午前11時、学校中がクィディッチ競技場の観客席に詰め掛けた。

 グリフィンドールとスリザリン両名の選手団が入場した。グリフィンドール席から割れる様な拍手が起こった。

 「 、とりあえず君は実況が初めてだから、得点掲示板の記入と得点が入ったらこのマイクで会場内に知らせてくれ。後は俺の実況

  を聞いて、どんなかんじかつかんでくれ。」。

 実況席ではリー・ジョーダンが彼女に熱心に説明していた。

 「ミス・ 、もし公平な実況をこのジョーダンがたもてなくなった時はあなたにお願いするかもしれませんよ。」

  の隣に居たマグゴナガル教授がこっそりと言った。



試合開始のブザーが鳴り響いた。

 「さあ、本年度最初のクィディッチ開幕戦!!本日の試合はグリフィンドール対スリザリンです!!」リーが大声で叫んだ。

 「準備はいいですか?」フーチ審判のホイッスルが鳴った。いよいお試合開始だ。

 「クアッフルが放たれました!グリフィンドール早速ジョンソン選手が取りました!突っ走ってスピネット選手にパス。

  ああっ、ダメです。スリザリンがクアッフルを奪いました!キャプテン、フリント選手がゴ―ルに向かってシュート!!決めるか?

  おお、グリフィンドール、キーパ―のウッド選手が阻止しました!クアッフルはグリフィンドール、ケイティ選手の手に!あいたっ!

