その言葉どおり、ピーター・ぺペンシーは二度とに出会うことはなかった。
その後、一世は衣装箪笥の向こうの世界に帰ったぺペンシー四兄妹の後を継ぎ、
赤い魔女としてナルニアを上手く治めていたが、征服者達によるケア・パラベル城陥落の前に亡くなった。
以降、ナルニアは征服者であるテルマール人の王国となり、の子孫達はケア・パラベルの王座から追われた。
そして、彼らはナルニアの住人達を引き連れて、森で隠遁生活を送ることとなった。
特に六世の怒りは激しく、ナルニア人達が暮らす森に強力な魔法をかけ、
興味本位で森に踏み入ろうとした征服者達をことごとく抹殺した。
以降、征服者達はこの森を「呪いの森」と呼んで恐れるようになり、どんな屈強な武人でさえ
近づかなくなった。
そんな中、ようやくカスピアン九世の弟であるミラース卿が実権を握り、
七世(初代と最も容姿が似ていると言われた)が森の主となった頃、
城を追われたカスピアン十世の乳母(小人の混血である)から、現在のテルマール国の跡目争いについて
聞かされた彼女はこれに興味を持つようになった。
一方、その乳母から「森の貴婦人」である彼女の存在を知ったコルネリウス博士(カスピアン十世の家庭教師。小人とテルマール人との混血)は
ミラース卿に隠れて、密かに彼女と連絡を取り合い、万が一の時は王子を森に匿うことを約束を交わした。
最初は渋っていた彼女だったが、博士の姪として城に潜入し、実際のカスピアンの人となりを見てからは
この若き王子の境遇に同情し、ナルニアに好意的なテルマール人の彼を王位につけようと画策するようになった。
ここ、ナルニア国に七世とカスピアン十世による新しい時代の幕が開かれようとしていた。
ナルニア第一部〜ライオンと魔女ようやく終了です。
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