「それでね・・」

「本当に?」

緑林で覆われた公園内を二人の男女の笑い声がさざめく。

ヒュウガとは爽やかな朝の風を受けて、連れ立って歩いていた。

の髪には彼が贈ったラベンダーの花が留めてあり、彼らの距離は

急速に近づいているかのように見えた。

そんな二人は、公園の噴水のところに座っていた老婆に目を細められ、

「兄さん達、本当に仲が良くってお似合いだねぇ・・」と言われてしまう始末である。

それを聞いたは少し困った顔で笑い、ヒュウガは「そう見えます?」と言って大げさに

照れていた。

「ところでっていったい幾つなんだ?前から気になってたんだけど」

「う〜ん、幾つに見える?当ててみて」

彼女は悪戯っぽく笑って言った。

「そうだな・・サヤより一つか二つ年上ってところかな?」

ヒュウガはまじまじと彼女の顔を覗きこんで言った。

「もし、ハヤテよりかなり年上って言ったらびっくりする?」

「えっ、そんなにいってるのか!?」

「冗談だってば・・」

「なんだ・・もしかして俺より年上かと思ったよ」

ヒュウガはほっと胸をなでおろし、意地悪く笑って言った。

「そういうヒュウガは幾つなのよ?」

「さあ・・ヒカルより一つ上かな〜」

「あ〜っ!!女性に年齢を聞いといて自分は教えないなんて不公平じゃない?」

「こらっ、正直に教えなさい!」とが怒り出したので、ヒュウガはげらげら笑って

彼女の横ををすり抜けて駆け出した。


「あれは?」

ここでヒュウガは周囲を冷たい霧がたちこめているのに気づき、追いかけてきた

を止めさせた。

二人がおそるおそる茂みから顔を覗かせて辺りを伺うと、冷たい霧がさーっと散らされ、

その中から氷の洋弓をかまえた魔人が現れた。

ヒエラヒエラと呼ばれる女魔人は洋弓に矢を番え、砂場で一人遊んでいた幼女目掛けて狙いを定めた。

「やめろ!」

ヒュウガは茂みから飛び出し、体ごと女魔人にぶつかっていくと吹っ飛ばした。

女魔人は「ううっ!」と悲鳴を上げてすっ転び、その隙にがぱっと飛び出した。

、逃げろ!」

ヒュウガは後ろ足を引き、戦闘の構えを取りながら彼女に命じた。

「さ、お嬢ちゃん、早く!」

彼女が幼女の手を取って林の方へ走り去ってしまうと、ヒュウガはブルライアットをベルト

から引き抜いて構えた。

幼女を安全なところまで逃がしてしまうと、は急いで武装して戻ってきた。

が落ち葉を蹴散らして走ってきた頃、黒騎士ヒュウガはヒエラヒエラと向き合っているところだった。

たちまち女魔人の洋弓が引かれ、は慌てて近くの木立に隠れた。

冷たくて速い矢があっという間に二人目掛けて飛んできた。

はぱっと隠れていた木立から離れ、ヒュウガは向かってきた無数の氷の矢をブルライアットで

片っ端から叩き落した。

だが、叩き損ねた矢が左肩に命中し、彼は仰向けにひっくり返った。

「ヒュウガ!!」

がいてもたってもいられない様子で駆け寄ってきた。

「小娘、黒騎士、これでとどめだ!」

鴛鴦斧をしっかりと小脇に抱えた、何とか起き上がろうともがく黒騎士目掛けて

氷の矢が迫った。

絶体絶命のピンチを救ったのは、間一髪で駆けつけたリョウマ達だった。

武装したハヤテは、鴛鴦斧を小脇に抱えて黒騎士に寄り添うを庇い、

その隙に、リョウマが向かってきた無数の氷の矢を星獣剣で叩き落した。














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