  ブラッジャーが後頭部に激突!スリザリン、ピュシー選手がクアッフルを奪いゴールに向かっております!ここでグリフィンドール

  ビーター、フレッド選手でしょうか?ブラッジャ―をピュシー選手めがけて飛ばしました!ファインプレイ!クアッフル、再び

  アンジェリーナ選手の手に!ゴール目掛けてシュート!!グリフィンドール先取点!!」

 「グリフィンドール10点!!」得点のコールの後には掲示板の記入レバーを押した。

 「なに?今の声 だよな。」

 「なかなか観客席に現れないと思ったらあんなとこに!!」

 「すげーなぁ、彼女が実況にスカウトされるなんて。俺らグリフィンドールは無敵だぜ。」

 グリフィンドールサイドではロン、ハーマイオニ―、シェーマスらが驚いている。

 「ハリー、大丈夫か?」上空ではハリーのとこに飛んできたブラッジャ―をフレッドがスリザリン側に打ち返した。

 「俺らが姫を実況にスカウトしたんだ。この間彼女を呼び出したのはそのせいさ。」

 ジョージが得意そうに言った。

 「君らが?すごいな、僕、彼女の声を聞いた途端、びっくりして箒から落ちそうになったよ。」

 「ハリー、おしゃべりはここまでだ。そろそろスニッチ到来の時間だ。頑張れよ。」双子はそういうとブラッジャ―を探しに飛んでいった。

 「皆さん!!スニッチです!ついにスニッチ到来です!」そんな折、リーが立ち上がって叫んだ。

 ハリーとスリザリンのシーカーヒッグズがスニッチ目掛けて大接戦を繰り広げた。

スリザリンのフリントがハリーの箒に体当たりした。ハリーの箒は思いっきりはじき出されコースを外れてしまい、

かろうじて彼は箒にしがみついていた。

 「反則だ!」グリフィンドール生が憤慨して叫んだ。

 「えー、誰が見ても胸くそ悪くなるようなインチキの後・・」

 「ジョーダン!!」マグゴナガル教授が凄みを利かせた。

 「おおっぴらで不快なファールの後・・」

 「ジョーダン!!いいかげんにしなさい! 交代しなさい!」マグゴナガル教授が怒ってマイクをに手渡した。

 「失礼しました。フリント選手はグリフィンドールシーカーを殺しそうになりました。誰にでもありうるようなミスでしょう。

  あっ、大変です!グリフィンドール・シーカーの箒が変です!!ハリー選手大丈夫でしょうか??」

  がマグゴナガル教授からマイクを受け取ったとき、視界の中に箒に振り落とされそうになった彼の姿が飛び込んできた。

 「ハリー選手、これはピンチです!!ああっ、落ちる!!」

  の悲鳴がマイクで拡声されて会場内に響きわたった。

 「何してるんだよ??」グリフィンドールサイドでは の声で全員がハリーの異変に気づいて騒いでいた。

 「スネイプだわ。箒に呪いをかけてる。」ハーマイオニ―がぎゅっと眉根を寄せて言った。

彼女の螺鈿細工の双眼鏡の先には、スネイプがハリーから絶えず目を離さずなにかブツブツとつぶやいている姿があった。

 「どうすりゃいいんだ!?」ロンが悲壮な声で叫んだ。

 「私に任せて!」ハーマイオニ―はそういうとスネイプのいるスタンド目掛けて疾走した。

 上空では混乱しているグリフィンドール選手を尻目にスリザリンのフリントがクアッフルを奪い、どんどんゴールに点を入れていた。

 「スリザリン20点!」

 「スリザリン30点!」

 「スリザリン40点!」 は混乱しながらも得点をコールした。

 ハーマイオニ―は教員席の一つ後ろの列を疾走し、スネイプの背後に回りこんだ。







 「か、火事だ!!」ハーマイオニーが杖を取り出し何か短く呟いた数分後、スネイプの斜め横にいたクィレルが悲鳴をあげた。

 ハーマイオニ―の仕掛けた火がスネイプのマントに燃え移った。一時、このスタンドは騒然となった。

 「おおっとハリー選手、無事ピンチを脱出致しました!!スニッチを追いかける、さあ、スニッチとの距離後わずか・・

  取れるでしょうか?取りました!!」 が身を乗り出した。

ハリーの口からスニッチがでた。彼はスニッチを高々と掲げた。

 「ただ今、ハリー選手がスニッチを取りました!!」

 「グリフィンドール、170対40で優勝です!!!」

 リーと が交互に叫んだ。

」グリフィンドール席から割れるような歓声がこだました。

 ハリーは実況席を見上げた。 が物凄く嬉しそうに手を振っていた。彼は頬が赤くなるのを感じていた。

すかさずグリフィンドール選手団が集まってきてハリーを胴上げした。








クィディッチ優勝の大盛況の中、ハグリッドの小屋に立ち寄って 達はいろいろな話を聞くことが出来た。

「あの三頭犬にフラッフィーっていう名前があるのかよ」

ロンが信じられない面持ちで言った。

、君とグリンゴッヅ銀行へ行った時、ハグリッドがなにか汚い包みを持ち出したんだ。あの犬がその包みを守ってる可能性が高い。」

 とハリーが厳かに言った。

「何か根拠でもあるの?」 が怪訝そうに聞き返した。

「いいかい、日刊予言新聞にも書いてあったけどグリンゴッヅ侵入があったのは僕の誕生日だ。つまり7月31日、僕たちがあそこにいる間

 に起きたかもしれないよ!」ハリーがヒソヒソといった。

「あの包みを持ちだす時、ハグリッドはダンブルドアからことづかった例の物と言っていた。

 僕が何かと聞いても大事なものだといって教えてくれない」


「それに今日のハグリッドのあの犬の守ってる物、あれはダンブルドア先生とニコラス・フラメルの・・っていってたでしょう。あの包みには

 ニコラスって人が関係してるんだわ。間違いない!」

そうハーマイオニ―は力説した。



「わかった、わかったわよ。確かにそういわれてみると妖しい点が多々あるわ。私がそれより理解できないのはハーマイオニ―、ロン、あなた達、

スネイプがハリーの箒にぶつぶつ呪いをかけてたといったわね?どうして?スネイプ先生はそんなことする人じゃないと思うわ」

が全くわけがわからないというように反論した。

「君ねえ、スネイプの肩を持つのかい?そりゃ君はグリフィンドール生の中で唯一スネイプに気に入られてるよ。だって君だけにはスネイプは減点措置を取らないじゃないか。 だからそんなに悪ーい奴じゃないって思うかもしれないけど・・。」

ロンが彼女の発言に怒ったように言った。

「まあまあ、どっちにしろフラメルがどんな人かってのを探す必要はありそうね。私はクリスマス休暇は家に帰るけどあなた達は残るでしょう?その間に図書館をくまなく調べて。閲覧禁止の棚、あそこにあるかもしれないわ。私も家に帰って両親に聞いてみるから。」

