戦闘衣に変身して間もないサヤに襲いかかろうとした水兵目掛けて
の鴛鴦斧が乱れ飛ぶ。
「早く木の実を!」
サヤは、自分の上に覆いかぶさる影が消えた瞬間を逃さず、樹によじ登ろうか、どうしようかと
考えあぐねている少年を励ました。
ここでが必死に時間稼ぎをしてくれたおかげで、ようやく星獣剣を引き抜くことが出来た
サヤはお返しとばかりにそれを水兵の頭に叩きつけた。
「届いた!」
が鴛鴦斧でぐいぐい水兵を押していきながら、樹の上にやっとこさよじ登った
子供の姿を見止めて感嘆の声を上げた。
「恭平・・」
サヤはその言葉に心の底から力が湧き上がるのを感じ、さっきより一段と剣を振り下ろす速度が上がっていた。
それから女戦士達は水兵の間を飛び回って、鴛鴦斧や星獣剣を叩きつけまくった。
「もう少し、頑張って!」
剣戟の合間合間に、サヤが向かってきた水兵の腕を押さえ、木登りの苦手な子供を応援する。
サヤが最後の一人を冷静に叩き切り、の鴛鴦斧が軽々と空を旋回して手元に戻ってきた時、
全ては終わった。
ところかわって、広場の噴水前では、デスフィアスが恐怖のあまり腰をぬかした一般人に錫杖を向けているところだった。
間一髪で駆けつけたサヤは、石段の上からジャンプし、牙を放ったが、
三振り目の牙を巧みに押さえられて弾き飛ばされてしまい、噴水の側の人口岩にぶつかった。
つるつるしたタイルの上に落下したサヤは、再び切り裂かれた右足がうずきはじめ、後ずさりし始めた。
「逃げて!」
「そんなんじゃ傷が広がる!」
噴水の間を滑るようにやってきたは負傷した彼女を後ろ手に庇い、鴛鴦斧を油断なく構えて叫んだ。