です!!」

「素晴らしい!!まったく素晴らしい!!グリフィンドールに10点あげましょう!」

ロックハートはここでハーマイオニ―に向かって特別なウィンクを送った。

途端にぽわ〜んとハーマイオニ―の頬が緩んだ。

それからロックハートはハーマイオニ―の隣席の に「なんで君は満点じゃないのか?」といいたげな残念そうな表情を浮かべ、

忘れずにウィンクを送った。




「さあ、本日のメイン・イベント捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー小妖精!とくとご覧あれ!!」

バッとロックハートが覆いを取って籠を解放した。

「連中は危険で厄介な子悪魔です。君たちがピクシーをどう扱うかみてみよう!」

数分もしない内に各座席から悲鳴が上がった。

ピクシーの破壊力は物凄く、ロケット花火のように彼らは四方八方に飛び散った。

「ネビル!?」 がピクシーを本でぶちまわしながら悲鳴をあげた。

哀れネビルはピクシー数名に天井のシャンデリアに引っ掛けられ、力なく揺れていた。



「ピクシーよ!去れ!」ロックハートが杖を振り上げたが何も起こらない。

一匹のピクシーがロックハートの杖を奪いガラスを割って外に放り投げた。

丁度そんな時終業ベルが鳴った。

皆がワッと我先に出口に押しかけた。

ハリー達も慌てて出口に急行した。が、ロックハートに「ピクシーを籠に戻すように」といいつけられてしまった。




「耳を疑うぜ」

ロンが残っているピクシーに耳をかじられながらうめいた。

「私達に体験学習をさせたかっただけよ!」ハ―マイオニ―は二匹一緒にてきぱきと縛り術をかけて動けないようにし、

籠に押し込みながら言った。

「何をやってるの?」ハリーが暴れるピクシーを拳で殴りながら聞いた。

「見て分からない?凍結してるのよ」 がどこか影のある笑顔を浮かべながら杖を振り、ピクシーをまとめて凍らせていた。

「こ、怖いぜ・・」ロニ―が叙序に体が凍っていくピクシーをみながら震えた。

「すごい魔法だね。今度僕に教えてよ。」ハリーもどこか影のある笑みを浮かべながら言った。


「私も!是非教えて欲しいわ!」ハーマイオニ―までが目をキラキラと輝かせた。

ロンは異様に明るい三人を見て、時々友人が怖くなることを実感していた。

「ロン!」

「あなたの兄様方に本当に感謝するわ!この凍結呪文を教えてもらったことに」

は元気よくとびっきりの笑顔を浮かべてこの赤毛の友人に礼を言った。


「あ、ああ、やっぱりフレッド&ジョージだったのか・・」彼女の笑顔にとまどいながら、ロンは引きつった笑いを浮かべた。


後に奥の部屋に引っ込んでいたロックハートがこわごわとピクシーの入った籠を確認しに行くと部屋の温度は2、3℃下がり、

縛り術でうごけなくなったピクシー半数、

残り反数は体全部がガチガチに凍らされて籠につめられていた。

ロックハートはこの時、闇の魔術に対する防衛術の教授の席を引き受けたことを激しく後悔するはめになったのだった。







「さて、諸君に手短に説明しておこう!ひと夏かけて、まったく違う練習方法を編み出したんだ。これなら絶対、今までとは出来が違うぞ!」