ハーマイオニ―がそういってロンをなだめた。

「僕らのせいであいつワルになったな。」

カートを押してホールの出口に向かうハーマイオニ―の姿を見送りながらロンが言った。

「そうかもね」

ハリーも彼の意見に頷いた。

「やだやだ、いつものハーマイオニ―じゃないみたい。」 がとんでもないことと首を振った。

そして待ちにまったクリスマス当日。 は誰もいない女子寮で早起きした。

同室のラベンダー、バー場ティ、ハーマイオニ―は休暇で実家に帰省している。

の伯母はクリスマス期間、特にスケジュールが詰まり家を空けなければならなかった。

そのかわりといっちゃあなんだが、伯母からのクリスマス・プレゼントは奮発してあった。

可愛い声をあけて箱の中からでてきたのは小柄なクリーム色の猫、首には赤いティンセルのリボンをしていた。

「可愛い!」 はほお擦りした。猫はおとなしくて暖かかった。

どうやらヒマラヤとペルシャ猫の混血らしい。

空飛ぶ猫。 ミナ からのカードにはそんな文面がついていた。

「おまえ、空飛べるの?」 は猫にたずねた。




「メリー・クリスマス!!」談話室にガウンをひっかけて降りていくと、ハリーとロンに出くわした。

「ありがとう!!君の伯母さんのケーキとってもおいしいよ。」

ハリーは片腕にクリスマスリボンがかけられたケーキの箱を抱えていた。

「あら、それズコットじゃない?ああ、これだ私にも来たわ。」 が二番目の包みを開けながら言った。

なかにはハリーと同じチョコレートクリームでコーティングされたケーキが入っていた。

 「座って、ケーキでも食べない?だって女子寮で残ってるの私だけで退屈なんだもの」 はそういうとどっかと談話室の椅子に腰かけた。

 「ああー、これほんとおいしいわ。ロン、私の分も食べない??」 はにっこりといった。

 「マジ?じゃあ、もう一切れもーらいっと。」ロンは顔をポッと赤くし、ケーキをとった。

 「僕、ダーズリ―の家にいるときこんなおいしいケーキ食べたことないよ。」ハリーはまるで天国にいるような表情をした。

 「ハリーったら。」 はクスクス笑った。

彼女はケーキをかじりながら、次々とプレゼントを空けていった。ハーマイオニ―からのブルーの金版の文字刷りの本

その時、見覚えのない銀色の包みが目に入った。

 
やあ, .

