この戦、絶対に負けるわけには行かない。
今、は気を引き締めてジェイディスと剣を交えていたが、
なかなか決着がつかないでいた。
「どうした?不利ならばその錫杖を振るい魔法を使ったらどうだ。果たしてそのざまで私に勝てるのか?」
余裕綽々で二つの長剣を大きく振るう白い魔女は言った。
「錫杖を持たないものに魔法は使えない。余計なお世話よ!」
むっとしたは一方の短剣で魔女の長剣を跳ね除け、
もう一方の逆手に持った短剣で切りかかった。
白い魔女は大柄な上、力も強く、スーザンより少し背丈の高いだけの、力はさほど強くないは
先ほどから苦戦を強いられていた。
「いい加減にあきらめたらどうだ、!」
白い魔女は容赦なく二つの長剣を振り回しながら、二つの短剣を持って立ち向かう
赤い魔女を追い詰めていった。
「そっちこそ、降伏して全てをアスランに帰しなさい!私は今までのように甘くないわよ!」
赤い魔女は追い詰められはしていたが、まだ動物的勇気までは失っていなかった。
彼女は短剣二つを、魔法で、素早く少し長めの剣へとつなぎあわせると一つになった剣で
姉の間合いに入り込んでぐいぐいと押していって攻め込んだ。
彼女は逆手に持った短剣を振るい、踊るように切り込んでいった。
こんな殺伐とした瞬間にも、彼女の子馬の尻尾のような黒いポニーテールが揺れるたびに、やきもきしながら戦いを眺めていたピーターの目には
それが一対の絵のように映った。
業を煮やした姉の力強い一撃でとうとうは吹っ飛ばされた。
今を逃すかと仰向けに倒れた目掛けて二つの長剣を振り下ろそうとした
白い魔女だったが、起き上がる反動で二つの長剣の動きを封じようと
したに足技をかけられた為、自らも吹っ飛ばされてしまった。
しばらくして白い魔女はくやしさに歯をぎりぎりといわせ、何とか体勢を立て直して
憎き妹を叩き切ろうとしたが、そうはさせぬとの目の前に立ちはだかった
ピーターに邪魔をされてしまった。
「おのれ・・お前ごとき小さき王が邪魔をするか・・このままナルニアの王座にのぼれると思うな、ピーター・ぺペンシー」
白い魔女は冷たい怒りに打ち震え、勇ましく長剣と盾を振り上げて突っ込んでいった
ピーターを容赦なく二つの長剣で攻めていった。