ハヤテ達が、サンバッシュと激しい交戦を続けている最中、一人の男が崖に立った。

それは紛れもなくあのヒュウガだった。

彼は「リーダー、宝箱を手に入れましたぜ!」と声高らかに叫び、堂々と箱を

掲げた。

それを見たサンバッシュは「よくやった!」と頷き、反対にハヤテ達は大ショックを受けた。

「お前ら、まんまと騙されてくれたな!」

サンバッシュはにやにやして言った。

「それじゃ、あそこにいるヒュウガは偽者?」

サヤのショックが一番大きかったことは隠し切れない。

ヒュウガはこれが面白くてたまらないらしい。

「おめえらもよっぽどめでてえな。奴の兄貴が生きてるわけねえだろうが!」

「おっと!」

どこからか鴛鴦斧の一片がすさまじいスピードで風を切って飛んできた。

ヒュウガはそれを間一髪で避けて、黒いざらざらとした岩につきささった鴛鴦斧をちらと眺めた。

「これですむと思うな。お前だけは絶対に許さない!!」

騙されたと知った氷の精の怒りは半端ではない。彼女の心は血の涙を流していた。

「へっ、氷の精の姉ちゃんよ、そんなにくやしいか?俺が本物でなかったことが!」

「ほら、こいつは返してやるよ!受け取りな!」

ヒュウガは切り裂くような笑みを浮かべて、鴛鴦斧を岩肌から引っこ抜き、左側のごつごつした

岩肌に隠れていた目掛けて投げ返した。

はさっと避けて、隠れていた場所から飛び出したが、代わりに先ほどまでいた黒い岩が砕け散った。

「いつまでヒュウガの姿をしてるつもりなの?さっさと正体を現さなきゃお前を叩き切る!!」

ストンと黒い岩の上に降り立ったは耐え難い怒りに打ち震えながら言った。

「それもそうだな。ばれちまったからではな!」

途端にヒュウガの目がぎらりと光り、次の瞬間、あの優しいヒュウガとは似ても似つかぬ

ゴギブリみたいな大男が現れた。

「おい、クリンジー!早くそいつを渡しな!」

待ちきれなくなったサンバッシュは崖下から大声で叫んだ。

クリンジーが喜んで宝箱を渡そうと片手を上げたとき、右側からリョウマが体ごと

大男にぶつかって押し倒した。

「リョウマ!」

はびっくりして大男ともみ合いになっているヒュウガの弟を見て

叫んだ。

クリンジーは衝撃で宝箱を取り落とした。

それを見事にキャッチしたヒカルは「なんだか知らないがもらっとくぜ!」と

ガッツポーズを決めた。


「お前だけは許さない」

リョウマもと同じ意見らしかった。

彼は戦闘衣に変化し、クリンジーを真っ向から睨みつけた。

「喜んで手を貸すわよ、リョウマ。こいつだけはどうしても許せなくてね・・」

鴛鴦斧のワイヤーをひゅんひゅん振り回しながらは呟いた。

挟み撃ちにされたクリンジーは焦った。

「この死に損ないが!!」

怒り狂った彼はまず、リョウマに襲いかかって鋭い爪でダメージを与えた。

リョウマは黒い岩を転がると、起き上がりざまに炎のアースを放った。

リョウマは星獣剣を抜いて引き続き切りかかっていたが、やばいと

思ったクリンジーは岩肌に隠れた。

「どこだ?」とリョウマとがきょろきょろしていると、足下から白煙が勢いよく

噴出し、リョウマはあっという間に投げ飛ばされてしまった。

クリンジーは牙をむき出し、倒れたリョウマに襲いかかろうとしたが、背後から

が放った氷のアースに阻まれた。

「貴様・・」

クリンジーは恐ろしい顔をして振り向いた。

!」

リョウマは本能的に危険を感じて寝転がったまま叫んだ。

クリンジーは重たい体を揺り動かして走っていき、野獣のごとくに襲いかかった。

彼の大きな爪が彼女目掛けて振り下ろされたが、稲妻型のぎざぎざした鴛鴦斧で彼女はそれを

はっしと受け止めた。

「人間じゃねえだけあって、奴より手ごたえはあるな」

「だがよう・・これでおしめえだ!」

「うあっ・・」

接近戦ではクリンジーの馬鹿力にかなう筈がない。

彼女は鴛鴦斧ごと、クリンジーの開いた腕で吹っ飛ばされ、黒い岩にしたたか体をぶっつけた。

!」

リョウマは怒りに任せて走っていくと、星獣剣で背後からクリンジーに切りつけた。

彼はそのまましばらくクリンジーとやりあっていたが、ついに巨大剣で弾き飛ばされて

仲間がサンバッシュとやりあっている木立の立ち並ぶ林へ落ちてきた。






悪役ヒュウガのあのひっくり返ったような笑い方が大好きです^^

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