 クィディッチの実況実によかったよ。寮が離れててあまりしゃべれないのが残念だ。

 君が学校に残ってくれて幸いだ。なにしろ僕は君の住所を知らない。そんなわけでマフラーを送るよ。

 休暇中にでもつけてくれたまえ。休暇を楽しめよ。


                            
D・マルフォイ

包みから落ちたカードにはマルフォイの几帳面な筆記体が並んでいた。

「げっ、それマルフォイからの?」ロンが横からうえっと呻いて覗き込んだ。

「やっぱり送ってきたか・・」ハリーも嫌〜な顔をして腕組みをした。

マフラーはスリザリンのシンボルカラーの緑で房に のイニィシャルが掘り込まれていた。

「なんでだろうね。私、あいつが嫌いだし、寮も違うし、そんなに喋ってないし。」

彼女は首を傾げた。

「あっ、それより二人共、クリスマス・プレゼントありがとね。」

はそういうとロンからの百味ビーンズの箱とハリーからの蛙チョコを振って見せた。二人は照れ笑いをしていた。

「ケーキ、ご馳走様。」二人は満足して椅子にもたれかかった。





その晩、ハリーはクリスマスに送られてきた透明マントを使って寮を抜け出した。

「フラメル、二コラス・フラメル・・」ハリーは今、図書館の閲覧禁止の棚にいた。

書棚の影から真っ白な色のペルシャ猫が飛び出した。

煙が上がり真っ白なペルシャ猫が になった。

「わぁ!」「しっ!」ハリーの口を急いで彼女が押さえた。

「びっくりした!ミセス・ノリスかと思ったんだ。君いつから猫に変身できるようになったんだい?」

ハリーは驚いて小声で尋ねた。

「話せば長くなるわ。それよりフラメルを探してたんでしょ?」 が言った。

ハリーが開いた本が叫んだ。

動揺してしまった彼はランプをひっくり返した。すかさず派手な物音に気づいてフィルチの声が飛んできた。

「戻れ!」 はそうつぶやくとすばやく猫の姿になった。

「急げ!」ハリーが猫になった彼女をむんずとつかんで透明マントの中に隠した。




案の定、出口付近でフィルチとすれ違った。そのまま廊下に飛び出した彼はミセス・ノリスを避けながらずんずん進んだ。

だが、運悪く角を曲がったところにスネイプとクィレルに出くわしてしまった。

「なんでよりによってこんな場所で君と会わなくちゃいけないんだ、セ、セブルス。」クィレルは哀願するように言った。

「それではあなたの怪しげなまやかしについて聞かせていただきましょうかな。」スネイプの声は氷のようだ。
 
「先生方、これが閲覧禁止の棚に落ちてました!」フィルチが走ってきてハリーの壊れたランプを掲げた。

「ふむ、まだ暖かい。」スネイプがランプに触れた。

「まだ、遠くまでいっていまい。捕まえられる。」

「それじゃ、失礼します。」そういうとフィルチはスネイプに丁寧に頭を下げ走り去った。

ハリーと は透明マントでスネイプの近くまで来ていた。



「あの三頭犬をどう出し抜くかわかったのか・・まて、」スネイプは急に視線を感じたようにこちらに向かってきた。

柱に隠れているとはいえ、スネイプは確実にハリーの隠れている辺りまで来た。

マントに触れたら確実にばれる。

はとっさにハリーのマントから飛び出し、スネイプの前に飛び出した。

「フン、ただの猫か・・鼠かと思ったが」スネイプはふっと呟くと猫を抱き上げて、クィレルの所に戻った。

「それでは近々、またお話をすることになりますな。もう一度良く考えて、どちらに忠誠を尽くすか決めていただきましょう。」

スネイプは低い声で怯えるクィレルに念を押し、猫を抱いて立ち去った。

ハリーは「どうしよう・・僕の責任だ」と自責の念に駆られたが、まさか助けに行けるわけがない。彼は「無事になんとか逃げてくれ」

と彼女の幸運を祈るとくるりともときた道へ駆け出した。

ハリーは急いで逃げこんだ部屋に置いてあった鏡に気づいた。

そこに近寄るとハリーの家族が写った。

「お父さん?お母さん?」黒色のくしゃくしゃの髪の男性、赤毛の綺麗な女性。

ハリーは以後、ダンブルドアにみつかるまでこの鏡のもとに通いつづけるのである。




休暇中、ある部屋で見つけた「みぞの鏡」を二度と探さないようにとダンブルドアに説得され、それからクリスマス休暇が終わるまで透明マントは

 ハリーのトランクにしまいこまれたままだった。ハリーは鏡の中で見た両親の姿が忘れられず、それがきっかけで毎晩悪夢にうなされた。

 新学期が始まる1日前にハーマイオニ―が帰ってきた。

 「あきれた、あなた三晩も続けてベッドを抜け出したの?それに 、スネイプに捕まったっていうじゃない!」

 開口一番、ハリーと に向けてハーマイオニ―の叱責が飛んできた。

 「いや、あのね、閲覧禁止の棚って普段なかなか探せないから夜中に探してたらとばったり会って、そしたらバッドタイミング!

フィルチが来て僕ら必死で廊下に逃げたんだ。そしたらそこでスネイプがクィレルを脅してた。

怪しげなまやかし、三頭犬を出し抜く方法についてクィレルから聞き出そうとしてた。

近くの柱に隠れて聞き耳を立ててたらスネイプが視線に気づいたのか柱に近づいてきたんだ。

その時 がスネイプの前に飛び出した。

彼女は猫に変身してたからね、スネイプは疑いもせずにそのまま猫をだきあげてクィレルにどちらに忠誠を尽くすのか決めて

いただきましょうっていって立ち去ったんだ。」

そこまでいうとハリーは申し訳なさそうに を見た。



「で? はスネイプになにかされなかった?無事に逃げ出せたの?」ハーマイオニ―が眉根をよせて続きを聞いた。

「ああもう、思い出したくもない!スネイプ先生ったら猫好きみたいで私をしっかりと抱いてたからなかなか逃げ出せなかったの!