翌日、クィディッチの練習のため、グリフィンドール・チームは朝早くから練習にかり出されていた。

チームのキャプテン、オリバー・ウッドは今や普通とは思えない情熱で新戦略についての演説をぶち上げていた。

フレッド&ジョージはアンジェリーナの肩にもたれて爆睡しており、

ハリーは今ごろ城ではどんな朝食を食べてるんだろうと、おいしい空想にふけっていた。

「いいか、諸君!!」グラウンドにウッドの大きな声が響き渡った。



、ほら、こんなとこで寝ないの!!」

「昨日は寝不足なのかな?」コテンとロンの肩に の頭が落ちてきた。

スタンドではロン、ハーマイオニ―、そして今だに夢の世界を漂う が座って見物していた。

「見て、やっとオリバーの演説が終わったみたい。」

「あんなとこにハリーと兄貴達が飛んでるよ!」

ハーマイオニ―とロンは物凄い速さで飛行しているニンバス2000とクリーンスイープ5号を目で追った。

「ハリー、見ろよ。スリザリンだ!」急旋回を繰り返していたジョージが突然止まった。

「この競技場を予約してるのは僕だ。話をつけてくる!」

ウッドは一直線にグラウンドに向かった。怒りのため、着地で勢い余って突っ込み気味になり、

箒から少し下りるときも少しよろめいた。

「フリント!」

「我々の練習時間だ!今すぐ立ち去ってもらおう。」ウッドが大声で怒鳴った。

「ウッド、俺ら全部が使えるぐらい広いだろう?それにこっちにはスネイプ先生が特別にサインしてくれた許可証がある。「私、スネイプ教授は、本日クィヂッチ競技場において、新人シーカーを教育する必要があるため、スリザリン・チームが練習することを許可する。」」

「新しいシーカーだと?どこに?」ウッドの注意がそれた。

スリザリン・チームの大きな六人の後ろから小さな7番目が現れた。

「ルシウス・マルフォイの息子じゃないか。」オリバーの隣に着地したフレッドが嫌悪感をむきだしにして言った。

「その方が我がチームに下さった贈り物をみせてやろう。」七人全員が揃って自分の箒を突き出した。

「ニンバス2001・・。」双子の隣のハリーがくやしそうに言った。

「おい、見ろよ競技場乱入だ。」フリントがチラと視線をずらした。

「どうしたんだい?なぜ練習しないんだ?それにマルフォイ、あいつこんなとこで何してるんだい。」

ロンとハーマイオニ―が何事かと芝生を横切ってこちら側に走ってきた。

「ウィ―ズリ―、僕はスリザリンの新シーカーだ。」マルフォイは満足げに言った。

「今、僕の父上が買ってくださったニンバス2001をみんなで賞賛していたところだ」

マルフォイはそう言って、あんぐりと口を開けて見ているロンをせせら笑って、こう付け加えた。

「そうだ、グリフィンドールも資金集めして箒を買えばいい。クリーンスイ―プ5号を慈善事業の競売にかければ、

博物館が買いを入れるだろうよ。」

スリザリン・チームは大爆笑だ。

「おい、ところで今日はお前らと一緒の はいないのか?残念だなあ、実況の彼女がこの僕の姿を見たら驚くだろうに・・」

マルフォイはそういうとニヤニヤ笑った。

「お前に関係ないだろう!」ロンがムッとして怒鳴った。

「そうよ、あなたには関係ないでしょう!それにいっときますけどねグリフィンドール・チームは誰一人としてお金で選ばれてないわ!