そのまま研究室に連れていかれて、あの人が奥にひっこんだ隙をついて人間の姿に戻ってドアを音を立てないように開けて

その後は猛ダッシュよ!

寮の入り口に着くまで生きた心地がしなかったわ。ああん、もう、やだやだ!!」



  はブンブンと首を振って机につっぷした。

「こりゃ重症だな。スネイプから生還したことに感謝、感謝。」ロンが哀れむような眼差しを彼女に向けた。

「でもそれだけやってもフラメルはみつけられなかったんでしょう??」ハーマイオニ―が突っ込んだ。

「そ、こ、で、この本!ちょっと軽ーい読書をしようと思って借りてたやつよ。」

彼女はここでどさっと分厚いくたびれた本をテーブルに置いた。

「これのどこが軽いんだよ」ロンが呆れ果てたように本をめくった。



「これよ!!ニコラス・フラメル、賢者の石の創造に成功した唯一の者!賢者の石はいかなる金属をも黄金

 に変える力があり、飲めば不老不死になる命の源である。」

ハーマイオニ―が問題のページをめくり、厳かに読み上げた。

「このカードを見てくれ」

ハリーがポケットから蛙チョコのおまけカードを取り出した。

「ダンブルドア教授は特にパートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究で有名・・」

「ハリー、これで分かったわ。三頭犬は賢者の石を守ってるに違いないわ!フラメルがダンブルドアに保管してくれって頼んだのよ。

100%間違いないわ。」

が力説した。

「金を作る石、不老不死の石、スネイプがねらうはずだ。だって誰だって欲しいもの」

ハリーがこれで決まりといいたげに締めくくった。







そんなごたごたの中、期末試験のシーズンが到来した。

「ハーマイオニ―、試験はずっと先だろ。」

はいいよね。魔法薬できるんだから。」

ロン、ハリーは勉強している二人にぶつくさいった。 

この二人は優秀な生徒たちでむかうところ敵なしといった勢いだ。

「この寮から次期に首席と次席がでそうだな。」

ロンがちらりと女の子達を見ながら呟いた。



夕食後、ハリーの透明マントの中に四人はすっぽりと収まってハグリッドの小屋に向かった。

ハグリッドが木戸を開け、いぶかしそうに誰もいない戸口を見回したとき、」ハリーは透明マントを脱ぎ捨てた。

「こんな時間になんだ?お前さん達?」ハグリッドは驚き、怪訝そうに四人を見た。

「聞きたいことがあるんだ。」

それから四人はあの手この手で賢者の石を守っているのはフラッフィ―以外で誰かということ、

フラッフィ―は音楽で眠ってしまう弱点があるということを聞き出すことができた。



「ハグリッド、あれ何?」 話が一段落したとき、 がグツグツ煮立っている鍋を指差した。

「あれか?おお、もうすぐ孵るぞ」ハグリッドは鍋の中に入っていた巨大な卵を鍋つかみをつかって取り出し、テーブルの上に置いた。

「ハグリッド、これってドラゴンの卵?」

「そのとおりだ。ロン、みてみろ殻が割れてきちょる。」

ハグリッドが嬉しそうにいった。

パキッと卵が割れ、変な泣き声とともに赤ん坊のドラゴンが生まれた。

「ノーバードやぁい、こりゃすごい、ちゃんとママちゃんがわかるんじゃ。おおっと、あちあち」

ノーバードはハグリッドのとこへとことこやってくるといきなり火を噴いた。

がキャッと悲鳴を上げた。ハグリッドの髪が焦げたかと思ったらしい。

「ところでハグリッド、このドラゴン、どれぐらいの早さで大きくなるの?」

ハグリッドが髭に飛んだ火の粉をかき消すのを見計らってから、ハーマイオニ―が尋ねた。

「誰だ?」ハグリッドが人の気配を感じて窓を見やった。四人もさっと視線を飛ばした。

すると窓の外の金髪に覆われた青白い顔がひっこんだ。

「マルフォイだ!!」

四人は青ざめて叫んだ。



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