こっちは純粋に才能で選手になったのよ!」

ハーマイオニ―もカンカンになってドラコの前にグイと進み出た。

「誰もお前の意見なんか求めてない。生まれそこないの穢れた血め!」マルフォイがはき捨てるように言った。

「すいません、通して下さい。」ここでようやく目の覚めた がスタンドからこっちに向かってきてアンジェリーナの側を抜け、最前列に出てきた。

「何てことを!!」 がすごい形相で最前列に踊り出た。

ハーマイオニ―はショックのあまり呆然としていた。

フレッド&ジョージが怒りのあまりマルフォイに飛びかかろうとし、フリントが急いでマルフォイの前に立ちはだかった。

「ナメクジを食らえ!!」怒ったロンが杖をスリザリン側に思いっきり振った。

「ウエー―、げーほげーほ」ロンの折れた杖が逆噴射し、自分の腹に魔法が命中して大量のナメクジをそこら中に撒き散らした。

「ロン!ロン!大丈夫!」ハーマイオニ―が悲鳴をあげた。スリザリン・チームは大爆笑で皆、箒にすがって腹をよじって笑いこけた。

「ハグリッドの所へ行くんだ。 、君も来た方がいい。」

ハリーはハーマイオニ―に合図を送り、ロンを二人で小脇に抱え、さっきから無言で怒っている に呼びかけた。

その後、スリザリン・チームしかいなくなったグラウンドでは大変な騒ぎが持ち上がっていた。

すごい勢いで、突然スリザリン生の周りに生えていた芝生からどす黒い炎が次々と上がっていた。

「何事だ!?」騒ぎを聞きつけたスネイプが走ってきた。

「先生、助けて下さい!!突然火が!!」ドラコが半べそをかいて駆け寄ってきた。

「落ち着きたまえ!!寮に戻りなさい!!」スネイプがフリント、マルフォイ、その他の者を急いで城の方へと追い立てた。

全員が城へと戻った後、スネイプは再び発火地点にやってきた。

スネイプはメラメラと今だに燃えている黒い炎の側まで近づいた。

「ふむ、熱くないな・・。まだあの娘には闇の魔術を操る力はないということか・・」

不思議なことにその黒い炎はスネイプが触れても、やけどすらしなかった。

「しかし、恐ろしい娘だ。本当の炎なら間違いなく大惨事につながったであろう・・・。」

「そうさせなかったのはあの娘の汚れなき心だ」

スネイプはまたもや呟いた。




ハグリッドの所へ行き、しこたまナメクジを吐いたとはいえ、ロンはホグワーツの玄関ホールでまた発作を起こした。

小さなナメクジが二匹出てきたちょうどその時だった。

「ポッター、ウィ―ズリ―、 、そこにいましたか」

マグゴナガル教授が厳しい表情でこちらに歩いて来た。

「三人共、処罰は今夜になります。」

「先生、僕ら、何をするんでしょうか。」ロンがなんとかゲップを押し殺しながら聞いた。

「あなたは、フィルチさんと一緒にトロフィー室で銀磨きです。もちろん魔法はいけませんよ。自分の力で磨くのです。」

ロンは絶句した。よりによってフィルチかよといいたげだった。

「ポッター、 、あなた方はロックハート先生がファンレターに返事を書くのを手伝いなさい。」

「えーっ、そんな・・僕もトロフィー・ルームの方ではいけませんか?」ハリーが絶望的な声で頼んだ。

「何嫌がってるのよ、ハリー!」こんな楽な仕事があるか?といいたげな彼女がすかさず突っ込んだ。

「もちろんいけません。ロックハート先生は特にあなた方をご指名です。三人とも、八時きっかりに」

マグゴナガル先生はそれだけ言うと、スタスタと行ってしまった。

ハリーとロンはがっくりと肩を落としていた、

「だって校則を破ったんでしょ。」ハーマイオニ―がたしなめた。

「それに、ロンはともかく 、ハリー、いいわねぇ・・あのロックハート先生と過ごせるんだから・・。」

ハーマイオニ―はそういうと、恨めしい目つきでハリーと 、特に彼女をじろりと見た。

「やめてくれ!」ハリーが本当に悲壮な声を上げた。

「ロン、いつでも代わってやるよ。ロックハートのファンレターに返事を書くなんて、最低だよ」

「ハリー、フィルチは僕を一晩中離してくれないよぉ。」ロンは完璧に滅入っていた。

午後八時、ハリーは談話室を抜け、 と共に三階の廊下を歩いてロックハートの部屋に着いた。

ノックするとドアはすぐに開かれ、ロックハートがにっこりと二人を見下ろした。

「ようこそ、ハリー、そして、レディ・ 。」

そういうとロックハートはうやうやしく彼女の右手を取り、その甲に口付けした。

「ここでは宮廷儀礼は無用ですよ、先生。」 はクスクスと笑った。

「それに、名前の前にレディは要りませんよ。ほんっとに面白い方ですね。」 はこみ上げてくる笑いをこらえきれなくなった。

「いやはや、ブラド夫人に負けず劣らず、魅力的なお嬢さんだ」そういうとロックハートは真っ白な歯を除かせて笑った。

「あの〜先生、僕たち何をすればいいのでしょうか?」

さっきから、どうもこのやりとりが気に食わなかったハリーがむっつりと言った。

「おお、ハリー君、よくぞ聞いてくれた。お二人共、封筒に宛名を書かせてあげましょう!」

ようやくロックハートがハリーに視線を戻した。

時間は驚くほどのろのろと過ぎた。

ハリーは時々相槌を打ち、彼の言葉を適当に聞き流し、 は時々、ロックハートの言葉に耳を傾け、

彼の面白い話に可愛い声を立てて笑っていた。

ちょうど、ハリーがうとうとしてきた時分、不可解な声が聞こえるのが分った。

「来るんだ・・俺様の所に・・引き裂いてやる・・八つ裂きだ・・殺してやる・・」

その恐ろしい正体不明の声はハリーにだけ聞こえた。

「寒い、寒いわ、とても寒い・・」

ハリーの横で作業をしていた が突然青ざめ、ガタガタと震え、持っていた羽ペンをポトりと落とした。

「大丈夫かい? 、先生!あの声!今の声聞こえませんでした??」

ハリーが を気遣い、能天気なロックハートに呼びかけた。

「えっ、ハリー君、君、どの声のことかな?」

「あの声ですよ!ほら、今の声、聞こえなかったんですか?」

ロックハートは彼の言っていることがさっぱり理解できず、首をひねって彼を見た。

「ハリー、いったい何のことかね?少し眠くなってきたんじゃないのかい?おや、もうこんな時間だ!!四時間近くここにいたのだね。」

「いやはや楽しい時間が経つのは全く早いものだ!」

ハリーはそれには答えず、

「彼女が風邪を引いたようなんです。何か暖かい飲み物とショールはありませんか?」とだけ尋ねた。

「おやおや、彼女の額は氷のように冷たいですね。いいでしょう、紅茶かなにか持ってきましょう。」

ロックハートはそういうと彼女のオデコに手をあて、自分の額の体温と見比べた。



数分後、ハリーは真っ青な顔で、今だに震えている の手を取って寮に帰ってきた。グリフィンドールの談話室はガランとしていた。

ハリーは震える彼女を談話室の椅子に座らせ、しばらく一緒にいてやった。

「怖い、怖いわ、ただの寒気じゃないわ。なにか恐ろしい物が私の背後に張り付いているような感じなの。」

はロックハートが貸してくれたショールをグッと肩に引き上げ、ハリーにくぎるように一言、一言話した。

「じゃあ、君も聞いたのかい?変な声を!」ハリーが驚いて詰問した。

「ええ?何のこと?声なんて聞こえなかったわ。でも本当になんだかあの部屋にいるとき、すっごく嫌〜な感じがしたの!」

は拳を作り、ハリーの緑色の綺麗な瞳を見つめた。

「お〜い、お二人さん!やっと終わったぜ!!」その時、ちょうど右腕をさすり、さすり、談話室にロンが飛び込んできた。

「たくっ、聞いてくれよぉ、あんのクィデッチ・カップを14回も磨かされたんだぜ。やつがもういいって言うまで。

そしたら今度はナメクジの発作!功労賞の盾の上にべっとりさ。

 あのネトネトときたら・・あっそうだ、お二人さん、ロックハートはどうだった?」

ここで、ロンの愚痴はやっと止まった。

「もうあの部屋になんか行きたくないわ!気味が悪い!!」

うやく震えの止まった が真っ先に口を開いた。

ハリーは彼女の言いたかったことを代弁してやった。

「それで、ロックハートはその声が聞こえないっていったのかい??」

全ての話を聞いてしまった後、月明かりの中でロンの顔が曇るのが分った。

「ロックハートが嘘をついてたと思う?でも、分からないよな?たまたまゴーストがその部屋に入り込んでて

君達を脅かそうと悪戯したんじゃないかな・・」

ロンはあいまいに、でも、 がじろりと睨んだので決まり悪そうに言った。

ハリーが談話室の天井を見上げながら言った。

「私、もう寝るわ」

ショールを肩に巻きつけながら が立ち上がった。

「ありがとうね、ハリー、側についててくれて」

彼女は照れくさそうにハリーに礼を言った。

「そんな・・全然構わないよ。君が居てくれたおかげで、ロックハートと一緒の時間もそんなに嫌じゃなかったからさ・・」

ハリーの頬は突然ポーッと赤くなった。

「お二人さん、もうそろそろ寝たほうがいいよ。今深夜の1時だぜ。」

この二人のおかしな雰囲気に、ロンはやってらんねぇぜという顔をして呟いた。

「おやすみなさい、二人とも」

もっと話していたかったがここで は小さく手を振り、女子寮の階段を駆け上がっていった。



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